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SEO対策
最終更新日:2025.05.21
コンテンツマーケティングとは、潜在顧客や既存顧客に有益なコンテンツを提供することで、興味や関心を惹きつけて購買行動やファン化へと繋げるマーケティング手法です。
今や多くの企業が取り組むコンテンツマーケティングですが、その手法や戦略について具体的なイメージを掴めていないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コンテンツマーケティングの成功事例を、BtoBやBtoCなど分野別で紹介します。また、成功事例からわかるコンテンツマーケティングを成功させるポイントやよくある失敗事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツの種類 | 記事コンテンツ、ホワイトペーパー |
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配信経路 | Webサイト、メールマガジン |
ターゲット | 新規顧客 |
主な流入元 | 自然検索(SEO) |
PINTO!はSEOやインターネット広告などのWebマーケティングのコンサルティングサービスや、SEOツール「SEARCH WRITE」、インフルエンサーマーケティングツール「Cast Me!」を提供する株式会社PLAN-Bが運営しているマーケティングノウハウを発信するメディアです。
5,000社を超えるWebマーケティング支援実績を基に、SEO対策や広告、コンテンツマーケティングを中心にWebマーケティング全般に関するノウハウを発信。
ニーズが顕在化されたキーワードを選定し、オウンドメディア上でコミュニケーションをとることで、お役立ち資料ダウンロードやセミナー参加、サービス問い合わせへと繋げています。
マーケティング分野における専門性・メディア内にあるCTAやポップアップから、月間最大800件のリードや各種お問い合わせを獲得。得られたノウハウを自社事業であるコンサルティングサービスに活用するなど、相乗効果を得られています。
コンテンツの種類 | 記事コンテンツ、ホワイトペーパー |
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配信経路 | Webサイト |
ターゲット | 新規顧客 |
主な流入元 | 自然検索(SEO) |
個人事業主から法人会計、人事労務管理や会計をサポートするfreee株式会社では、会計、経理、人事労務、税務、確定申告、給与計算、起業、会社設立などをテーマとしたお役立ちコンテンツを発信する「経営ハッカー」を運営しています。
一般的なPVなどをKPIと置かず、「毎日質の高い記事を継続的に配信できているか」という視点でオウンドメディアを運用。理念に共感してくれている公認会計士や税理士がライティングをおこなうことで、記事の品質や数を担保しています。
ユーザーにとって価値のあるコンテンツ作成に力を入れることで、多くのファンを獲得。SEO対策にも力を入れており、数多くのキーワードで上位表示を獲得しています。
各種ツールの利用者各記事内に、その課題に合った「会計freee」や「人事労務freee」といったサービスへの導線もあり、Web検索などを通して課題解決のために記事を訪れた読者が、自然とサービスの機能や魅力を認知する設計になっており、サービスの利用者増へと繋げています。
画像:KONICA MINOLTA – 日本 | コニカミノルタ
コンテンツの種類 | 記事コンテンツ |
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配信経路 | メールマガジン |
ターゲット | ロイヤルカスタマー |
主な流入元 | 自然検索(SEO) |
コニカミノルタは印刷機、計測機器などを提供する日本の電機メーカーです。運営するECサイトに登録した会員へ向けてメルマガの配信を行っています。
商品の案内でだけでなく、Webサイトに掲載されているコラムの案内を送ることにより、ECサイトを訪れ、商品を購入してもらうキッカケを創出する設計に。また、クラウド系商品をトライアルしている顧客に対しては、他サービスとの連携方法などの活用情報を送付することにより、本契約の申し込みへと結び付けています。
全体的にメールマガジンの開封率が1ポイントほど向上。さらに紹介している製品に対して、「詳しく聞きたい」という声が増えています。
※参考:コニカミノルタジャパン株式会社様|導入事例|メルマガ配信・一斉メール配信サービス「配配メール」 (hai2mail.jp)
▼BtoBのコンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方はこちら
画像:北欧暮らしの道具店
コンテンツの種類 | 記事コンテンツ、動画コンテンツ |
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配信経路 | Webサイト、Youtube |
ターゲット | 新規~ロイヤル顧客 |
主な流入元 | 自然検索(SEO)、指名検索 |
北欧系のインテリアやライフスタイル雑貨を中心に取り扱うECサイト「北欧暮らし道具店」では、「フィットする暮らし」という価値観を表すような、読み物としても楽しめるコンテンツを発信しています。「ECサイトは物を買うサイト」という常識に囚われずに、記事や動画コンテンツを充実させることで多くのファンを獲得してきました。
「フィットする暮らし、つくろう」という企業ミッションを基に、買い物以外でも楽しんでもらう方法、幅広く知ってもらう方法を模索。読み物としてコンテンツを充実させることで、仮に商品が売り切れたとしても訪問するユーザーに楽しんでもらえるようなECサイトを実現させています。
コンテンツ内容
記事コンテンツでは、ただ商品情報を並べるようなECサイトではなく、スタッフ自らがレビューを行ったり、丁寧な暮らしを切り取った写真の中で商品を紹介しており、雑誌ともいえるようなECサイトが魅力です。
現在では、月間200万人以上が愛用するECサイトに成長。北欧に限らずさまざまな国の商品を取り扱い、記事コンテンツ・ポッドキャスト・動画などのコンテンツを制作・配信しています。
コンテンツの種類 | 動画コンテンツ |
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配信経路 | |
ターゲット | 新規~ロイヤル顧客 |
主な流入元 |
SNSを経由した購買が増加している背景から、資生堂美容部員の個人アカウントを開設。インフルエンサーとして美容に関するコンテンツを発信し、販売促進に繋げています。
「3分でできる簡単化粧直し」「ポーチの中身紹介」「ほめられ髪の作り方」などのコンテンツをSNS上で発信。美容部員の強みである、商品や美容に対する豊富な知識量やブランドに対する熱量を武器に、店頭ではアプローチできていなかった層にアプローチして売上を拡大しています。
取り組み開始後、顧客からは「投稿を見て購入しました」「〇〇さんが紹介していたから買いました」などの声が寄せられており、売り上げに大きく貢献。
画像引用:スーパーNANOX公式アカウント(@TOP_superNANOX)さん / Twitter
コンテンツの種類 | テキストコンテンツ |
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配信経路 | X(旧Twitter) |
ターゲット | 新規~ロイヤル顧客 |
主な流入元 | X(旧Twitter) |
ライオン株式会社は、販売する衣料用洗剤「スーパーNANOX」専門のTwitterアカウントを運営しています。スーパーNANOXの特徴や活用法をまとめた画像の配信や、洗濯にまつわる課題解決のコンテンツを定期的に発信し、2024年6月現在で152,000人ものフォロワーがいる人気アカウントです。
販促や課題解決のコンテンツ以外にも、日常シーンの話題に関するアンケートやエンタメ系のコンテンツも多数配信しており、フォロワーを惹きつける設計となっています。また、同社が運営する生活情報を発信するオウンドメディア「Lidea」への導線の役割も併せ持ち、記事コンテンツを巧みに再利用できる設計です。
現在のフォロワーは15万人を超え、販売促進キャンペーンの実施やオウンドメディア「Lidea」への流入促進に貢献しています。
画像:RIZAP(ライザップ)公式チャンネル – YouTube
コンテンツの種類 | 動画コンテンツ |
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配信経路 | YouTube |
ターゲット | 新規~ロイヤル顧客 |
主な流入元 | YouTube |
結果にコミットするパーソナルトレーニングジム「RIZAP」は、YouTube公式チャンネルを運営しています。主な目的は、自社のサービスを知ってもらうだけでなく、パーソナルトレーニングに対する理解を深めてもらうことです。
サービスの紹介動画やお客様インタビューや事例の他にも、ダイエットやストレッチに関する動画を数多く配信しています。
事例を動画コンテンツで作成することで、視覚と聴覚の両方から情報を与えることができるため、よりリアルに伝えることが可能です。顧客にどのような体形変化があったのかを伝えられるので、「結果にコミットする」というキャッチフレーズを最も伝えやすい、とても有効な手段だといえるでしょう。
また、ダイエット方法やストレッチ方法など、トレーニングジムに興味がない人でも役立つ情報が数多く提供されています。これによりRIZAPのパーソナルトレーニングの利用を検討していない層にもコンテンツが届く設計になっています。
人気の動画の再生数は100万回を超えており、動画内でサービスそのものへの言及はなくとも、信頼性・専門性の認知に大きく貢献しています。また、YouTubeだけでなく他のSNSプラットフォームも活用することで、より広い層へのアプローチを可能としています。
米国カリフォルニア州に本社を置く顧客関係管理ツールを提供するSalesforce社では、「Dreamforce」という世界最大級のビジネスカンファレンスを主催しています。
顧客管理ツールを提供する企業がそれだけの規模のビジネスカンファレンスを主催していることにも驚きですが、それを成功させている要因には、セールスフォースのストリーミングプラットフォーム「Salesforce+」があります。Salesforce+とは、簡単にいえばビジネス版のNetflixのようなもので、Salesforceのオリジナルコンテンツがいつでも見られるオンデマンド配信サービスです。
ビジネスカンファレンスにおいてもこのストリーミングプラットフォームを利用することで、より多くの視聴者を獲得でき、これまで何百万人の視聴者がリアルタイムでライブ・ストリームを視聴しています*。
*参考:Salesforce Case Study Video: Broadcasting Dreamforce Online|IBM
このようにハイブリッド型のイベント形式を採用することで、より広い範囲の視聴者にリーチできるようにし、またイベント中にはX(旧Twitter)のハッシュタグ機能を利用してポストを会場で紹介することで、参加者のエンゲージメントを高める工夫がされていました。ストリーミングサービス自体は、他の企業でも真似はしやすいですが、このように世界的な規模で実施できるのは、自社でストリーミング技術を持っているからこそです。
他社では真似できないコンテンツの発信方法を実現していることは、成功要因の1つといえるでしょう。
Airbnbといえば世界中で利用されている民泊サービスですが、コロナ禍に実施された 「Made Possible by Hosts 」というキャンペーンを使ったコンテンツマーケティング事例を紹介します。
そもそもですが、Airbnbは単なる民泊サービスではなく、個性的な宿泊体験を求めるゲスト(宿泊者)とホストを結びつける役割を持っています。そのためマーケティング実施の目標も、予約数などの一般的なものではなく、「ホストがゲストに提供する可能性について世界に知ってもらうこと」と位置付けていました。
このキャンペーンは、写真家が世界中のAirbnbホストの家に泊まる様子を撮影し、それを動画にして発信するというものです。この動画を通して感じられるのは、大切な人との旅行で感じる懐かしさや、その旅行にもう一度行きたいという期待です。キャンペーンを実施したところ好意的な反応が見られ、またプラットフォームへのトラフィック増加が見られています。
このようなクリエイティブ主導のコンテンツは、Airbnbの設立当初から大切にしていたもので、競合他社との差別化に繋がっているポイントです。
参考:Made Possible by Hosts|Airbnb
今回紹介したコンテンツマーケティングの事例から、成功させるためのポイントを見ていきましょう。
紹介したコンテンツマーケティングの事例に共通していえるのは、明確な運営目的や目標を定めているという点です。
など、コンテンツマーケティングを行う目的を明確にし、それに紐づいた施策を実施・PDCAを回すことで成果に繋げています。この目的が曖昧なままだとコンテンツ方針が定まらず、時間やコストに見合った成果が得られない可能性が高くなるでしょう。
まずは市場調査や顧客インタビューなどを通じて明確な目的を定め、それに紐づいた目標指標を設定することが重要です。
また、今回紹介しているメディアの多くは、SEO対策にも力を入れて検索エンジンから集客をしています。メディアの流入元には、SNSや広告、検索エンジンからの流入(自然検索)などがありますが、中でもSEO対策はコンテンツをストックできるため、適切に対策を講じれば低コストで継続的な流入を得られる施策です。
しっかりと成果に繋げている企業はSEO対策にもリソースを投下し、流入元として土台を固めるケースが多くなっています。
コンテンツマーケティングにおいては、言わずもがなユーザーとの接点となる「コンテンツ」が何よりも大切です。成果に繋がるコンテンツマーケティングは、ユーザーが求める情報を市場調査・競合調査を基に深く理解し、そのニーズを満たしていること、そのコンテンツを継続的に発信することが鍵となります。
また、今回紹介した事例を見てわかるように、コンテンツにも様々な種類があるため、自社サービスや商品との相性も踏まえた戦略を考えることも大切です。
コンテンツマーケティングの具体的な進め方は以下の記事で解説しているので、併せてご覧ください。
制作するコンテンツは、複数のチャネルで展開することを念頭に置いておくとよいでしょう。顧客にとって有益なコンテンツの作成するには、一定の工数と体力を要します。長期的にコンテンツの制作を継続するのであれば尚更です。
コンテンツの制作は楽なモノではないため、疲弊しないように、効率よくコンテンツを活用できるような仕組みを構築することをおすすめします。例えば、Webサイト上に課題解決の記事があれば、その記事の情報をコンパクトにまとめてSNSで発信する、口頭で解説して動画化しYoutubeなどにアップする、さらに情報を深めてホワイトペーパーなどのダウンロードコンテンツを制作する、などの活用法があります。
「コンテンツのエコシステム」をうまく構築できれば、各メディアやチャネル(たとえばWebサイト、SNS、メールマガジン、動画など)が互いに連携・補完し合い、単独で発信するよりも大きな成果を生み出すことが可能です。
間違った戦略を立てて(またはそもそも戦略を立てずに)コンテンツマーケティングを進め、かけた時間や費用に見合う成果が得られない、というのは多くの企業が陥る失敗例です。
コンテンツマーケティングを成功させるには、「顧客が求めるものは何か」「競合にはなく、自社だから提供できる価値は何か」という観点で、自社がNo.1になれるトピックを選定する必要があります。
これは顧客が求めるものが理解できていなければそもそもコンテンツが広がることはなく、自社以外に競合も提供できる価値であればコンテンツを届けられたとしても差別化がむずかしく最終的に選んでもらえないためです。
💡コンテンツマーケティングは顧客理解が大前提!
コンテンツマーケティングの基本は「ターゲットとなる顧客にとって有益なコンテンツ」を提供することであり、コンテンツの形式や配信経路によって様々な手法が考えられます。言い換えると「顧客にとって有益なコンテンツとは何か」を理解し、顧客に合ったコンテンツの形式と配信経路を選択する必要があるということです。
「顧客の理解が不十分であれば、コンテンツマーケティングの成功は叶わない」と言っても過言ではないでしょう。コンテンツをじっくり眺める暇のないターゲットに対して超大作の記事や資料を用意しても効果は期待できず、普段からSNSを使わないターゲット層に向けて、SNSの公式アカウントでコンテンツを配信しても意味はありません。
コンテンツマーケティングの方針や具体的な戦略を検討するには、手始めにペルソナ設定やカスタマージャーニーマップといったフレームワークを通して顧客理解を進めるようにしましょう。
コンテンツマーケティングは、安定して成果を得られるようになるには時間がかかる手法です。WebサイトであればSEOで安定して上位を獲得できるようにサイトが成熟する時間、SNSやメルマガであればフォロワーや会員数を獲得する時間が必要となります。つまり、コンテンツマーケティングは「良いコンテンツを制作できればOK」ではなく、制作したコンテンツを十分な数の顧客に届ける必要がある、ということです。
「時間がかかる」という認識もなく「コンテンツマーケティングに取り組み始め、なかなか成果が出ずに数ヵ月でぐらいで諦めてしまう」という失敗がよくあります。これからコンテンツマーケティングに取り組む場合は「中長期に渡って一定の人材と費用を投資する」という経営層の意志決定を得て、腰を据えて取り組むとよいでしょう。KPI設計も重要になるので、以下記事を参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングでは、上図のように「コンテンツの形式」と「コンテンツの配信経路」の組み合わせを変えることで、様々な手法を考えられます。
例えばコンテンツの形式には、SEOを意識した記事コンテンツ、YouTubeなどで配信する動画、ダウンロード型のホワイトペーパー、あるいは見込み顧客との接点をつくるウェビナーなどが含まれます。一方で、それらを届ける手段としては、自社のWebサイト、SNS(XやInstagram、LinkedInなど)、メールマガジン、広告配信などが挙げられるでしょう。
こうした「形式 × 配信経路」の組み合わせにより、目的に応じたアプローチが可能です。たとえば、
SEO記事で潜在層の検索流入を獲得し、記事内でホワイトペーパーを案内してリードを獲得する
記事の要点やホワイトペーパーの一部をSNSで発信し、別のチャネルからも関心層を集める。
といったように、1つのコンテンツを起点に複数のチャネルに展開することで、接触機会を増やし、認知から検討・アクションへとつなげる導線を作ることができます。
このときに重要なのは、自社のリソース状況(たとえば記事を書ける人材がいるか、動画を制作できるか)や、商材・サービスの特性(たとえば検討期間が長い商材にはじっくり読める資料が有効)をふまえた上で、最適な組み合わせを設計することです。
最初からすべてを完璧に用意する必要はありません。小さく始めて、効果が見えた施策を徐々に広げていくことが、継続的な成果につながります。
本稿で確認してきたように、コンテンツマーケティングとは「顧客自身が有益と感じるコンテンツ」を様々な媒体で配信するマーケティングの手法です。コンテンツの形式や、コンテンツを配信する経路によって様々なパターンが存在するため、最適なコンテンツと配信経路を求めるために、まずはターゲットとなる顧客を十分に理解する必要があります。
また、継続してコンテンツを制作するには一定の体力を要しますが、成功すれば顧客と中長期的に良好な関係を構築でき、極めて重要な集客チャネルとなるため、ぜひチャレンジしてみてください。
以下の記事では、コンテンツマーケティングとも関連度の高い「インバウンドマーケティング」について解説しています。コンテンツマーケティングを理解する助けにもなりますので、ぜひ参考にしてみてください。