広告とは?初心者向けに基本を解説

Web広告の教科書_広告とは

「広告」と聞くと、なんとなくわかっているようでよくわからない……そんな感覚を持ったことはありませんか? 普段目にする機会は多いのに、その本質を説明しようとすると意外と難しいものです。

本ページでは、マーケティング初心者の方を対象に、広告の役割や種類、そしてマーケティングにおける広告の立ち位置を解説します。「広告とは何か?」という問いに対し、説明できるくらいにイメージをつかんでいただくことがゴールです。ぜひ最後までご覧ください。

広告の定義

広告とは、簡単に説明すると「企業が費用をかけて、テレビやインターネットなどの媒体を使って情報を発信し、消費者に商品を買ってもらうように促す活動」のことです。

ただ厳密に説明すると少し抜け漏れがあるので、しっかり理解したい方向けに広告の一般的な定義も確認してみましょう。

一般社団法人 日本広告業協会(JAAA)によると、広告は以下のように定義されています。

広告とは、明示された送り手が、選択された受け手に対して知識を与えたり、送り手にとって望ましい態度・行動を形成したりする目的で、媒体を介して行う、有料のコミュニケーション活動である。

引用:https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/meeting_materials/assets/representation_cms216_221006_02.pdf

この定義から特に押さえておきたいポイントは、下記の4つです。

  1. 送り手が明示されていること
  2. 送り手にとって望ましい態度・行動を形成することが目的
  3. 媒体を介して行われること
  4. 有料のコミュニケーション活動であること

上記のポイントを押さえているものを「広告」と呼びます。
簡単な説明の際には「買ってもらうようにする活動」と記載しましたが、「送り手にとって望ましい態度・行動を形成することが目的」とあるように、消費者の心理に働きかけてブランドイメージを形成したり、購買意欲を刺激したりと、多面的な役割を担っている点も押さえておくとより正確な理解になると思います。

マーケティング(プロモーション)における広告の位置づけ

広告の位置づけをより深く理解するために、他のプロモーション手段との比較をしてみましょう。

プロモーション活動における顧客との接点(メディア)は大きく3つに分かれ、これを「トリプルメディア」と呼びます。

トリプルメディア

  1. ペイドメディア(Paid Media)
  2. オウンドメディア(Owned Media)
  3. アーンドメディア(Earned Media)

1. ペイドメディア(Paid Media)

企業が広告費を支払うことで露出することができるメディアのことです。

テレビCMや新聞広告、インターネット広告、交通広告など、広告と呼ばれるものの多くがペイドメディアに該当します。

特徴

  • 確実な露出が見込める
  • メッセージ内容や配信タイミングを細かくコントロールできる
  • 広告費をかければ広く認知度を高めやすい
  •  

2. オウンドメディア(Owned Media)

企業が自ら所有・運営するメディアのことです。公式サイトやSNSの企業アカウント、メールマガジン、ブログなどが該当します。

特徴:

  • 自社の世界観やブランドイメージを直接発信できる
  • 詳細な情報提供やストック型コンテンツとしての活用が可能
  • ユーザーとの長期的な関係構築に適している

3. アーンドメディア(Earned Media)

自主的に情報を発信・拡散してくれるメディアのことです。SNSでの口コミやシェア、メディアでの報道などが代表的な例です。最近では、消費者の口コミやSNSでの発言を「シェアードメディア(Shared Media)」と別枠で呼ぶ動きもあります。

特徴:

  • 第三者による発信のため高い信頼性が得られる
  • 企業側でコントロールしづらい
  • 口コミの爆発力によるバイラル効果が期待できる

このように、広告は主にペイドメディアに分類され、多くの場合「費用を支払って情報を届ける」メディアを活用します。実際のプロモーション活動では、これら3種類のメディアを組み合わせて相乗効果を狙うことが重要です。

主な広告の種類と特徴

広告は大きくオフライン広告とオンライン広告に分けられます。近年ではオンライン広告が急速に発展・多様化していますが、オフライン広告も依然として根強い効果を持っています。ここでは代表的な広告の種類の一部を取り上げて解説いたします。

オフライン広告とオンライン広告

オフライン広告

マス広告

テレビCMやラジオCM、新聞・雑誌などを活用した広告で、比較的幅広い層にリーチできるのが特徴です。

マス広告

  • テレビCM
    • 視覚と聴覚を同時に刺激できるため、印象に残りやすい
    • 一度に多くの人にリーチでき、大規模な認知度向上が期待できる
  • ラジオCM
    • 音声のみで訴求するため、想像力を刺激できる
    • 通勤・運転中など「ながら聴取」が多いタイミングにリーチしやすい
  • 新聞広告
    • 信頼度が高く、詳細な情報を掲載しやすい
    • 地域密着型の新聞を使えば、特定エリアへの効率的な訴求も可能
  • 雑誌広告
    • 読者層が明確なため、ターゲティングしやすい
    • ビジュアルの質が高く、ブランドイメージ訴求に向いている

屋外広告

街中や交通機関など、屋外空間に掲出する広告です。

屋外広告

  • 交通広告
    • 電車・バス・タクシーの車内や駅構内などに掲載
    • 通勤・通学層への継続的な接触が期待できる
  • 看板広告
    • 24時間常に目に入るため、地域や通行者に対して訴求しやすい
  • 街頭ビジョン
    • 動画や大画面表示によるインパクトが強い
    • 繁華街のような人通りの多い場所で大量リーチが可能

オンライン広告

Web広告(インターネット広告)

インターネットを利用した広告形態で、ターゲットを細かく絞り込んだり、効果測定をリアルタイムに行ったりできる柔軟性が強みです。

こちらでより詳しく説明をしています。
(記事作成後リンク差し込み

Web広告

  • リスティング広告(検索連動型広告)
    • ユーザーが検索したキーワードに応じて広告を表示
    • 購買意欲の高いユーザーに効果的
  • ディスプレイ広告バナー広告
    • Webサイト上に画像バナーやテキスト広告を表示
    • クリック数や表示回数など、詳細なデータが計測可能
  • SNS広告
    • Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeなどで配信
    • ユーザーの興味・関心や年齢、地域など細かいターゲティングが可能
    • エンゲージメント(いいね・コメント・シェア)を通じて拡散効果を狙いやすい
  • 動画広告
    • テレビCMに近い表現力を持ちながら、オンライン上で視聴者のデータ取得も可能
    • 若年層の利用頻度が高い動画プラットフォームでの拡散力に注目が集まっている

オフライン広告のオンライン化

近年では、従来からあるオフライン広告がオンラインと組み合わさるケースも増えています。たとえば、テレビ局がテレビCMをオンライン広告の仕組みを導入して販売したり、ラジオの内容をradikoなどで配信することでそのプラットフォーム上で音声の広告を出稿できたりと、「オフライン広告のオンライン化」が進行しています。

これにより、広告効果の可視化データを活用したターゲティングが可能になり、従来のマス広告に近いものも一部オンライン広告のような精度で効果測定が行えるようになってきています。

まとめ

  • 広告は有料のコミュニケーション活動であり、企業や団体が商品・サービスの購買行動を促進するために行うもの。
  • トリプルメディアの中でも、広告が属するのはペイドメディア(Paid Media)。オウンドメディアやアーンドメディアと組み合わせることで、より効果的なプロモーションが可能になる。
  • 広告の種類は大きくオフライン広告とオンライン広告に分かれ、それぞれに特徴がある。近年はオフライン広告がオンライン化していく傾向がある。

広告は多くの人の目や耳に触れるため、企業やブランドのイメージを左右する大きな要因となります。正確な理解と戦略的な活用ができれば、事業やサービスの成長に大きく寄与するはずです。ぜひ基本を押さえたうえで、最新の動向や技術も取り入れながら、効果的な広告展開を目指してみてください。