【5分でわかる】GTM(Googleタグマネージャー)の設定方法
インターネット広告
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レスポンシブ検索は、登録しているタイトルと説明文の複数のアセットの中から、Google広告のアルゴリズムが自動的に最適なパターンを組み合わせて、ユーザーの検索に対してより関連性の高い広告文を表示させるためのものです。
本記事では、Google広告の広告タイプの一つである、レスポンシブ検索広告について解説します。レスポンシブ検索広告のメリットや設定方法、効果的に活用するための設定時のポイントなどもお伝えしますので、あわせてご覧ください。
レスポンシブ検索広告は、Google広告で利用できる広告の掲載フォーマットの一つです。
タイトルや説明文など登録した複数のアセットをGoogle広告のアルゴリズムが自動的に最適なパターンを組み合わせて広告を作成するのが特徴。ユーザーの検索に対して、より関連性の高い広告文を表示してくれます。
レスポンシブ検索の特徴は以下の通りです。
・最大15本の見出し(タイトル)と最大4つの説明文を使用(入稿)できる
・広告ごとに最大3つの見出し(タイトル)と2つの説明文が選ばれて自動的に組み合わせられる
・広告の有効性という指標があり、「低い」、「平均的」、「高い」、「非常に高い」で評価される
以前はレスポンシブ検索広告以外にも、拡張テキスト広告という広告タイプも存在しました。しかし2022年6月30日、拡張テキスト広告が廃止となり、現在はレスポンシブ検索広告がメインとなっています。
では、レスポンシブ検索はそれまであった拡張テキスト広告と何が違うのでしょうか? いちばんの特徴は複数の見出し・説明文をアセットとして登録できる点です。拡張テキスト広告では、見出し最大3本と説明文最大2本というように上限が決まっていました。
レスポンシブ検索広告では、複数のアセットから最適な組み合わせを機械学習を用いて生成することがこれまでと大きく異なる点です。
拡張テキスト広告の時には広告グループに複数本の広告文を入れることで行っていたABテストが、一つの広告文のなかでテストを行えるようになったイメージです。
近年の検索連動型広告では、ユーザーの検索語句が多様化していることからもインテントマッチのキーワードを使うことが推奨され、広告が表示される検索クエリは多岐にわたります。
レスポンシブ検索広告では、そうしたあらゆる検索クエリに対して「複数のアセットx機械学習」というテクノロジーを用いて、フレキシブルに対応し関連性の高い広告を表示させることが可能になりました。
レスポンシブ検索広告では、ユーザーのデバイスも考慮してアセットの組み合わせが行われます。
例えば、面積の小さいスマーフォンではより短い文章が表示され、面積の大きいPCではより長い文章が表示されるといった具合です。
リスティング広告のオークションでは、広告ランクの高い広告が優先的に表示される仕組みです。
広告ランク = 入札価格 x 広告の品質 + 広告フォーマット(表示オプション等)
また、広告の品質は
・推定クリック率
・広告の関連性
・ランディングページの利便性
から判断されています。
レスポンシブ検索広告では、検索クエリと広告文の内容の関連性が高まることで広告の品質が向上し、広告ランクの向上=広告表示機会の増加を期待できます。
広告ランクについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
それでは、設定方法について説明していきます。
管理画面からレスポンシブ検索広告を作成したい広告グループに入り、広告のタブから「+」」をクリックします。
最終ページのURLや見出し、説明文を必須で入れる点に関しては、数は違いますが拡張テキストと同様です。
必須となる項目や、最低本数などの決まりもあるので下記を参考にしながら設定してください。
最終ページURL | 必須 | 広告をクリックすると表示されるページの URL | – |
表示URLのパス | 任意 | 表示URLの後ろにつけることができる任意の文字列 | 各半角15文字以内 |
広告見出し | 必須 | 広告文のタイトルに当たる部分。設定した最大15本のアセットのなかから組み合わせて表示される。最低の設定本数は3本で、最大は15本。なるべく最大数設定することが推奨される。 | 各半角30文字以内 |
説明文 | 必須 | 広告文のなかの説明文に当たる部分。設定した最大4本のアセットなかから組み合わせて表示される。最低の設定本数は2本で、最大は4本。なるべく最大数設定することが推奨される。広告見出しで使った内容と重複しないように注意が必要。 | 各半角90文字以内 |
一通り設定が完了したら、「広告の有効性」の項目を見てみましょう。
事前に設定した広告の内容を、Googleが評価をしてくれます。
「低い」評価だからといって、コンバージョンが全く取れないという訳ではありませんが、
広告文を差し替えるきっかけや、もっといい表現が他にないかなど、あと一歩思考を踏ん張らせるきっかけになります。
デフォルトの設定では、登録したアセットが見出し1に表示されるのか見出し3に表示されるのか、そもそも表示されないのか、配信されてみないとわかりません。
ただし、期間限定のセールや商品のリリース情報など確実に広告文のなかに表示させたいことがある場合も少なくありません。
そんなときに使えるのが位置の固定機能です。
固定したい見出しまたは説明文の横にあるピンボタンをクリックすると、固定したい場所を選ぶことができます。
ただし、あまりにもこれを多く使ってしまうとレスポンシブ検索広告の本来の持ち味である「機械学習による最適化」が行われにくくなります。
推奨設定はあくまでも「非固定」になっていますので、使用は最小限に抑えることをお勧めします。
基本的に、拡張テキスト広告を作るときと同様で、「誰に サービスや商品の どの側面を伝えるのか?」を決め、
表現するという点では変わりがありませんが、どのような組み合わせで表示されるかが事前に分からないという仕様を考えると、
どんな組み合わせでも意味が成り立つように言葉を選ぶなど、拡張テキスト広告で意識しなくてもよかった部分を考える必要があります。
レスポンシブ検索広告に限らず、この手の機械学習を前提に成り立っているプロダクトを最大限うまく働かせるうえで大事なポイントが「データ量」と「バリエーション」です。
レスポンシブ検索広告では、検索クエリに対して最適な広告文を返そうとする動きをするわけですから、
より多くの選択肢があったほうが組み合わせの精度は高まることになります。
最大15本のアセットが登録できる見出しは、それぞれのアセットの内容の差分を多くしておくことが重要です。
それぞれの内容に差分が多いほど、組み合わせの際のバリエーションの幅も大きくなりレスポンシブ検索広告の最適化のアルゴリズムの恩恵をもっとも受けやすくなるからです。
機械学習による最適化を行うレスポンシブ検索広告では、入稿してすぐやアセットの入れ替え後はパフォーマンスにブレが生じる場合があります。
よって、ある程度の学習期間を考慮してパフォーマンスの計測は2週間程度待ってから行うことが重要です。
また、レスポンシブ検索広告ではそれぞれのアセットごとの細かいパフォーマンスを計測することが仕様上できませんので、広告グループ全体のパフォーマンスがどう変わったかで成果を判断するようにしましょう。
機械学習がいくら優秀だからと言って、最終的に広告文の良し悪しを判断するのはユーザーです。
レスポンシブ検索広告は確かに便利な機能なのですが、「組み合わせ」という特性上、意味が通じない広告文が出来上がってしまうこともあります。
特に見出しにおいては、アセット単体で見ても意味が通るかは注意しておきましょう。また、代理店運用の場合は広告主に向けて事前にレスポンシブ検索広告の挙動を説明しておく必要があるでしょう。
Googleの公式のヘルプからも、下記のような推奨設定が出ていますので参考にしましょう。
・2つ以上の見出しにキーワードを含める
・キーワードを含まない見出しも3つ以上つくる
・割引や特典、問題の解決策、配送や返品の情報を強調
・長さの違う見出しを作る
・説明文は2つ以上
・固定を使う場合は、各位置に見出しと説明を2~3個選ぶ
出稿したレスポンシブ広告からどのような効果が得られているのかは、Google広告内のレポートで確認できます。レポートの種類がいくつかあるので、確認方法を解説します。
いずれのレポートも各種ステータスのほか、保留・学習中・低・良好・最良・未評価の6段階評価で効果測定が可能です。改善を目指す際は、良好や最良の評価になるよう調整を行いましょう。
アセットレポートは、設定したレスポンシブ広告を広告ごとに比較し、分析できるレポートです。
レポートは左メニューの[広告とアセット]をタップし、目的の広告を選択、広告の下に表示されている[アセットの詳細を表示]をクリックすることでレポートを表示できます。
通常のアセットレポートは、あくまでも特定の広告単体での評価やステータスが確認できる物です。複数のキャンペーンを出稿していると、比較分析したいという場合もあるでしょう。
そのような場合には、キャンペーンをまたいだアセットレポートが最適です。表示する場合は、左メニューで[広告とアセット]をクリックして展開し、[アセット]をクリックすればOKです。
PLAN-Bが運用を担当している広告主アカウントでもレスポンシブ検索広告は積極的に活用しています。
この事例は、見出しを15本設定し全く固定しなかったレスポンシブ検索広告と見出しの1~3を完全に固定したレスポンシブ検索広告の約2週間のパフォーマンスの比較です。
・固定なし
IMP:1,830
CTR:2.40%
CVR:11.36%
・固定あり
IMP:107
CTR:3.74%
CVR:0.00%
この検証では、アセットを固定しなかった方のレスポンシブ検索広告に軍配があがりました。
特徴的なのは固定ありのほうはそもそもインプレッション自体が全然伸びなかったという点です。
「多様な検索クエリに応える」というレスポンシブ検索広告の特性を示唆するような検証結果となりました。
そもそも拡張テキスト広告はもう入稿することができないので、検証の必要性はありませんが参考までに掲載しておきます。
こちらも約14日間のデータを比較したものです。
・レスポンシブ検索広告
CTR:4.89%
CPC:\296
CVR:18.22%
CV:45
CPA:\1,626
・拡張テキスト広告
CTR:3.09%
CPC:\361
CVR:23.68%
CV:9
CPA:\1,526
コンバージョンの件数ではレスポンシブ検索広告、CPAでは拡張テキスト広告という結果になりました。
レスポンシブ検索広告のほうは、関連性の向上→CTR向上→広告ランク向上→CPC低下という動きが見て取れます。
しかしCVRは拡張テキスト広告のほうが高く、一概に機械学習の精度を過信することは良くないことを示唆する検証結果になりました。
レスポンシブ検索広告に関わらず、リスティング広告ではあらゆる場面で自動化が進んでいます。
しかしいくらGoogleと言えど完全に広告文を自動生成するというところまではいかず、過去のデータとバリエーションを加味したアセットの組み合わせという機能でとどまっています。これはまだ機械学習がそこまでの領域には達していないことを表していると同時に、人が手をかけなければいけない部分が明らかになったとも言えるのではないでしょうか。
2022年6月末で拡張テキスト広告が入稿ができなくなりますので、改めてレスポンシブ検索広告の特性や使い方のポイントをおさらいするきっかけになれれば幸いです。
リスティング広告について詳しく知りたい方は、下記記事も是非ご覧ください。