スパムアップデートの展開完了 – 先週のSEO最新情報まとめ(2025/09/20~09/26)

スパムアップデートの展開完了 – 先週のSEO最新情報まとめ(2025/09/20~09/26)

PINTO!編集部:谷風です。

2025年9月20日~26日の間に公開された、SEO業界の最新情報やSEO対策の実務に役立つトピックをお届けします。それでは早速、ご覧ください。

SEO動向レポート|2025年8月度
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スパムアップデートの展開が完了

Googleは、2025年に8月26日に展開を開始したスパムアップデートが、9月21日に完了したことを発表しました。

スパムアップデートとはGoogleの検索品質を維持するため、スパムに関するポリシーに違反するサイトや手法を特定し、その影響を無力化するシステムを強化するものです。

対象となるのはクローキングや誘導ページ、ハッキングによって改ざんされたコンテンツ、価値の低いアフィリエイトサイト、無断で複製されたコンテンツ、キーワードを詰め込んだ自動生成コンテンツなど、Googleの検索スパムに関するポリシーで定義されている広範な違反行為です。Googleはスパムアップデートを定期的に実施しており、今回もその一環です。

監修者コメント 監修者コメント
橋本 擁
橋本 擁 株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ デジタルソリューション事業部
スパムアップデートと聞くと不安になるかもしれませんが、これはGoogleが検索の品質を守るための定期的な大掃除のようなものです。短期的な順位を狙った小手先のテクニックが通用しなくなり、改めて「ユーザーのために価値あるコンテンツを作る」というSEOの本質に立ち返るべきであるというGoogleからのメッセージだと受け取るべきでしょう。誠実なサイト運営をしていれば、何も恐れる必要はありません。

レビューがローカルSEOのカギ?

3,000以上のGoogleビジネスプロフィール(GBP)を対象とした調査により、ローカル検索におけるランキング要因の二重構造が明らかになりました。

ローカル検索で表示されるために欠かせない要素として、ユーザーとの距離の近さが挙げられます。

その上で3位以内にランクインするためには、レビューの総数とレビュー文中に含まれるキーワードの関連性が重要だとわかりました。特にレビュー数が100件を超えると、上位表示の可能性が大幅に高まるようです。

このことからレビュー数は、Googleにとって特に信頼性や人気度を測る指標になっているといえます。

監修者コメント 監修者コメント
橋本 擁
橋本 擁 株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ デジタルソリューション事業部
これは、オンライン上の評判がオフラインの集客に直結する時代の象徴的なニュースですね。ローカル検索では、単に「そこに店がある」こと以上に、「その店が多くの人に支持されているか」が重要です。特にレビューは、Googleがユーザーの「経験(Experience)」を評価するための最も分かりやすい指標です。まさに、実際の顧客満足度が検索順位を決める時代になったといえます。
まずはお店のレジ横やテーブルに、レビュー投稿を促すQRコードを置くことから始めてみましょう。依頼時に「〇〇(看板メニュー名)の感想をぜひ!」と一言添えるだけで、質の高いレビューが集まりやすくなります。頂いたレビューに丁寧に返信することも、お客様との大切なコミュニケーションです。

構造化データがAI Overviews引用に好影響を及ぼす可能性が高いことが判明

Search Engine Landの調査で、構造化データを実装しているページは引用される頻度が高いことがわかりました。

この調査では同一ドメイン内に2つのページグループを作成し、一方には記事やFAQなどの構造化データを適切に実装し、もう一方には実装しませんでした。一定期間観測した後、両グループがAI Overviewsで引用される頻度を比較した結果、構造化データが実装されたページの方が高い頻度で引用されることが確認されたのです。

このことから、構造化データがAIモデルにとって、コンテンツの構造やテーマ、重要なエンティティを正確かつ効率的に理解するための重要な要素として機能していることがわかります。AIは構造化データを参照することで、非構造化テキストから情報を抽出するよりも、迅速に確実な要約を生成できるため、引用元として選ばれやすくなるのではないかと考えられます。

監修者コメント 監修者コメント
橋本 擁
橋本 擁 株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ デジタルソリューション事業部
このニュースは、これからのSEOがAIにいかに情報を正しく伝えるかという「LLMO大規模言語モデル最適化)」の視点が重要であることを示しています。構造化データは、いわばWebページに付ける「情報のタグ」。AIに対して、「この記事で一番大事なのはこの部分です」と教えてあげるようなものです。この一手間によって、AIに引用される割合を高められる可能性があります。
難しく考えず、まずは自社サイトのコンテンツの種類に合わせて基本的な構造化データを実装してみましょう。例えばブログ記事なら「Article」、Q&Aページなら「FAQPage」のスキーマを追加するだけです。Googleの公式ツールで簡単にチェックできるので、技術的なSEOの第一歩としてぜひ挑戦してみてください。

SEOで頼れるのはClaude?AI最新モデル比較

AIの最新モデルを用いたとしても、SEOにおける成果が想定を下回っていることが調査で明らかになりました。

Previsibleの調査ではClaudeやChatGPT、Geminiなど最新のLLMを使用し、キーワード意図の分類やメタディスクリプションタイトルタグの作成など、SEOタスクの精度を評価しました。その結果、これらの新モデルは旧モデルに比べて大きな進化は見られず、性能はあまり変わらないことが判明したのです。

一方で、特定のタスクでは旧モデルの方が高い精度を示しました。モデル別にみると、多くのSEOタスクにおいて最も安定した性能を持っていたのはClaudeでした。

監修者コメント 監修者コメント
橋本 擁
橋本 擁 株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ デジタルソリューション事業部
AIは非常に優秀ですが、まだ万能ではありません。特にSEOのような、ユーザーの検索意図やビジネスの文脈といった「行間」を読む必要がある領域では、人間の専門知識が不可欠です。AIの同質的なアウトプットが溢れる今だからこそ、経験に基づいた「AIではたどり着けない独自の視点」の価値が、これまで以上に高まっていると感じます。
AIを「答えをくれる先生」ではなく、「アイデア出しを手伝ってくれるアシスタント」として活用してみましょう。「〇〇について悩んでいる人が検索しそうなキーワードを30個出して」と壁打ちすれば、自分だけでは思いつかなかった切り口が見つかるかもしれません。AIの回答を鵜呑みにせず、あくまでたたき台として使うのがコツです。

【監修者イチ押し】AIが誤情報を拡散?指向性バイアス攻撃に注意

大規模言語モデル(LLM)がWeb上の情報を学習材料とする性質を悪用した、新たなブランド毀損リスク「指向性バイアス攻撃」に今後注意する必要があります。

イェール大学・MIT・アレンAI研究所の研究者たちによる共同研究によれば、LLMは虚偽の情報でも繰り返されることで簡単に取り込んでしまうことがあるとわかりました。

LLMは、学習データに含まれる情報の真偽を検証する能力が完全ではないため、意図的に生成された誤情報や偏った情報を事実として学習してしまう場合があります。

悪意ある第三者がこの性質を突き、特定の会社名や商品名とネガティブな内容を結びつけたWebコンテンツを大量に生成・拡散するのです。例えば、「〇〇というサービスは危険だ」という内容をSNSに投稿したり、「〇〇社は詐欺をしている」という内容をレビューとして投稿したりするケースなどが挙げられます。

結果として、ユーザーがその会社名や商品名についてAIに質問した際に、「〇〇社には安全性に関する懸念が報告されています」などのように、事実に反するネガティブな回答を生成してしまう恐れがあります

従来のネガティブSEOとは異なり、AIを介して誤情報が拡散されるため、より対処が難しい問題です。

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橋本 擁
橋本 擁 株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ デジタルソリューション事業部
これは、私たちが提唱する「生成AIブランディング」の重要性を強く裏付けるニュースです。AIはWeb上のあらゆる情報を学習するため、意図的に作られたネガティブな情報も吸収してしまいます。これからのブランド管理は、自社サイトを綺麗にするだけでなく、Web全体で自社がどう語られているかを監視し、AIに正しい情報を学習させる「ブランド防衛」の視点が不可欠です。
まずは週に一度、自社名や主力商品名をChatGPTやGeminiなどのAIに問いかけ、どのような回答が返ってくるかを確認する習慣をつけましょう。同時に公式サイトや信頼できるメディアを通じて、正確でポジティブな情報を発信し続けることが、ブランド毀損の予防としてできることです。
なお当社では企業担当者180名を対象に、「生成AIがブランド認知に与える影響と課題」の調査を行った結果を公開しています。市場の実態についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【調査】7割が「AIが誤情報を伝えるリスク」を不安視―企業担当者180名に聞く、生成AIがブランド認知に与える影響と課題

さいごに

以上、今週のSEO最新情報でした。それでは、また来週お会いしましょう!

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