SEOとは?SEO対策で上位表示する効果的な施策と事例
SEO対策
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スマートフォンでの検索がPCの検索を上回るようになった現在、ますますモバイルへの取り組みが重要視されるようになりました。
Googleの検索アルゴリズムにおいても、これまで何度もモバイルフレンドリーアップデートをはじめとしたモバイルへの取り組みが行われてきましたが、2016年10月にGoogleのGary lllyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏によって近々“モバイルファーストインデックス(MFI)”へ移行することが発表されました。
これは今までPC向けのページを評価対象としていた検索結果を、モバイル向けページを評価対象とする検索結果に変更するというもので、対応が必須なのは明らかです。
今回は、SEOにとって重要な転機となるモバイルファーストインデックスについてご説明します。
これまで検索結果の順位付けは、PC向けページの内容を基に行われていました。そのため、スマートフォンで表示された検索結果も基本的にはPC向けページのコンテンツを見てランキングを決定されていました。
▼インデックスやクローラーに関して知りたい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。
そのため、これまではPC向けページのコンテンツさえ充実させていればPC・スマートフォン問わず検索結果の上位に表示させることが可能でした。
しかし、モバイルファーストインデックス(MFI)が導入されることでその評価方法が逆転します。
つまり、SEOの評価基準がPC向けページからモバイル向けページへと変わります。
評価基準の根幹から変更するということで、非常に大きな影響が出そうではありますが、基本的にはクオリティニュートラル(現状の検索結果の品質を落とさない)を目指しています。
検索結果の質を改善するためのアップデート(パンダアップデートやペンギンアップデート)とは別ものと考えて良いでしょう。
それでは、なぜGoogleはモバイルファーストインデックス(MFI)に移行するのでしょうか。
Googleがこの大きな変更に踏み切った背景には、検索を利用するユーザーの大多数がスマートフォンへ移行したという事実があります。
2016年11月に公開された『モバイルファーストインデックスに向けて』というGoogleウェブマスター向け公式ブログ内の記事では、
Google 検索を使用しているほとんどのユーザーは、モバイル端末から検索を行うようになりました。
と述べられています。
参照:Googleウェブマスター向け公式ブログ | モバイルファーストインデックスに向けて
更に、総務省のデータ(※)によると、インターネットで何かを検索する際の端末はPCよりもスマートフォンの方が多いことがわかります。
特に20~30代ではPC利用が70%台前半なのに比べ、スマートフォン利用は90%台前半となっています。
※参照:総務省|平成30年度版 情報通信白書|インターネット利用の広がり
この状況の中、従来のようにSEOの評価基準をPC向けページにしていると、モバイルユーザーの検索結果には検索意図とは異なるページが上位表示される可能性が生まれます。その結果、モバイルユーザーのニーズと検索結果にギャップが生じてしまい、最終的にはGoogleの掲げている「ユーザーの利便性を第一に考える」という理念に背いてしまうことになりかねません。
では、具体的にどのようなサイトが影響を受けるのでしょうか?
モバイルファーストインデックスは「スマホをメインの評価対象とする変更」であるため、PCページのみで運営されているサイトや、スマホページへの対応が中途半端なサイトが大きく影響を受けます。
例えば主なコンテンツや構造化マークアップが大きく異なっているような場合や、レスポンシブデザインでもPCページとスマホページで表示されるコンテンツに大きく差がある場合、変更を検討する必要があります。
これまではPCサイトのコンテンツがメインの評価対象だったため、重要なコンテンツをPCページには用意している一方でスマホページには用意していない、という場合も問題はありませんでした。しかし、今までと同様に評価を受けたい場合、PCページとスマホページに差がないサイトにすることが必要不可欠となるのです。
PCページしか存在しない場合は、引き続きPCページのコンテンツが評価されます。ただし、その際もスマホユーザにとって見やすい・使いやすいか、という視点が欠かせないため、できればスマホページも用意すると良いでしょう。
まずは、Googleが運用している「モバイルフレンドリーテスト」を実施し、自社サイトがモバイルフレンドリーか否かを確認しましょう。
・モバイルフレンドリーテスト(Google)
URLを枠に入れ、「テスト」ボタンを押すことで診断することができます。
Googleからもモバイルファーストインデックス(MFI)に関するガイダンスが発表されており、
なぜこの対策が必要なのか、またどうしたらモバイルファーストインデックス(MFI)に適していると判断されるのかなどが記載されておりますので、ご参考になるかと思います。
自社サイトがモバイルファーストインデックス(MFI)に移行したかどうかは、Google Search Consoleでチェックすることができます。
ここが「スマートフォン用Googlebot」になっていればモバイルファーストインデックス(MFI)に移行しています。
以上のように、自社サイトがモバイルファーストインデックス(MFI)に移行しているかどうかの確認には様々な方法があります。
自社サイトがモバイルファーストインデックス(MFI)に移行しているかどうかを確認できたら、次は最適なユーザーエクスペリエンスをモバイルユーザーへ提供できているのかもチェックしましょう。
モバイルユーザーのユーザーエクスペリエンスを向上させるためには、モバイル向けのサイトページの構築が欠かせません。
PCサイトをそのままモバイルに表示させると、文字が小さかったりリンクが押しにくかったりと、ユーザーにとって非常に操作性の悪いものになってしまいます。
ユーザーの早期離脱につながってしまうため、モバイルサイト用のページを作成したりレスポンシブデザインを採用したりして、MFIに対応したサイトを構築しましょう。
PCサイトとモバイルサイトにあるコンテンツの情報量は、同じ量にするのがおすすめです。
特にPCサイトに主要なコンテンツを掲載して、モバイルサイトに掲載していない場合、ユーザーがPCサイトとモバイルサイトを行ったり来たりすることになってしまいます。
また、PCサイトとモバイルサイトの情報量を整えると、Googleからの適正な評価にもつながります。Googleのクローラーが巡回して行うサイトのインデックス登録は、モバイルサイトから行われるためです。PCサイトにだけ情報を記載していると、SEOで評価されないおそれがあります。
最適なユーザーエクスペリエンスの提供とGoogleからの適正な評価を得るためにも、PCサイトに記載している情報は、モバイルサイトにも同じように記載しておきましょう。
モバイルサイトでも構造化データをマークアップすることは重要です。構造化データのマークアップとは、サイト構築しているHTMLに専用のコードを付け加えて、Googleにわかりやすく認識してもらう方法です。
構造化データをマークアップすると、Googleのクローラーが自社サイトの構造を認識しやすくなります。その結果、インデックス登録が進みやすくなるのです。
インデックス登録が進むと、検索しているユーザーに対して、Googleが適切な検索結果を表示できるようになります。
モバイルサイトを構築した際は、モバイルサイトの構造化データもマークアップしましょう。
念のため、Googleのクローラーが、モバイルサイトを巡回できる設定になっているかも確認しましょう。PCサイトとモバイルサイトで、noindexやnofollowなどの異なるrobotsメタタグを使用していると、MFIにおいてページのクロールやインデックス登録に失敗することがあります。
モバイルサイトとPCサイトで同じrobotsメタタグを使用して、クローラーが巡回できるようにしておきましょう。
モバイルファーストインデックス(MFI)が導入される上で注意しなければならないことは何でしょうか?注意事項を正しく対策していない場合は大幅に順位を落としかねないため、これから確認していきましょう。
モバイルファーストインデックス(MFI)に関する注意点は以下の通りです。
PC向けページとモバイル向けページを別々のURLで運用している場合は、アノテーションの設定が必要です。
アノテーションとは、別々のURLで生成されたコンテンツを同一のものであるとクローラーに伝えるためのものです。それぞれのページhead内にcanonical、alternateタグを設置して対応します。アノテーションの設定例は以下の通りです。
PC向けページのURL:https://sample.com/
PC向けページのhead内に設置するタグ:
1 |
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="https://sampl.com/sp/" /> |
モバイル向けページのURL:https://sample.com/sp/
モバイル向けページのhead内に設置するタグ:
1 |
<link rel="canonical" href="https://sample.com/" /> |
上記のように、PC向けページには対応するモバイル向けページのURLを含めたalternateタグを、モバイル向けページにはPC向けページのURLを含めたcanonicalタグを設置してください。
これらのタグをトップページだけでなく、PC向けページに対応するモバイル向けページ全て(ページ毎それぞれ別のURLにする)に設定しましょう。
また、ページネーションが存在するコンテンツがある場合は、PC向けページとモバイル向けページとでページ数が異なる場合があります。その際は、両方のデバイスのページ数を統一させて、アノテーションタグの設置をしましょう。
やむを得ない理由でどうしてもページ数を統一させることができない場合は、1ページ目のみアノテーションの設定を行う、または無理に設定しないことをお勧めします。
モバイルファーストインデックス(MFI)が導入されることで、モバイル向けページのコンテンツ内容が評価基準となります。そのため、当然PC向けページにしか存在しないコンテンツは評価対象には含まれません。
PC向けページで評価を受けていると思われるコンテンツは、モバイル向けページにも必ず追加しましょう。また、画像の評価基準も変わるため、モバイル向けページのaltにもテキストを記述することを忘れてはいけません。
コンテンツを統一させる作業は、別URLでデバイスを切り分けている場合だけでなく、動的にURLを切り分ける(ダイナミックURL)場合も対象となります。必要なコンテンツがモバイル向けページに存在しているか、今一度確認してください。
多くの場合、被リンクはPCのURLに当たっていると思います。MFIの導入により、モバイル向けページに被リンクが当たっていないといけないのかどうか心配になると思いますが、アノテーションの設定がされていれば問題ありません。ですので、被リンクをモバイルのURLに集めるように別途施策を講じる必要はありません。
別言語の設定をhreflangで行っている場合は、モバイル向けページにもPC同様にhreflangの設定を行いましょう。実装例は以下の通りです。
PC向けページ(日本語版、英語版)
1 |
<link rel="alternate" href="http://ja.sample.com/" hreflang="ja" /> <link rel="alternate" href="http://en.sample.com/" hreflang="en" /> |
モバイル向けページ(日本語版、英語版)
1 |
<link rel="alternate" href="http://ja.sample.com/sp/" hreflang="ja" /> <link rel="alternate" href="http://en.sample.com/sp/" hreflang="en" /> |
こちらもトップページだけでなく、サイト全体のそれぞれのページに合わせたURLで設定してください。ただし、上記の設定方法は現時点で決まっているもので(2021年5月7日現在)更に変更が加えられる可能性がありますのでご注意ください。新たに公式の発表が出ていないかどうか、定期的に確認しましょう。
前述した注意点を理解し、適切な対策をすればMFI導入により大きく順位を落とすことはありません。しかし、アノテーションの設定が間違っていたり、必要なコンテンツが存在していなかった場合は、影響を受けるリスクがあります。
そこで、それらの問題を解消可能なのがレスポンシブデザインで構成されたWebサイトです。
レスポンシブデザインは、PCとモバイルとでURLを切り分けず、コンテンツも統一されています。モバイルファーストインデックス導入のリスクを考える必要が無くなるため、レスポンシブデザインでの運用をGoogleが正式に推奨しています。
ただし、モバイルファーストインデックス導入後にレスポンシブデザインに変更することは非推奨なので、変更を考えている方は導入前に完了させましょう。
結論から言うと、言葉は似ていますが全く違うものです。
モバイルファーストインデックスは「モバイルページをインデックスしますよ!」というものです。言い換えれば、「モバイルページを評価の対象にしますよ!」ということです。
技術的には、従来、パソコン用Googlebotがクロールしたページをインデックスしていたところから、スマートフォンGooglebotがクロールしたページをインデックスするようになります。
つまり、モバイルファーストインデックスは「クロールとインデックス」に関することです。「評価の対象」にするだけであって、直接的に「検索順位を決めるアルゴリズム」ではありません。
モバイルフレンドリーはページがスマホ対応しているかどうかを評価する「検索アルゴリズム」です。
つまり、モバイルフレンドリーは検索順位を決定する「サービング」に関することです。
▼モバイルフレンドリーに関して知りたい方は以下の記事も参考にしてみて下さい。
先ほど述べた通り、モバイルファーストインデックスは「クロールとインデックス」に関することなので、モバイルファーストインデックスに完全移行したからと言って、検索順位が上がったり下がったりすることはありません。
ただ、モバイルフレンドリーなサイトになっているかどうかはモバイル向けの検索順位を決める要因の一つなので、モバイル対応できていないサイトはすでにモバイル検索での順位が下がっている可能性はあります。
結論から言うと「そんなことはない」です。
もちろん先ほど述べた通りGoogleはレスポンシブデザインを推奨しています。
しかし、Googleはモバイル対応のサイトとして、レスポンシブウェブデザインのサイトを含め計3つの構成をサポートしています。
①レスポンシブデザイン
②動的な配信(URLはPC・モバイル共通だが、アクセスした際のデバイスによって別々のソースを出し分ける)
③別々のURL(デバイスごとによって、それぞれ異なるURLとページを用意する)
③の「別々のURL」を準備する方法は、設定が複雑なため構成ミスが起こりやすいためSEO的にもマイナスしかないので推奨は出来ません。
Googleが公式に発表している、モバイル ファースト インデックス登録に関するおすすめの方法も是非参考にしてください。
モバイルファーストインデックス(MFI)の導入に関しては、2016年11月4日に正式アナウンスがあり、2021年3月末をもって強制的に完全移行すると発表されています。
当初は2020年9月に強制以降の予定でしたが延期になりました。コロナウイルスの影響によって対応に遅れたサイト運営者への対応策だと思われます。
現在モバイルファーストインデックスの自動移行は停止中となっていて、残りのサイトはどこかのタイミングでまとめて移行するとみられています。
そうはいっても、まだ準備ができていないサイトも一気に強制移行するわけではありません。移行に伴い検索品質を落とさないことがGoogleにとっては重要なので完全な移行にはもう少し時間がかかる見込みです。
2021年4月時点、既にGoogleが発表していたモバイルファーストインデックス(MFI)への強制移行期限は過ぎています。
まだモバイル向けページに対応出来ていないサイトはレスポンシブウェブデザインに変更することをお勧めします。どうしても変更ができない場合は、注意点でお話した内容を実行すれば、順位に大きな影響を与えることはないでしょう。
モバイルファーストインデックス(MFI)導入による影響がどのようなものなのかを理解し、適切な対策を講じてください。
▼以下の記事も参考にしてみて下さい。
その他のGoogle検索アルゴリズムアップデートについてはこちらを御覧ください。
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