コンテンツマーケティングの記事制作のポイントを詳しく解説！｜読まれる記事の作り方

近年のGoogle検索アルゴリズムアップデートにより、SEO観点で最適化されただけの記事コンテンツでは上位表示はますます難しくなってきています。より独自性・具体性があり、顧客に有益な情報を提供する本質的な記事コンテンツこそが評価される潮流の中で、コンテンツマーケティングへの取り組み方に悩まれている読者の方も多いのではないでしょうか。本記事では、コンテンツマーケティングの記事制作を効率的に進めるための考え方やポイントについて、最近のSEOのトレンドも交えて詳しくご紹介します。組織体制やリソースによって、最適な進め方はもちろん異なりますから、本記事の内容を参考に、ぜひご自身の組織に合った形を見つけていただければと思います。 

記事コンテンツとは

前提として本記事で述べる、コンテンツマーケティングの「記事コンテンツ」を定義しておきましょう。デジタルマーケティングの文脈における「コンテンツ」とは、記事コンテンツだけでなく、SNSへの投稿画像や、YouTube等への投稿動画など、非言語の素材も含まれます。その中でも、本記事ではSEOやSNS経由でサイトに流入した顧客に提供する「読み物」としてのコンテンツにフォーカスして解説します。以降、本記事では、デジタルマーケティング全般のコンテンツとは区別する意味で、「記事コンテンツ」という呼称を用います。

記事コンテンツ制作の流れ

それでは、実際に記事コンテンツをどのように制作・公開していくかについて、以下の流れで解説します。

STEP 01：企画＆キーワード選定

最初のステップは、「ターゲットとする顧客の明確化」と「検索キーワードの選定」です。コンテンツマーケティングでは、闇雲の記事を制作しているだけで成功には繋がりません。施策によって、どのような顧客との接点を持ちたいのか、具体的な人物像を描く必要があります。※この人物像のことを、マーケティング用語で「ペルソナ」といいます。詳細については以下の記事をご参照ください。

ペルソナ設定とは？具体的な作り方、手法や注意点も説明！マーケティングには必須！

マーケティング戦略において、「ペルソナ」を設計した方がいいということを耳にすることは多いかと思います。本記事では、ペルソナとは一体どのようなものなのか、なぜペルソナを設定する必要があるのかから、実際にペルソナを設定する方…

そして、ペルソナはどんなニーズ・課題があり、どんなキーワードで検索を行うか、を洞察します。そのキーワードでの検索に対して、上位表示されるコンテンツを制作することが目標となります。

SEO対策とは？SEOで上位表示する効果的な施策と事例

💡こちらの記事は、当メディアPINTO!内で扱っているSEO対策に関する記事をすべて網羅している、いわば教科書のような記事です。いつでも戻って来れるように、ブックマークしておくことをおすすめします！第１章：SEO対策とは…

ここで、SEOにおける最近のトレンドもいくつかご紹介します。発展的な内容となりますので、初学者の方は、「STEP02：記事の構成案作成」まで読み飛ばしていただいても構いません。

ヘルプフルコンテンツアップデート

ヘルプフルコンテンツアップデートは、2022年8月に実施された、Googleの検索エンジンのアルゴリズムアップデートです。

helpful content updateが発表！　コンテンツ品質がより重要になるアップデート

日本時間の2022年8月19日（金）に「helpful content update（ヘルプフルコンテンツアップデート）」が発表されました。ユーザーにとって便利であり独自性の強いコンテンツが検索で見つかりやすくなるアップ…

ヘルプフルコンテンツアップデートとは、ユーザーに役立つ本質的なコンテンツをより高く評価し、逆にSEO目的、すなわち検索での上位表示およびトラフィック獲得を目的としたコンテンツを低く評価するようにするアップデートです。ユーザーへの価値提供を目的とせず、SEOのために最適化されただけのコンテンツでは、上位表示は難しくなったと言えます。

このような潮流は突然のものではなく、これまでのGoogleのコアアルゴリズムアップデートも、根底にある思想は同様です。過去の主要な事例としては、パンダアップデートやペンギンアップデートなどが挙げられますし、最近の事例で言えば、プロダクトレビューアップデートが記憶に新しいでしょう。

※プロダクトレビューアップデートとは、商品レビューサイトを対象としたアップデートです。独自のレビュー内容や類似商品との比較など、その商品を購入検討しているユーザーにとって有益な情報を発信するサイトがより優遇されるようになりました。2021年4月、2021年12月、2022年3月の3回に渡って実施されました。

これらの傾向から読み取れるように、Googleは一貫して、ユーザーにとって有益である本質的なコンテンツを高く評価する姿勢を取っています。記事コンテンツを制作する際は、この前提を強く意識し、独自性や具体性のある良質なコンテンツを執筆する必要があります。

現状、ヘルプフルコンテンツアップデートは、英語サイトのみが対象であり、日本語サイトへの影響はまだありませんが、いずれ影響が及んでくることは確実であり、時間の問題と言えるでしょう。

過去のアップデートについては、こちらの記事を参考にしてみてください。

【SEO担当必見】Google検索アルゴリズムとアップデートの歴史

本記事では、GoogleのアルゴリズムとWebサイトの評価項目、2021年6月までに実施されたGoogleのアップデート一覧、そして、これからのSEO対策についてご紹介します。SEO初心者の方から自社メディアを運営されて…

トピッククラスター

トピッククラスターとは、近年新たに提唱されている、SEOの考え方の一つです。サイト内のコンテンツを適切にグルーピングし、コンテンツ同士を内部リンクでつないで関連性を強めることで、当該コンテンツ群全体として、SEO評価を高める戦略です。

各コンテンツを、ピラーコンテンツ（トピックの中心的なページ）と、クラスターコンテンツ（ピラーコンテンツの内容を補足するコンテンツ）に分類します。そしてピラーコンテンツを「主」、クラスターコンテンツを「従」の対応関係として内部リンクを張り巡らせます。こうすることで、検索エンジンがピラーコンテンツとクラスターコンテンツを一つのまとまりとして認識し、コンテンツ群全体として検索エンジンから評価を得ることができます。

より詳細な内容や、トピッククラスターの考え方を取り入れるメリットについては、下記記事をご参照ください。

【SEO対策の新定番】トピッククラスターとは？ 実施方法やメリットを紹介

トピッククラスター戦略という言葉を耳にしたことはありますか？サイトの中で、特定のトピックの集合体を指すトピッククラスター。トピッククラスターを活用した戦略をサイトに導入することで、関連するコンテンツを有機的につなげられる…

STEP 01-2：ターゲットユーザーの洗い出し

ユーザーのニーズを理解するために、ターゲットユーザーを洗い出すことが非常に重要です。ターゲットユーザーとは、記事を読む人のことを指します。

例えば、SEOの記事を制作する場合には、SEOに関心のあるウェブマーケターやウェブサイトのオーナーがターゲットとなる可能性があります。これらのユーザーは、検索エンジン最適化に関する情報やどのように対策を行えば上位表示を狙えるかについて興味を持っているかもしれません。

まずは、ターゲットユーザーを洗い出しましょう。

STEP 01-3：競合分析

次に、他の記事を調査し、同じトピックに関する情報を分析することによって、競合分析を行います。競合分析は、記事の書き方や使用されているキーワードを理解するために非常に役立ちます。
例えば、競合のSEO記事を調査することで、どのような観点から情報提供が行われているのかを把握することができます。また、競合がどのようなキーワードを使用しているかも確認できるでしょう。これにより、自身の記事の方向性を明確にし、他の記事との差別化を図ることが可能です。
競合分析を通じて、読者にとって有益な情報を提供するための戦略を立てることができます。競合がカバーしていないようなニッチなトピックに焦点を当てることで、読者のニーズを満たす記事を作成できるかもしれません。

STEP 02：記事の構成案作成

コンテンツの企画とキーワード選定が完了したら、具体的な記事構成案を作成します。構成案とは、

など、記事執筆にあたり必要な情報を網羅的に言語化します。あわせて、YMYLなどセンシティブな専門分野の記事である場合は、専門家の監修、あるいは専門家自身が執筆する必要があるため、そこの段取りも事前に整えておきましょう。

※YMYLとは、Your Money Your Life の略で、金銭・生命に関連するコンテンツについては、ユーザーに重大な影響を与える可能性があるため、特にGoogleが厳格に品質評価を行うとされています。YMYLの詳細については、こちらの記事も合わせてご参照ください。

YMYLとは？対象ジャンルやSEO対策ポイントについて解説！

Googleを始めとする検索エンジンでは、年に複数回アルゴリズムのアップデートを実施し、よりユーザーファーストのコンテンツが上位表示されやすい傾向が高まっています。そんな中、Googleや検索エンジンがとりわけ注意してい…

ユーザーの検索キーワードの裏には、必ず何かしらの意図が隠れています。◯◯について知りたい、◯◯が欲しい、◯◯を見たい、◯◯に行きたい、などの思いがキーワードに込められています。これらの検索するときの意図のことを「検索意図」と呼びます。検索意図を深く洞察し、それに対して自社が提供できる最大限の情報・体験を記事に盛り込むことができれば、SEO観点で最適化されただけの他社の記事とは一線を画すことがで、結果的に上位表示も可能となるでしょう。

記事設計については、以下からダウンロードできる「記事設計シート」もご活用いただけます。

「SEOライティングに役立つ！記事設計シート」のダウンロードはこちらから！

STEP 02-2：見出しの作成

まずは見出しを作成しましょう。これにより、記事の構成が明確になり、読者が情報を理解しやすくなります。
見出しを最初に作成することで、記事の方向性を決めることができるため、本文を作成する前に見出しを作成しておきましょう。具体的には、H2、H3の見出し構造を理解し、その流れで見出しを作成していくことが大切です。

STEP 02-3：記事の構成作成

先ほど作成した見出しに基づいて、記事の構成を作成しましょう。具体的には、見出しの中に書かれる本文のアウトラインを作成するイメージです。全体的な内容の方向性が細かく決まれば、記事の方針がずれてしまうことを防げます。

STEP 03：記事執筆

記事構成案が出来上がったら、ライターに作業を発注し、実際の執筆業務を進めていきます。（前述の通り、当該分野の専門家自身が執筆する場合もあります。）

社内に専属のライターが在籍しているケースはあまり多くないかと思いますので、外部のライター（フリーランスや、副業にて従事する他社の社員）に業務を委託する、社内で協力者を募って執筆するなどがよくあるケースです。

執筆のコツに関してはこちらの記事を参考にしてみてください。

【入門編】seoライティングの基本を7ステップで習得！

本記事では、SEO対策を意識した記事コンテンツの作成方法について、解説いたします。この記事を見ながら記事を作成していただけるような内容になっています。そもそもSEOライティングとは？「SEOライティング」とは、検索エンジ…

前述の通り、Googleの大方針としては、ユーザーに有益な情報を提供する良質なコンテンツが検索で上位表示されます。ひたすらに文字のみで書き進めるのではなく、箇条書きや画像、表やグラフを用いた図解などを適宜挿入することで、ユーザーが視覚的に理解しやすいコンテンツを作り上げることが重要です。そのような記事は、検索エンジンからの評価が高まるだけでなく、離脱率（ユーザーがサイト内の他のページに遷移せず、サイトを離れてしまう割合）も下がり、事業にプラスのインパクトを与えるため、ぜひ意識的に記事の改善を実施していただくと良いでしょう。

STEP 03-2：本文中に画像・動画を配置する

読者が記事をより理解しやすくするために、本文中に画像や動画を配置しましょう。また、画像や動画を適切に選ぶことで、記事の信頼性や魅力を高めることが可能です。

STEP 04：記事編集・校正

ライターの執筆業務が完了したら、編集者にて記事の編集・校正を行います。具体的には、

などを行い、ユーザーに届けても問題ない水準まで、記事の品質を高めます。

記事の品質を担保する役割であるため、事業の中で担う責任が非常に大きい工程であると言えます。

STEP 04-2：校正者による文章のチェック

最後に、わかりやすい文章をユーザーに届けるために、記事の編集・校正を行います。その際、できれば、専門の校正者に文章のチェックを任せることをおすすめします。文章の誤字脱字を修正するだけでなく、読みやすさや理解しやすさを向上させるためのアドバイスを受けられる場合があります。

STEP 05：記事公開・リライト

記事の編集が完了し、公開して問題ない水準となったら、いよいよ記事の公開となります。記事が完成次第、順次公開していく形でも問題はありませんが、可能であれば、公開するペースを一定にしたり、公開する曜日・時間帯を固定したりしておくと、ユーザーに覚えてもらいやすいです。また、記事公開と合わせてSNSでの告知を行うと、流入をさらに獲得できます。SNSアカウントで記事紹介の投稿をするのはもちろん良いですし、予算に余裕があるならば、SNS広告の配信も視野に入れても良いでしょう。

一旦記事を公開したらそれで終わりではなく、定期的にリライト（加筆や修正）を行うことで、情報の鮮度を保つ必要があります。これはSEO観点でも効果的な取り組みですし、本記事で再三述べている、「ユーザーに有益な情報を届ける」という視点でも、ぜひ実施すべきアクションと言えます。

リライトとは？コンテンツのSEO効果を向上させる方法を解説！

「記事をたくさん書いているのに、なかなかセッション数が伸びない・・・」そんな方の悩みを解決するSEOに効果的な施策が「リライト」です。どれくらいSEOに効果的な施策であるかというと、既存記事に対してリライトを実施するだけ…

リライトの効果実証！やはりリライトはメディア成長には欠かせない施策だった！

オウンドメディアの運用における重要施策であるリライトについて、弊社で独自の調査を行ったところ、多くの方が想像しているであろう以上の結果を出すことができるということがわかりました。既存記事のリライトによって、実際何割の記事…

リライトを行うべきタイミングは、SEO的にこれがベストというものは特にありませんので、チーム内でスケジュールや担当を予め決めておき、漏れなく確実に実施できるようにすると良いでしょう。また、Google アナリティクスやサーチコンソール等を用いたアクセス解析も実施し、記事ごとにどの程度流入を獲得できているかを可視化することで、より効果的にPDCAサイクルを回すことができます。

リライト対象のキーワードを発見する際は、SEOツール「SEARCH WRITE」の活用もおすすめです。選定のロジックが明確であり、迷わずにリライトするキーワードを選定、さらにはその後のタスク管理や成果計測がツール内で完結できます。無料デモもありますので、ぜひ一度ご覧ください。

まとめ

コンテンツマーケティングにおける記事制作について、具体的なフローをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。記事作成には時間がかかる上に、すぐに成果が出るといった施策ではありません。しかし、質の高いコンテンツを積み重ねていけるかどうかで、長期で見ると大きな差が出ます。皆様が腰を据えて記事作成に当たり成果を出すことを願っております。

本記事の内容が、少しでも皆さんの取り組みのヒントになれば幸いです。