【5分でわかる】GTM(Googleタグマネージャー)の設定方法
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事業が拡大するにつれ、サイトの機能が増えたり、目的ごとに複数のサイトを運用するようになったりすることがあると思います。その際、ドメイン(インターネット上の住所)はどう設定されているでしょうか。
全く別物のドメインを割り当てて運用する場合もあれば、同一ドメインの配下に、領域を区切って複数のサイトをそれぞれ構築する「サブディレクトリ」を用いるケースもあると思います。
唯一の正解はなく、組織としての考え方や事業方針によるところが大きいため、それぞれのメリットや注意点を理解して適切に選択することが重要です。「複数のWebサービスサイトやブログを運用したいがドメインの処理について決めかねている」という方は、本記事の内容が参考になるかと思いますので、ぜひご一読ください。
まず、簡単に「ディレクトリ」「サブディレクトリ」という用語についておさらいしていきましょう。「ディレクトリ」とは、簡単に言えば「ファイルの保管場所(=フォルダ)」のことです。普段使っているPCに保存されているフォルダをイメージすれば分かりやすいでしょう。下の画像は、PCに保存されているよくあるフォルダの種類です。「3Dオブジェクト」や「ダウンロード」、「ピクチャ」などこれらのフォルダがディレクトリにあたります。
そして「サブディレクトリ」とは、「ディレクトリの中に作ったディレクトリ」のことを意味します。例えば以下の画像のように「ピクチャ」というフォルダの中に、「クリエイティブ」や「図解」といった更に画像が区分けされたフォルダがあった場合、それらがサブディレクトリとなります(「サブディレクトリ」のことを別名「サブフォルダ」と呼ぶこともあります)。
ここまでで「ディレクトリ」と「サブディレクトリ」について何となくご理解いただけたかと思いますが、同様の考えがWebサイトの構造にも適用されます。例として当サイト『PINTO!』のディレクトリ構造を見てみましょう。
『PINTO!』は「service.plan-b.co.jp」のドメイン下で、記事を扱う「blog」やセミナー情報を扱う「event」などのサブディレクトリに分かれています。そして「blog」の中でも、「seo」や「ad」といった記事のジャンルごとに、更にサブディレクトリに分けられている構造というわけです。
しかし、これはあくまでWebサイトの構造の一つのパターンでしかありません。次項で、新規のWebサービスを立ち上げる際のサイト構築のパターンを大きく3つに分けて見ていきましょう。
既に運用しているWebサイトがあり、新しくブログやECサイトなどのWebサービスを立ち上げる場合、皆さんはどのようにサイト構造を決めるでしょうか。例として既にコーポレートサイトなどの本体サイトを運営して、新しく集客用のブログを立ち上げるケースを考えてみましょう。この場合、サイト構造の決め方は以下の大きく3通りが考えられます。
文字だけでは分かりづらいかと思いますので、次項で具体例を挙げてご紹介します。
同一母体が複数のサイトを運営している例として、こちらの2サイトがあります。
価格.com:https://kakaku.com/
食べログ:https://tabelog.com/
これらのサイトはどちらも有名ですので、ご存じの方も多くいらっしゃるかと思います。前者は家電製品をはじめとする様々な商品の最安値を調べられるサイト、後者は飲食店を検索・予約できるサイトになります。運営母体はどちらも、株式会社カカクコム(https://corporate.kakaku.com/)です。
同一母体が運営する2つの事業ですが、サービス内容やターゲットなど異なる部分が多いため、それぞれ独立した別のサイトとして見せるべきという意図から、完全に別のドメインで運営されているものと考えられます。
サブドメインを設けて複数サイトを構築している例として、Yahoo!グループの各種事業サイトを挙げます。
Yahoo!ショッピング:https://shopping.yahoo.co.jp/
Yahoo!トラベル:https://travel.yahoo.co.jp/
これらのサイトは、事業内容はそれぞれ異なりますが、いずれもYahoo!の名を冠しております。Yahoo!グループが運営する網羅的なWebサービス群の1つであることをユーザーに伝えるというブランディングの観点から、この方式を採用していると思われます。
ここで、補足的な内容ではありますが、ドメインの仕組みについても触れておきます。上述のYahoo!の3サイトにおいてはそれぞれ「shopping」、「travel」、「auctions」という文字列がサブドメインを表しているわけですが、これらが yahoo.co.jp の前方に付与されていることに違和感を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これはドメインの階層構造が「前から順」ではなく「後ろから順」になっていることが理由です。例えば、当社のオフィスがある「東京都品川区東五反田2-5-9」という住所の階層構造を考えると、以下のように前から順に階層が並びます。
第1階層(都道府県):東京都
第2階層(市区町村):東京都品川区東五反田
第3階層(番地・号):東京都品川区東五反田2‐5‐9
一方、ドメインの階層構造は住所とは逆に後ろから並んでおり、shopping.yahoo.co.jp というドメインは、以下のような構造になっています。
第1階層(トップレベルドメイン):.jp
第2階層(セカンドレベルドメイン):co.jp
第3階層(サードレベルドメイン):yahoo.co.jp
第4階層(サブドメイン):shopping.yahoo.co.jp
それゆえ、文字列の(後方ではなく)前方に付与された shoppingや travel などがサブドメインと言われるのです。
同一ドメイン配下にサブディレクトリを切ってコンテンツを配置している例として、「北欧、暮らしの道具店」のサイトを挙げます。
サイト本体:https://hokuohkurashi.com/
サイト内のブログ(記事ディレクトリ):https://hokuohkurashi.com/note/
上記の例でいえば、記事用の領域として設けられた 「/note/」の部分がサブディレクトリにあたります。
こちらのサイトは、オウンドメディアの成功事例としてよく挙がりますので、ご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか。本体はインテリア雑貨のECサイトですが、サブドメインではなくサブディレクトリを切って、同一サイト内にブログを構築している形です。
非常に洗練された独特の世界観を放つサイトですので、あえてサブドメインではなくサブディレクトリとすることで、EC機能を持つ本体サイトとブログを完全に同一サイトとして扱い、デザインやテイストを統一する意図があると思われます。
次に、サブディレクトリとサブドメインそれぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
サブディレクトリを使用することにより、Webサイト内で複数のテーマをカテゴリー分けし、ユーザーにとってより分かりやすく、ナビゲーションがしやすくなるメリットがあります。
また、サブディレクトリを利用することによって、SEOにも良い影響を与えることができます。メインサイトのSEO評価を利用しながら、テーマを掘り下げたコンテンツを充実させることができるため、より多くのキーワードに対応し、検索エンジンからのアクセスが増加する可能性も考えられるでしょう。
さらに、Webサイト内での管理が容易になることもメリットです。サブディレクトリを用いることにより、Webサイト内で異なるテーマやコンテンツを管理することができ、ユーザーが迷わずに目的のページを見つけることができます。以上のように、サブディレクトリを使用することにより、Webサイト内でのテーマ分類やSEO効果の向上、管理がより簡潔になる効果が期待できます。
上記で紹介したように、サブディレクトリは、メインサイトのSEO評価を利用して、テーマを掘り下げたコンテンツを充実させることができます。しかし、サブディレクトリにはいくつかのデメリットも存在します。
まず、最も大きなデメリットはURLが長くなることです。特に、サブディレクトリを多数作成している場合、URLが非常に長くなり、視認性が悪化する可能性があります。また、長いURLはユーザーにとって見にくいかつ覚えにくく、入力ミスの原因となってしまうこともあるでしょう。
そして、サブディレクトリを使用すると、異なるテーマや分野のコンテンツの管理が困難になることがあります。加えて、サブディレクトリは、メインサイトの影響を受けるため、SEO評価が低いメインサイトを運営している場合には、影響を受けやすいこともあります。サブディレクトリを使用する場合、適切なフォルダ階層を作成し、必要な場合は階層の見直しを行うことが重要です。
以上のように、サブディレクトリには、URLの長さが長くなることや、テーマや分野ごとのコンテンツの管理が困難になるといったいくつかのデメリットがあります。ただし、これらの問題は適切な設計や管理によって軽減できるため、管理体制を整えることでメリットを最大化することが可能です。
サブドメインとは、メインドメインの下に作られる別のドメインであり、異なるサイトを構築することが可能です。サブドメインには主に3つのメリットがあります。
1つ目のメリットは、独自ドメインを1つ取得しておけば、複数のサブドメインを安価で利用できるという点です。プランによっても異なりますが、基本的には無料で利用できることが多いです。
2つ目のメリットは、サブドメインを使うことで、メインドメインとは異なるドメインでサイトを構築することができるため、別のブランドやイメージを持つサイトを作成することができる点です。つまり、メインの事業とは異なるビジネスを行う場合には、サブドメインが役立つでしょう。
3つ目のメリットとして、サブドメインを使用することで、サイトの構造を分かりやすくできることが挙げられます。たとえば、blog.example.com、shop.example.comなどといったサブドメインを使うことで、ユーザーがどの会社のページを閲覧しているかをわかりやすくすることができます。
以上のように、サブドメインを使うことで、コスト削減やブランドイメージの分散化、サイトの構造の整理などのメリットがあります。
上記で紹介したメリットがある一方で、サブドメインにはデメリットも存在します。例えば、複数のサイトを運営する場合、管理が煩雑になることがあります。また、サブドメインが別のIPアドレスを持っている場合、DNSの設定が必要になるため、初心者には少々難しいかもしれません。
さらに、サブドメインを利用することで、サイトの管理が分散されるため、情報の整理が難しくなる可能性もあります。また、サブドメインが異なるドメインとして認識されるため、メインドメインとは独立したSEOの効果が期待できない場合があります。以上のことから、サブドメインを利用する場合は、管理の手間やSEOの影響について十分に考慮した上で、利用を検討することが望ましいでしょう。
サブディレクトリには、サイト管理の観点で大きなメリットがあります。サブディレクトリを用いて同一のドメイン下でページを管理すれば、サイト構造の組み替えや他のページからコンテンツを移管が行いやすいという利点があるのです。
ページ間のユーザ遷移を追跡(トラッキング)して分析することも、サブディレクトリであれば特別な設定など不要で容易に行えます。
異なるドメインをまたいでトラッキングを行なう場合は「クロスドメイントラッキング」という設定が必要となりますが、サブディレクトリで管理する場合は一つのドメイン下で管理するため、クロスドメイントラッキングの設定は不要となります。
では、サブディレクトリとサブドメインの違いや、どちらを選択すべきかの考え方についてご紹介します。結論としては、サービスごとの「取り扱うテーマ(話題)、ターゲットユーザー層、ユーザーに提供する価値や体験、ブランドイメージの違い」に応じて使い分ける方が良いでしょう。
前述の通り、新しいWebサービスを立ち上げる際の選択肢としては、以下の3通りが考えられます。
パターン1:事業サイトとは別ドメインに構築
カカクコムと食べログの例で見た通り、そもそも事業が異なりますから、取り扱うテーマやターゲットユーザー、サービスが提供する価値も全く異なります。裏を返せば、サービスごとにブランドイメージを分けて管理したい場合に向いていると言えるでしょう。
パターン2:事業サイトと同一ドメインのサブドメインに構築
Yahoo!グループの各種サービスの例では、「Yahoo!ショッピング」や「Yahoo!トラベル」など各サイトのターゲットユーザーは異なりますが、ブランドイメージはYahoo!グループとして全体で統一されます。
パターン3:事業サイトと同一ドメインのサブディレクトリに構築
「北欧、暮らしの道具店」の例の通り、ターゲットユーザーも、ユーザーに届ける体験やブランドイメージも一貫しており、そのサイトの中でひとつの世界観が醸成されています。
「パターン1」はドメインが異なるため、明確に別サイトとして区別されますから、用途が分かりやすいでしょう。しかし「パターン2」と「パターン3」は、違いがまだイメージしづらいという方もいらっしゃるかと思いますので、別の例でも考えてみましょう。
説明のため、「plan-b.co.jp」のドメイン配下に架空のECサービスを立ち上げるとして、以下の2パターンを考えてみます。
サブディレクトリ方式:plan-b.co.jp/shop/
サブディレクトリ方式で実装する場合、ECサービスは本体サイトである「https://www.plan-b.co.jp」 の一部となります。この場合、本体サイトと一貫したデザインをECサイトにも適用すれば、ユーザーには「株式会社PLAN-Bが立ち上げた新サービスであること」が明確となり、ブランディングの観点で有用でしょう。
しかし裏を返せば、ECサイトに本体サイトと異なるデザインやテーマを採用するべき場合、サブディレクトリで実装すると「同じサイト内にデザインやテーマのページが混在する状態」となり、ユーザーから見て不自然な状態となります。
サブドメイン方式:shop.plan-b.co.jp
一方、サブドメインにて実装する場合は、本体のサイトとは別のサイトという扱いとなりますから、デザインやテーマに制限はありません。本体サイトとは異なるデザインやテーマを取り扱うサイトにしたい場合は、サブドメインが有力な選択肢となります。
上記のように、サブディレクトリとサブドメインは、テーマやブランドという観点で判断することが重要です。「サブディレクトリのメリット」の項目で解説したように、サブディレクトリを用いて同サイトで管理した方が、サブドメインで別サイトとして構築するよりも管理しやすいというメリットがあります。そのため、新設するWebサービスが取り扱うテーマやブランドイメージが本体サイトと同じであれば、一般的にはサブディレクトリで管理した方が良いでしょう。
裏を返せば、サブディレクトリは「異なるテーマやブランドイメージを持つ複数サービスを、まとめて管理することに向いていない」ということでもあります。次項で「サブディレクトリの注意点」として解説します。
最後に、サブディレクトリを使用する際のSEO上の注意点についても述べます。それは「サイト全体としてのテーマの統一感が失われないようにすること」です。
本稿で例として挙げた、株式会社カカクコムが運営する「tabelog.com」と「kakaku.com」が1つの同じサイトで運営され、同一のWebサイトから飲食店の情報と家電製品の情報の両方にアクセスできるような構造となっていたら、初めてサイトを訪れたユーザーはどのように感じるでしょうか。恐らく「このサイトは何のサイトなんだろう」と不自然に思うユーザーもいるのではないかと考えられますが、同様のことがSEOにも言えます。
SEOにおいて検索エンジンは、各ページの品質評価に加えて、ドメイン単位でサイトを認識し、それぞれのサイトが扱うテーマの専門性を判断しています。「専門性」は、Googleのランキングアルゴリズムと密接に関わりがあるとされており、SEO対策において重要な観点の一つです。
例えば「tabelog.com」は飲食店の検索や予約ができ、レビュー情報が多数掲載されているサイトです。つまり「飲食店」というテーマについて専門性を持ったWebサイトと認識され、飲食店に関するGoogle検索の上位に表示されやすい状態となっています。逆に言えば「家電製品」の専門性は持っていないサイトだと認識されており、当然ですが「家電製品」の検索上位には「tabelog.com」は登場しないでしょう。
しかし上述したように、もし「tabelog.com」と「kakaku.com」が全く同じドメインのサイトで運営されていれば、Googleはそのサイトの専門性を判断しづらくなると予想されるでしょう(※1つのサイトで異なる複数のテーマの専門性を同時に高めることは不可能ではありませんが、テーマを絞って専念するWebサイトと比べると「専門性が判断されづらくなる」ということです)。
至極簡単に言えば、サイトのテーマに一貫性が合った方が、ユーザーからもGoogleからも「◯◯について専門性が高いサイトである」と理解されやすいということです。
ここで前述の「plan-b.co.jp」ドメインの配下に、ECサービスを構築する例を再度見てみましょう。当サイトは、SEOやインターネット広告など「デジタルマーケティング」がメインのテーマですから、例えば、デジタルマーケティングに関する書籍を販売するECであれば、ドメイン全体でテーマが一貫するためサブディレクトリでECサービスを構築しても問題ないと考えられます。
一方で、デジタルマーケティングとあまり関連性のない、例えばアパレルのEC事業を新規に立ち上げるということならば、本体サイトとはドメインを分け、サブドメインでECサイトを構築した方が良いと考えられます。このようにサイト構造を検討する際には「新規サービスと既存サイトのテーマにどれほど関連性があるか」も重要な観点となるのです。
本稿ではサブディレクトリの特徴や、新規のサービスやブログをサブディレクトリで構築するメリット、注意点など述べてきましたが、いかがだったでしょうか。サブディレクトリとサブドメインは、一概にどちらの方が良いと言えるものではなく、事業の方針や状況によって適切に選択する必要があります。これから新規サービス・ブログを立ち上げる方にとって、本記事の内容が参考になれば幸いです。