
【厳選】リスティング広告運用代行におすすめの代理店9選|選び方・大手・費用相場も解説
Web広告
最終更新日:2025.02.20
本記事は、リスティング広告について網羅的に理解するための教科書的なコンテンツです。
基礎的な理解から始め方、運用まで幅広く解説しています。
目的によって読むべき道筋が変わる分岐型の記事となっておりますので、関係する部分のみを読むことをおすすめします。
※編集部注:この記事は、2021年6月に公開された記事を加筆・修正したものです。
リスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPAN、Microsoft bingなどの検索エンジンの検索結果画面(SERPs)に表示されるテキスト形式の広告のことです。
検索語句に反応して広告が表示されるため、「検索連動型広告」とも呼ばれています。
リスティング広告は基本的に、アイコン+サービス名+サイトURL+見出し+説明文で構成されています。
また、リスティング広告では「広告アセット」を追加することによって、+αで情報を付け足すことが出来ます。リスティング広告の配信イメージを付けていくためにも、まずはアウトプットを知っておくことが大切です。以下で広告アセットを追加した際のリスティング広告の見え方をご紹介します。
リスティング広告の掲載位置は主に検索結果画面の上部と下部です。この時、複数の広告が順番に掲載されます。
ではリスティング広告を出稿したいと思ったとき、お金を払うだけで掲載されるのでしょうか?また、好きな位置を選んで掲載できるのでしょうか?
ここではリスティング広告の掲載の仕組みを解説していきます。
リスティング広告の掲載順の決定にはオークション制が採用されています。
リスティング広告のターゲティング(広告を配信するターゲットを定めること)はキーワード選定を行うこととほぼ同義です。検索行動は特定のニーズが発生したときに行われるため、その検索語句に対して広告を配信したい。つまり、広告を配信したいキーワードを決めることがターゲティングになるんですね。
この時「検索語句」に対して、当然複数の広告が掲載されたいと思いますよね。
しかし、掲載枠には限りがありますので、順番を付けて優先的に掲載していく必要があります。そこで、オークションの仕組みを利用して、掲載の優先順位を決めているのです。まずは、特定の検索語句で検索が行われたときに、該当するキーワードを登録している広告が抽出されます。
この時、オークションに参加した広告たちには「広告ランク」という得点がつけられ、広告ランクの高い順に掲載されていくことになります。掲載されるために必要な広告ランクに達していない場合、広告は表示されません。(今回の場合、最低限掲載されるのに必要な広告ランクが50だとすると、広告Dと広告Hはそもそも掲載すらされないということになります。)
広告ランクは、大まかに6つの要素によって決まるとされています。
これらはより細かい話になりますので、本記事では割愛します。詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
リスティング広告は別名PPC広告(pay per click)と言われるように広告が表示されただけでなく、クリックされたときにだけ広告費用が発生するクリック課金方式が基本です。
そのため、理屈上は「クリックするユーザー=何かしらの興味があるユーザー」に対してのみ広告費を支払う課金システムですので、無駄な広告費をかけずにプロモーションが行えます。
ただし、実際は比較検討の最中に何の気なしにクリックするユーザーや、誤クリックで流入してくるユーザーも一定数存在しますので、このあたりは運用によるチューニングが必要になります。
上記で述べたように商品・サービスを検索している購買意欲の高いユーザーにのみ広告表示が可能なため、高い成果がすぐに期待できます。自然検索と違い、意図的に上位表示も狙うことができるため、確度の高いユーザーの目にふれるチャンスを増やすことができます。
広告の開始・停止作業はボタンクリック一つで行えるため、CMや看板広告と違い、簡単に開始・停止が可能です。配信を伸ばしたい、停止したいという希望に早急に応えることができます。
現在、何回広告が表示され、クリックされ、購買などに至っているか、いくら費用使用しているかがほぼリアルタイムで把握できます。すぐに良し悪しが判断できるため、次の施策が立てやすいです。
定量的なデータをもとに広告の良し悪しが判断できPDCAを回していくことで広告の最適化を図ることができます。
また、Google、Yahoo! JAPANの配信ロジックを理解し、推奨される配信手法を行うことでどんどん広告の最適化を図ることが出来ます。
運用型広告と対の概念にあたる「純広告」では広告枠を一定期間買い切る形になるので、広告が掲載されたあとにターゲティングやクリエイティブを変更するということはできません。
リスティング広告では、キーワードや広告文をはじめとする様々な運用レバーを調整することで効率的な広告成果を追及することが可能です。
インターネットを使用しているユーザーが対象であり、その中でもターゲットを絞って配信を行うので、老若男女問わず誰に対しても広告配信することは難しいです。リスティング広告ができる範囲を把握し、目的を考え実施しましょう。
広告がクリックされるたびに課金されるのですが、課金の対象となるのは広告表示に至った検索キーワードとなります。キーワードによっては、1クリックで千円を超えるものもあるため、配信するキーワードは事前に綿密に考える必要があります。
第2章では、リスティング広告とよく比較されるSEOとの違いや関係を解説していきます。
リスティング広告とSEOはどちらも検索ブラウザ上で行われるマーケティング施策です。検索結果画面上での見え方が似ていたりと共通点も多くあるために比較されることが多いのでしょう。
まずは、リスティング広告とSEOの違いを比較していきましょう。
リスティング広告は、一定の費用をかけることで短期的な集客を増やすことができます。特に、顕在層に対してアプローチする手法であるため獲得効率も高く、十分な予算がある場合には費用対効果も高くなりやすい手法と言えるでしょう。
リスティング広告は顕在層に対しての効果が高い一方で、潜在層に対しての効果は薄く、検討進度を促進させることも得意ではありません。そのため、リスティング広告だけでは成果が頭打ちになることも理解しておく必要があります。
また、リスティング広告をはじめ広告施策(ペイドメディア)全般に言えることですが、配信・運用を止めると流入や広告効果も止まってしまう掛け捨て型の集客手法であることにも注意が必要です。
SEOの最大のメリットは、コンテンツが自社のWebサイトに蓄積されていき、一度流入やコンバージョンが獲得できれば継続的な獲得が見込める点です。中・長期的に取り組んでいくと1流入あたりにかかるコストが低くなるというメリットもあります。
一方で、SEO対策はしっかりとしたリソースを確保していないと十分な効果が発揮できないというデメリットもあります。また、短期的な流入やコンバージョンの獲得には向かず、ただただWebサイトの運用をしていれば自然とユーザーが集まってくるようなものでないことには注意が必要です。
それぞれの得意・不得意を話してきましたが、それぞれやるに越したことがない施策であることは言うまでもありません。
よくリスティング広告とSEOどっちがいいかという文脈での比較が行われますが、それぞれの相乗効果というのもあります。
例えばですが、SEOで上位表示しづらいキーワードをリスティング広告で獲得したり、逆にSEOでCVにつながるキーワードでの上位表示ができていることで、リスティング広告では効果の高いキーワードのみに絞った配信をしたりすることもできます。
また、間接的な因果ではありますが、リスティング広告等のWeb広告を配信することで指名検索(社名を直接検索すること)が増え、SEOにも良い影響を及ぼすこともあります。
Web広告にはリスティング広告のほかに、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告などの様々な手法があります。
これらの大きな違いは、「どの状態の」「誰がいる」「どこに」「何を」見せるか、であると考えます。そのため、それぞれ目的やターゲット、商材/サービスによって発揮する効果もどれを使うべきかも変わるということです。
例えば、リスティング広告であれば「ニーズが顕在化していて」「比較・検討が発生する商材・サービスを求めるユーザーがいる」「検索エンジンの検索結果画面に」「テキスト型の広告を」見せる手法です。
一方で、SNS広告であれば「ニーズの顕在度合がばらばらな」「受動的にコンテンツを消費している20代~30代のユーザーがいる」「SNSのタイムラインに」「縦型ショート動画の広告を」見せる手法である、などと考えられるでしょう。(もっと色々なシチュエーションが考えられますが、わかりやすさのためにシンプル化しています。)
それぞれの要素をより具体的に考えていくことによって、媒体(GoogleやYahoo!など)が絞られたり、キャンペーンが絞られたり、クリエイティブの種類が絞られたりしていきます。
このようにWeb広告の中でも様々な用途によって適切な手法・媒体を選定し、運用をしていくことが重要になります。
リスティング広告を配信できる広告媒体は主に3種類あります。Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告の3種類です。
本章では、配信媒体によって何が変わるのかを紹介していきたいと思います。
まず一番異なるのはユーザーです。特に、ユーザー数という面では圧倒的にGoogleが優位と言えます。
引用:Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
上図は2024年(1月~11月)の日本における検索エンジンのシェア率です。Googleが約80%のシェアを持ち、次いでYahoo! JAPANとMicrosoft bingが10%前後のシェアを持つ関係となっています。
引用:Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
また、デバイス別にシェア率を見てみると、デスクトップではMicrosoft bingの検索が約19%、モバイルではYahoo! JAPANの検索が約14%とデバイスごとに2番手のシェアが変わっています。
Windowsの標準ブラウザはMicrosoft Edgeであり、デフォルトの検索エンジンはMicrosoft bingです。ディーアールエス株式会社によると企業が最も利用しているOSはWindowsと答えたユーザーが92.6%(n=400)であったことから、業務時間中のPCの利用ではデフォルトの検索エンジンを使っているユーザーが多いのではないかと推測できます。(2023年12月の調査)
引用:Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats
また、Yahoo!においてはもともとのユーザー数が多かったことから、減少傾向ではあるものの一定数の利用者がいることが考えられるでしょう。
ユーザー数という観点で見ると、リスティング広告の配信にあたって最優先の媒体はGoogle広告といえるでしょう。また、Yahoo!やMicrosoft bingの利用者を取りこぼさないためにも複数媒体での配信を検討する必要もあります。
また、BtoB向けの商材/サービスを取り扱っている場合はMicrosoft広告に力を入れるなど、媒体特性を理解した予算配分が求められます。
Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告のリスティング広告はそれぞれGoogle、Yahoo! JAPAN、Microsoft bingの検索結果画面に配信されます。
また、Google広告とYahoo!広告にはそれぞれの検索パートナーサイトの検索結果にも広告が配信されます。例えば、GoogleであればBIGLOBE、goo、価格.comなどに配信され、Yahoo!であればexcite、Sleipnir、vectorなどが挙げられます。
最後に機能の違いです。
大きな機能の違いはありませんが、特にリスティング広告においては使える広告アセットの種類が異なります。その他にも文字数制限の違いなど、細かい違いはあるものの特筆するほどの違いはないでしょう。
ここまでで、リスティング広告とそのほかの施策、リスティング広告の配信媒体など様々な比較を行ってきました。
本章では、リスティング広告はどのような商材/サービスと相性がいいのかを紹介していきます。
客単価の高い商材/サービス(不動産、車、旅行、PCなど)は獲得単価(CPA)に対して利益率が高くなりやすいため、向いていると言えます。
また、客単価は低くても、一回の購入からリピート購入が見込める商材/サービス(健康・美容系、食品など)や、月額制の料金形態で長期的な契約を得ることでLTV(顧客生涯価値)が高まる商材/サービス(教育サービス、ジム・フィットネス、求人など)も相性が良いと言えるでしょう。
一般的に、ユーザーはニーズが顕在化したときに検索行動を起こします。
昨今ではユーザーの検索行動は多様化しており、必ずしも検索ブラウザを介した検索をしなくなりました。よって、検索ブラウザを用いて検索行動を起こす可能性が高いと考えられる商材は相性が良いと言えます。
例えば、20代向けのアパレル商材の場合、服が欲しいというニーズをもって行う検索行動はInstagramなどのSNSやWEARなどのファッション系アプリ、YouTubeなど多様化していると考えられます。ここからは優先度の問題ですが、リスティング広告を配信するかSNS広告を配信するのかは検討が必要です。
競合他社がリスティング広告を継続的に配信しており、商材/サービスの品質に大きな差がない、または別の強みがある場合には、自社もリスティング広告を配信することで結果を出せる可能性が高いです。
また、競合と比較して自社の方が認知が進んでいる場合も相性が良いでしょう。
例えば水漏れ、鍵のトラブルなどの緊急性が高い商材/サービスはニーズが顕在化したときに比較・検討をする時間が短くなりやすいため、すぐさま制約につながる傾向があります。このような緊急性が高い商材/サービスもリスティング広告との相性が良いです。
ここまででリスティング広告とはどのようなものか、概念的な部分は理解できたかと思います。
本章では、リスティング広告を行うにはどのくらいの費用が必要で、どのくらいの利益が見込める施策なのかについて解説していきます。
リスティング広告をはじめWeb広告は、マス広告と比較すると安価で出せるという特徴があり、特に運用型広告はかなり柔軟に費用を調整できるという特徴があります。
中でもリスティング広告は顕在層に対して広告を出す施策であるため、費用対効果は高いと言えるでしょう。
ではリスティング広告に広告費を多くかけていれば良いではないかと思いますが、そんなことはありません。リスティング広告だけで上げられる売上にはある程度の上限があり、顕在層がいなくなるにしたがって徐々に費用対効果は薄れていきます。
ですので、その上限を超えた売り上げを創出していくためには、中長期的な目線をもって認知向けの施策やリピート購入を促す施策との併用が必要になると考えておくとよいでしょう。
リスティング広告の広告費の相場は一般的には月額20万円~50万円と言われています。一方で、月額100万円~数千万円以上の費用を利用される広告主の方まで幅広く存在するのも事実です。
Wordstreamの調査によると、2024年のGoogleのリスティング広告における1CV(コンバージョン)あたりの費用は平均約1万円だということが分かっています。商材/サービスや業界によって必要となる費用は変わりますが、一つの目安として知っておくとよいでしょう。
実際に予算を決める際には以下のいずれかの方法を用いて、目標から逆算して決めていくことになります。
PCやアパレル商品、買い切り型のサービスなど、広告でのCVがそのまま売上になる商材/サービスの場合は「得たい利益から逆算」で予算を求める方法でよいでしょう。
一方で、塾やフィットネスなどで来店予約がCVポイントである場合やサブスクリプション制のサービスでその後の契約年数で利益が変動する場合などは、純粋な利益からの逆算ではなく、その一歩手前のCV数を目標に置くことになるでしょう。こういった場合には「獲得したいCV数から逆算」で予算を求める方法をおすすめします。
用語解説~CVとCVポイント~
CV(コンバージョン)とは、広告を通して達成したいゴールのことを指します。CVポイントはそのゴールをどこに設定しているかです。
例えば、新作のセーターを広告で売りたい場合、CVポイントは「購入」になり、1回購入されることを1CVと言います。
一方、塾が入会を目標として広告を配信する場合、CVポイントは「資料請求」「体験授業申し込み」「初回面談申し込み」「入会」と様々に設定することが可能です。「体験授業申し込み」をCVポイントとして設定した場合、CVが意味するのは「入会」ではなく「体験授業申し込み」になります。
リスティング広告をはじめ、運用型広告では「予算=費用(広告費)」ではありません。実際の運用の中で、最終的にかかった費用と予算にはズレが生まれます。
リスティング広告はクリックが発生したときに費用が発生する「クリック課金方式」を採用しています。裏を返せば、クリックされるまでは費用が発生しないという仕組みです。
そして1クリックあたりの課金額のことを「クリック単価(CPC)」と呼び、広告費は以下の式で決まります。
広告費 = クリック単価 × クリック数
このように、実際にかかる広告費はクリック単価とクリック数に依存するため、必ずしも予算とイコールになるとは限らないのです。
リスティング広告の予算の決め方や費用の決まり方についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
結論からお伝えすると、予算50万円以内で考えているのであれば、まずは20~30万円程度で自社運用をすることも良いと思います。なぜなら、少額運用の場合、代理店を利用する恩恵を感じづらいからです。
代理店による運用では、様々な知見を活かして、より多くの検証やPDCAを回すことで広告運用を最大化させるための施策を打ちます。しかし、予算が少ないとそもそもできることが限られていて、代理店の知見を発揮しきることができない可能性があるのです。
また、いきなり自社運用を始めるのではなく、まずは少額で代理店に運用を任せてみて、ある程度運用の知見やノウハウを吸収してから自社運用に切り替えるのもおすすめです。また、代理店利用で成果を感じるのであればより実力のある代理店に切り替えても良いですし、自社運用にも代理店運用にもどちらにでも対応できる点からも、少額での代理店の利用は良いと考えます。
懸念点として挙げられるは、30万円以下の代理店運用だと依頼しても手を抜かれやすい、新人社員が担当となりやすいなどの部分です。章末で紹介している記事では少額運用におすすめの代理店を紹介していますので、是非参考にしてみてください。
50万円以上で運用していく場合は、代理店による運用代行がおすすめです。運用の難易度と広告費は必ずしも比例しませんが、失敗のリスクが大きくなることや細かいPDCAや精度の高い分析、運用などの代理店の運用代行によるメリットを感じやすくなることからも代理店を検討することをおすすめします。
リスティング広告の代理店について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
本章からは、実際にリスティング広告を始めるまでの進め方を解説していきます。
予算が決まっていることを前段として、ここで紹介する始め方は3ステップです。間でシミュレーションをはさむこともありますので、おまけでシミュレーションについても少し触れます。
リスティング広告を始める際には、戦略設計が重要です。具体的には、目的の設定と3C分析を行います。
リスティング広告を配信していく中で、最終目標(KGI)に対して中間指標(KPI)を設定して様々な施策を打っていきますが、ここの設定が曖昧だと管理画面上の数字遊びだけをするような運用になってしまいます。
また、戦術部分にあたるアカウント設計の際にも重要になってくるのが3C分析です。自社の強みは訴求文の作成にもつながりますし、競合の状況によって戦うべき戦場(キーワードや媒体)は変わります。市場やユーザーによってはそもそもリスティング広告が最善策出ない可能性もありますので必ず事前に調査を行いましょう。
続いてアカウント設計です。リスティング広告のアカウント設計はいわば戦術部分です。具体的にどんな広告を、どこに、どのように配信するのかを決める重要な部分となります。
リスティング広告のアカウント構成はアカウント>キャンペーン>広告グループ>キーワード、広告文の4階層でできており、アカウント設計は「キーワード+広告文」という最小単位をどのようにグルーピングしていくかを考えていく工程だと考えます。
基本的にアカウント構成はシンプルな設計にすることが推奨されています。もちろん運用していく中で細かい調整は必要ですが、「なんとなく」や「事例を見たからやってみた」という理由でアカウント構成を決めないように注意が必要です。アカウント構成に正解はありませんが、必ず”意図”を持った構成にするようにしましょう。
PLAN-Bが考えるアカウント設計に関しては以下の記事で詳しく解説しています。これからアカウント設計を行う方は是非参考にしてみてください。
また、広告文やキーワードはユーザーありきで決まるものです。ユーザー目線で動線(ユーザーの動き)を考えて、ユーザーに合わせた導線(ユーザーの求めるところに必要な情報)を作る必要があります。そのためには、ペルソナ設定やカスタマージャーニーの作成がおすすめです。
第11章では事例の紹介とともに、どのように戦略設計やペルソナ設定、カスタマージャーニーを考慮したキーワード選定を行っていくのかも簡単に紹介しています。
アカウント設計まで完了したら、アカウント開設を行い、実際に入稿していきます。ここからは実際に管理画面での作業です。
主な流れは以下の通りです。
詳しい始め方や入稿手順を知りたい方は、以下の記事で画像付き解説をしていますので参考にしてみてください。
戦略設計フェーズ、施策立案フェーズ、運用フェーズのそれぞれでシミュレーションを行うことをおすすめします。
シミュレーションは予算の妥当性、目標CV数の妥当性などのチェックや運用時の効果検証の判断材料としても有用です。
詳しいシミュレーションの作り方や使い方は以下の記事をご覧ください。
ここまではリスティング広告を配信するまでの部分を解説してきました。
本章では運用を開始したあと何をするべきか、どのような流れで運用が進んでいくのかを時系列で解説していきます。
運用開始後に目指す姿は、安定的に意図した検索クエリを安く多く獲得している状態です。
まずは以下の2点をチェックして、ノイズを排除していきましょう。
特にインテントマッチなどを使っている場合、どうしても意図しない検索クエリの流入が入ってきてしまうのは避けられません。最初のうちは骨の折れる作業ですが、約1週間を目安にすべての検索クエリをチェックして不必要なキーワードを除外していきましょう。
また、検索クエリと同時に注視しなければならないのが予算によるインプレッションシェアの損失です。
用語解説~インプレッションシェア~
インプレッションシェアとは、広告が表示可能だった回数に対して、実際に表示された割合のことです。
リスティング広告に限らず、広告はまずは見てもらわなければ何も始まりません。この大原則を前提とすると、インプレッションシェアの損失があるというのは機会損失ということになります。
インプレッションシェアの損失が発生してしまう要因は大きく2つ挙げられます。
このうち2の「一日の予算が少ない」という問題は少ない工数で解決することができます。
予算によるインプレッションシェアの損失が起こっていたとしても、多くの企業は「じゃあ広告費をあげよう」とはならないでしょう。この場合、日予算に収まる適切な入札単価まで調整し、結果的に最大インプレッションとクリックの獲得を目指す方法をおすすめします。
ある程度ターゲット層に近い流入を多く獲得できてくると、1週目以降くらいからは徐々にCV(コンバージョン)も出始めます。
あえて「良いトコロに寄せる」と記載していますが、
などで差がつき始めるのもこのころです。
まずは細かい調整というよりは、大きく予算配分を動かしてください。これだけで全体のパフォーマンスが良い方向に向かっていくはずです。
2週目以降になると、インプレッションやクリックのデータもたまってきていて、広告クリエイティブの検証が出来るころです。
この時、難しいのがクリエイティブの良し悪しの判断基準です。まずはインプレッションが出ていないクリエイティブを停止してください。
極論、停止をせずとも媒体のシステムが成果の良い広告クリエイティブを判定して表示させてくれるのですが、アカウント内が煩雑にならないためにも思い切って停止をしてしまうことをおすすめします。
また、広告クリエイティブの検証は一度やって終わりではありません。その後も継続的に検証し、徐々に成果を改善していく必要があります。
最初のうちは地道な作業ですが、どこかのタイミングでCV(コンバージョン)も獲得できるし、獲得単価も安いというような「勝ち広告クリエイティブ」が出てくるタイミングが必ずあります。
根気強く検証を続けていきましょう。
ここまでくると、ある程度「良いトコロ」に寄せて、良い広告クリエイティブを見せて集客できている状態かと思います。
この先注意しなければならないのが、管理画面上で計測できているCVがどれだけ事業にインパクトしているかです。
管理画面上でのCVは増えていて獲得単価も順調に改善しているとき、ECサイトであれば売上に対する費用対効果、資料請求や問い合わせを目的としたWebサイトであれば営業部門への実際の問い合わせ状況への質の確認が必要になってきます。
事業の成果ベースで、2か月目以降アクセルを踏むべきか否かを早めに判断しておきましょう。
また、この時点でCVがまったく出てないという場合は要注意です。そもそものサービスに問題があったり、Webサイト・LP(ランディングページ)の記載内容またはユーザービリティに問題がある可能性が高いです。
バケツの底に穴があいた状態で集客をしていても、広告費の垂れ流しにしかなりません。一度広告を止めることも視野に、全体の戦略から見なおしましょう。
ある程度の効果は見えているが目標には満たない場合、その達成度合いにもよりますが基本的には1週目以降の内容を愚直に繰り返していくことが大原則です。
また、(あくまで、流入施策の質が担保されているという前提ですが)一般的にCV(コンバージョン)に近い箇所から見なおすことが獲得効率向上への近道とされています。広告のリンク先となるWebサイトのコンテンツやLP(ランディングページ)を見なおすことも検討しましょう。
◆ネクストアクション1:自動入札の導入を検討
仮にここまで手動入札で運用をしてきた場合は、自動入札の導入を検討してください。一般的に過去30日でCVを30-40件獲得できていることが、自動入札機能がうまく働く条件とされています。
最近のリスティング広告は、自動入札機能を利用することが当たり前になってきています。PLAN-Bで運用している広告アカウントでも、自動入札導入後に大きく成果を伸ばす事例を何度も見てきました。
自動入札機能は試してなんぼです。もし導入の条件を満たしているのであれば、まずは一部のキャンペーンなどから試験的に自動入札を試してみてください。
◆ネクストアクション2:管理画面上の数字の改善は継続しつつも、マーケティング施策全体視点での最適化へ
など、リスティング広告以外の施策に目を向け始めましょう。
また自社で運用している場合は、自らの作業を自動化したりルール化したり、誰もが継続的に成果を上げられる仕組みを構築していくのもよいでしょう。
1か月運用をしてアカウントの分析を行いたい方は以下の記事がおすすめです。
また、改善のための具体施策を知りたい方は以下の記事がおすすめです。
弊社PLAN-Bの広告運用者に聞いた運用者が持つべきマインドセットを3つご紹介します。
Google広告、Yahoo!広告などのリスティング広告は、それ自体は誰でも使えるオープンな広告配信ツールです。
しかし、そこには様々な設定や機能などのルールが存在します。いわば競合他社も自社も同じ土俵で戦っているこの状況では、「いかに戦う場所のルールを理解し武器を使いこなすか」がその後の成果を大きく左右します。
この記事で紹介しきれなかった考え方や機能も存在します。日々のアップデートにもアンテナを張りながら、色んな機能を使い倒してこそ広告の成果も上がっていくと考えています。
リスティング広告の運用において、「入札」や「予算管理」というのはかつてそれ自体が広告運用者のメインの仕事として語られる時期もありました。しかし様々なツールや自動化の機能が拡充してきた現在では、それだけをしていては単なる「広告調整者」です。
LP(ランディングページ)の改善、タグを使った高度なトラッキング、キャッチコピーの立案など、広告運用者がパフォーマンスを発揮できる場面は、すべて広告運用の仕事として捉えていきたいですね。
広告運用者の仕事をしているとCV(コンバージョン)の獲得やCPA(獲得単価)の削減そのものが目的になってしまう例も少なくありません。しかし、あくまでリスティング広告は集客施策の一手段、一チャネルにすぎません。
つねに売上などの最終的なゴールを意識して運用し、本当の意味での成果の最大化を目指すべきではないでしょうか。
リスティング広告で成果を出す運用のコツについて知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
この章では、弊社の広告運用コンサルタントに聞いた、リスティング広告の運用を成功させるための5つのポイントを紹介していきます。
リスティング広告におけるCV/CPA改善には、まず正確なコンバージョン計測が不可欠です。
基本的な内容ではありますが、現在はCookie規制に伴い高度なCV計測手法も各媒体で登場しています。
コンバージョントラッキングを導入することで、タグの設置や設定ミスを避け、複数のCVアクション(購入、問い合わせ、資料請求など)におけるCV計測を行い、価値を正確に可視化できます。
全てのCVが同等の価値を持つわけではありません。例えば、ECサイトであれば、5,000円の商品による1CVと50,000円の商品による1CVでは事業へのインパクトの大きさは一目瞭然です。
「顧客価値に基づく入札調整」を導入することで、自社のKGIに繋がりやすいCVが多く獲得できるように、入札調整を行い効率化を図ることができます。
契約型のサービスやリピート購入されやすい商品では、LTV(顧客生涯価値)の高いユーザーへより積極的に入札を行うなど、CVアクションの価値を考慮した入札戦略でCPAの最適化を図ります。
広告文やバナー、LPを定期的にテストし、CVに繋がりやすい訴求やデザイン方法、メッセージを突き詰めましょう。
反応の良いクリエイティブを作り配信することで、CTRやCPC、CVRを改善、結果的にCPA抑制に繋げることが可能です。
クリエイティブを検証するためのABテストについては以下の記事で解説をしています。
成果に結びつきにくい検索語句(検索クエリ)や属性(配信地域、年齢層など)を除外し、効果の高いターゲット層に予算を集中させましょう。
無駄なクリックを減らし、反応の良いところに配信する予算を寄せることでCPAを改善します。
リスティング広告単独での改善に留まらず、SNS広告やメールマーケティングなど他のマーケ施策とのデータをGA4や外部ツールを用いて横断的に分析しましょう。
複数チャネルを通して顧客行動を把握することで、リスティング広告を単独で配信・分析した時よりも効率的な予算配分や、施策検討を行うことができます。
本章ではリスティング広告の成功事例をご紹介します。どのような成果が出るのかイメージを付けてみてください。
また、今回はただ事例を紹介するだけでなく、本記事で紹介した戦略の立て方やアカウント設計の考え方など、具体的な考え方なども解説していきますので実践の際の参考になれば幸いです。
本事例は住宅販売業界におけるリスティング広告の切り替え事例です。
Web施策経由でのCV数を伸ばしていきたい中で、戦略設計部分に課題があり成果につながっていませんでした。そこで、本記事で紹介したように「戦略設計」「アカウント設計」を見直した運用をすることで成果が大きく改善しました。
まずは戦略設計部分から見ていきましょう。
市場・ユーザーのニーズを調査します。
競合調査ツールなどがある際には、競合の広告の配信状況などを分析し、配信すべき媒体やそもそもの施策を検討し直すこともありますが、今回はリスティング広告の事例の紹介なので割愛します。
本案件では、ユーザーニーズとクライアント様の強みが一致しており、ユーザーのニーズに則したターゲティングと訴求を行うことが重要だとわかりました。
次に、自社のターゲット像とユーザー調査で得た情報を基に、なるべく具体的にペルソナを設定し、そのペルソナの動線を考えます。
先ほど3C分析によって出したユーザーニーズからカスタマージャーニーを逆算的に作成します。また、カスタマージャーニーに従ってキーワードも分類していきましょう。
切り替え前の代理店ではペルソナやカスタマージャーニーの設計が不十分であり、本来配信すべきユーザーに求められている訴求での広告配信ができていないことが課題でした。昨今ではフレームワークの機能が疑われることもありますが、まだまだ有用な部分もあると考えますので、手を抜かず行っていきましょう。
基本的なマーケティング戦略として顕在層の獲得を第一優先としていきます。「自社に対する指名検索」と「自社の強みと市場ニーズの重なる領域」は検索ボリューム自体は少ないですが、CVの可能性が最も高いため、真っ先に対策を行っていきます。
このように、カスタマージャーニーや3C分析を丁寧に行うことが成功への近道です。
先ほど狙うと決めたキーワードとジャーニーに合わせた訴求を考え、グルーピングしながらアカウント設計を行っていきます。
今回の運用では、
を第一の運用方針としてアカウント設計を行いました。
結果として、月間の反響獲得数は1.6倍以上の100件超えを実現しました。また、獲得単価も切り替え前の約23%に改善しています。
このように、広告戦略、アカウント設計を見直すことで成果が大きく改善できるケースはたくさんあります。今回は本記事で紹介した基礎に基づいた運用によって、成果が大きく改善された事例をご紹介しました。
そのほかにも、PINTO!では様々な事例記事の公開もしております。是非参考にしてみてください。
リスティング広告について基礎から実際に運用する際の手法までを解説しました。
本記事はマーケティング施策としてリスティング広告の効果を正しく認識するとともに、リスティング広告自体への理解を深めるための構成としております。
とはいえ、あくまで本記事で解説しているのは基礎の部分です。これから運用をしていく方も代理店活用に踏み出す方も、もう一歩進んだ情報取集が必要になるかと思います。
PINTO!では運用に関する具体的な設定方法などの記事から、用語・概念の解説記事もありますので、今後の情報収集にも是非ご活用ください。
また、リスティング広告をはじめWeb広告運用において困りごとがございましたら、お気軽にPLAN-Bにお問い合わせください。
リスティング広告の運用は、実績のあるプロに任せることをオススメします。PLAN-Bのリスティング広告運用サービスは、継続率93.8%で国内上位3%の運用力があります。代理店の乗り換えにも強く、目先の利益ではない顧客の持続的成長を第一に考えるとともに、期待以上の成果を出すことに注力しておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
最後に、リスティング広告に関するよくある質問をまとめました。
リスティング広告とは、Google・Yahoo!などの検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告のことです。
リスティング広告は検索広告や検索連動型広告とも呼ばれ、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告などから配信することができます。
リスティング広告は任意の広告文を、広告運用によって検索結果画面の上部と下部の掲載枠に掲載できるWeb広告です。
一方で、SEOは検索によって表示されるWebページの掲載順位を上位にするための取り組みや、自然検索によるWebサイトへの流入を最大化させるための総合的な取り組みのことです。
Wordstreamの調査によると、2024年のGoogleのリスティング広告の平均クリック単価は約730円です。
業界や競合の状況、自社の広告品質によっても左右される指標ですので、あくまでも目安として捉えてください。
リスティングとは、「listing」のことで「一覧表 の作成、一覧表への記入、一覧表、名簿」などの意味を持つ言葉です。
検索結果画面に順番にリストアップされることから、日本では検索広告のことをリスティング広告と呼んでいます。一方で、海外では「Listing Ads」という呼び方ではなく、通常「Search Ads」と呼ばれています。