ABテストとは? やり方・期間・注目すべきポイントを解説

目次
    1. ABテストとは
    2. ABテストのパターン3つ
      1. ソースコードを変えない「同一URLのテスト」
      2. 別ページにリダイレクトさせる「スプリットURLテスト」
      3. 多様な組み合わせで実施する「多変量テスト」
    3. ABテストの必要性
      1. 共通の内的・外的要因のもとでテストできる
      2. 損失のリスクを抑えることが可能
      3. CV獲得のコストを削減できる
      4. 誘導文のような細かな問題点に気づくことが可能
    4. ABテストが意味ないのは本当か?
    5. ABテストの対象
      1. ファーストビュー
      2. メインビジュアル
      3. CTAボタン
      4. キラーページへの内部リンク
      5. タイトル・見出し
    6. ABテストのやり方
      1. STEP 01:方法・実施期間を決める
      2. STEP 02:テストパターンを用意する
      3. STEP 03:テスト開始
    7. ABテストの注意点
      1. テスト結果はあくまで可能性を示すものだと理解する
      2. 実施期間は延長する必要はない
      3. 優先順位が高いものから取り組む
    8. オススメのABテストツール3選
      1. Flipdesk
      2. Ptengine
      3. Juicer
    9. まとめ:ABテストで勝ちパターンを見つけよう

ABテストは、WebマーケティングにおけるCRO(コンバージョン率を最適化)を実現する手法の1つです。他社が行ったデータを参考に広告やサイトを改修することも1つの方法ですが、条件が完全に同じ広告・メディアは2つとして存在しません。

そのため、ABテストで広告やメディアごとに勝ちパターンを見つける必要があります。本記事では、ABテストの方法や必要性、実施機関、注意点などについて詳しく解説します。

ABテストとは

ABテストは、Webマーケティングでコンバージョン率を高める手法の1つです。要素が異なる2つのパターンを用意し、どちらの方が高いコンバージョン率を得られるかを検証します。

例えば、広告のキャッチコピーを2つ用意し、どちらの方が広告のクリック率が高いのかを検証し、優れた結果が出た方を正式採用する方法があります。ターゲット属性や過去の売上データなどをもとに判断することも1つの方法ですが、全く同じ条件の広告・メディアは存在しません。

本当にどちらの方がコンバージョン率が高いかを調べるには、ABテストを行う必要があります。

ABテストのパターン3つ

ABテストは、以下3つのパターンに分類されます。

  • 同一URLのテスト
  • スプリットURLテスト
  • 多変量テスト

それぞれの特徴や方法について詳しくみていきましょう。

ソースコードを変えない「同一URLのテスト」

同一URLのテストは、ソースコードを書き換えることなく実施するABテストです。javascriptを使用することで、ソースコードを書き換えずに異なる文言やデザインのテストパターンを用意できます。ソースコードを書き換えるとSEO効果まで変動する恐れがありますが、同一URLのテストであればその心配もありません。

別ページにリダイレクトさせる「スプリットURLテスト」

同一URLのABテストは、ソースコードを書き換えずに異なるテストパターンを用意しますが、スプリットURLテストは対象ページに来訪したユーザーを別のURLにリダイレクトさせます。

ツールを用いて、「Aページ(元のページ)から遷移させない」と「Bページ(テストページ)へのリダイレクトさせる」のいずれかをランダムまたは設定した配分で振り分けます。

多様な組み合わせで実施する「多変量テスト」

多変量テストとは、複数の組み合わせパターンの中からコンバージョン率が高いものを見つけ出す方法のことです。例えば、CTAボタンのサイズと文言、色をそれぞれ3パターンずつ用意し、複数の組み合わせパターンでテストします。

より多くの要素の組み合わせを対象に、優れたコンバージョン率を実現するパターンを見つけることができます。ただし、1つの要素が持つコンバージョン率に与える影響が小さいため、立証するには他のABテストよりも多くの情報が必要です。

それだけテスト期間が長くなり、効果が判明するまでの間に機会損失が増え続ける可能性もあります。そのため、まずは同一URLのテストかスプリットURLテストで大きな要素の勝ちパターンを見つけることが先決です。

ABテストの必要性

ABテストは多くのWebマーケティング会社で実施されており、実際に効果が出ています。なぜ、ABテストが必要なのか詳しく解説します。

共通の内的・外的要因のもとでテストできる

ABテストは、全く同じ時期に複数の組み合わせパターンでコンバージョン率を検証します。共通の内的・外的要因のもとでテストするため、テスト結果の信頼性は高いと言えるでしょう。例えば、Aパターンを1ヶ月試してからBパターンを1ヶ月試す場合、月度が異なればターゲットの数や反応の良さなども変わってしまいます。

ABテストは同じ時期に実施することでテスト結果に同じ事象が影響を与えるため、正確性が高いテストと言えます。

損失のリスクを抑えることが可能

どれだけ広告を大量に出稿してクリック率を増やしても、肝心の問い合わせや購入といったコンバージョン率が低ければ損失は増える一方です。ABテストを実施することで、コンバージョンまでの導線のどこに問題があるのか、どうすればコンバージョン率が上がるのかを計測できます。

CV獲得のコストを削減できる

ABテストは複数パターンの広告・メディアを作成するものの、根本から作り直すわけではありません。また、小さなパターン変更からコンバージョン率が高いパターンを見つけ出すことができるため、CV獲得のコストが大幅に減少します。

誘導文のような細かな問題点に気づくことが可能

ABテストによってコンバージョン率が向上したものの、継続購入に至らなかった、トライアルでやめてしまったといったケースが増えたとします。この場合は、コンバージョンへの誘導文言に問題があったのかもしれません。ユーザーが期待したものではなかった場合、初回購入の後に退会してしまう恐れがあります。

これは、BtoB向けのツールに関しても同様です。広告にあおるような文言を入れるとコンバージョンが増えるものの、同時に早期解約が増えることがあります。

ABテストが意味ないのは本当か?

ABテストを実施しても意味がないとの声もあります。

これは、ABテストを実施した時期によって、結果が異なることが考えられるということを問題としています。例えばAを夏に、Bを冬に実施した場合、それぞれ外的要因が異なるために、ターゲットの反応が変わってしまうといった具合です。前述したようにそもそもABテストは「同じ時期に」実施するものであるという前提があります。この部分で誤った理解をしていると、ABテストは意味がないという結論になりかねません。

様々なパターンで繰り返し実施することで、製品・サービスのターゲットに刺さるクリエイティブが見つかるため、十分に優れたテストと言えます。

ABテストの対象

ABテストは、広告やメディアの大きな部分から細かな部分まで、様々な箇所に使用できます。

  • ファーストビュー
  • メインビジュアル
  • CTAボタン
  • キラーページへの内部リンク
  • タイトル・見出し
  • 外部リンクや広告などの離脱要因

上記それぞれにおけるABテストを行う意義について詳しくみていきましょう。

ファーストビュー

ファーストビューで70%以上のユーザーが離脱するといわれています。ファーストビューのデザインやコンテンツの内容、ページの読み込み速度など、様々な要素が離脱率に影響を与えます。ファーストビューのABテストで離脱率が低いパターンを見つけることは最優先と言っても過言ではありません。

メインビジュアル

メインビジュアルは、ファーストビューの構成要素の1つであり、ユーザーがそのページに抱く印象を大きく左右します。キャッチコピーやデザイン、色、画像サイズ、実績数値の魅せ方など、細かな要素がユーザーに与える印象に影響を及ぼします。

CTAボタン

CTAボタンは、サイズや位置、色、文言などでコンバージョン率が変動します。例えば、「購入する」といった文言よりも「今すぐ試してみる」「○○(購入するメリットを示す文言)になる」など、ユーザーの行動を促す文言の方がコンバージョン率が高いケースがあります。

キラーページへの内部リンク

キラーページは、ランディングページやセールスページといった商品・サービスの購入につなげることを目的としたページです。ロングテールキーワードを狙ったコンテンツにキラーページへの内部リンクを貼り、ユーザーの感情を段階的に変容させてコンバージョンへつなげる方法があります。この場合、キラーページへの内部リンクの位置や誘導分などがコンバージョン率に大きな影響を与えます。

タイトル・見出し

見出し・ページタイトルは、ユーザーがコンテンツを読みたいかどうかを左右する重要な要素です。数字のように定量的でわかりやすい要素を取り入れることで、ユーザーの離脱率の低下が期待できます。

ABテストのやり方

ABテストの成功には事前準備が非常に重要です。準備から実施方法まで詳しくみていきましょう。

  • STEP 01:方法・実施期間を決める
  • STEP 02:テストパターンを用意する
  • STEP 03:テスト開始

STEP 01:方法・実施期間を決める

購入や申し込み、資料請求など、コンバージョンの種類・目的を明確化したうえで、実施期間を決めましょう。ABテストの実施期間は短くて1週間、長くて1ヶ月程度が目安です。

STEP 02:テストパターンを用意する

ABテストでは、仮説に基づいてテストパターンを用意します。キャッチコピーや画像のサイズ・位置、CTAボタンの色など、様々な要素を踏まえて仮設を立てましょう。

STEP 03:テスト開始

準備が整ったらABテストを開始します。ユーザー数が少ないと十分なデータが集まらないため、広告の出稿数を増やしてなるべく多くのアクセスを確保しましょう。

ABテストの注意点

ABテストを失敗しないために、次の3つに注意が必要です。

テスト結果はあくまで可能性を示すものだと理解する

ABテストは、実施時期や世の情勢など外的要因によって結果が変動します。そのため、得られた結果はすべて可能性の域を超えないものであり、他のケースにそのまま適用できるものではありません。

実施期間は延長する必要はない

実施期間を延長した方がより多くのデータが集まると思うかもしれませんが、重要なのは実施期間に対して多くのデータを集めることです。実施期間を延長することに意味はないため、コストを無駄に消費しないためにも当初の予定どおりの期間で実施しましょう。

優先順位が高いものから取り組む

ファーストビューやキラーページのように優先順位が高いものから取り組み、続いて内部リンクやCTAボタンなどをテストしましょう。先に細かな要素をテストしても、大きな要素に問題があればコンバージョン率が十分に向上しません。

オススメのABテストツール3選

ABテストには、次のツールを使うとよいでしょう。

Flipdesk

(引用:Flipdesk

Flipdeskは、ユーザーデータをもとに適切な情報訴求を行えるWeb接客ツールです。ABテスト機能2種類のボタンとアクションを使用できます。ユーザーの振り分けの割合は10%ごとに調整可能です。

Ptengine

(引用:Ptengine

Ptengineは、タグを設置するだけで直感的な操作によるサイト運営を可能にするプラットフォームです。ABテストだけではなく、ヒートマップ分析も可能なため、効率的にコンバージョン率アップの施策を実行できます。

Juicer

(引用:Juicer

Juicerは、ユーザー属性やサイト内行動などを調査できる分析DMPです。ソースコードを使用することなく最短1分でABテストを開始できます。

まとめ:ABテストで勝ちパターンを見つけよう

ABテストは、広告やメディアのコンバージョン率の向上を目的に2つ以上のパターンを用意し、それぞれの効果を比較する手法です。ABテストを繰り返し実施することでコンバージョン率が少しずつ上がるほか、勝ちパターンが見つかるでしょう。

ABテストを含め、広告やメディア運用の時間を作ることが難しい場合は、プロに任せるのも1つの方法です。PLAN-Bでは、実績豊富なアドバイザーがABテストはもちろん、様々な手法を用いてコンバージョン率アップに向けてサポートします。