
広告とは?初心者向けに基本を解説
インターネット広告
2025.03.05
本ページでは、主にディスプレイ広告において知っておくべき以下のポイントを順に解説していきます。
今回は細かい設定や運用に関する話はしませんが、最後まで読むことでディスプレイ広告の全体像がつかめる構成としています。
ディスプレイ広告とは、Webサイトや動画、アプリ内の広告枠に表示される主に画像、動画形式の広告です。
特にバナーで表示されることが多く、ディスプレイ広告≒バナー広告ととらえることもあります。
引用:Yahoo! JAPAN
まずは、ディスプレイ広告のできること・得意なことを3つ紹介します。他のWeb広告と比較して、どんな強みがあるのかを把握しましょう。
ディスプレイ広告の3つのできること・得意なこと
ディスプレイ広告は主に画像や動画を用いたバナー広告が主流です。そのため、視覚的な訴求に長けた手法です。
動画広告も同様に視覚的な訴求が可能ですが、ディスプレイ広告に使うバナーは動画よりも制作コストが低いためクリエイティブの検証を柔軟に行える点やターゲティングの種類が豊富な点がディスプレイ広告の強みと言えます。
ディスプレイ広告同様に視覚的な訴求に優れたSNS広告との違いがこの広告枠です。
SNS広告は各プラットフォーム毎に独自の広告媒体を有していますが、ディスプレイ広告はディスプレイネットワーク※と呼ばれる広告網に含まれる広告枠すべてが配信対象になります。※正式にはディスプレイネットワークはGoogle広告でのみ使われている名称
Google広告だけでも200万以上のWebサイトや動画、アプリに対して広告を配信することができるため、かなり広い範囲へのリーチが可能です。
ディスプレイ広告はリスティング広告と比較して、潜在層へのアプローチがしやすいです。ユーザーとの接触度合(サイトの訪問回数や同じ広告の表示回数)に合わせて配信する広告を出し分けることもできるため、長期的な広告コミュニケーションにおいても有用な手法と言えるでしょう。
できることがある反面、ディスプレイ広告にもできないこと・苦手なことがありますので、3つ紹介します。
ディスプレイ広告の3つのできないこと・苦手なこと
ディスプレイ広告を見るユーザーはWebサイトや動画、アプリ内にいるユーザーのため、何かしらのニーズは潜在もしくは準顕在の状態です。
ですので潜在層に対して自社商品の重要性を訴求したり、認知を獲得したり、準顕在層の購買意欲を促進するような効果は期待できますが、リスティング広告などの獲得向けの施策と比較すると獲得効率は悪くなる傾向があります。
獲得だけを考えると他のWeb施策の優先度が上がってしまうだけで、無料登録などをCV(コンバージョン)ポイントとして設定することで、ディスプレイ広告でも多くのCVが発生することがあります。運用の仕方によって様々な効果を引き出せるということも覚えておくとよいでしょう。
例外として、ディスプレイ広告にはリターゲティングという獲得向けのターゲティングが存在します。一度自社サイトに訪れたユーザーに再度広告を配信するターゲティング手法で、獲得率の高い施策ですが、深追いしすぎるとユーザーに不快感を与えてしまうため、リスティング広告よりも注意が必要です。
ディスプレイ広告をはじめ、広告というのは本来のユーザーの目的に割り込む形で見せているものです。あまりにも過剰に配信し続けていると、ユーザーにマイナスな印象を与えてしまいます。
これらを防ぐため、フリークエンシー(表示の回数)やリーセンシー(表示の間隔)などの設定、広告だらけのサイト(MFA)への配信を避けるなどの対策が検討できます。
メリットとして広告枠が膨大と言いましたが、その分広告の表示機会も多くなるため広告費の消化ペースが速くなりやすい点には注意が必要です。
またディスプレイ広告をクリックするユーザーは、ちょっとした興味でクリックしてみたり、ちょうど検討中でしっかり見てみようとクリックしていたり、ユーザーの状態もバラバラです。
これらのことから、「広い面に広告が掲載される」かつ「クリックの質が高いとは限らない」ため、課金方式によらず広告費の消化ペースは速くなる傾向があります。
できること、できないことを知ったところで、ディスプレイ広告が具体的にどのような場所に表示させることができるのかを理解していきましょう。
ディスプレイ広告の掲載箇所は、Webサイトや動画、アプリ内の特定の広告枠です。
主な広告媒体とそれぞれの配信面を紹介します。
ディスプレイ広告はGoogle広告、Yahoo!広告、Microsoft広告に加え、DSP(Demand Side Platform)という広告媒体から配信することができます。
これらの違いは主に配信面と、配信の仕組みです。
基本的には各媒体ごとに固有の提携先を持っており、利用する媒体によって配信できるWebサイトやアプリも変わるイメージです。
それぞれの広告媒体の特長は以下の通りです。
DSPはGoogleやYahoo!などといったプラットフォームに紐づく広告媒体ではなく、他の3つと異なる仕組みで配信をしています。少し複雑であるため、今はそういったものがあることだけ認識しておいてください。
Webサイト、動画、アプリ内のどこに掲載されるのかを紹介していきます。掲載枠は各メディア毎に決まっています。
具体的にいくつか例を紹介しますので、画像でイメージを深めてみて下さい。
Yahoo! JAPANやMSNなどのポータルサイト内の上部や左右のスペース、またはコンテンツの間に広告枠が存在します。
←横スクロールで掲載枠を確認→
Yahoo! JAPAN | MSN |
![]() | ![]() |
引用:Yahoo! JAPAN | 引用:MSN |
Yahoo!ニュースや朝日新聞デジタルなどのニュースサイト内の上部や左右のスペース、またはコンテンツの間に広告枠が存在します。
Yahoo!ニュース | 朝日新聞デジタル |
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引用:Yahoo!ニュース | 引用:朝日新聞:朝日新聞社のニュースサイト |
食べログ、ゲームエイト、価格.comなどの情報サイトやブログなどの上部や下部、左右のスペースやコンテンツの間に広告枠が存在します。
食べログ | ゲームエイト | 価格.com |
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引用:食べログ【掲載店舗数No.1】グルメ・レストラン予約サイト | 引用:ドラクエ3リメイク攻略|ドラゴンクエスト3HD-2D|ゲームエイト | 引用:【価格.com】パソコン | 通販・価格比較・製品情報 |
YouTubeなどの動画配信サービス内でコンテンツの検索結果画面やおすすめ欄などに広告枠が設けられています。
YouTubeの検索結果画面 | YouTubeのおすすめ欄 |
![]() | ![]() |
引用:YouTube | 引用:YouTube |
スマホアプリのホーム画面や漫画アプリなどで表示される画像広告などもディスプレイ広告に含まれ、それぞれのアプリごとに指定の広告枠を設けています。
ディスプレイ広告はWebサイト、動画、アプリなど様々な面に掲載することができましたが、どのような形式の広告を表示できるのでしょうか。
ディスプレイ広告の広告枠は、以下の様々なバナーサイズが存在します。
各バナーの大きさに合わせた画像・動画形式の広告が基本のフォーマットです。
全てのサイズのクリエイティブを作成するときもあれば、PCとモバイルで共通のサイズのもののみを作成するときもあります。
先ほど紹介したように、各メディア毎にバナーサイズが異なるため、すべてに対応できるよう画像を作成するのは非常に大変です。
そこで最近では1つのクリエイティブで様々なバナーサイズに対応できるように、システムが自動で見せ方を変えてくれるレスポンシブディスプレイ広告などの活用も主流になってきています。
以下の画像のように、画像・広告見出し・説明文を設定すると、様々なバナーサイズに合わせて組み合わせ、多くの広告枠に対応できるようクリエイティブを自動で作成します。
ここまでディスプレイ広告の特徴を解説してきました。
最後に、ディスプレイ広告はどのようなケースで活用すべき手法なのかを商材/サービス、予算や目的の観点で解説していきます。
ディスプレイ広告は主に画像や動画をフォーマットとしているため、視覚的な訴求によって魅力が伝わりやすい商材/サービスとの相性が良いです。
例えば、toC向けのサービスだと、アパレル・インテリア・旅行・ゲーム・アプリなどの商材が挙げられます。
必ずしも有形商材である必要はなく、例えばtoB向けのサービスでもセミナーやイベントの広告は、登壇者の写真で作成した画像を用いたり、惹きのあるキャッチコピーを画像で見せたりすることでインパクトのある訴求を行うことができます。
新サービスや新ブランドを一気に市場に広めていきたいなどの目的で、幅広い認知拡大を行いたい場合にディスプレイ広告はおすすめです。
認知拡大目的では動画広告やSNS広告なども候補として挙げることができますが、ディスプレイ広告は1回表示あたりの単価が安いため露出を増やしやすいという点で優秀です。
獲得数が頭打ちになってきており、月額予算が300万円以上ある場合にはリターゲティング広告を中心にディスプレイ広告を検討するとよいでしょう。
見込み顧客に再アプローチする手法として、ディスプレイ広告ではリターゲティングという手法を使うことができます。(これをリターゲティング広告と呼びます。)
リターゲティング広告とは、過去にサイト訪問した見込み顧客へ追跡型の広告を配信し、コンバージョンを促進できる手法です。リスティング広告などの獲得施策だけではCVに至らなかった顧客と再度接点を持つことで獲得効率を高めることできます。
ちなみに、リスティング広告でもリターゲティング機能を活用することはできますが、ディスプレイ広告での活用が一般的です。
ディスプレイ広告は視覚的にインパクトを与えることができるため、ユーザーの潜在ニーズを刺激する訴求とも相性が良いです。このことから、潜在層・準顕在層に対する興味喚起・理解促進の施策としても有効です。
リスティング広告など顕在層向け施策の成果が頭打ちになってきており、将来の顧客創出への投資や顕在層の創出を行っていきたいというケースではディスプレイ広告の検討を始めるとよいでしょう。
本ページではディスプレイ広告の全体像を解説してきました。以下に、本ページのポイントをまとめます。
ディスプレイ広告のできること/できないこと
・認知拡大や興味喚起に強みがあり、獲得が得意な施策ではない(リターゲティング広告を除く)
・短期間で成果が出るが、長期的な獲得効率の維持は難しい
・単価は低いが、広い面に露出するため予算消化のペースが速いことに注意が必要
広告を出せる場所
・広告媒体は、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告、DSP
・配信面は、Webサイト、動画、アプリ内の既定の広告枠
表示できる広告の形式
・主に画像・動画形式の広告
・バナー型の広告であり、媒体毎にバナーサイズが決まっている
おすすめのケース
・視覚的な訴求で魅力が伝わりやすい商材/サービス
・幅広い認知拡大を行いたい
・顕在施策が頭打ちになっており、月額予算が300万円以上である
上記項目について理解できていれば、ディスプレイ広告についての全体像の理解は十分できています。
一方で、自身で運用力を付けたい場合や代理店との円滑なコミュニケーションのためには、もう一歩進んだWeb運用に関する基本理解と媒体理解が必要になりますのでさらなる学習を進めていきましょう。