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インターネット広告
2025.02.03
更新日:2025.01.31
公開日:2022.02.18
リスティング広告の費用対効果を高くするためには、クリック単価(CPC)について深く理解する必要があります。
本記事ではクリック単価とは何か、決まる仕組みや相場、改善する方法を解説しています。クリック単価の正しい知識を身につけて、適切な予算設定や効果的な広告運用を目指しましょう。
リスティング広告についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
※編集部注:この記事は、2022年2月に公開された記事を加筆・修正したものです。
クリック単価とは、広告が1回クリックされるたびに発生する広告費用のことで、「Cost Per Click」の頭文字をとって、CPCとも呼ばれています。
クリック単価は特にリスティング広告の費用対効果を測る指標に用いられることが多く、以下のように計算されます。
クリック単価=広告費÷クリック数
同じ広告費でもクリック単価が低いほど多くの流入を見込めますし、クリックされる回数が増えれば広告費が上がるという仕組みです。
またクリック課金の場合は広告が何度表示されても、実際にクリックされなければ広告費が発生することはありません。
クリック単価はキーワードや広告ランクによって変動し、他の競合とのオークションで決定します。それでは、実際のクリック単価が決まる仕組みを詳しく見ていきましょう。
リスティング広告では特定のキーワードで検索すると、検索結果と同時に関連する広告がいくつか表示されます。その広告の中でも、ユーザーの目にとまりクリックされやすいのは上部に表示されているもので、広告の掲載順位がクリック単価に影響します。
広告の掲載順位を決めるときに用いられる値を「広告ランク」と呼び、広告ランクにより広告の掲載順位が変化します。
次に、その「広告ランク」の決まり方を見ていきましょう。
広告掲載順位を決定するうえで重要な「広告ランク」ですが、以下の6つの要素からなっています。
広告ランクのスコアは、入札単価、広告とランディング ページの品質、広告ランクの下限値、オークションの競争力、ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)(ユーザーの所在地、デバイス、検索した時刻、検索語句の性質、同じページに表示される他の広告と検索結果、他のユーザー シグナルと属性など)、アセットやその他の広告フォーマットの見込まれる効果など、さまざまな要素に基づいて算出されます。
引用:広告ランク
上記の6つの要素からなる、広告ランクの計算式が以下です。
広告ランク=入札単価×広告の品質
つまり広告ランクを上げるには入札単価を上げるだけでなく、広告の品質も必要です。品質スコアが低くても入札単価を上げると、広告ランクは上がるので掲載順位も高くなりますが、大幅な予算が必要になるのでおすすめはできません。
実際に支払うクリック単価は、広告ランクをもとにオークションで競われた上で決まります。
クリック単価の相場はキーワードによって異なりますが、一般的には競合が多い場合費用を多く出してでも広告を掲載したいと考える方が多いので、クリック単価も高くなる傾向にあります。
そのため入札単価をできるだけ抑えつつ、他社よりも上位に広告を掲載させるには広告の品質を上げた上で、広告ランクを上げることが大切です。
クリック単価はキーワードによって異なり、安ければ10円程度、高ければ2,000円を超える場合もあります。クリック単価に影響を与える要因は様々ですが、主に以下のようなものが挙げられます。
商材の業界によって、クリック単価は大きく変動します。業界とは、金融やファッション、旅行や教育、産業サービスや不動産など、おおまかにジャンル分けしたものを指します。
その中でも、金融や資産運用、起業などお金に関する業界はクリック単価が高くなる傾向にあります。
企業や商品の知名度/認知度が高い場合、広告に対するクリックが集まりやすいため、クリック単価を抑えられる傾向にあります。
ただし同じキーワードで広告を出す競合が多い場合や、知名度が低い企業が知名度の高い企業と競う必要がある場合は、クリック単価が上がることが多いです。
季節によって流通に変動がある場合は、広告を出す時期によってもクリック単価は変わってきます。また一時的に流行したものについても、ブームが過ぎ去ってしまうとクリック単価に影響を与えます。
季節性のあるキーワードで広告を出している場合は、世の動向をチェックしておくことが大切です。
同じキーワードで広告を出した場合でも、GoogeやYahooなど配信媒体によってクリック単価が変動します。なぜなら、それぞれの媒体によってユーザーの年齢層や広告の表示位置が異なるためです。
キーワードによってもクリックを集めやすい媒体が変わることもあるので、どの媒体に広告を出すのかは重要です。
地域別の影響は、広告のクリック単価に大きな影響を与えます。
特に、都市部と地方部でのCPCは大きく異なる場合があります。都市部では競合が多くクリック単価が高くなり、地方では競合が少なくクリック単価は低く抑えられる傾向にあります。このように地域によってCPCが変動するため、地域別に戦略を考えることが必要です。
デバイスの種類も、CPCに影響を与える重要な要素です。
スマートフォンとパソコンでは、ユーザーの検索行動が異なる場合があります。スマートフォンでは短いキーワードで空き時間に検索されることが多く、パソコンではより詳細な情報を求めて検索されることが多い傾向にあります。
クリック単価を効果的にコントロールするには、このような違いを理解しデバイス別に最適化された広告を作成することが重要です。
クリック単価を決めるときに耳にすることの多い「上限クリック単価」と「平均クリック単価」について、それぞれの定義をよく理解することが運用において重要です。ここからはその2つの定義を解説しますので、理解して運用に役立てましょう。
上限クリック単価とは、1クリックに対して支払い可能な上限金額のことです。リスティング広告における表示順位を決めるための広告ランクの要因の一つです。
上限クリック単価は各広告グループやキーワードごとに設定でき、上限クリック単価を高く設定するとその広告が上位に掲載される可能性が高まります。
上限クリック単価はあくまで支払える金額の上限なので、競合とのオークションの結果によっては上限クリック単価よりも安く入札が決まることもあります。
平均クリック単価とは、1回のクリックに対して発生した広告費用の平均額です。平均クリック単価は実際にかかった広告費用から割り出されるので、広告配信の実績を把握するために使われます。
ほとんどの場合、あらかじめ設定していた上限クリック単価を平均クリック単価が上回ることはありません。
効果的に運用するために、平均クリック単価をもとに広告の配信方法や品質、ターゲットなどを見直すのがおすすめです。
クリック単価は業界や時期によって大きく変動しますが、リスティング広告運用を始める場合はクリック単価の平均水準を基に予算を組みます。このとき、Googleキーワードプランナーを利用すると、そのキーワードごとの平均クリック単価を調べることができます。
キーワードプランナーは、Google広告のアカウントを取得していれば誰でも利用できるもので、検索ボリュームを調べるだけであれば無料で使うことが可能です。キーワードプランナーにアクセスし、検討しているキーワードを入力すると、平均クリック単価が表示されます。
キーワードプランナーの使い方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
業界ごとのクリック単価の相場を調査することは、広告運用において非常に重要です。
例えば広告を出稿したい業界が競合が多くクリック単価が高いとわかれば、予算の設定や戦略の見直しができます。
また業界ごとの相場を知ることで、自社の広告が適正なのかを判断する材料になります。
クリック単価の相場調査には、専用のツールを使用する方法もあります。
先ほど説明したキーワードプランナーを使用することで、狙いたいキーワードのクリック単価の相場を簡単に調査できます。ただしツールが提供するデータはあくまで参考値であり、運用を始めた後はクリック単価を再度確認するのがおすすめです。
広告の費用対効果を高めるには、常に配信している広告を改善することが大切です。
ここからは、クリック単価を効果的に改善するための方法を4つご紹介します。これらを定期的に実践することで、価格をおさえつつ高品質の広告を配信することができます。
クリック単価は、その企業や商品の知名度や業界の動向、時期などによって常に変動します。実際の広告効果をもとに、上限クリック単価を調整することで費用対効果を高くすることが可能です。
上限クリック単価を上げるべきパターンと下げるべきパターンを解説しますので、ぜひ運用でご活用ください。
広告の掲載順位が低い場合や、広告が表示されていない場合は、上限クリック単価を上げる必要があります。
広告掲載順位を決めるための広告ランクを決める要素には、上限クリック単価も含まれています。思うように広告効果が得られないときは、広告予算を増やさなければなりません。
いくつかのキーワードで広告を出稿している場合はコンバージョン率やクリック率を見ながら、より成果が見込めるキーワードの上限クリック単価を優先的に引き上げましょう。
広告の掲載順位が常に高い場合や競合広告がほとんどない場合、当初の予算を大幅にオーバーしている場合は、上限クリック単価を引き下げてコスト削減につなげましょう。
また広告掲載順位が高くてもコンバージョン率やクリック率がのびていない場合は、一度上限クリック単価を下げて様子を見てみるのも一つの手です。
ただし上限クリック単価を引き下げすぎると、広告掲載順位が大幅に下がったり広告が表示されなくなったりすることもあります。上限クリック単価を変更した際には、必ず広告掲載順位を確認するようにしましょう。
広告の掲載順位が低く上限クリック単価を上げても改善が見られない場合には、キーワード選定を見直す必要があります。
元のキーワードに類似したもので、ある程度の検索ボリュームがあり、コンバージョン獲得にもつながりやすいキーワードがないかを検討してみましょう。
また検索ボリュームの大きなキーワードは、競合が多くなるためクリック単価が高くなりやすい傾向にあります。そのためクリック単価の高いキーワードばかりで広告を運用していると、全体的な広告費も高くなってしまいます。
予算を使いすぎないようにするためには、コンバージョン率やクリック率のバランスが良くなるようにキーワードを設定することが大切です。
広告の掲載順位には、上限クリック単価だけでなく品質スコアも大きく影響します。品質スコアを見直して改善することで、上限クリック単価を引き上げずに掲載順位を上げられる可能性が上がります。
広告の品質スコアを改善するためには、以下の3つのポイントが重要です。
リスティング広告の場合、ユーザーの検索意図に一致しやすい広告から優先的に表示されます。
ユーザーが求めている情報を正確に把握し、検索語句やキーワード、広告内の文言などに一貫性を持たせることでユーザーに適した広告であると媒体から判断されるため、意識して運用を行いましょう。
ユーザーは、興味を強く持った広告からクリックしていきます。つまりクリック率が高いほど、ユーザーのニーズに合った広告であると媒体から判断されます。
クリック率が高くなると広告ランクが上がるだけでなく、実際のコンバージョン獲得にもつながるため、やはり正確にユーザーのニーズを把握することは重要です。
ランディングページとは、広告をクリックした先の、WEBサイトなどのページのことです。
広告のクリック率が高くてもライディングページの利便性が低かったり、キーワードとの関連性が低ければ品質スコアは下がってしまいます。
ランディングページがキーワードに深く関連するか、分かりやすく見やすい内容であるか、実際の購入などへの導線はスムーズであるかなどが判断基準ですので、ぜひ見直してみてください。
広告ランクにおいて上限クリック単価と品質スコアが重要な要因になりますが、それに加えて「広告表示オプション」も最適化するとクリック単価を改善することができます。
広告表示オプションとは、広告内にある店舗の住所や電話番号、位置情報などを記載できるオプション設定です。これらの項目を設定することで、ユーザーによる店舗やWEBサイトへのアクセスが増え、コンバージョン獲得にもつながりやすくなり、広告ランク向上も見込めます。
このように広告ランクを上げるためには、広告をユーザーの意図にマッチしていて利便性の良いものに設定し、クリック率やコンバージョン率が上がるよう改善していく必要があるのです。
広告のターゲティング設定は、広告運用の成功において非常に重要な要素です。特に、年齢や性別、地域によるターゲティングは、広告の効果を大きく左右します。例えば、年齢・性別でのターゲティングを行う場合、商品やサービスが特定の年齢層や性別に強く訴求する特性があれば、その層に絞って広告を出稿すると効果が高まります。
また、地域でのターゲティングは、特に地域密着型のビジネスや店舗を運営している場合に有効です。地域によっては競合が少なく、クリック単価を低く抑えられる可能性もあります。
このように、ターゲティング設定を最適化することで、広告予算をより効率的に活用できます。
年齢・性別でのターゲティングは、特に消費者の購買行動が年齢や性別に依存する場合に有効です。例えば、若年層向けのファッション商品や、中高年層が主な対象である健康食品などが該当します。
このような商品やサービスに対しては、年齢・性別でしっかりとターゲティングを行うことで、無駄な広告費を削減しROI(投資対効果)を高めることが可能です。
地域でのターゲティングは、特に地域に密着したビジネスや地域限定でサービスを提供している場合に重要です。地域によっては競合が少ないためクリック単価が低く、効率的な広告運用が可能です。
また地域特有のイベントや季節に合わせて広告を出稿することで、地域住民の関心を引きやすくなります。
広告のテストと改善は、広告運用の中で非常に重要なプロセスです。特に、A/Bテストや広告のパフォーマンス分析は、広告の効果を最大限に引き出すために欠かせない作業です。
A/Bテストとは、同じ条件で異なる広告を出稿しどちらがより効果的であるかを比較する方法です。このテストを行うことで広告文やデザイン、キーワードなど、さまざまな要素の効果を詳細に分析できます。
その結果より効果的な広告要素に絞り、広告の効果を最大化することができます。
広告のパフォーマンス分析は、出稿した広告がどれだけの効果をもたらしているかを定量的に評価する作業です。
クリック数やコンバージョン数、クリック単価など多くの指標がありますが、これらを分析することで広告の改善点や新たな戦略を見つけることができます。
広告の予算を決める際、クリック単価は非常に重要です。
クリック単価は業界や時期、広告の品質により変化します。
キーワードの選定や広告の内容などを常に分析し適切な改善を繰り返して、投資額を減らしつつ効果的な広告運用を目指しましょう。