リスティング広告とは|特徴から運用まで基礎を徹底解説
インターネット広告
2024.12.24
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「なかなかリスティング広告の効果が出ない」「2か月ほど配信してみたから分析したい」「今まで分析はやってたけどやり方良くないかも」という方に向けて、本記事では分析の流れから具体的な指標の確認方法を解説していきます。
また、分析と改善はセットですので、分析の後には実際に手を動かしていきましょう。
リスティング広告に限らず運用型広告の分析の流れは以下の通りです。
一般的な課題解決の方法と同様に、まずは理想または過去との比較でギャップ(問題)が発生している箇所を特定します。次に、その問題を発生させている要素を洗い出し、仮説を立てます。最後に、仮説に対して根拠となるデータを探し、根拠をもって仮説検証ができるものから実際に改善施策をしていくという流れです。
本章では、リスティング広告の分析には欠かせない指標を8つご紹介します。絶対に覚えておきましょう。
IMP(インプ)は広告がユーザーに表示された回数を表す指標です。広告の認知度や露出度を測る基本指標で、クリックやコンバージョンにつながる第一歩となります。
クリック数は広告がユーザーにクリックされた回数を表す指標です。IMPに対してどれだけユーザーの関心を引けたかを測る重要な指標です。
CTRはIMPに対するクリック数の割合を表す指標です。CTRは以下の式で求めることができます。
CTR(%) = クリック数 ÷ IMP × 100
CVはユーザーが広告を経由して最終的な成果(例:購入、会員登録など)に至った回数を表す指標です。
CVは最終的な成果を何にするかによって変わります。例えば、ECサイト等であれば商品の購入かもしれませんし、塾やフィットネスクラブなどであれば入会や体験予約かもしれません。CV地点は任意のものを設定することができます。
CVRはクリック数に対するCV数の割合を表す指標です。CVRは以下の式で求めることができます。
CVR(%) = CV数 ÷ クリック数 × 100
CPCは1クリックあたりにかかった費用を表す指標です。CPCは以下の式で求めることができます。
CPC(円) = 広告費 ÷ クリック数
CPAは1CVあたりにかかった費用を表す指標です。CPAは以下の式で求めることができます。
CPA(円) = 広告費 ÷ CV数
ROASはかかった広告費に対する売上高の割合を表す指標です。ROASは以下の式で求めることができます。
ROAS(%) = 売上高 ÷ 広告費 × 100
本章ではリスティング広告の分析に使えるフレームワークを4つご紹介します。本記事でも使用しますので、概要だけでも押さえておきましょう。
1つ目はロジックツリーです。
ロジックツリーは、課題や目標を体系的に分解・整理するフレームワークです。先ほど紹介した指標もロジックツリーで表現することができます。主に問題の特定時に用いる手法です。
Web広告運用では、「CPAを下げる」か「CV数を増やす」ことで広告効果を高めることができます。これらの指標は、以下のように要素分解ができ、特に赤枠で囲んでいる指標が分析のポイントになる指標ですので、覚えておいてください。
2つ目はドリルダウンです。
ドリルダウンは全体から部分へ段階的に細分化することで、原因や傾向を深く理解していく手法です。本記事では主に、「根拠の収集」の際に用います。
特にリスティング広告では、アカウント分析を行う際に使用する考え方です。リスティング広告のアカウント構成はアカウント>キャンペーン>広告グループ>キーワード、広告>検索語句といった階層構造になっているため、問題を作っている要因を特定するときには、より大きな階層からドリルダウンしていきます。
3C分析は市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)のそれぞれの要素を分析します。
3C分析もドリルダウンと同様に、要因分析の際に用いる手法です。広告においては以下のような部分を分析することになります。
5W1Hの考え方は主に根拠の収集の際に使用します。
ドリルダウンの考え方ではアカウント構造に沿って縦に深堀していきましたが、5W1Hの考え方ではターゲットやペルソナを基に階層を横断してそれぞれの設定を見直します。
キーワード選定などにも用いられることが多い基本的な手法ではありますが、これらをそれぞれ5W1Hに当てはめて考えることで、ターゲットユーザーを考えやすくなり、「実はこんな行動もしていた」「こっちの要素はもっていなかった」などの気づきも得られます。(場合に応じて4W1Hや5W2Hなどに変化します。)
それでは早速分析を行っていきます。
まずは管理画面による全体の配信結果を見て問題となっている箇所を特定していきます。大きく二つのステップで問題を特定していきましょう。
以下のようなレポートがあるとします。
まずは、2つの指標の差分を見ていきましょう。Excelを用いて変化量を出し、指標毎にプラス・マイナスの変化がどれくらい生まれているかを確認します。この時、指標によって、良い悪いの見方が異なりますので、良くなったか悪くなったかをわかりやすくするために「〇」「×」「-」の印をつけておくのがおすすめです。
これで問題が発生している箇所が分かりました。次は、その中で改善すべき指標を特定していきます。
ここでロジックツリーを思い出してください。最も改善すべき指標はCPAとCVでしたが、今回はどちらも減少していますので、CPAとCVを分解していき、IMP・CTR・CPC・CVRのうち改善すべき指標を見ていきます。
CPAはCPC÷CVRで求められますので、まずはCPCとCVRを見てみましょう。
CVRの変化量が大きく、CVRを優先的に改善すべきなのが分かります。
続いて、CV数を分解していきます。CV数はクリック数(CTs)×CVRでしたのでこれらを見ていきます。
こちらも比べてみると、どうやらCVRを優先的に改善する必要がありそうです。
念のため、クリック数が減少している理由も見てみましょう。クリック数はIMP×CTRでした。CTRは変わらずIMPが減少していることから、クリック数の減少はIMPの減少によるものだとわかります。また、単純に「コストがわずかに減少しているから」とも考えられます。
これらのことから今回はCVRを改善すべきということが分かりました。
ここまでが、改善すべき問題の特定の一連の流れです。
問題が発生している箇所を特定できたら、次は問題が発生した要因を分析していきましょう。
大きな流れとしては、洗い出し→絞り込み→特定です。今回は絞り込みと特定は同時に解説していきます。
まずは要素の洗い出しを行います。
以下の表は指標変動の主な要因をまとめた一例です。変動要因は管理画面で確認できる運用上の要因と、運用以外の要因とで分けて考えます。運用以外の要因は3C分析を用いて考えていきましょう。
この中から、問題となる指標の原因として考えられるものを抽出します。
今回はCVRが低いことを問題としていますので、CVRと結びつきの強い要素を抽出していきましょう。
CVRはCVポイント設置している箇所に「入ってくるユーザー」「CVまでの導線」「訴求内容」の3つが大きく関わってきますので、その観点で絞っていきましょう
運用以外の要因も同様に絞っていきます。
ここまでで考えられる要因を洗い出せましたので、具体的にどこが原因となっているかを確かめていきましょう。
洗い出した要因に対して仮説を立てていきます。
運用以外の要因ですが、こちらは自ら動かせる変数ではありません。あくまで、運用の方針を見誤らないために要素を把握することが大切と言えます。
例えば、商材がケーキの場合、おそらく12月の売上や各指標はクリスマスの影響でCVRが大きく上昇することが考えられますよね。翌月の1月の成果と比較すると、各指標が減少したように感じるかもしれません。ここで、季節要因を考慮せずに例えば「減少した原因はターゲティングを変更したからだ」というような結論を出してしまうと、間違った分析結果になってしまうことは容易に想像できます。
このように運用以外の要因を洗い出し、該当する原因を特定しておくことで、正しい分析(誤った判断を防ぐこと)につながります。
例えば、以下のような仮説を立て、順に確認していきます。
運用以外の原因を確認したら、次は実際に運用上の原因を特定していきましょう。
今回は「CVRの低下という問題」を発生させている箇所(推測)は大別すると、「ターゲティング」「クリエイティブ(広告文)」「LP」の3つです。
「ターゲティング」においてCVRを低下させている原因は、例えば以下のような仮説が立てられます。
「広告文」においてCVRを低下させている原因は、例えば以下のような仮説が立てられます。
「LP」においてCVRを低下させている原因は、例えば以下のような仮説が立てられます。
このように、洗い出した問題点に対して、考えられる原因の仮説を立てましょう。
要因と仮説に対して十分な根拠があるか、ドリルダウンで考えていきます。
広告グループやKW、広告文は複数ある場合もあるため、上の階層から順に成果の出ていない部分を深ぼりしていきましょう。原因となっている(と仮説立てた)箇所を調査していきます。
今回の場合、ターゲティング(キーワード)、広告文、LPに要因を大別できますので、ある程度あたりを付けた状態で深堀を進めていきます。
また、縦の深堀だけでなくアカウント内での設定項目ごとに分割して分析していくこともできます。
この際5W1Hの観点で分けて考えることで、設定しているターゲットユーザーやペルソナとの乖離に気づきやすくなります。
原因に対して立てた仮説の根拠となるデータが見つかれば後は施策を実行していくのみです。
分析の流れは主に、
でした。
考え方としては基本的な課題解決の方法と変わりません。一方で、管理画面の見方や仮説の立て方などは、ある程度経験を必要とする部分もあると思います。最初のうちは本記事で紹介したフレームワークに沿って仮説立てを行っていくとよいでしょう。
また、分析が終わったら改善施策を実行します。改善施策については以下の記事で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
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