クリニック・病院でのSEOを成功に導くコツとは？よくある悩みや解決策を解説

本記事では、医療業界でのSEO対策を検討されているご担当者様に向けて、「押さえておくべき基本的な考え方」「具体的な施策」「SEO対策のポイント」「成功事例」をわかりやすく解説しています。

医療業界は、競争が激化する中で患者のニーズが多様化し、法規制や信頼性が特に重視される分野です。

正確で専門的な情報を提供しながら、ユーザーに分かりやすく伝え、信頼関係を築くことが求められます。

ぜひ最後までご一読いただき、貴院のSEO対策にお役立てください。

クリニック・病院の収益モデルとSEO/MEOとの相性

医療業界の中にも様々な立ち位置の医療機関が存在します。

各機関にて対応方法等は変える必要がございますが、本記事では「地域に根ざしたクリニック」を軸にお話をさせていただきます。

クリニック・病院の収益モデル

病院・クリニックの収入を分解した際、外来収入、入院収入、その他に分類出来ると言えます。

診療単価をあげる事もまたクリニック・病院の収益を増加させるためには有効です。そのほかにも、受け入れ体制などの物理的な制約はありますが、外来受診者や他院紹介の受け入れ増加により収入を伸ばすことが出来ます。

参考： https://eucalia.jp/tiger_roll/tora2020_11/

クリニック・病院が外来受診者を増やすためには

当然ではありますが、病院・クリニックにとって診療圏がマーケットとなります。

したがって、Webマーケティング上の競合も同一地域内の同一診療科目を持つ競合です。

病院に行きたいユーザーにとって最も近い医療機関ではなく、自院を選んでいただく必要があります。

ドクターズ・ファイル編集部「患者のためのクリニック選びに関する調査」（2020年07月実施）の調査によると、「病院・クリニックを選ぶ際に活用した情報源は？（複数回答）」という設問で「病院・クリニックのホームページ」と回答したユーザーが最も多く77.6％でした。

さらに、「病院・クリニックのポータルサイト」と回答したユーザーは2番目に多いことから、患者は病院・クリニック選びにおいて検索エンジンで検索をしてたどり着いたサイトを参考にしていることがわかります。ポータルサイトは自院情報について自由に変更すること等は難しいため、集患数を増やすためには検索経由のホームページの流入数を増やすことが効果的だと考えられます。

参考：ドクターズ・ファイル編集部「患者のためのクリニック選びに関する調査」（2020年07月実施）

クリニック・病院における集患（集客）の種類

ではどのように自院と接点を持ってもらうのか、クリニックや病院における集患の手段について、オフラインの方法とオンラインの方法を分けてご説明します。

以下のように様々な集患方法がありますが、前述のアンケートからSEO対策、MEO対策をまずは行うことが重要です。

SEO・MEOとは

医療業界に限らない考え方ですが、前提として「SEOとは」「MEOとは」について簡単に解説します。

SEOとはSearch Engine Optimization（検索エンジン最適化の意味）の略です。Googleなどの検索エンジンでの検索結果で、より上位に表示し自社サイトへの多くの流入を獲得するための取り組みを総称してSEO対策と言います。

詳しくは以下記事にて紹介しています。

関連記事：SEOとは？正しいSEO対策と上位表示の方法、事例を紹介| 株式会社PLAN-B

MEOとは、『Map Engine Optimization』の略称で、直訳すると『マップエンジンの最適化』です。

MEOは、Googleマイビジネスというツールを活用し、Googleマップで検索をしたときに自社にとって最適な結果を表示させるための施策です。

詳しくは以下記事にて紹介しています。

関連記事：MEO(ローカルSEO)って何？MEOのメリット・デメリットと5つの必須対策とは | 株式会社PLAN-B

クリニック・病院とSEO・MEOとの相性

クリニックや病院などの医療機関がSEO・MEOと相性が良い理由として以下が挙げられます。

SEOやMEOでは、能動的に検索を行うユーザーが対象となるため、看板広告や電車内広告のように受動的に情報を受け取る場合よりも受診に繋がりやすい点が特徴です。

また、「（地名） 病院」など、地域名を含む検索を通じて近隣のユーザーをターゲティングできるため、地域密着型の集患が効果的に行えます。近隣に住むユーザーのため、サイトに流入してから受診につながりやすく、効果的に集患を進めることができます。

さらに、SEO対策として作成されたページは長期的な資産となり、継続的に新規患者の獲得に寄与するため、中長期にわたる効果が期待できます。WEB広告の場合には出稿を停止すると広告経由の集患もなくなるため、継続的な出稿が求められます。

これらの理由から、SEOやMEOはクリニックや病院にとって非常に効果的であり、継続的に価値を提供する集患手法としておすすめです。

クリニック・病院がSEOに取り組む必要性

顕在層の集客のため

クリニックや病院がSEOやMEOに取り組むことは、特に顕在層の集客において非常に重要です。

多くのユーザーは、自分が通いやすい近くの医療機関を探す際に、検索エンジンを利用し、病院やクリニックのホームページを訪れます。

顕在層とは「（地名） 病院」で検索するなど、来院へのニーズが顕在化しているユーザー層の事を指します。

一方、身体の一部に痛みを感じてその原因を探しているユーザーなどは自身で対応をする可能性もあり、潜在層と言えます。

「診療名×地名」といった具体的な検索をするユーザーは既に医療サービスの利用を求めているため、「診療名×地名」などで検索エンジン上で上位に表示されていれば自然に多くのユーザーが流入し、来院につながります。

このような検索行動は、まさに顕在層が多く検索するキーワードであり、SEOの効果を最大限に発揮するポイントです。

このため、「診療名×地域名」のような顕在層が検索するキーワードでSEO対策に取り組み、検索エンジンの検索結果画面で上位に表示されることは、クリニックや病院にとって非常に重要です。上位表示されることで、地域の潜在患者がアクセスしやすくなり、新規患者の獲得に直結します。

SEOは、医療機関が顕在層の集客を効果的に行うための不可欠な手段となります。

ブランディングのため

SEO対策は、クリニックや病院のブランディングにも大きく寄与します。

まず、その地域で検索上位に表示されることは、地域を代表する医療機関であるという認識を得られやすいです。地域での検索上位表示は、SEO対策によって実現できるため、結果として地域の住民にとって信頼できる医療機関としてのブランディングに繋がります。SEOを通じて効果的なブランディングを行うことは、長期的な集患と地域社会での評判向上に不可欠です。

また、作成したページは既存の患者様に対しても有益な情報を提供することができ、診療内容や健康に関するアドバイスを継続的に発信することで、患者の信頼を深めることができます。口頭で説明を行ってきたスタッフの工数を削減しながら、質の高いサービスを提供することが可能となります。

さらに、良質なページを作成することで、お医者様の信頼性を向上させることができます。専門的な知識や経験を基にしたコンテンツは、患者に対する信頼感を醸成し、医療機関の評判を高めます。このようにSEOを活用して「地域住民を中心として様々な情報を発信し続けている医療機関」として認知されることで、地域住民からの信頼を得ることができます。

市場・競合分析から導かれるKSF

医療業界のSEOでは、地域性を考慮したローカルSEOの強化および正確で信頼できる情報の発信が重要になってくると考えます。

市場の分析、競合の分析からその背景をお伝えします。

【市場分析】クリニック・病院等の医療業界の特徴について

KSF（キーサクセスファクター）とは、「重要成功要因」の事を指します。

端的に言うと、「事業や経営戦略で設定した最重要目標を実現するのになくてはならない要素」を言います。

病院やクリニックなど医療業界の市場をSEO観点で見た際に、信頼性が高い情報を発信することで患者との信頼関係をしっかりと築いていく事が年々重要になってきていると言えます。

以下では、マクロ的な特徴とミクロ的な特徴からその背景を説明します。

マクロ的な特徴

医療業界は、いくつかのマクロ的な要因に大きな影響を受けています。

背景としてまず、少子高齢化と医療技術の進化により、社会的ニーズが多様化しています。高齢化社会においては、慢性疾患や介護に関する医療サービスの需要が増加し、また医療技術の進化に伴い、新しい治療法や医療機器に対するニーズも高まっています。このような背景から、クリニックや病院は多様化する患者ニーズに対応するために、わかりやすく透明性の高い情報提供が求められています。患者が自分に適した医療サービスを選ぶためには、クリニックや病院が提供する情報の明確さと信頼性が重要です。

次に、政策・規制の影響も医療業界において重要な要因です。医療は法的規制が厳しく、診療行為や薬事法などに関する最新の法規制に従う必要があります。これにより、医療機関は常に最新の、正しい情報を提供する責任があります。特に、治療方法や医療サービスに関する情報は、法的基準に基づいて正確に伝達することが求められます。

さらに、医療費の増大も大きな課題となっています。医療費の高騰は患者にとっての経済的負担を増やすため、医療機関は適正な価格で高品質な医療サービスを提供するための情報発信が必要です。これには、治療費の明確な説明や、保険適用に関する詳細な情報の提供が含まれます。

これらのマクロ的な要因から、クリニックや病院は患者に対してわかりやすく、透明性の高い情報を提供するとともに、法規制に準拠した最新の正確な情報を発信する必要があります。これにより、患者の信頼を得て、適切な医療サービスを提供することが可能となります。

参考：医療と介護の一体的な改革｜厚生労働省

ミクロ的な特徴

ミクロ的な特徴もまた、医療業界のサイトとしての在り方に影響を与えています。

インターネットが普及しWEB上で情報収集しやすくなったことにより、患者が以前よりも自身が通う医療機関を選びやすくなっています。継続的な情報発信を通じて患者のニーズや不安に応え、満足度を高めることが求められます。

新型コロナウイルスの流行などもあり、各医療機関はオンラインでの対応に一気に進歩しました。電子カルテの導入やオンライン予約システムといったテクノロジーの導入も含めて、ユーザーとの関係構築をしていく必要性が出てきており、業界全体での変動が続いています。

【競合分析】クリニック・病院等の医療業界のプレイヤーと接触を試みるべきユーザー

クリニックや病院等の医療機関は、多様なプレイヤーが存在し、それぞれが特定の診療科目や地域に特化して競争を繰り広げています。SEOでも競合に勝つためには、競合を理解することが重要です。

以下の特徴を持つプレイヤーについて説明をします。

地域密着型のクリニックオンライン診療を提供する医療機関や個人経営の診療所

まず、地域密着型のクリニックや個人経営の診療所は、いわゆるかかりつけ医として患者との信頼関係を重視し、日常的な健康管理や予防医療に重点を置いています。これらの医療機関は、地域の住民に対して身近で頼りになる存在として認識されています。地域密着型のクリニックであれば、近隣住人との接触が重要となります。

大病院や総合病院

一方、大病院や総合病院は、幅広い診療科目と高度な医療設備を備えており、クリニックなどでの対応が難しい患者が訪れることがあります。大病院や総合病院では、地域に根付いた医療機関が対応できない領域や、網羅できていないニーズを持つユーザーと接触していく必要があります。

専門のクリニックや診療所

また、専門クリニックや診療所も重要なプレイヤーです。これらのクリニックは、特定の診療科目に特化しており、専門的な知識と技術を提供することで、患者からの信頼を獲得しています。このような専門の医療機関ではその領域で深い悩みを持つユーザーとの接触が重要になってきます。

オンライン診療を提供する医療機関

さらに、オンライン診療を提供する医療機関も増加しています。特に、遠隔地の患者や多忙な生活を送る患者に対して利便性の高いサービスを提供することで、他のプレイヤーとの差別化を図っています。気軽に医療サービスを受けたいニーズが顕在化しているユーザーとの接触が重要になります。

その医療機関の特徴によりアプローチするべきユーザーの幅の広さや対応させるべきニーズの深さが異なります。専門クリニックであれば全国から足を運んでもらえるように潜在層含め広く対応をさせていくべきですし、オンラインクリニックであれば地理的な制約が無いためターゲットを広くとる必要がございます。

各競合の特徴やターゲットの広さを理解し、WEB上での戦い方を決めていく必要がございます。

地域に根ざした病院/クリニックだとしても、同一地域にある競合機関とのターゲットや強みを理解し自院ならではの対策を行うべきです。

KSF（キーサクセスファクター）について

目標達成のための重要成功要因を示すKSFは以下の2点になると考えます。

それぞれについて説明をいたします。

近隣住民とのWEB上での接触

多くのユーザーは自身の居る場所から極力通いやすいクリニックや病院を探します。

ユーザーが各医療機関の情報をWEB上で集め、選択できる現代において、”ユーザーの選択肢に入らない”事により機会を失っていると言えます。

近くの医療機関を受診したいと考えるユーザーの多くは検索行動を起こすと考えられ、その中でも「地域名＋診療科目」などの地域名を含むキーワードでの検索に対応をしていく事は特に重要度が高いと考えられます。

「地域名＋診療科目」などの地域名を含むキーワードで検索したユーザーと接触を行うためには、SEOの対策により上位表示をさせる事、MEOの対策によりGoogleMap上で上位表示させることが重要となります。

参考：Winning the Zero Moment of Truth eBook (2011)

正確で信頼できる情報の発信

少子高齢化や医療技術の進化、法規制の変化や医療費の増大により、正確で信頼できる情報発信と納得できるサービスの提供が求められています。

これらの傾向はWEB上でも見られており、自院のサイトを作っていく中でも気を付けていかなければいけません。

医療業界は人命に関わる情報を取り扱います。

誤った情報を発信し、それを信用したユーザーが誤った行動を取ることも考えられますので根拠のある正確な情報を発信することが重要です。

過去、WELQというメディアサイトが信頼性に欠けるコンテンツを多く発信していたとし大きな波紋を呼んだことからも、信頼性の重要度がだんだんと高まっていることが見てとれます。

参照：WELQ問題の“火付け役”朽木誠一郎が語る、医療情報の信頼と未来｜医師のキャリア情報サイト【エピロギ】

SEO戦略

医療業界に限らず、SEO戦略はキーワード戦略、戦術、施策、実行体制の総合的なアプローチです。

キーワード戦略では、ユーザーの多様な検索ニーズに応えるためにキーワードリサーチが行われ、戦術として内部コンテンツ施策、内部テクニカル施策、外部施策・UI/UX施策の要素が活用されます。内部コンテンツは有益な情報提供とロングテールキーワードの獲得に焦点を当て、内部テクニカルはウェブサイトの最適化を強化します。外部リンクはウェブサイトの権威性向上に寄与します。施策はスケジュールを立てて計画的にSEO担当者やウェブ開発者、デザイナー、コンテンツ制作者などの各部門の担当者が連携し、定期的なモニタリングと調整が行う必要があります。

医療業界のサイト型とビジネス型

サイト型

医療業界のサイトでは、自社サービスページ型のWEBサイトが主流です。

PLAN-Bでは、サイトの構造に着目し、サイト型という分類を用いています。自社サービスサイト型のWEBサイトとは、自社のサービスについて情報を中心に扱い、決済を伴わないCVポイントを持つサイト型であると定義しています。

参考：SEO対策の指針を立てるなら外せない「サイト型」とは？【SEOコンサルも実践】 – 株式会社PLAN-B

ECサイト等とは異なりページ数が多くなく、扱う情報量も比較的多くありません。

テクニカル施策などで対応できる範囲は小さいため、「コンテンツの品質」が重要になってきます。

ビジネス型

医療業界のビジネスモデルは、診療報酬制度に基づいた「サービス提供型」が主流です。診療や治療、手術など、一回ごとの医療サービスが中心で、患者が受けた医療行為に応じて対価が発生します。

医療業界の特徴的なポイントとして、診療報酬制度が挙げられます。医療サービスにかかる費用の大部分は公的保険制度によってカバーされ、患者は一部の負担のみを行います。この仕組みによって、診療内容ごとに報酬が細かく計算され、病院やクリニックが収益を得る構造になっています。治療内容にもよりますが、ユーザーにとって「料金」が選ぶ理由になることは多くなく、治療内容や雰囲気、対応の手厚さなどに関する正確な情報をSEO対策の一環として発信することで、信頼性が高まり、集患効果を期待できます。

また、医療サービスは一度の受診で大きなLTV（顧客生涯価値）を生むことが特徴です。多くの場合、患者は長期にわたり継続的に通院することが考えられるため、効果が出るまでに時間がかかるSEOの中長期的な対策とも相性が良いと言えます。SEOによってオンライン上での認知度や信頼性を向上させることは、将来的に安定した集患効果を生み、医療機関の収益拡大にもつながるでしょう。

キーワード戦略

前述の通り、医療業界のサイト型から考えた際に保有するページ種別は多くありません。

他の業界と同様に、キーワードの種別ごとに対応するページ群を用意していくべきです。

医療業界のSEOにおける検索クエリの特徴として、他業界と比較してユーザーの意図やニーズが非常に明確かつ差し迫っていることにあります。例えば、EC業界では「商品名 購入」や「商品名 評価」など、商品選びの比較や購入検討段階のクエリが多く見られますが、医療業界ではユーザーが直接的に「自分の健康や治療」という切実な問題に対処しようとするため、より具体的な情報を求めています。

例えば怪我をしてしまったユーザーにとってはすべての情報を見てゆっくりと探す時間はないため、電話番号やアクセス、診療案内などをわかりやすく記述することが必要です。

つまり、緊急度が高く明確なユーザーニーズに対応するため、適切なページ設計が重要であると言えます。

戦術と施策

SEO戦術は内部テクニカル施策・内部コンテンツ施策・外部施策・UI/UX施策の4つで分類ができると考えます。

繰り返しにはなりますが、医療業界のサイトでは内部テクニカル要素で対策できる範囲は多くなく、内部コンテンツ要素、UI/UX要素が重要になってきます。しかし、一般的な施術内容を扱う場合においてはコンテンツの内容で大きな差分をつけることが難しい場合も多く、外部施策もまた重要になるケースがございます。

また、GoogleのSEOの評価基準としてPageQualityとNeedsMetという考え方があります。

PageQualityとはページの品質の高さや信頼性を、NeedsMetではユーザーのニーズとの一致を見ています。

医療業界においてはPageQualityの方が相対的に重要度が高いと考えます。

PageQualityか？NeedsMetか？

医療業界のSEOでは、正確で信頼性のある情報をベースに、ユーザーの検索目的を満たせるページにする(page Quality)事が重要です。

特に医療業界の情報は一般ユーザーの患者からは難解でありユーザーが知りたいことを知る(理解する)ことが難しいと言わざるをえません。

そのため、それら情報を一般ユーザーにもわかりやすく正しいコンテンツにすることでユーザーの検索目的を満たせるpageQualityの高いページにすることが、医療業界のSEOでは重要となります。

さらに、日本の医療機関には「医療広告ガイドライン」に従った情報発信が義務付けられており、広告可能な表現や制約に留意しながら、適切なSEO施策を行うことが求められます。症例の記載の仕方や表現方法など、細かく確認しながらの対策が必要です。

参考：医療法における病院等の広告規制について ｜厚生労働省

代表的な施策

医療業界でSEOを行っていくうえで、代表的な施策をいくつかご紹介します。

市場のニーズの特性や自社の状況、競合の対策状況などによっても優先度は変わってきますので、ご留意ください。

内部テクニカル

内部リンク構築

専門用語が多くそれぞれを解説した情報にユーザーがアクセスしやすいようリンクを設置することが重要です。その結果ユーザーにとって使いやすいサイトになり、SEO評価も上がると考えられます。

内部コンテンツ

信頼性の高いデータを使用した情報の追加

医療業界はYMYL（Your Money or Your Life）の領域に属するため、信頼性のあるデータの使用が非常に重要です。最新の医療情報や統計データを用いてコンテンツを作成することをおすすめします。また、信頼できる情報源や引用元を明確に示すことで、コンテンツの信頼性がさらに向上します。

参考：YMYLとは？対象ジャンルやSEO対策ポイントについて解説！ | 株式会社PLAN-B

 ユーザーに信頼される独自情報の提供

医療業界では、ユーザーからの信頼を得るために、独自の情報を発信することが重要です。具体的な症例や治療の実績を紹介しながら、自院の特徴や強みを示すことで、実際にどのように患者が満足しているかを伝えることができます。

監修者情報の追加

繰り返しになりますが、医療業界では、情報の信頼性が特に重要です。「誰がこの情報を提供しているのか」を明示することで、信頼性がさらに高まります。医師や専門家による監修を明記することが効果的です。

UI/UX

直感的でわかりやすいUI

必要性に迫られ、緊急度の高い検索をしているユーザーにとっては、情報を迅速かつ明確に伝えることが非常に重要です。文字を大きくし、端的な文章を使うことや、図やグラフを活用した視覚的な説明、さらに動画による説明を取り入れることが効果的です。

また、身体の不調を感じている潜在的なユーザーも存在するため、潜在層向けのコンテンツや適切な導線を用意することが欠かせません。

外部

医療業界における外部SEO施策は、主に信頼性の向上と権威性の確立がポイントとなります。ただ単に数を増やす外部施策ではなく、外部からの信頼を得るためのリンク獲得が重要です。

Googleは信頼性の評価要素として被リンク数などの外部評価数を用いており、大手医療メディアや論文サイトから被リンクをもらうことはGoogleから見ても信頼性の高いサイトであることの理解を助けます。

具体的には、医療関連の信頼できるサイトやメディアからの被リンクを獲得することが効果的です。

地元の医師会や医療団体、連携医療機関や所属団体などからは積極的に外部リンクをもらうように動いていただくことをおすすめいたします。

また、口コミやレビューを増やすことも、ローカルSEO・MEO対策として有効です。

よくある悩みと対応策

医療業界は非常に競争が激しく複雑なサービスを持つ業界です。

SEOの観点から、医療業界のWEBサイトが直面する特有の悩みとその対策を4つご紹介します。

1. 専門的な用語や複雑性をどのように分かりやすく伝えれば良いですか？

医療情報は専門的な用語や複雑な診療内容が多く、一般のユーザーに理解しやすく提供するのは大きな課題です。これに対する解決策として、難しい医療用語を噛み砕いて解説するコンテンツや、図や動画を使ったビジュアルな説明を導入することが有効です。また、Q&A形式でよくある質問に答えるページを作ることで、ユーザーの理解を助けることができます。

2. 競争が激しい医療業界でもSEOを成功させられますか？

医療業界は病院やクリニック、さらにはヘルスケア関連のサイトなど多くの競合がひしめいており、特に「地域名＋診療科目」などのキーワードは競争が激化しています。この悩みには、ローカルSEOを強化し、ニッチな治療法や専門性の高いサービスに焦点を当てたコンテンツ戦略を展開することが有効です。また、実際の症例や治療の実績を基にした信頼性のあるコンテンツを作成し、差別化を図ることも重要です。

3. 法規制が厳しく情報の正確性が求められる医療業界で、どのようにSEOを成功に導けばいいですか？

 医療業界は法規制が厳しく、患者に提供する情報の正確性が常に求められます。このため、SEO対策を行う際にも情報の更新頻度や正確性を維持することが重要です。対策としては、定期的なコンテンツの更新と、医師や専門家による監修を受けた正確な情報提供を徹底することが求められます。また、法的アドバイザーやコンプライアンス部門との連携も重要です。

4. ユーザーからの信頼の獲得はどのように行っていけばいいですか？

 医療サービスは患者の健康や生命に直結するため、ユーザーからの信頼は極めて重要です。信頼を得るためには、医師や専門家の監修を明示することや、患者の体験談や治療成功事例を紹介することが効果的です。また、口コミやレビューを積極的に掲載し、ユーザーが安心して利用できる環境を整えることが、信頼性の向上につながります。

事例

PLAN-BにてSEOコンサルティングサービスをご支援させていただいている、医療業界での事例をご紹介。

歯科医院の事例です。

相談いただいたタイミングでの課題

以下3つの課題感をお持ちであり、ユーザーに分かりやすいサイトを作りながら来院数を伸ばしていけるSEO会社を探しているとのことでご相談を頂きました。

• 自然検索経由の問い合わせを増加させたいものの、目標が明確に定まっていなかった。
• 駅名単位での「（地域） 歯医者」クエリにおいて順位が15位と低かった。
• サイト構築時の制作会社様のクオリティに満足できておらず、サイトのテクニカル面・コンテンツ面共に課題を感じていた。

戦略

「（地域） 歯医者」でのTOPページでの対策、「（地域） インプラント」など治療名を含むキーワードで診療詳細ページを対策。

また、診療内容の一部においては全国から患者様が訪れる実績があったこともあり、潜在層に対して流入を獲得するようキーワード戦略を練って対策を実施。

戦術

顕在層が流入するページを中心に内部コンテンツ要素、UI/UX要素の改善を最優先で実施。

また中期的には内部テクニカル要素、外部テクニカル要素での対策も実施。

対策を重ねてもなかなか順位が上がらなかったことより、ネガティブ要素の排除を行いました。

施策例

• 受付の方が毎日投稿されていた、「ハロウィンパーティーを実施しました」などの粒度の日記記事の削除。
• ”分かりやすさ”に特化したTOPページの改修。
• ユーザーの熱量を上げるための導線の設計と内部リンクの追加。
• 潜在層にアプローチするための記事コンテンツの作成/公開。

結果

1年半のお取り組みの結果、自然検索経由のCVが136％、セッションが174％に成長。

「（地域） 歯医者」で15位→2位に向上、「（地域） インプラント」で3位→1位に向上しています。

まとめ

本記事では、医療業界に特化したSEO対策について、基本的な考え方から具体的な施策、成功事例までを詳しく説明しました。特にクリニックや病院にとっては、法規制や信頼性の確保が重視されるため、SEOにおいても正確で信頼性のある情報提供が重要です。また、地域密着型のキーワード戦略を通じて、ターゲットユーザーへの効果的なアプローチが可能です。医療機関にとってSEO・MEOは長期的な集患手段として有効であり、適切な対策を実施することで信頼構築やブランディングにも寄与します。

ただ、医療業界の中のどのようなサービスかによって対策すべきキーワード群が違えば上位表示の特性も異なり、それによって対策すべき戦術も異なります。

自社サイトの状況や競合サイトの対策方針、自社のリソースや目指す数値指標によっても自社が選ぶべき施策は異なってきます。

PLAN-Bでは、お客様のサイトに合ったSEOを提供させていただきます。

是非一度、ご相談をいただけますと幸いです。