SEO記事のライティング方法～本文の執筆・公開までの流れ～

執筆を始める前にやっておきたいこと

今回紹介しているSEOライティングの方法は、上に示したようにコンテンツ作成の流れのステップ3に該当する項目です。「キーワード選定」と「ニーズ調査・記事の構成案作成」のステップがまだでしたら、先に終わらせておきましょう。

各ステップのやり方についてはここでも簡単に解説します。

キーワード選定（キーワード戦略）

コンテンツを作成する前に、どのキーワードで流入を獲得したいかを決定します。このステップで大切なのは、やみくもにキーワードを選ぶのではなく、事業の成長に繋がるキーワードかつ競合他社に勝てる見込みのあるキーワードを選定することです。

キーワード選定のアプローチには様々なやり方がありますが、主には

などのやり方で候補となるキーワードを洗い出したのち、難易度やサイトで実現したい目的を達成できるかなどの観点で優先順位をつけていきます。キーワード選定が完了していない方は、以下の記事を参考に進めてみましょう。

SEOキーワード選定のやり方・手順をわかりやすく解説

▼動画でチェックしたい方はこちらSEOにおけるキーワード選定とは？そもそもSEOとはGoogleなどの検索エンジン上でWebサイトやWebページを上位表示させるための施策のことです。顧客になり得るユーザーが実際に検索する…

ニーズ調査・記事構成案の作成

キーワードが決まったら、すぐに書き出すのではなく、ユーザーや競合の調査を行った上で記事構成案を作成します。記事構成案とは、その記事の設計図のようなものです。

そのキーワードで検索しているユーザーはどのような背景で検索するに至ったのか、どのくらい知識を持っているのか、などユーザー像をクリアにするために調査を行い、それを基に記事構成案を作成します。

ここが雑になると、その後のコンテンツの部分にいくら時間をかけても質の高いコンテンツを作成することはできません。SEOで上位表示するための肝となる、とても重要なステップです。

記事構成案がまだ作成できていない方は、以下の記事を参考に作成しましょう。

【記事構成案の作り方完全ガイド】検索１位を目指したい人へ

記事構成案を作る前に、まずはニーズを調査しよう検索上位を目指すには、「そのキーワードを検索するユーザーが抱えている悩みや疑問に回答する」ことが何よりも重要です。そのため、いきなり記事構成案を作り始めるのではなく、ニーズを…

SEOライティングの進め方

記事構成案ができあがったら、いよいよ執筆に入ります。基本的には記事構成案に沿ってひたすら肉付けをしていく作業です。以下のポイントを押さえながら執筆を進めましょう。

ユーザーが読みやすい文章にする

まず前提として、ユーザーにとって読みやすい文章にすることが大切です。「読みやすい文章」と聞くと何か特別な技術を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかしそうではなく、読みやすい文章とは些細な心配りの連続だと考えると上手くいくと思います。

常にユーザーを思い浮かべ、そのユーザーが理解できるのか？と常に自問自答しながら書いていくのがコツです。具体的なチェックポイントは以下をご覧ください。

各チェックポイントについて、例文を用いて説明します。

以下は、「SEOとは？」を説明した例文です。想定読者は、「SEOという言葉は聞いたことあるけどあまりよくわかっていない。具体的に何をするものなんだろうと疑問に感じている人」とします。

どうでしょうか。「全く読む気にならない」という感想を抱いた人が大半なのではないでしょうか。

先ほど挙げた読みやすい文章のチェックポイントに沿ってこの文章を評価してみると…

このようにポイントを全く押さえておらず、かなり読みづらい文章になっていると思います。これをポイントに沿って修正してみましょう。

まずは、1つめのポイントである改行をしてみます。

どうでしょうか。これだけでも、多少は読む気が湧いてきますよね。

ただし読む気は湧いてきても、何を言っているのかはまだよくわからないと思います。説明が難しかったり、普段見慣れない用語や漢字が多すぎたりするからですね。読んでいて文章のリズムが悪い（同じ語尾が続いている）のも改善できそうです。

そこで、残りのポイントも押さえつつ改善してみます。

専門用語をできる限りなくし、文章だけでなくリスト表記も使って視覚的に見やすい工夫をしています。かなり読みやすくなったのではないでしょうか。

E-E-A-Tを満たす

記事執筆においては、Googleが重視する E-E-A-T（経験・専門性・権威性・信頼性） を満たしているかどうかを意識することが非常に重要です。これを意識せずに書かれた記事は、内容が薄かったり、誰でも言えそうな一般論に終始してしまい、評価されづらくなります。

記事のテーマに応じて、次にあげるポイントを押さえながら執筆をして、E-E-A-Tを満たしたコンテンツを目指しましょう。

具体的な事例やデータを用いて執筆する

「〇〇すべき」「〜が大切」と言い切るときは、その理由や根拠を必ず添えることで説得力が増します。

例えば、

「リライトはとても大切です。」

とだけ言われるよりも、

「弊社で抱えているお客様100社を調査したところ、実に上位を取得している記事の7割以上がリライトを加えていました。」

と言われた方が納得度が高く感じますし、会社に対する信頼度も高まります。もしそのようなデータがない場合には、信頼できる情報源を引用して根拠を示すのも有効です。

実際の経験を基に執筆する

ユーザーが体験談を求めているキーワードにおいては、「〇〇を試した結果〜だった」「実際に行ってみた所感としては…」といったように、実体験に基づいた内容を盛り込むことで、ユーザーの関心や疑問に対して、実態に即した具体的な情報を伝えることが可能です。

例えば「箱根　モデルコース」というキーワードなら、実際にその道を歩いたからこそわかる情報（例：最短ルートだと坂が多くて大変だからこちらのルートが良い）を入れたり、「自転車通勤 ダイエット」というキーワードなら、実際にチャレンジしてみたからこそ感じた注意点（例：雨の日は着替えやタオルを持って行くべき）を入れることで、ユーザーにとって役立つ情報になります。

逆に、インターネット上の情報ばかりで、自分の視点や経験が入っていない文章は、どうしてもありきたりな印象になってしまいます。読者の記憶にも残りづらく、検索エンジンにとってもそのページである必要性を感じられません。

ユーザーが求めている情報だけを執筆する

最後のポイントは、執筆者が書きたいことを書くのではなく、ユーザーが求めている情報だけを執筆するということです。執筆者の熱量が前面に出てしまい、ユーザーの知りたい情報とズレてしまっているケースは本当によく見られます。

特に、

「書きたいことがたくさんある！」
「このテーマなら熱量をもってかける！」

と意気込んでいる人ほど、つい自分の意図を強く反映しすぎてしまいがちです。その結果、ユーザーは「情報が欲しいのに余計な内容が多すぎる」「求めていた答えが見つからない」と感じてしまい、早期離脱に繋がってしまう可能性があります。また、ニーズを満たす情報の密度が薄くなり、検索エンジンから見ても記事の価値が低下する可能性も否めません。

SEO記事を執筆するときは、常に目の前にユーザーを思い浮かべ、そのユーザーが本当に求めている情報は何か、自問自答しながら書き進めましょう。以下のチェックポイントも確認してみてください。

記事執筆が完了したら

記事執筆が完了したら、公開までの準備を進めていきましょう。

タイトルを作成する

タイトルは、その記事をクリックするかどうかを左右する重要な要素です。記事を作成した後に、伝えたいメッセージがしっかりと伝わるようなタイトルを設定しましょう。

具体的には、以下のポイントを押さえます。

リード文（導入文）を作成する

本文に入る前のリード文（導入文）は、読者に「この先も読みたい」と思わせるための重要なパートです。記事の“つかみ”となる部分なので、本文の内容を要約しつつ、読者に「この記事を読むことでどのような価値があるのか」を端的に伝えることを意識します。

文字数は目安として200~300字程度で、多くても400字程度に押さえましょう。

HTMLマークアップをおこなう

本文が書けたら、タグ関係のマークアップをおこないましょう。マークアップとは、記事の構造をHTMLタグを使って整理し、検索エンジンやユーザーにとってわかりやすくする作業のことです。

以下では、最低限設定すべきものをまとめています。

メタディスクリプションタグ

メタディスクリプションとは、検索結果に説明文として表示される文章のことをいいます。ユーザーがその記事をクリックするかどうかを判断する要素になるため、具体的なメリットを述べる・結論を先に伝えるなど、ユーザーが魅力的に感じる内容にすることがポイントです。

文字数は100字程度にし、ページごとに固有の内容を設定しましょう。上位表示している記事のメタディスクリプションを参考にしてみてもイメージがわきやすいですよ。

関連記事：meta description（メタディスクリプション）の効果的な書き方・設定方法

hタグ（見出しタグ）

作成した構成案に合わせて、hタグ（見出しタグ）を設定します。なお、本文内の見出しはh2以降から使い始めるのが基本です。

なお、h1はhタグの中で最も上位のタグであり、各ページに1つまで設定します。h1タグとタイトルタグの内容は同じでも問題ありませんが、SEO最適化を考えるなら、別々の文章を設定することも可能です。

装飾関連のHTMLタグ

その他にも、以下のような装飾関連のHTMLタグを設定することで、読みやすさを向上させましょう。

画像を準備する（記事内画像とアイキャッチ）

記事に使用する画像は、「読者の関心を引くアイキャッチ」と「記事内容の理解を促すための画像」の2つを準備します。

アイキャッチ画像は記事のテーマがひと目で伝わるビジュアルを選定し、記事内画像は図解やイラストを用いて内容理解をサポートするものを準備しましょう。

どちらも著作権に配慮し、オリジナル画像またはライセンスフリー素材を使用します。

altタグの設定も忘れずに

altタグとは、<img>タグに付加できる属性の一つで、画像の内容を説明するテキストのことです。設定することで、Googleをはじめとする検索エンジンが、画像の内容を理解するのに役立ちます。

また、画像が表示されないときの代替テキストとしての役割や、視覚に障がいがある方のアクセシビリティ対応としての役割もあります。

関連記事：alt属性の書き方・設定方法

必要に応じて内部リンクを設置する

関連する記事やユーザーがより理解を深めるための参考記事があれば、内部リンクを設置します。内部リンクは、ユーザーの回遊性を高めサイト全体のSEO効果を強化するうえでも重要な施策です。

ポイントは、ユーザーにとって興味がありそうなページを適切なタイミングで設置することです。逆に、内部リンクをつけることが目的になり、ユーザーのことを無視した内部リンクを設置しないように注意してください。

関連記事：内部リンクを設置するポイント

時間をおいて全体を見直す

ここまでできたら、改めて全体を通してコンテンツの内容をチェックしましょう。おすすめは、一晩おいて頭をリセットした状態で見直すことです。客観的な目で読み返すことで、見落としていたポイントにも気づきやすくなります。

例えば、

などを見直してみてください。最初のうちは、声に出して読むのもおすすめです。黙読だけでは気づきにくい違和感にも気づきやすくなりますよ。

公開する

全体を見直して問題がなければ、いよいよ公開します。記事を公開したら、必要に応じてGoogle Search Consoleからインデックス登録リクエストを送信しましょう。

この作業は必須ではありませんが、早期にインデックス登録を促したい場合には有効です。特にタイムリーな内容やSEOを重視する場合は活用するとよいでしょう。

インデックス登録リクエストを送信する手順

①Google Search Consoleにログインし左メニュー「URL検査」をクリックし、上部の検索バーに登録したいURLを入力する

②図の右下にある「インデックス登録をリクエスト」をクリックすれば、申請完了です。

 

次のステップ：公開後はリライトをしよう

記事は公開して終わりではなく、公開後の運用こそがSEOの成果を左右する重要な工程です。

獲得できているクエリや検索順位を定期的にチェックし、必要に応じてタイトル・見出し・本文をリライトすることで、成果を最大化させていきましょう。次のステップでは、リライトの進め方について学びます。

次のステップ：SEOのリライトとは？手順と成果を最大化させる6つのポイント