
SEOとは?SEO対策で上位表示するための具体施策と事例を解説
SEO対策
最終更新日:2025.04.01
近年では、BtoBマーケティングの手法としてオウンドメディアを運営する企業も多くなっています。
この記事では、BtoB企業のオウンドメディア成功事例を紹介するとともに、そこからわかるオウンドメディア運用のポイントについて解説しています。
オウンドメディアを始めたいけど方針を迷っている、という方はぜひ参考にしてください。
※編集部注:2022年4月に公開された記事を最新情報に更新しました。
さっそく、BtoB商材を展開している企業のオウンドメディアの成功事例を見ていきましょう。この記事ではより事例を理解しやすくするために、以下の観点から各事例を掘り下げて解説します。
※詳細情報を公開していないオウンドメディアもあるため、その場合はあくまで外部からの見解となります。
まずは当オウンドメディア「PINTO!」の例をご紹介します。
PINTO!は、SEOやWeb広告などの運用支援や、SEOツール「SEARCH WRITE」やインフルエンサーマーケティングツール「Cast Me!」を提供する、弊社「株式会社PLAN-B」が運営するオウンドメディアです。
5,000社を超えるマーケティング支援実績を基に、Webマーケティング全般に関する記事、弊社のノウハウを発信するお役立ち資料やセミナー情報の掲載などを行っています。
オウンドメディア内にあるCTAやポップアップから、各種サービスにお問い合わせをいただいています。
オウンドメディアの基本となるキーワード戦略に加え、コンテンツ作成(月間30記事程度)・リライトを継続的に実施。また内部対策・外部対策なども並行して進める。
SEOに関連する多くのキーワードで上位表示を達成し、月間800〜1,000件のリード獲得に成功。
成功要因としては、以下の通りです。
社内の編集チームの他、外部ライターに依頼することで記事の数を担保。またSEOに知見のある編集者を置いたり・他部署の各マーケティング領域の専門性が高いメンバーへ監修を依頼したりすることで、外部ライターの依頼時によくある「クオリティ面の課題」もクリアし、継続的に記事を公開・リライトできる運用体制を整えています。
出典:https://corp.synergy-marketing.co.jp/
シナジーマーケティングは、クラウド型CRMシステム「Synergy!」を中心に、マーケティング活動のSaaSを提供している会社です。同社で運営するオウンドメディアでは、従来のリード獲得に加え、営業につながるリード(MQL)の獲得に重点を置いてSEO施策を実施しました。
より柔軟に対応できるパートナーを求め、新たに外部SEOコンサルティング会社と契約。
リード獲得後、「実際に受注に繋がったリード」を、自社で保有しているデータとGoogle Analyticsを突き合わせながら精査し、その結果を基に「このルートをたどればMQLへの転換率が高い」ということが把握できるまで解像度を高めて施策に反映させました。
また、SEOと広告を連携させ、相乗効果を狙いました。
オウンドメディアからの営業につながるリードが前年比1.5倍に増加。
この事例の成功要因は、
です。
特に2点目は、外部パートナーと連携して施策を進める際に、成功を大きく左右する重要なポイントです。Google AnalyticsのデータやMA、CRMのデータなど、コンバージョンに影響を与える情報を詳細に共有することで、SEOコンサルティング会社から精度の高い提案をもらうことに繋がっています。
引用:https://www.freee.co.jp/kb/
※詳細情報を公開していないため、PINTO!編集部の見解をまとめています。
経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識は、クラウド会計ソフトを提供するfreee株式会社が運営するオウンドメディアです。主に会計・税務・労務に関する知識を提供しています。
YMYL領域に該当する「累進課税とは」「準委任契約とは」などの難易度の高いビッグキーワードでも数多く上位表示しており、自社サービスの導入に繋げています。
成功要因として考えられるポイントを3つまとめました。
情報収集型キーワードでのコンテンツ提供
同オウンドメディアでは、「〇〇とは」「〇〇のやり方」など、情報収集型のキーワードで上位を数多く獲得。これにより、freeeを知らないユーザーでも検索経由で訪問し、認知獲得に繋がっていることが考えられます。
ロングテールSEOの強化
検索ボリュームの大きいビッグキーワード以外にも、「消費税 会計処理」「雑所得 損益通算できない理由」などのニッチなキーワードでも流入を確保しており、ユーザーに漏れなくアプローチができています。
定期的なコンテンツ更新と最適化
会計・税務・労務関連の情報は法改正や制度変更が頻繁にあるため、記事の更新が必須になるジャンルですが、最新情報を更新して質の高いコンテンツを担保できている。結果として検索エンジンの評価が高まり、上位表示を維持していることが想定されます。
引用:https://sairu.co.jp/method/
※詳細情報を公開していないため、PINTO!編集部の見解をまとめています。
株式会社才流は、BtoB企業向けのマーケティング支援・営業支援を行っている会社です。
コーポレートサイト内の「メソッド」では、自社で開発したノウハウやメソッドを記事として公開しています。トピックは新規事業開発、BtoBマーケティング、法人営業など多岐にわたり、特定のテーマごとに基礎から応用、実践方法までを体系的に学べるよう設計されているのが特徴のオウンドメディアです。
また、SNS上でも話題に上がることがあり、認知拡大という意味で大きく貢献していると考えられます。
引用:https://jp.sansan.com/media/
※詳細情報を公開していないため、PINTO!編集部の見解をまとめています。
「営業DX Handbook」は、クラウド名刺管理ソフトの「Sansan」が運営するオウンドメディアです。営業業務に関するDX推進に関する情報を公開しています。
成功要因の一つが、「営業DX」というテーマに限定したオウンドメディアへ方針変更をしたことです。
以前は事例記事や業務効率化、働き方など幅広いカテゴリのコラムを発信していましたが、それでは検索エンジンから「このメディアは何に特化しているのか」が不明瞭になり、専門性の評価が分散してしまいます。
テーマを限定したことで、SEO評価だけでなく、ユーザーからの認知とブランド価値の向上という点でも大きく貢献していると考えられます。
※詳細情報を公開していないため、PINTO!編集部の見解をまとめています。
「OctoKnot」は「NTTデータ」が運営する、「金融に関する新規企画に取り組む現場のリーダー層」をターゲットとしたオウンドメディアで、金融や新規事業のトレンドに関する情報や対談のコラムを発信しています。
ウェビナーへの導線こそありますが、あくまでブランディングに主眼が置かれており、NTTデータの企業イメージ改善に貢献しているオウンドメディアです。
まだ立ち上げから数年しか経っておらず、メディアの規模的にも「成功事例」というよりは「注目事例」と表現した方が適当と思われますが、SIerの大企業としてはトンマナがコミカルで、読み物として興味を惹くようなコンテンツを公開しています。
NTTデータは、他にも「デジマイズム」というオウンドメディアで、マーケティングDXに関する情報を発信しており、DXのコンサルティングサービスへの導線としても活用されています。
ここまで紹介した成功事例から、オウンドメディア運営を成功させているBtoB企業の特徴をまとめています。
オウンドメディアで成果を出している企業は、オウンドメディアの運営を単発の取り組みではなく、継続的な活動として確立しています。記事制作やSEO対策、データ分析などの役割を明確にし、専任チームを設けることで、計画的かつ安定したコンテンツ発信が可能になっています。また、定期的な改善を繰り返しながら、より成果の出やすい形へと運用を進化させています。
リード獲得を目指すのか、ブランディングを強化するのか、それとも既存顧客へのナレッジ提供を主軸にするのかといった目的を明確にし、それに応じたコンテンツ設計がなされているメディアほど成功しやすい傾向にあります。
逆に目的が定まっていなければ、コンテンツの方向性がぶれてしまい、成果につながりにくくなりますので注意が必要です。
競争の激しいBtoB領域では「他社との差別化」も重要な要素です。単に業界の一般的な知識を発信するのではなく、自社ならではの視点や実績に基づいた情報を提供することで、メディアの価値が高まります。
特に、実際のデータや具体的なノウハウを公開することで、読者にとって「このサイトならではの情報が得られる」という印象を与え、企業を信頼してもらうきっかけとなるでしょう。
オウンドメディア全体で専門性を高めることは、検索エンジンからの評価向上にもつながる重要なポイントです。
たとえば、Sansanのオウンドメディアは「営業DX」にテーマを特化させることで、検索エンジンに「営業DXの専門メディア」として認識されやすくなっています。同じように、CyberSecurityTIMESも、サイバーセキュリティというニッチな分野にトピックを絞ってる事例です。
このように幅広いジャンルを扱うのではなく特定の分野に特化することで、他社との差別化にもつながります。
まず始めに、オウンドメディアを運営する目的をハッキリさせることが最も重要です。
あくまで、オウンドメディアは数あるBtoBマーケティングの手法の一つでしかなく、販促したい商材が属する業界の特性や市場シェア、ターゲットや効果を得たい期間によって最適な手法は異なります。
実現したい目的から逆算し、「オウンドメディアが最適な手法なのか」を必ず検討するようにしましょう。
オウンドメディアの運営目的が決まったら、次はペルソナの設定を行いましょう。
「ペルソナ」とは、マーケティングにおける「自社商品やサービスの架空のユーザー」のことです。
同じく「ユーザー像」を表す概念である「ターゲット」と似ていますが、設定する項目の数や細かさが異なります。
ターゲットの場合、「中小企業のWeb担当者」ぐらいの細かさである場合が多いですが、ペルソナの場合は以下のような項目を設定します。
ペルソナを細かく設定し、しっかりと認識した上でメディアを運営すれば、メディアのテーマのブレを防ぐことができます。
メディアのテーマがブレてしまうと、ターゲットとなる新規顧客に「このメディアはまさしく自分向けだ」と認識してもらいにくくなってしまいます。
またペルソナ設定の途中で、「この人はWeb検索で情報収集しないのでは?」といった計画上の矛盾に気づける可能性もあるため、詳細なペルソナ設定は非常に重要です。
ペルソナを作成する際の注意点としては、主観を排除し、あくまで事実に基づいたユーザー像を設定しなければいけないことです。
まずは、市場や既存顧客を分析し、どのようなユーザーが多いかをしっかり調査するようにしましょう。
その上で、既存顧客や設定したペルソナに近い属性の人たちに、アンケートやインタビューを行い、顧客の生の声を収集し、事実として活用しましょう。
自分たちに都合の良いユーザー像を描いてしまっては、オウンドメディアの目的も果たせなくなってしまいます。
ペルソナについては、以下の記事で設定方法や活用方法を紹介していますので、参考にしてください。
ペルソナの設定が完了したら、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
カスタマージャーニーマップとは、「顧客が商品やサービスを見つけ、検討し、購入に至るまでの行動や感情を可視化する」ための仕組みです。
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客のフェーズに合わせた施策を打てるようになるため、オウンドメディアの運営方法がより明確になります。
新規顧客の商品・サービスに対する理解度や、検討度合いの移り変わりに応じて、最適なコミュニケーションを行いましょう。
しかし、カスタマージャーニーマップもペルソナと同様に、調査した「事実」に基づいて作成することが重要です。
アンケートやインタビューを通して、ペルソナの行動を詳細に把握し、カスタマージャーニーマップを具体的にしていきましょう。
カスタマージャーニーマップの作り方に関しては、以下の記事で解説しています。まだカスタマージャーニーマップを作成していない場合は、ぜひ参考にしてみてください。
近年では、BtoBマーケティングの一環でオウンドメディアを運営している企業も増えてきました。
弊社が、BtoB企業のマーケティング担当者225名を対象に行った独自調査では、118名(52.3%)がオウンドメディアの運営を行っているという結果になりました。
実に半数以上の企業で運営されているオウンドメディアですが、本記事では次の2点のメリットを解説します。
SEOでオウンドメディアの集客を行えば、「1つのコンテンツで長期的なリード獲得」を狙えます。
SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称で、GoogleやYahoo!の検索結果で自社のページを上位に表示し、アクセスの獲得を目的としています。
SEOは、オウンドメディアの最も基本的で主要な集客方法の一つです。
以下の記事で、「SEO」について分かりやすく網羅的に解説していますので、SEOについてまだ詳しくない方は、ぜひ読んでみてください。
その他のオウンドメディアの集客方法としては「広告」「SNS」などがあり、いずれもオウンドメディア内に作ったコンテンツへの導線を配信する形となります。
しかし、広告は有料で決められた期間しかコンテンツは表示されず、SNSもアカウント全体では長期的な運営が可能ですが、一つ一つのコンテンツが新規顧客の目に触れている期間は短いです。
対照的に、SEOのコンテンツは寿命が長い傾向にあり、一つのコンテンツが新規顧客の目に触れている時間は、数あるBtoBマーケティングの手法の中でもかなり長い方です。
定期的なリライトは必要ですが、検索上位に表示されている限りは、一度作ったコンテンツからずっと集客が可能である点は、非常に大きな魅力と言えるでしょう。
リライトとは、既に公開されているページの改善を目的に行う「記事の加筆・修正」を指し、SEOで上位表示を獲得するには必要不可欠な手法です。
まだリライトに着手できていない方は、以下の記事でリライトの重要性や効果について解説しているので、ぜひ読んでみてください。
オウンドメディアのもう一つのメリットとして、新規顧客と長期的なコミュニケーションが可能なことが挙げられます。
以下は、マーケティングにおける「新規顧客が商品やサービスの購入に至るまでの、課題と商品の認知の移り変わりを段階的に示したファネル(漏斗)図」です。
本記事においては、以下の画像に沿って「潜在層」「準顕在層」「顕在層」の用語を使用します。
前述の通り、オウンドメディアは他のBtoBマーケティングの手法と比較してコンテンツの寿命が長く、一つのコンテンツを長期間にわたってユーザーに届けることができます。
オウンドメディア内の色々なページに繰り返しアクセスしてもらうことで、新規顧客の段階が「潜在層」→「準顕在層」→「顕在層」と進み、「成約」に結び付くまでコミュニケーションをとることができるのです。
なお、SEOから集客するのみでは、検索行動を取らない潜在層へのアプローチは困難ですが、SNSでオウンドメディアに作成したコンテンツを配信し拡散されれば、潜在層へアプローチすることも可能となります。
BtoBマーケティングの手法として大きなメリットがあるオウンドメディアですが、大きな成果が出るまで時間がかかる点は留意しておきましょう。
オウンドメディアは、上手く行けば長期にわたって効果が得られますが、安定して大きな成果が得られるようになるまでは数年単位で時間がかかります。コンテンツ一つにとっても、ユーザー(検索者)の検索意図に対して適切に解答したページを作成する必要があり、また独自見解を盛り込むなどオリジナリティも必要になるため、公開までに工数がかかります。
また、SEOの場合はユーザーとGoogleの両方から高い評価を受けなければ、検索ボリュームの多いキーワードで上位表示を獲得し、アクセスを安定させることはできません。「オウンドメディアはすぐに大きな効果が期待できるマーケティングの手法ではない」ということを理解しておきましょう。
一方でWeb広告は速攻性が期待できますが、費用を払い続けなければ継続して成果は得られません。どちらもメリット・デメリットがあるため、自社の状況に応じて選択・または両方をバランスよく進めましょう。
BtoB企業がオウンドメディア運営を成功させるには、目的やテーマの設計をしっかり行い、長期的な運営を続けていくことが大切です。オウンドメディアを構築してすぐに効果が出るケースは少ないですが、良質なコンテンツを展開し続けることによって、少しずつユーザーの信頼を獲得できるでしょう。
時間はかかるかもしれませんが、成功すれば長期的な費用対効果も高くなります。「誰がどのような問題を抱えているか」、「何を必要としているか」などのニーズを明らかにし、ユーザーにとって有益なコンテンツ配信を目指しましょう。
以下の記事では、オウンドメディアについて「立ち上げから実践まで」のステップについて、さらに詳しく解説しています。オウンドメディアについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。