保険業界でのSEOを成功に導くコツとは？　よくある悩みと解決策を解説

本記事では、保険業界でのSEO対策を考えるご担当者様に向けて、「抑えておくべき考え方」「実際の施策」「SEO対策のポイント」「SEO対策の事例」を解説しています。

若年層の保険離れが進み競争が激しくなっている保険業界では、年々サービスが複雑化しています。

法規制を意識しながらもユーザーに分かりやすい内容を発信すると共に、ユーザーと信頼関係を築いていく事が重要です。

是非最後まで読んでみてください。

なお、保険業界特化型のSEOコンサルティングサービスの詳細は下記のページにて記載しております。
保険業界でのSEO対策なら | 株式会社PLAN-B

そもそもSEOとは

保険業界に限らない考え方ですが、前提として「SEOとは」について簡単に解説します。

SEOとはSearch Engine Optimization（検索エンジン最適化の意味）の略です。Googleなどの検索エンジンでの検索結果で、より上位に表示し自社サイトへの多くの流入を獲得するための取り組みを総称してSEO対策と言います。

SEOには大きく4つのメリットがあります。

詳しくは以下記事にて紹介しています。

SEO対策とは？SEOで上位表示する効果的な施策と事例 – 株式会社PLAN-B

保険の種類とSEOとの相性

前提として、一般的に保険は2種類が存在します。

リードタイムが短く衝動的に選ばれる保険と、リードタイムが長くじっくり検討される保険の2種類です。

一般的に、リードタイムが長い保険の方がSEOとの相性が良いと考えます。

リードタイムが短いタイプの保険は以下などがあります。

一方、リードタイムが長く、じっくりと検討するタイプの保険は以下などがあります。

リードタイムが短い保険であればユーザーが検索するクエリは『自動車保険』や『海外旅行保険 安い』など、顕在層が調べるクエリが多くなる傾向にあります。保険に加入するかどうかという意思決定は既に完了しており、どの保険にするかで悩んでいるユーザーが多いためです。

一方でリードタイムが長い保険であれば『がん保険』などの他、『がん保険 もったいない』など、入るかどうかまだ悩んでいるユーザーも検索を多く行います。

顕在層だけではなく接触できるユーザーが多いという意味で、潜在層が多くいる商材の方がSEOで対策の幅が広く、適しています。

故に、潜在ユーザーに対して多くのアプローチができるため、リードタイムが長い保険の方がSEOに適していると言えます。

この記事では、生命保険やがん保険など、リードタイムが長くじっくり考えるユーザーが多い保険を前提にお話をさせていただきます。

保険業界の企業がSEOに取り組む必要性

保険を検討するユーザーがWEB上で調べる際に、70％の人がGoogleやYahoo!での検索を利用しているというデータがあります。

多くの検討層と接触を行う意味でも、保険業界の企業はSEOに取り組むべきと考えます。

参照：【2022年6月実施】生命保険等の加入方法のアンケート調査の結果について (konohoken.com)

多くのユーザーと接触を図れるだけではなく、保険業界がSEOに注力すべき理由が2つありますので、紹介します。

潜在層の集客のため

前述の通り、生命保険などはじっくりと検討されることが多いです。

検討を始めるきっかけがライフステージの変化などであることも多く、顕在層に表れるユーザーは多くないと言えます。

ユーザーが加入の意思決定を行う前段階で潜在層との接触を行い、そもそも自社の保険サービスが比較の対象として認識されている状態を作っておく事が重要だと考えます。

ブランディングのため

”保険”という長く付き合う商品の特性上、ユーザーが信頼できるサービス（企業）なのかどうかは重要になってきます。

SEOに取り組み検索流入を獲得することでサービスブランドの認知度を向上させながら、ユーザーにとっても権威性を感じてもらえるきっかけとなります。

「テレビCMをやっているから」「聞いたことある企業名だから」「加入者数が多いから」などで信頼を置いてもらうだけではなく、SEOに取り組むことでサービスの加入者の後押しをすることが可能だと考えます。

実際、Googleで検索して購入する際、約82％のユーザーが“よく知っているブランド”を“最初にクリックした”という言われています。ブランド力のあるサイトが上位表示されていることでクリック率が高くなると同時に、上位表示することでブランディングにつながる可能性もあります。

参照：The Secret Life of Search (redcmarketing.com)

3C分析から導かれるKSF

保険業界のSEOでは、サービスページのわかりやすさと潜在層ユーザーとの接触および啓蒙が重要になってくると考えます。

市場の分析、競合の分析からその背景をお伝えします。

【市場分析】保険業界の特徴について

保険業界の市場をSEO観点で見た際に、若年層の保険離れが進み競争が激しくなっている事が予想されます。

その中で年々サービスが複雑化してきており、「分かりにくい」という印象を持っているユーザーも多くいることが考えられます。

マクロ的な特徴

保険業界をマクロ的な視点で見た際に、少子高齢化と人口減少の進行が保険業界に大きな影響を及ぼしていると言われています。特に、保険金の支払いは増加する一方で、契約者数の減少が予想されています。この背景には、「2025年問題」として知られる団塊の世代が全て後期高齢者となる現象や、「2035年問題」で団塊ジュニアが60歳以上となり、団塊世代の死亡数が増加することが挙げられます。また、安全性を重視した運用が求められるようになり、安定的な運用が増えてきていることも若者の保険離れを進めている要因になっていると考えられます。

ミクロ的な特徴

一方、ミクロ的な視点では、保険業界内での競争が激化しており、特に事業規模が小さい保険会社は衰退の兆しを見せています。さらに、新型コロナウイルスの流行などの影響で、各保険会社はサービスの多様化を進めており、業界全体での変動が続いています。

【競合分析】保険業界のプレイヤーについて

前述の通り、競争が激化していることもあり保険業界では大手のプレイヤーが多くなっています。

その中で、様々なユーザーニーズにピンポイントで応える特化型の保険に関しても出始めています。

ビッグキーワードなどサービス名単体を示すキーワード領域では大手企業がSEOを行っており、その他顕在層が検索する領域でも専門性に特化した企業がSEOを行っています。

各領域について、競合がひしめき合っており、難易度が高いと言えます。

そのため、顕在層にアプローチするSEO対策と並行して、潜在層との接触が重要になってきます。

KSF（キーサクセスファクター）について

目標達成のための重要成功要因を示すKSFを考える上で、SEO上難易度の高い保険業界では、以下の2点が重要になってくると考えます。

サービスが煩雑化している保険業界では、理解しやすい用語を使っての解説や直感的に分かりやすい内容、自社の独自の「売り・強み」を表す”USP”の端的な訴求など、”分かりやすさ”が重要になってくると考えます。

またリードタイムが長く、顕在層クエリでの競争率が高い保険業界では、潜在層にどれだけアプローチ出来るかが重要になってきます。潜在層と接触した際にユーザーにサービスの良さを伝えられることが出来れば、そのユーザーの熱量が上がり顕在層に上がってきた際に契約数の増加に繋げることができます。

SEO戦略

保険業界に限らず、SEO戦略はキーワード戦略、戦術、施策、実行体制の総合的なアプローチです。

キーワード戦略では、ユーザーの多様な検索ニーズに応えるためにキーワードリサーチが行われ、戦術として内部コンテンツ施策、内部テクニカル施策、外部施策・UI/UX施策の要素が活用されます。内部コンテンツは有益な情報提供とロングテールキーワードの獲得に焦点を当て、内部テクニカルはウェブサイトの最適化を強化します。外部リンクはウェブサイトの権威性向上に寄与します。施策はスケジュール立てて計画的にSEO担当者やウェブ開発者、デザイナー、コンテンツ制作者などの各部門の担当者が連携し、定期的なモニタリングと調整が行う必要があります。

保険業界のサイト型とビジネス型

サイト型

保険業界のサイトでは、自社サービスページ型のWEBサイトが主流です。

PLAN-Bでは、サイトの構造に着目し、サイト型という分類を用いています。自社サービスサイト型のWEBサイトとは、自社のサービスについて情報を中心に扱い、決済を伴わないCVポイントを持つサイト型であると定義しています。

参考）SEO対策の指針を立てるなら外せない「サイト型」とは？【SEOコンサルも実践】 – 株式会社PLAN-B

ECサイト等とは異なりページ数が多くなく、扱う情報量も比較的多くありません。

テクニカル施策などで対応できる範囲は小さいため、「コンテンツの品質」が重要になってきます。

ビジネス型

保険業界のビジネス型としてはサブスクリプションモデル型が主流です。

継続課金型のビジネスモデルとなっており、一度のご契約で大きなLTV（顧客生涯価値）が生まれることが特徴です。

長く料金が発生し続けるサブスクリプション型ビジネスと、資産になる一方で中長期での対策が必要なSEOは相性が良いと言えます。

継続的に投資していくべきマーケティング予算が、継続的に獲得できる事が理由です。

キーワード戦略

前述の通り、保険業界のサイト型から考えた際に保有するページ種別は多くないです。

他の業界と同様に、キーワードの種別ごとに対応するページ群を用意していくべきです。

1. 「○○保険」 など顕在層クエリ　→　サービスページor TOPページ
2. 「○○保険 シミュレーション」などの顕在層クエリ　→　シミュレーションページ
3. 「○○保険 もったいない」などのinfomational寄りのクエリ　→　ブログ
4. 「○○保険 解約返戻金」などinfomational寄りのクエリの中でも単語を示すKW　→　Q&Aページ、辞書の様な解説ページなど

保険業界の特色を上げるとすると、お金を扱うサービスであればシミュレーションページなどのニーズがあること、複雑な専門用語が多いためその対応としてテキスト量の少ないQ&Aページや辞書の様な解説ページを作る場合があることです。

戦術と施策

SEOは内部テクニカル施策・内部コンテンツ施策・外部施策・UI/UX施策の4つで説明が可能と考えます。

繰り返しにはなりますが、保険業界のサイトでは内部テクニカル要素で対策できる範囲は多くなく、内部コンテンツ要素、UI/UX要素が重要になってきます。また、大手保険企業では強力な外部評価を得ている企業もありますので、外部施策もまた重要になるケースがございます。

また、GoogleのSEOの評価基準としてPageQualityとNeedsMetという考え方があります。

PageQualityとはページの品質の高さや信頼性を、NeedsMetではユーザーのニーズとの一致を見ています。

保険業界においてはPageQualityの方が相対的に重要度が高いと考えます。

PageQualityか？NeedsMetか？

保険業界のSEOでは基本的には「PageQuality」が大事だと考えます。

ユーザーのお金に関わるためYMYLの領域であり、ページの品質が重要なことはイメージしやすいかと思います。

またユーザー目線で考えてみても長期的な契約を伴うため、サービスとして、企業として信頼をいかに獲得できるかが重要になってくきます。

その他保険業界の特性として”法律上言及していいのかどうか”という観点や”社として発信できる内容かどうか”という観点が入ってきますので、むやみやたらにユーザーが求める内容を詰め込めば良いというものでもなく、他の業界と比べてもPageQualityはトップクラスで担保していくべきだと考えます。

代表的な施策

保険業界でSEOを行っていくうえで、代表的な施策をいくつかご紹介します。

市場のニーズの特性や自社の状況、競合の対策状況などによっても優先度は変わってきますので、ご留意ください。

内部テクニカル

内部リンク構築

ウェブサイト内のページ同士を相互にリンクさせ、ユーザーが情報にスムーズにアクセスできるようにする内部リンク戦略が重要です。特に、ユーザーの熱量が上がる様なリンクの設置を行うことで中長期で見た際のお申込数に影響を与えます。

内部コンテンツ

データ元が信頼できる情報の追加

保険業界はYMYLの領域のため、信頼できるデータかどうかが重要となってきます。

保険に関する最新の情報やデータ、統計を使用してコンテンツを構築していくことをおすすめします。

その際、信頼できる情報源や引用元を明示するのが効果的です。

ユーザーに信頼をしてもらえる独自情報の追加

保険業界において、ユーザーに信頼をしてもらえる情報を発信することは重要です。

事例やケーススタディを用いながら、サービスの特性などを紹介することによって強みを伝えながら実際にユーザーがどのようにサービスを使いどのように満足しているかを伝えることができます。

監修者情報の追加

繰り返しになりますが、保険業界において、ユーザーに信頼をしてもらえる情報を発信することは重要です。

「誰が発信をしている情報なのか」を明記することにより、より信頼性は高まります。

UI/UX

直感的にわかりやすいUI

前述の通り、保険業界では分かりやすさが重要になると考えます。

文字を大きくする、端的な文章にする、図やグラフを用いて説明する、動画を用いて説明するなどの対策が考えられます。

また検討が進んでいる方々だけでなく、「そもそも○○保険って何？」というユーザーも存在するため、初心者向けのコンテンツと導線を適宜用意していく事が重要です。

ユーザーに信頼をしてもらえる独自情報の追加

リードタイムが長い分だけ、各フェーズのユーザーが何を求めているのかを想定してページを当てていく事が重要になってきます。

また、そのユーザーが次にどのような心理変容を行うのかを想定して導線設計を設計するなど、カスタマージャーニーを用いてのUI/UX設計はマストと言えます。

外部

大手の保険企業も多いため、マスメディアでの広告を行っているところも多いのが現状です。

もしも自社でテレビCMでのPRを行っているのであれば、テレビCMと連動させて指名検索数を伸ばしていくと同時に、外部評価の獲得に動いていく事も重要です。

マスメディア広告を使わずとも、関係値のあるサイトに対してリンク獲得の営業を行ったり、何もせずとも外部リンクを貼られるような独自情報の発信なども同時に行っていくとが有効です。

よくある悩みと対応策

保険業界は非常に競争が激しく複雑なサービスを持つ業界です。

SEOの観点から、保険業界が直面する特有の悩みとその対策をご紹介します。

1. 専門的な用語や複雑性をどのように分かりやすく伝えるか

保険製品は、その特性上、多くの専門的な用語や複雑な内容を持つため、一般の検索ユーザーがこれを理解するのは難しいという課題があります。そのため、適切に製品情報を伝える方法を模索する必要が生じます。その解決策として、専門的な用語について簡潔に説明するコンテンツを作成したり、Q&A形式や動画を使用して情報のアクセス性を高める取り組みが推奨されています。

2. 競争が激しい保険業界でもSEOを成功させられますか？

保険業界においては、多数の保険会社、代理店、そして比較サイトが存在しており、全てが同じキーワードでの上位表示を目指して競争しています。このため、一般的なキーワードを用いた上位表示の獲得や、コンバージョンを重視したキーワードの競争が激化しているのが現状です。そうした背景を考慮して、効果的な対策としては、ニッチなキーワードや特定のターゲット層を狙ったコンテンツ戦略の展開が推奨されています。さらに、保険の利点や独自の特徴、具体的なケーススタディを紹介することで、ユーザーからの信頼を積み上げるアプローチも効果的です。

3. 法規制が厳しく情報の正確性が求められる保険業界で、どのようにSEOを成功に導けばいいですか？

保険業界では、法規制が非常に厳格であり、情報提供における特定のルールが設けられています。このため、常に正確で最新の情報をユーザーに提供することが求められますが、同時にSEO対策を行う際にも法規制とのバランスを取る必要があるという悩みが生じます。対策として、サイト上の情報を定期的に更新し確認すること、そして法律の専門家や企業内のコンプライアンスチームと緊密に連携しながら、適切なSEO対策を推進することが考えられます。

4. ユーザーからの信頼の獲得はどのように行っていけばいいですか？

保険に関するサービスは長期的な契約を伴うことから、ユーザーからの信頼獲得は極めて重要となっています。しかし、顧客の評価やフィードバックをどのように扱うか、さらには保険の実績をどう提示するかという悩みを持つ企業も少なくありません。これらの課題に対処するための対策として、サイト上での顧客の声やレビューの積極的な掲載、保険に関する実際の給付や成功事例の共有を通じて信頼性を向上させることが考えられます。株式会社PLAN-Bでは、このような保険業界固有の課題を深く理解し、的確に対応するSEOコンサルティングサービスを提供しております。

事例

PLAN-BにてSEOコンサルティングサービスをご支援させていただいている、保険業界での事例をご紹介。

貯蓄型の保険サービスを取り扱う企業です。

相談いただいたタイミングでの課題

ユーザーにとって分かりにくいサイトになっており、また潜在層との接点を持てていない。

カスタマージャーニーなどを作成しながら、ユーザーに分かりやすいサイトを作りながらご成約数を伸ばしていけるSEO会社を探しているとのことでご相談を頂きました。

戦略

「○○保険」などの顕在層キーワードの周辺をまとめて対策しながら、潜在層にアプローチするためのキーワードを中長期で対策。

戦術

顕在層が流入するページを中心に内部コンテンツ要素、UI/UX要素の改善を最優先で実施。

また中期的には内部テクニカル要素、外部テクニカル要素での対策も実施。

施策例

・”分かりやすさ”に特化したTOPページの改修。

・ユーザーの熱量を上げるための導線の設計と内部リンクの追加。

・潜在層にアプローチするための記事コンテンツの作成/公開。

まとめ

ここまでで保険業界のSEO対策に関して一通り説明してきましたが、これはまだほんの一部に過ぎません。

保険業界の中のどのサービスかによって対策すべきキーワード群が違えば上位表示の特性も異なり、それによって対策すべき戦術も異なります。

自社サイトの状況や競合サイトの対策方針、自社のリソースや目指す数値指標によっても自社が選ぶべき施策は異なってきます。

PLAN-Bでは、お客様のサイトに合ったSEOを提供させていただきます。

是非一度、ご相談をいただけますと幸いです。