リスティング広告のやり方|Google・Yahoo!でそれぞれ解説
インターネット広告
2024.12.11
リスティング広告を運用する際、ある程度の予算感は決まっている場合が多いと思います。一方で、貴社の目的に合わせた適切な予算設定についてはご存じでしょうか?
リスティング広告の運用を得意とする代理店の立場から必要な費用について考えてみました。
本記事では、リスティング広告の費用の決まり方や適切な予算の考え方についてご紹介していきたいと思います。広告代理店の料金体系や予算の考え方についてもお伝えしていきますので、あわせて参考にしてください。
関連記事:リスティング広告の運用代行ができる代理店13選|代理店視点での選び方もご紹介
※編集部注:この記事は、2019年8月に公開された記事を加筆・修正したものです。
リスティング広告の予算や費用について話すには、まず費用の決まり方を理解しておく必要があります。
本章ではどのようにリスティング広告の費用が決まるのかを解説します。
リスティング広告は、検索結果画面に表示された広告文がユーザーにクリックされたときに課金が発生する「クリック課金方式」を採用しています。裏を返せば、クリックされるまでは費用は発生しないようになっているんですね。
そして、1クリックあたりの課金額のことを「クリック単価(CPC)」と呼びます。クリック単価はキーワード毎に異なり、平均的な金額も業界・業種、商材・サービスによって大きく変わります。
以下の画像はWordstreamの調査による、2024年のGoogleのリスティング広告における業界ごとの平均クリック単価(CPC)です。(調査期間:2023年4月~2024年3月)
すべての平均では$4.66で1クリックあたり日本円で約700円です。(2024/12/5現在)
引用:Google Ads Benchmarks 2024: New Trends & Insights for Key Industries
リスティング広告の費用はクリックされたときにかかると説明しました。よって、リスティング広告にかかる費用は以下の式で決まります。
広告費 = クリック単価 × クリック数
この時、クリック単価はコントロールできないのかと気になる方もいるでしょう。クリック単価はリスティング広告の順位を決めるシステムと大きく関係があります。
リスティング広告は、同じキーワードに対して広告を配信したい競合とオークション形式で掲載順位を争います。
掲載順位は「入札単価×品質スコア」で算出される広告ランクによって決まります。
さらに、クリック単価は以下の式で算出されます。
クリック単価 = 「順位が1つ下の競合の広告ランク」÷「自社の品質スコア」 + 1
順位と品質スコアが変数ですので、クリック単価を改善したい場合は「入札単価」「品質スコア」などを動かして調整することが可能です。一方で、完全にコントロールをすることは難しいでしょう。
クリック単価についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Web広告を検討するとき、費用相場は気になるポイントの一つでしょう。
しかし正直な話、業界や商材・サービス、目的・状況によって相場は大きく異なるため一概に「相場はいくらだ」と決めるのは難しいという前提があります。
本章では、この前提を踏まえたうえで、一般的に言われている相場とデータに基づく相場を紹介します。
一般的には、月額20~50万円程度が相場と言われています。
一方で、月額100万円~数千万円以上の費用をご利用される広告主の方まで幅広く存在するのも事実です。よって、「他社が〇〇円でやっているから」という理由で費用を決めてしまうのではなく、あくまで参考程度に留めておく方がよいでしょう。
まずは、自社運用(インハウス)で広告運用を始めたいという場合は20~30万円程度で始めるのも良いかと思います。
以下の画像はWordstreamの調査による、2024年のGoogleのリスティング広告における業界ごとの平均CPA(獲得単価)です。(調査期間:2023年4月~2024年3月)
2024年12月現在では全体平均CPAは約10,000円です。比較的CPAが安価なのは修理・部品業界で、1CVあたり約4000円となっています。一方で、弁護士・法律上の手続き系の業界では1CVあたり約2万円以上が必要なようです。
あくまで目安ではありますが、このように業界ごとに平均CPA等は変わってきますので、最終的な目的(利益、売上、獲得数など)に合わせた予算設定が必要になります。
引用:Google Ads Benchmarks 2024: New Trends & Insights for Key Industries
リスティング広告の費用の相場は場合によると話しましたが、ではどのように予算・費用を決めていけばよいのでしょうか。
基本的な費用の決め方の方針は、目標からの逆算です。
本章では、目標となる利益・売上を得るために必要なCV数を設定して、予算・費用を決めていく方法やそれに伴って決めておくべき基準について解説します。
改めて、予算の決め方は、目的からの逆算です。
最終目的は広告によって利益を上げることになると思いますが、ビジネスモデルによってはLTVを考慮した目的設計が必要な場合もありますよね。(例えば、サブスクリプションサービスなどの契約がCVで契約後に1年で解約される場合と3年継続した場合では、その広告経由で出したCVによる利益の大きさが異なります。)
こういった場合は、そもそもの目的をCV(契約者)の獲得にしていることがあります。
よって逆算は大きく分けて
する場合があると考えます。
「得たい利益から逆算する計算方法」と「獲得したいCV数から逆算する計算方法」をそれぞれご紹介します。
前提として、必要とする予算・費用は計算上のものですので、実際に使用する予算・費用とは前後することをご認識ください。
得たい利益から逆算する計算方法をご紹介します。
例えば、広告で得たい利益を1,000,000円とします。
そうすると、
のような式になりますので、自社の売りたい商品の価格を埋め、CPAとCV数を考えていきます。
仮に商品の価格が20,000円だとします。
この場合、以下のようにCPAとCV数を求め、最後にCPAとCV数をかけたら必要な費用が出ます。
Excelなどを用いて、以下のように必要事項を埋めることでCV数を出すことができます。
CV数から求める場合には、先ほど紹介した業界別の平均CPAを活用するとよいでしょう。注意として、平均CPAと実際のCPAは乖離する場合がありますので、運用の中で正しいCPAを見極める必要があります。
予算・費用 = 目標CV数 × 平均CPA
目標CV数は、広告を出稿することによって獲得したいCV(コンバージョン)の数です。CVの種類は購入、契約、問い合わせ、体験予約など様々な形態が存在します。
具体例
目標CV数:20
目標CPA:10,000円
予算・費用 = 20 × 10,000円 = 200,000円
これらの値の妥当性を確認するためにも、リスティング広告のシミュレーションが効果的です。興味のある方は以下の記事もご覧ください。
予算を決めた後は、撤退の基準を決めておくことをおすすめします。
リスティング広告をはじめ運用型広告のメリットの1つは、配信途中でも改善や停止が任意に可能な点です。
例えば目標CPAの2倍になってしまったら一度止める、そもそも表示数が少なく、予算の5分の1しか広告費が発生していないなどの状態になったら一度止めるなど、一定ラインの基準を設けて運用するとよいでしょう。代理店活用の場合は、次の改善施策を共に考えたり、または乗り換えの検討タイミングとなることもあると思います。
反対に、増額の基準もある程度決めておくと良いでしょう。
ある程度成果が出せている場合、一定のラインまでは増額することでその分売り上げを伸ばせることがあります。また、増額に伴って失敗のリスクが高まると考える場合は代理店活用を視野に入れるのも良いでしょう。
代理店の話を出しましたが、実際どちらが良いのか気になりますよね。
これに関しては、お客様の状況によって変わると思いますので、それぞれをおすすめする理由を紹介します。
まずは自社運用をおすすめするケースです。
予算50万円以内で考えているなら、まずは20~30万円程度で自社運用をしてみるのも良いと思います。なぜなら少額の場合、代理店を利用する恩恵を感じづらいからです。
代理店による運用では、様々な知見を活かして、より多くの検証やPDCAを回すことで広告運用を最大化させるための施策を打ちます。しかし、予算が少ないとそもそもできることが限られていて、代理店の知見を発揮しきることができない可能性があるのです。
そのため、50万円以下の運用だと、文字通り代行によるメリットしか感じられない可能性がございます。
また自社運用では知見が社内にたまるというメリットもありますので、自社に経験豊富な運用者がいたり、広告運用に割ける社内リソース(人・お金・時間)が潤沢にある場合は自社運用にチャレンジするのも良いでしょう。
続いて、リスティング広告代理店による運用をおすすめするケースです。
自社運用と反対に、50万円以上で運用していく場合は代理店による運用代行がおすすめです。
運用の難しさと広告費の多さは必ずしも比例しませんが、失敗のリスクが大きくなることも確かです。そのため、細かいPDCAや精度の高い分析、運用力が求められます。また、先ほど言及したように広告費が多くなると代理店運用による恩恵が感じやすくなります。
まずは20~30万円で自社運用してみて、増額のタイミングで代理店への移行を検討するのも良いでしょう。
リスティング広告代理店について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
自社運用では基本的には担当者の人件費+広告費がかかる費用です。では、代理店運用ではどのような費用が発生するのでしょうか。
本章では、広告代理店で発生する費用について紹介します。
大きく分けると、運用代行では「初期費用」「運用額(広告費)」「運用手数料」「オプション費用」の4つの費用が発生します。
初期費用は、アカウント分析やアカウント設計など、配信前段階での工程で発生する費用です。初期費用は無料のところから多くて10万円程度かかるところもあります。
運用額は、実際に配信に使う広告費の部分です。代理店運用ではここにプラスで「運用手数料」がかかることになります。
オプション費用は、必ず掛かるものではありませんが、クリエイティブの制作やLPO(ランディングページの最適化)など広告効果を高めるための追加施策に対して発生する費用を指します。
初期費用やオプション費用は掛からないこともあるので、一番の自社運用との違いはこの手数料になります。
手数料の相場は運用額の20%です。少額運用の際にはテーブル制で手数料が決まっていることもあります。
手数料には内掛け式と外掛け式の場合があり、予算に対して実際に運用に使える広告費が異なりますのでよく覚えておいてください。
リスティング広告の費用対効果を高めるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
広告運用の際には、その目的・目標を明確化することが重要です。
目的・目標を定めることは適切な費用設定にもつながります。
また、目的や目標が曖昧だと、CVの質が低くなったり、費用対効果が悪くなったりする可能性が増してしまいます。自社のターゲットとしているユーザーによるCVなのか、確度の高いユーザーによるCVなのかどうかを正確に分析し、より費用対効果の高い広告配信につなげるためにも、目的・目標の明確化は重要です。
自動入札機能は、機械学習を用いて自動的に最適な入札調整を行う機能のことです。
自動入札を使うと、1オークションごと(ユーザーが検索を行うたびに)目標に設定した費用対効果を実現するために最適な入札価格が自動で設定されるため、人間が手動で設定するよりも高頻度且つ高度な入札調整を実現できます。
広告出稿後は、キーワード毎の成果を確認しましょう。成果につながらないキーワードの停止・除外設定を行う必要があります。
また、商品やサービスには関係のないキーワードや、モチベーションが低いと考えられるキーワードで掲載されてしまっている場合も、キーワードの停止やキーワードの除外設定で対応しましょう。
ただし、この辺りのバランスは、リスティング広告の費用や目的にもよるので、注意が必要です。
先ほどのキーワードもターゲティングの一つですが、広告のターゲティング設定ではそれ以外にも多くのターゲティングのレバー(デバイス/曜日・時間/エリア 等)が存在します。
実際の配信結果から、細かいターゲティングの調整を行うことで、無駄な配信を防ぎ、費用対効果を高めることができます。
リマーケティング機能では、一度サイトに訪れたことがあるユーザーとそうでないユーザーを区分して広告内容を変更することが可能です。
ユーザーの検討フェーズに合わせて広告を出し分けることができるため、成約率を高めることができます。
リスティング広告では、「ランディングページの利便性」という項目で、広告から遷移したページの利便性やキーワードの関連性を、平均より上・平均的・平均より下の三段階で評価します。
広告文やキーワードの設定と同じくらいランディングページの改善も必要です。例えば、コンバージョンポイントの導線までを分かりやすくしたり、商品やサービスを分かりやすく伝える工夫を行いましょう。
またユーザーの検索語句に応えるコンテンツがない場合は、制作も検討しましょう。
さらに費用対効果を上げる方法について知りたい方は下記記事をご覧ください。
この記事では主に、リスティング広告の費用についての考え方を伝えさせていただきました。
運用型広告では、ゴール設計に基づいて費用、各指標の目標値を決めることが大切です。
費用や目標が不明確な場合でも根拠を集めたうえで、どのように進めていくかを決めることでその後の動きを決める大切な判断軸となります。
弊社PLAN-Bでは、運用代行についてのご相談からアカウント診断まですべて無料で行っております。費用対効果や適性予算についての疑問点や不安がある担当者様はぜひ弊社へお問い合わせください。
リスティング広告の運用は、実績のあるプロに任せることをオススメします。PLAN-Bのリスティング広告運用サービスは、継続率93.8%で国内上位3%の運用力があります。代理店の乗り換えにも強く、目先の利益ではない顧客の持続的成長を第一に考えるとともに、期待以上の成果を出すことに注力しておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。