リスティング広告とは|特徴から運用まで基礎を徹底解説
インターネット広告
2024.12.24
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実際に運用をしていて、分析しながら改善を行っているが結果が出ない、そもそも何からやればいいかわからないなど、なかなか成果につなげるのは難しいですよね。
成果が出ない原因は、そもそもゴールが明確でなかったり、もっと解決しなければいけない問題があったり、原因と対応した施策が打てていないことが考えられます。
本記事では、ゴール設計から問題特定と原因分析までの流れから、具体的な施策まで解説していきます。
リスティング広告による利益の向上のためには、購入数やお問い合わせ数などのCV数を増やすか、1CVあたりの獲得単価であるCPAを下げることが必要です。
「CV数を増やす」「CPAを下げる」ための指標はそれぞれ以下のように分解されます。この時、分けることのできない最小の単位にあたるのが、CPC・CTR・CVR・IMPです。リスティング広告の改善を図る際には、まずCPAを下げるのかCV数を増やすのかを決め、その中からさらに問題となっている指標を特定し改善を図ります。
それぞれの指標は以下の表の通りです。
指標 | 意味 | 影響を受ける要因 |
CPC(クリック単価) | 広告1クリックあたりのコスト | 入札戦略、広告ランク、競合状況 |
CVR(コンバージョン率) | 広告からサイトへ訪問した人のうち、目標アクションを達成した割合 | LP(ランディングページ)の内容、ターゲティング |
CTR(クリック率) | 広告が表示された中で、クリックされた割合 | 広告文の魅力度、表示順位、ターゲティング |
IMP(表示回数) | 広告がどれだけ表示されたか | 検索ボリューム、キーワード選定、入札単価、広告ランク |
続いてリスティング広告の成果改善までの流れを4ステップで紹介します。
まず、リスティング広告の改善を図るためには、どの状態に改善されたらOKなのかを決める必要があります。
究極のゴールは利益・売上を上げることだと思いますが、大抵はいくつかのマーケティング施策の総合的な取り組みによって利益を追うことになります。よって、広告によって達成したい目的は様々に細分化されるでしょう。
最終目標の形式は、購入、トライアル、入会、契約など様々あります。
よってKGIは、
などになります。
それに伴って、リスティング広告経由でのKPIは
などになってきます。
KPIが決まったら、CVポイントを明確化させましょう。例えば塾の入会のための体験予約がCVだとしましょう。その場合、CVへの経路はLPからの申し込み、直接の電話問い合わせ、LINEの友だち追加からの予約など、複数のものが考えられます。
広告による成果を正しく測るためにも、どのCVポイントによるCVを広告からの成果として計上するかを明確にします。
KPIやCVポイントが明確化されたら、管理画面と照らし合わせ、問題箇所の特定を行います。
問題個所の特定は以下の手順で行います。
問題が発生している箇所はいくつか見つかることがありますが、その中で改善による影響度が高そうな順に改善を図ります。
分析の方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
続いて、問題を洗い出したら、その問題が発生している原因を深堀し、仮説を立てます。
例えば、以下のように考えていくとよいでしょう。
IMPが少ない
→ キーワードの検索ボリュームが低い?
→ 広告が表示されていない?
CTR低下
→ 広告文が競合に埋もれている?
→ ターゲティングの精度が低く、無関係なユーザーに配信されている?
CVR悪化
→ ランディングページのデザインやメッセージに課題がある?
→ サイト速度が遅く、離脱を招いている?
また、アカウント構成の上層から順に原因を深ぼりしていきましょう。キャンペーン>広告グループ>キーワード、広告文の順に原因を探していきます。
成果が出るアカウント設計を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
問題箇所、原因が特定出来たら改善のための施策を打ちます。
次章では、改善したい指標毎の具体的な改善施策をご紹介します。
それでは実際の具体的な改善施策を紹介していきます。
問題・原因を特定した後の施策辞典として索引することをおすすめします。
リスティング広告では、キャンペーン単位で予算設定をすることができます。
設定した「1日の予算」に収まるように配信が行われます。言い換えると、まだまだ配信できる余地があったとしても予算内の配信しかできないということです。
日予算を引き上げることで、広告の配信の機会が増え、IMPを増やすことができます。
IMPを増やすためには、掲載順位を上げることも有効です。
検索順位は「品質スコア」や「入札単価」によってオークション形式で決まります。品質スコアに問題がない場合は、入札単価を引き上げることで検索順位を高め、結果としてIMPを増やすことにつながります。
配信エリアを広げて、これまでアプローチできなかった地域のユーザーに広告を届けます。
配信スケジュールを拡張し、休日や夜間など新しいタイミングで広告を表示します。
年齢、性別、興味関心などのターゲティング設定を拡張して新規ユーザー層にリーチします。
検索されやすい関連キーワードを追加し、広告の配信範囲を拡大しましょう。
商材・サービスによってはキーワードあたりの検索ボリュームが小さいことがありますが、関連キーワードを増やすことでターゲットに接触できるキーワードを増やしましょう。
例えば、商材が寝具である場合、今の寝具に不満を持っている「かもしれない」ユーザーの検索行動を考えてみましょう。睡眠の浅いユーザーは夢を見る回数が多い可能性があります。そのため、「○○ 夢 理由」などと検索するでしょう。そんなとき、「よく夢を見る人は寝具に問題があるかも!?」のようなリスティング広告があったら思わずクリックしてしまうかもしれません。
このように、直接的ではないキーワードにもターゲットとなりうるユーザーは潜んでいます。関連キーワードはこのように増やしていきましょう。
登録したキーワードは「完全一致」「フレーズ一致」「インテントマッチ」という3つのマッチタイプが存在し、自動で拡張される度合いを調整できます。
IMPを増やしたい場合には、インテントマッチにすることで登録したキーワードと同じ意図をもったキーワードに対してもリスティング広告を配信してくれるようになり、IMPの増加を見込むことができます。
現在は媒体推奨の設定でもありますが、拡張されすぎた場合はCTRやCVRが低くなる可能性があるので、インテントマッチに変更した際は、検索語句を確認するようにしましょう。
マッチタイプについてのおすすめ記事:リスティング広告のマッチタイプとは|タイプ別のメリット・デメリットを紹介
クリック率が高い上位ポジションを確保するために、入札額を増やします。
検索ボリュームが多いキーワードは表示回数を増やせる一方で、ニーズに合わないユーザーにも広告が表示される可能性があります。関連性の低いキーワードは停止または除外しましょう。
また、検索ボリュームは小さい3語以上を掛け合わせた「ロングテールキーワード」の方がCVRが高くなる傾向があります。
例えば、「リスティング広告」と「リスティング広告 代理店 おすすめ」で検索する場合、前者のよりも後者の方がリスティング広告を運用してくれるおすすめの代理店を知りたいというニーズが顕在化してますよね。検索ボリュームは低くても、CVにつながる確率は高くなります。
月間検索ボリューム
インテントマッチをフレーズ一致や完全一致に変更し、意図しない検索語句への拡張を抑制します。
広告文がターゲットのニーズと合っているかを確認しましょう。
ユーザーの潜在的なニーズや関心事、感情は単純なものではありません。例えば、とある求人広告において、「最高年収」を訴求した場合と「平均年収400万円以上」と訴求した場合では後者の方がCTR(遷移率)もCVRも向上したという事例があります。
ユーザーの本当の想いとマッチさせるには継続的な広告文の検証が必要となるでしょう。
広告文を作成する際には、「景品表示法」や「薬機法」などの法律に注意する必要があります。
広告表示オプションはCTRを高めるほか、設定するだけで広告ランクを引き上げることができます。
設定していない項目がある場合は、もれなく設定しておきましょう。
表示オプションについてのおすすめ記事:【最新情報】広告表示オプションとは? 全12種の特徴や推奨設定を解説
CTRは低くないものの、CVRが低い場合には、ニーズがずれていたり別のインサイトがあったりすることが考えられます。
自社の提供価値(訴求)によりマッチしたユーザーニーズに絞り込めるようなキーワード群がないか、配信結果などを参考に見直す必要があるでしょう。
おすすめの記事:【専門用語なし】リスティング広告はキーワード選定が命! 選び方やおすすめツールを紹介
手動入札で運用してる場合は自動入札にすることでCVRが改善する可能性があります。
一般的には過去30日でCVを30件獲得できていることが自動入札がうまく働く条件とされています。条件を満たしている場合は変更してみても良いでしょう。
自動入札についてのおすすめ記事:《 事例あり》リスティング広告のアカウント構成変更と自動入札による効果改善
ユーザーの動きである動線を我々がコントロールすることはできません。ユーザーは動きたいように動くのです。しかし、そのユーザーが違和感なく、動きやすいように導線を整備することはできます。
広告クリエイティブからLP(ランディングページ)への流れがユーザーの意図とずれないように遷移先のURLを設定しましょう。
CTRは低くなく、CVRが低い場合には広告文の訴求が自社の提供できるものとずれている可能性があります。
LP内での訴求とのずれが発生していないか一度確認してみましょう。
LPO(ランディングページ最適化)を行うことでCVRを向上させましょう。
いくら広告がクリックされても、訪れたLPの訴求がニーズとずれていたり、CVまでの導線が分かりにくいとユーザーは離脱してしまいます。訪れるユーザーはある程度興味・関心の高いユーザーであると予想できますから、LPがきっかけでCVRが低くなっている場合、大きな損をしていることになります。
以下の記事は、インサイトをとらえることでCVRを向上させたLPO施策の事例です。インサイトをとらえるとはどういうことかがよくわかりますので、是非ご覧ください。
成果が出ているキーワードに対しては入札を徐々に強め、成果が出ていないキーワードに対しては入札を弱めることでCPCの高騰に対応しましょう。
検索ボリュームの多いキーワードやCVRの高いキーワードは他社にとっても魅力的なキーワードです。人気のキーワードはCPCが高騰する傾向がありますので、競合が少なく効果のでそうなキーワードを新たに発見する必要があります。
CVRの高いキーワードはCPCが高騰しやすく、結果としてCPAが上がる可能性があります。
フレーズ一致や完全一致をインテントマッチに変更し、競合が少なく成果の出やすいキーワードに拡張する運用を行うことで、効率のいいキーワードを見つけてくれます。学習が進むまでは手動で不要なキーワードを除外するなどの作業が必要になります。
拡張されたキーワードで効果の良いものがあれば改めて登録しておきましょう。キーワードの調整がしやすくなります。
リスティング広告のクリック単価は以下のように決まります。
品質スコアを高めることでクリック単価を抑えるコトにつながります。
品質スコアの高めるためのおすすめ記事:品質スコアとは?リスティングで広告ランクを上げる3つのポイント
リスティング広告の成果改善は、目的と現状の差分を正しく分析し、問題に対する原因の仮説を立て、改善施策を行うというPDCAサイクルをどれだけ早く的確に行えるかがポイントです。本記事で紹介した「改善施策辞典」を参考に、原因に合った施策を実行してみてください。
改善のプロセスを繰り返すことで、着実に成果を向上させることができます。運用を進める中で新たな課題が生じた場合は、分析に立ち返り、再度この記事を活用してください。
自社のリソースが足りない、効果的に成果を出したいという方は、是非代理店の活用も視野に入れてみてください。
リスティング広告の運用は、実績のあるプロに任せることをオススメします。PLAN-Bのリスティング広告運用サービスは、継続率93.8%で国内上位3%の運用力があります。代理店の乗り換えにも強く、目先の利益ではない顧客の持続的成長を第一に考えるとともに、期待以上の成果を出すことに注力しておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。