GTMを使ったGA4の導入とイベント設定方法|具体的な手順を解説

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2022年3月にGoogleから「Google アナリティクス 4 プロパティ(以下、GA4)」への移行が発表されて数ヶ月、GA4を導入する企業も徐々に増加してきました。SEM Technologyが、2022年7月に上場企業4,040社を対象に実施した「上場企業のGA4導入状況調査レポート」によると約35%もの企業がGA4を導入しており、そろそろウチもGA4の導入を……、と腰を上げ始めた企業の担当者もいらっしゃるでしょう。

GA4の導入方法は複数ありますが、最もオススメな方法が「Google タグ マネージャー(以下、GTM)」を使用する方法です。GTMを使用すれば、GA4の導入作業そのものはもちろん、「ユニバーサルアナリティクス プロパティ(以下、UA)」からの移行作業や、タグの設置が必要なGA4の各種機能の設定もスムーズに行えます。本記事では、GTMを利用したGA4の導入方法と、発展的な内容として「イベント」の設定方法についてわかりやすく解説します。

以下の記事では、話題のUAからGA4の移行について解説しています。以降すべきタイミングについても解説しているため、まだ移行を検討中という方はぜひ参考にしてみてください。

なお、もう一つのGA4の主要な導入方法であった「グローバルサイトタグ(gtag.js)」は、「Google タグ」という名称の計測システムへ進化しました。Cookie規制など、インターネット上のプライバシー保護の潮流に合わせて、Googlは様々な対応の動きを見せており、今後もその動向から目が離せません。

グローバル サイトタグ(gtag.js)は Google タグになりました。今回の変更により、新規に gtag.js を設定する場合、および gtag.js がすでに設定されている場合のどちらでも、コードを追加することなく、利便性の向上、データ品質の改善、新しい機能の導入に役立つ新機能が利用できるようになります。

引用:Google タグについて – アナリティクス ヘルプ

GTMを使ったGA4の導入方法3ステップ

まず、GTMを使用してGA4の導入を行う場合、以下の2つの準備を行っておく必要があります。

まだ、それぞれの準備が完了していない場合は、まずは上記のリンクから手順を確認し、準備を行ってください。本稿では、2つの準備が完了した方に向け、以下の「GTMを使用したGA4の導入手順3ステップ」について解説を進めます。

  1. GA4で測定IDの確認
  2. GTMで「GA4設定」のタグを作成・公開
  3. GA4でアクセスが計測できているか確認

STEP1:GA4で測定IDの確認

GTMを使ってGA4を導入するには、GA4の「測定ID」をGTMに入力する必要があります。ちなみに測定IDとは、Googleアナリティクスのプロパティを識別するためのIDのことです。測定IDを各Webサイトに設置することにより、GA4でアクセスデータの計測が開始できます。まずは、以下の手順に沿って、GA4の測定IDを確認しましょう。

1.GA4内の左メニューバーから[管理(歯車マーク)→データストリーム→ウェブ」と移動する

2.[データストリーム→ウェブ] をクリックし、表示されたストリームを選択すれば、「G-」から始まる測定IDが表示される

測定IDの隣に表示されているアイコンをクリックし、クリップボードへのコピーが完了したら、次はGTM側の作業に入ります。

STEP2:GTMで「GA4設定」のタグを作成・公開

次に以下の手順に沿って、GTM側で「GA4をWebサイトに設置するためのタグ」を作成しましょう。

1.GTMワークスペースの左メニューバーから[ タグ → 新規 ] と選択

2.[タグの設定→Google アナリティクス: GA4 設定] を選択

3.タグ、トリガーをそれぞれ以下のように設定し、保存します。ちなみにトリガーとは「タグが発火される条件」のことです。以下のようにトリガーに「All Pages ページビュー」と設定した場合は、Webサイトの全Webページにおいてタグが発火される、つまり「全ページが計測対象となる」という設定になります。

  1. タグの名前を「Googleアナリティクス_GA4」などタグの役割が分かるような名前にする。
  2. 「測定ID」に、で確認したトラッキングID(GA‐XXXXXXXX)を入力する。
  3. トリガーで「All Pages ページビュー」を選択する。
  4. 「保存」をクリック

4.ワークスペースのトップ画面から「公開」を選択し、「バージョン名」と「バージョンの説明」を入力して保存。いずれも入力必須ではありませんが、後から見て分かりやすいように「どのようなタグを設定・変更したか」を端的にまとめておくとよいでしょう。

これでGTMを使用した「GA4のタグ設定・公開」が完了しました。

STEP3:GA4でアクセスが計測できているか確認

最後に、GTMでGA4のタグの設定・公開が完了したら、必ずGA4で計測できているか確認しましょう。

GA4内の左メニューバーから[レポート→リアルタイム] と移動します。リアルタイムでアクセスデータを確認できれば、GA4でアクセスの計測が開始できている状態です。

GTMを使ったGA4のイベント設定方法

次に、GTMを使用してGA4のイベントを設定する方法を紹介します。GA4では、デフォルトの状態で数種の基本的なイベントがで自動的に収集される設定となっていますが、「特定のリンククリック」などの発展的なイベント設定が可能となるのです。手始めに、GA4で計測できるイベントは、下記の4つに大別されると覚えておきましょう。

イベント種類(ウェブ計測)設定などイベント例
自動的に収集されるイベントGA4を実装後、デフォルトの状態で自動収集されるfirst_visit
session_start
user_engagement
file_download
など
測定機能の強化イベントGA4にて拡張計測機能を有効にすると収集されるpage_view
scroll(スクロール数)
click(離脱クリック)
view_search_results(サイト内検索)
video_start
video_progress
video_complete
file_download
など
推奨イベントGoogle推奨イベント。定義された名前とパラメータを使用し、手動での設定が必要search
join_group
login(ログイン)
sign_up(ユーザー登録)
purchase(購入完了)
select_content(コンテンツの選択)
share(コンテンツの共有)
tutorial_begin
tutorial_complete
など
カスタムイベント既存のイベントにないパラメータを指定し、手動での設定が必要自身で名前を指定

参照:[GA4] イベント – アナリティクス ヘルプ (google.com)

「Webページ毎のアクセスが知りたい」といった基本的な使い方であれば「測定機能の強化イベント」をオンにするだけで十分であるケースがほとんとでしょう。「ログイン」や「購入」のような、より細かいユーザーの行動を計測したい場合に、手動でイベントの作成が必要となります。

1.トリガーを設定

まず初めにトリガーを設定しておきましょう。

1.GTMワークスペースの左メニューバーから[トリガー → 新規 ] と選択

2.「トリガーの設定」を押し、トリガーのタイプと発火のタイミングを設定。今回は例として「特定のURLのクリック数」を計測する場合の設定方法を紹介します。

  • トリガータイプ:クリックーリンクのみ
  • トリガーの名前:「無題のトリガー」のままにせず、「click_○○」などイベントの概要が端的に分かる名前を設定
  • トリガーの発生場所:一部のリンククリック
  • トリガー配信条件:変数に「Click URL」を選択し、クリックを計測したいリンクのURLを入力

これでイベント用のトリガー作成が完了です。

2.「GA4イベント」のタグを作成

続いて、イベント用のタグを設定し、既に作成したトリガーを組み合わせましょう。

1.GTMワークスペースの左メニューバーから[ タグ → 新規 ] と選択

2.[タグの設定 → Googleアナリティクス: GA4 イベント] をクリック

3.タグの詳細について設定。トリガーと同様「特定のURLのクリック数」をカウントする場合の設定方法は以下になります。

  • タグの名前:「名前のないタグ」のままにせず、「◯◯のクリック」などイベントの概要が端的に分かる名前を設定
  • 設定タグ:既に作成されている「Google アナリティクス: GA4 設定」を選択
  • イベント名:「click_○○」など、計測したいイベントが端的に分かる名称を設定
  • トリガー:先ほど作成したトリガー(「click_○○」)を選択し、保存

これでイベント用のタグの作成が完了しました。作成後は忘れずに「公開」を押し、新たなバージョンを作成するようにしましょう。

GTMを使ったGA4設定に関するQ&A

最後に、GTMを使用してGA4を導入する際によくある問題についてQ&A形式で解説します。

Q1.GTMを使ってGA4の導入を行ったが上手く行かない場合は?

GTMでGA4の導入を行ったものの、一向に計測が開始されない場合には、設定時に何らかのミスがあった可能性があります。最も多いミスは、GA4の測定IDの誤入力です。測定IDは複数の英数字で構成されているため、目視で入力すると誤る可能性があります。間違わないようにコピー&ペーストで入力しましょう。もちろん、GTMのタグの設置方法が誤っている場合も、計測はうまくいきません。タグの設置の成否を確かめる方法は複数ありますが、「デベロッパーツール(開発者ツール)」は最も手軽な方法の一つです。

デベロッパーツールでGTMのタグが確認できない場合には、GTMで設定ミスがないか、いま一度確認してみるとよいでしょう。

Q2.UAのタグを直貼りしている場合は、GTMを使用してGA4を計測しない方がよい?

既にUAの計測タグをWebサイトのHTMLに直接設置している場合でも、GTMを使用してGA4のタグを設置すること自体は問題ありません。しかし、当然ですが「UAはHTMLに直貼りだが、GA4はGTMで管理している」のように管理がバラバラである事態は決して好ましくありません。複雑な管理体制を放置し続ければ、担当者が引き継ぎになるタイミング等で、二重計測のタグを誤って設置する事態にも繋がりかねません。GA4と一緒にGTMも導入するのであれば、既に設置しているUAのタグもGTMでの管理に移行する方が望ましいでしょう。

まとめ:GA4の導入にはGTMの活用がオススメ!

GTMを使用すれば、GA4の導入はもちろん、Google広告やGoogleサーチコンソールなど、複数サービスのタグを一括で管理・編集することが可能になります。Webサイトが成長し規模が大きくなるにつれ、使用するタグの数も増え、管理が煩雑になる事態に陥りがちです。これからGA4を導入するのであれば、一緒にGTMも導入し、Webサイトに設置するタグをGTMで一元管理してしまうことをオススメします。もちろん、新たにGTMの使用方法を学習する必要はありますが、最低限の機能を必要に応じて徐々に学習すれば、そう困難な技術ではありません。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

以下の記事では、もう一つのGoogleタグ管理システムである「グローバルサイトタグ(gtag.js)」について解説しています。GTMとの違いについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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