SEOとは?SEO対策で上位表示する効果的な施策と事例
SEO対策
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これまで検索方法と言えば、検索エンジンに単語を入力する「テキスト検索」だけでした。しかし近年は状況が変わってきています。Googleの調査によると、世界全体を対象にしたとき、音声による検索が全体の20%を占めているというのです。
「音声検索」で皆さんがまず思い浮かぶものと言えば、AppleのSiriではないでしょうか。以前はSiriのみが、音声検索の分野を独占していました。しかしスマートスピーカーの登場により、AmazonのAlexa、LINEのClova、Google Homeなど、続々と音声検索に対応したデバイスが開発されてきています。スマホのAndroidにはGoogle音声入力が搭載され、iPhone/Androidともに、音声入力のアプリはより一層増えてきています。
こうした状況に対して、サイト運営者には今までのテキスト検索に対するSEOではなく、音声検索に対応した”特別なSEOのようなもの”が必要になってくるのでしょうか。
「Hey,Siri」や「OK,Google」といったセリフのCMでお馴染みの、音声検索。スマートフォンの普及により、AppleのSiriをきっかけとして、一般的に広く認知されるようになりました。また「Alexa」や「Google Home」といった音声アシスト家電の登場により、音声検索はさらに生活に身近なものとなっています。
音声検索の仕組みを簡単に説明します。音声入力デバイスに内蔵された音声認識システムが、ユーザーのデバイスにかけた声(音波)から音の最小構成単位である「音素」を特定し、それをテキストに変換します。そしてインターネット上の情報から該当するキーワードを検索し、適切と思われる回答を返します。
音声認識システムの技術はどんどん向上しており、かなりの精度で検索が可能となってきています。
音声検索の特徴は、主に2つあります。
1つ目は、入力スピードが早いことです。キーボードをうち慣れていなければ時間がかかる検索入力も、音声であれば数秒もかからず、気軽に行えます。
2つ目は、パソコンやスマホの画面を見ずに、なにかをしながらでも検索できるということです。画面をじっと見なくてもよいことは目を疲れさせずストレスフリーで、これは文字検索にはないメリットです。
音声検索が使われやすいのは”日常的なシーン”と考えられます。特に、日本では人前で音声入力デバイスに話しかけるのが恥ずかしいという人が多いため、自宅や車内など限られた個人の空間で利用することがほとんどと考えられます。(参考:日本人の7割が「人前で音声検索、恥ずかしい」)
例えば、自宅で料理をしているとき。主菜を作りながらあと一品、副菜のレシピを知りたくなる場合は多くあるでしょう。料理はあまり時間をかけたくないですし、料理中は手が濡れていたりするかもしれません。いったん手を止め、スマホやパソコンで調べに行くのは手間がかかります。
そこで音声デバイスを利用すると、料理の手を止めずにレシピを検索することが出来ます。
また、車を運転している時にガソリンが少なくなってしまったときを想像してみてください。運転しながらカーナビやスマホを操作するのはとても危険です。一旦停止しようにも、路肩に止められない場合があるかもしれません。そんな時に音声検索なら、運転しながら近場のガソリンスタンドの場所を調べることが出来ます。
他にも様々な音声アシスト公式のサイトから利用シーンを想定した例があるので、こちらを参考にしてください。
このように、便利な音声検索の市場はどんどん拡大しており、2020年までにはすべての検索の約50%を占めるという予測もあります(参考:https://www.campaignlive.co.uk/article/just-say-it-future-search-voice-personal-digital-assistants/1392459)。しかしながら、音声アシスト市場の拡大が目覚ましいのはアメリカをはじめとした海外で、日本はあまり普及していないのが現状です。(参考:日本人の7割が「人前で音声検索、恥ずかしい」)
それでも今後、音声検索に興味を持つ人は増えていくことや、今は利用者が少なくても徐々に抵抗感がなくなり、使われる機会が増加する可能性は高いでしょう。そのためテキスト検索ではなく、音声検索で選ばれるためのSEO的な対策に、興味を示すサイト運営者は増えてきているようです。
後述しますが、音声検索の需要増加を踏まえ、企業は音声検索を意識したSEO対策を行う必要性が出てきます。従来のSEO対策はキーワードリサーチやコンテンツの最適化、外部リンクの獲得などが中心でした。
今後はこれらの要素に加えて音声検索を意識したSEO対策が必要となるでしょう。そのためにも、SEO対策の担当者は音声検索最適化の知識を身につけなければなりません。
音声検索市場が年々拡大していることが分かりました。では、なぜ急速に普及しているのでしょうか。その背景にはスマートスピーカーの普及があります。スマートスピーカーは近年普及した周辺機器です。登場したのは2011年で、まだ10余年の歴史しかありません。野村総合研究所「ITナビゲーター2021年度版」によれば、2020年の世帯普及率が11%であるのに対し、6年後の2026年には世帯普及率が3割に達していると予測されています。
音声入力に適したデバイスであるスマートスピーカーが普及すれば、音声検索市場がさらに拡大すると考えるのが妥当です。また、音声入力は簡便性の面で非常に優れています。キーボードの入力が不要で、音声だけで情報を検索できるため、情報機器の扱いに慣れていない高齢者でも情報検索ができます。
例えば、翌日の天気を調べるとき、従来の情報検索であれば天気予報のサイトを調べ、そこから自分の住んでいる地域を選択して天気を確認します。音声入力であれば「〇〇の明日の天気を教えて」といえば、勝手に情報を調べ、音声で回答してくれます。また、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が増加していることも音声検索が増える理由の一つです。
移動中も使用できるモバイル端末を使用する際、文字入力が不要である音声検索はとても便利です。まるで、誰かに質問するように端末に尋ね、必要な情報を得られるからです。また、後ほど詳しく説明しますが、音声検索最適化の仕組みは急速に進歩し、精度が向上しています。そうなると、多くの人にとってキーボードで入力するよりも音声で入力したほうが素早く文章を作成できるようになるでしょう。
スマートスピーカーの普及やモバイル端末による情報収集の増加、音声検索最適化の仕組みの精度アップにより、音声検索の利便性・簡便性が増すことで、今後も音声検索の需要が伸びるものと考えられるのです。
音声検索をするユーザーは、検索の際、ほとんどがデバイスに対して”質問文”を投げかけます。例えば、検索エンジンでは「音声検索 SEO対策」と入力していたところを、「音声検索のSEO対策はどうすれば?」というように、人と会話をするように尋ねるのです。
今までのテキストを対象としたSEO対策は、検索エンジンを意識したコンテンツの充足に焦点が当てられてきました。しかしユーザーの音声検索を意識せざるを得なくなってきた現在、単語で検索されやすいコンテンツを、会話の形式で認識されるよう最適化しなくてはいけないのでは、と考えられるようになってきました。
こうした音声検索のための”最適化”は、検索エンジン最適化を意味する「SEO」に対応して、音声検索最適化「VSO」と呼ばれ、注目を集めています。
音声検索はいまだ普及途上、まだまだ未知数の分野です。そのためVSOという概念が生まれても、サイト分析を担うGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスは、音声入力による検索流入などのデータ収集に対応していません。しかしながら、VSOを考えるために、音声検索結果に対しさまざまな分析や意見が出されています。
Google社のJohn Mueller氏は、音声検索の最適化について動画で語りました。
彼は音声検索のVSOに役立ちそうな、2つのポイントをあげています。
海外のSEO調査会社であるBacklinkoは、スマートスピーカーGoogle Homeが回答した1万件の音声検索の結果を分析し、音声検索で回答として選ばれたコンテンツの11のポイントを提示しました。
参考:https://backlinko.com/voice-search-seo-study
音声入力が利用されるシーンの想定や音声検索結果の分析から、VSOのために良いと考えられる具体的な方法を、このサイトでは6つ提案します。
音声検索はほとんどがスマホやタブレット端末から行われることが想定されます。そのため、サイトはスマホ向けページを作成するか、レスポンシブウェブデザイン対応のものであることが前提にあるとよいでしょう。
ユーザーはデバイスに対して語り掛けるように音声検索をすると考えられます。ぶつ切りにした単語ではなく「話し言葉」が、検索ワードとして使われるのです。
話し言葉は書き言葉よりも長くなる傾向があります。キーワードを考える際は、口語調で、少し長めに設定すると良いかもしれません。また、難しい単語を並べたものよりシンプルで分かりやすい文が読み上げられやすいので、選ぶ語彙にも注意するとよいでしょう。
自サイトが提供するコンテンツに対してよくある質問(FAQ)を問答形式にし、並べたページを作成するとよいでしょう。なぜなら実際に検索されるときの「話し言葉」に、文章を合わせやすいからです。
問答形式の問いを考えるときには、音声検索で使われるであろうフレーズを想定しましょう。例えば
特に、「~って何?」以下の4つのような「5W1Hを含む質問」は実際にされやすいものです。こうした質問に対応する形の回答文を作成しておくとよいでしょう。
現在、音声検索が使われるシーンは身近な生活圏での場面がほとんどです。とくにユーザーは「場所について」知ろうとする傾向があります。例えば、音声検索を利用する例で紹介した「車を運転しているとき」も、ユーザーが知りたいのは「特定のエリア内」のガソリンスタンドです。
また、おいしいランチのお店や美容院を見つけたいと日常的に思う機会は多いものです。そのとき手近に音声入力デバイスがあれば、キーボードで打つよりも、気軽にデバイスに尋ねるほうを選ぶでしょう。
したがってtitleタグやhタグに地名キーワードを入れたり、地名入りリンクを貼るといったコンテンツをローカライズさせることで、音声検索結果に反映される機会を増やせる可能性があります。「場所(地域名) 業種」のようなローカルに関する検索で上位を狙うこのような施策は「ローカルSEO対策」とも呼ばれています。
ローカルSEO対策に効果的なのは、「Googleマイビジネス」への登録(無料)です。Googleマイビジネスに登録すると、Google検索やGoogleマップ上に自サイトの基本情報を表示させることができます。
Backlinkoによると、HTTPSで保護されたサイトが検索結果の70.4%を占めていたといいます。セキュリティーがきちんとしているサイトは信頼性が高くみなされ、検索結果に反映されると考えられます。
ページの表示速度が音声検索のSEOに大きな役割を果たしていると考えられます。会話形式の回答をこなす音声検索は、質問ののちになるべく早く回答を返すことを望みます。そのため、すぐにページが表示されるサイトを好むと考えられます。
Googleが無料で提供する「Google PageSpeed Insights」で、サイトの表示速度を測定することができます。
使い方はとても簡単です。調べたいサイトURLを入力して分析ボタンを押すだけ。そうすると、PCとスマートフォン両方での表示速度を100点満点で評価してくれます。70~80点であれば、悪くない速度です。高評価を目指すのであれば85点以上になります。
表示速度の改善方法はいくつもありますが、代表的なものを紹介しておきます。
画像の枚数を減らしたり、サイズをデバイスによって適切なものにしたり、ファイル自体を圧縮して軽量化してみましょう。
複数のファイルに分かれているJavaScriptを1つのファイルにまとめましょう。これはHTTPリクエストの数を減らすために行います。
またJavaScriptは読み込みが始まると、それが完了・実行されるまで、次のコードの読み込みが始まりません。それに対し、CSSは同時に複数読み込みが行え、完了・実行していなくても他のファイルを読み込み始めることが出来ます。なので、JavaScriptタグの前にCSSタグを記述すれば、読み込みがスムーズになり、表示速度が速くなります。
スマホや音声アシスト家電の普及により拡大し続ける、音声入力デバイスによる「音声検索」。今までとは違う新たな時代の検索方法に対応して、検索エンジンのために行っていたSEO対策だけでなく、音声検索最適化「VSO」も必須になっていくかもしれません。
VSOを考えるときには音声入力がどんなシーンで使われるかを想定し、単語ではなく話し言葉の質問形式であるということや、実際に音声検索結果で表示されるものの傾向を参考にしていくとよいでしょう。まだまだ不明なところが多いVSOは、これからも動向をチェックしておきたい分野です。