強調スニペットとは|検索結果の一番上に表示されるアレの正体

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今回の記事では、検索結果の一番上(通常の検索結果1位のさらに上)に表示される「強調スニペット」と呼ばれる表示について紹介していきます。

検索結果を見ている時、パッと目に入る大きな枠のようなものが表示されたことはないでしょうか?もしあるとしたら、それが今回取り上げる「強調スニペット」です。

次項から強調スニペットの種類や表示方法などについて取り上げていきます。


強調スニペットとは何か?

強調スニペットとは、「ユーザーの質問に対して検索結果上でダイレクトに回答する」表示のことです。想像しにくいという方は下記の画像を見て下さい。

強調スニペット

画像は「ダイエットとは」で検索した場合の検索結果です。通常のオーガニック検索の1位にはwikipediaが表示されていますが、さらにその上に大きな枠が表示されています。これが強調スニペットです。

検索結果の1-10位に表示されたページへ移動しなくても、この部分を見れば検索クエリに対する回答を得ることができます。


どういう時に強調スニペットは現れるのか?

Googleサーチコンソールヘルプによると、「ユーザーの質問に回答する形で作られたサイトのページ」がプログラムで検出され、質問への回答の概要とページへのリンク、ページタイトル、URLが表示されます。

つまり「検索する際に質問形式で入力すると、ユーザーがどんな情報を求めているかをGoogleが推測し、強調スニペットが表示される」、ということです。

例えば検索ボックスに「インターネット」と入力した場合、このようなサイトタイトルの羅列が現れます。

しかし質問の形式で「インターネットとは」と検索すると、


サイトタイトルの一番上に、ボックスの形で回答が表示されます。これがスニペットです。サイト全文ではなく回答の部分が短い切れ端のように抽出されるので「Snippets(切れ端、断片)」と呼ばれます。 

ただし完全な決まりごとではないため、「〜とは」というキーワードをつけても表示されなかったり、つけなくてもスニペットが表示されることがあります。また、強調スニペットは説明文だけではなく様々な形式を取り、検索に対して最適な結果を表します。

強調スニペットの種類

強調スニペットと言っても種類は色々あります。次からその種類について紹介していきましょう。


アンサータイプ

このタイプは上の例で示したように「ダイエットとは」で検索した場合の表示になります。検索クエリに対する回答を明確に表示してくれます。


説明タイプ

説明タイプ

説明タイプはその名の通り検索クエリに関して詳細を説明してくれます。最初に紹介したアンサータイプと若干似ています。すぐ言葉の意味が知りたい時に表示されると便利です。

「PPC」の他には、「SEO対策」や「DMPとは」のようなクエリで強調スニペットの表示を確認できています。説明タイプは強調スニペットの中でも一番よく見かける表示パターンです。


表タイプ

表タイプ

表タイプでは、料金などが掲載されている部分が抜粋されて表示されます。他には「レンタカー料金」「映画料金」などで表示が確認できています。


フロータイプ

フロータイプ

フロータイプでは、何かの使い方や方法が順番に説明される形で表示されます。他には「ゆで卵レシピ」「Gmailアカウント作成方法」などで表示が確認できました。表示形式は上記画像のようなリスト型や文章(説明文)など様々です。


リストタイプ

フロータイプと似た形式の強調スニペットに、リスト形式で表示されるパターンのものもあります。引用元のページでulタグやolタグなどのリストタグ(liタグ)を用いて箇条書きで表示されている個所などが、そのまま表示されているパターンが一般的です。「○○の条件」や「○○の方法」などで多く表示されています。


画像+文章タイプ

質問に対する説明文や表、チュートリアルやリストなどと合わせて、アイキャッチ画像や図表、インフォグラフィックなどがセットで表示されるパターンなど様々です。

表示される画像は文章の引用元ページ(リンク先URL)のほか、同一Webサイト内の別ページに掲載されているものが表示されるケースこともあります。


動画タイプ

動画タイプ

動画タイプでは動画のサムネイルが表示されます。サムネイルをクリックすると今回はyoutubeに移動して、動画が始まります。

他には、「夜空ノムコウ」「バラ色の日々」などで表示が確認できています。現在は曲名での表示が多くなっているようです。


その他のタイプ

映画上映時間

映画の上映時間を確認することができます。

今回の検索クエリの「映画」では、検索場所の近くに映画館があるかどうかも考慮された上で表示されているようです。

天気予報

天気に関するクエリでも表示されます。これもすぐ情報が欲しい時には重宝します。地名を入れずに「天気」単体で検索すれば、検索している場所付近の天気を表示してくれます。

カロリー

強調スニペットでカロリーを確認することもできます。


スマホでの表示は?

スマホでの表示

上記はスマホでの検索クエリ「洗濯機使い方」の強調スニペットの表示です。

ファーストビューが全て強調スニペットで埋まっています。検索クエリによっては、ファーストビューが広告と強調スニペットのみしか表示されておらず、クリック率に影響が出る可能性もありそうです。

いくつかのクエリでPCとスマホで検索してみましたが、どちらかのデバイスだけで強調スニペットが表示されるということはなく、表示はデバイスに拠ってないようです。


リッチザルト・ナレッジグラフとの違い

次によく質問される「リッチザルト」「ナレッジグラフ」との違いを説明していきます。


リッチリザルトとの違い

リッチスニペット

リッチザルトとは上記画像の検索結果のように★マーク評価が表示されるような付加情報のことを言い、これは強調スニペットとはまた別の検索結果の表示になります。


ナレッジグラフとの違い

ナレッジグラフ

ナレッジグラフ(ナレッジパネル)とは、検索結果の右側に表示される枠のことを指します。これも強調スニペットとはまた別の機能になります。

ナレッジグラフについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ナレッジグラフを徹底解説!これを読んで自社で使おう!


強調スニペットのメリットとは?

強調スニペットのメリットとは何でしょうか?まず、“ユーザーにとってのメリット”を説明する前に、強調スニペットの特徴がこちらです。

強調スニペットの特徴

  • 類似サイトの中でGoogleから特別に選ばれている
  • クリックされやすい位置に表示されている

この特徴が、メリットを考える時のポイントになります。

ユーザーにとってのメリット

あなたがユーザーである場合を想像してください。Google検索をして似たようなページタイトルが多数表示された場合、どれを選べばいいか迷ったことはありませんか。上から順にクリックして、サイト内に自分の知りたい情報があるかを確かめることが多いと思います。しかしそれでは時間がかかってしまいますよね。加えて情報には要らないものや嘘が混じっている可能性があり、自分で真偽を見極めるのは難しいでしょう。

そんな時、強調スニペットがあれば手っ取り早くあなたの望みを解決することができます。なぜなら強調スニペットは、Googleが膨大な類似サイトの中から、もっともあなたが欲しい回答に近いであろうものを、抽出した表示だからです。

強調スニペットの文章や貼られたリンクは検索結果の上位に表示され、とてもクリックしやすくなっています。それをクリックすれば、ユーザーは他のサイトに迷うことなく、一発で知りたい情報にアクセスすることが出来ます。Googleのふるいにかけられているので回答の信頼性も高いでしょう。このようにユーザーにとって強調スニペットは、すぐに知りたい情報を得られる、信頼できる、というメリットがあります。

サイト運用者にとってのメリット

一方、“サイト運用者にとってのメリット”とは何でしょうか?

あなたのサイトがGoogleに選ばれ、強調スニペットに設定されたとします。前述したように強調スニペットはユーザーにとって大変便利で信頼性が高いため、他の類似サイトよりもクリックする確率が飛躍的に上がります。そのため、あなたのサイトのPV数やコンバージョン率の増加に繋がる可能性がアップするでしょう。サイト運用者にとって自身のサイトが強調スニペットとして選ばれると、SEOの観点から大きな効果がある、というメリットがあります。

強調スニペットに表示されるデメリット

一方、Webサイトの一部が強調スニペットとして表示されることを「デメリット」だと感じてしまうケースもあります。

サイト流入につながらない場合もある

強調スニペットとして検索結果上部に表示される場合、ユーザーの求める答えがわかりやすく要約されて表示されます。そのためユーザーは検索結果上に表示された内容で満足してしまい、Webサイトの訪問に至らないケースも少なくありません。

通常の検索結果への上位表示ならクリックしてもらえる可能性もありますが、強調スニペットとして表示されることによりユーザーの流入を逃してしまうことはデメリットとなりえる点でしょう。

表示される文言をコントロールできない

強調スニペットとして表示される文言は、Googleがユーザーの入力したキーワードなどをもとに、検索意図に沿った形で切り抜かれて表示されます。そのため、場合によっては意図しない部分が表示されてしまったり、記事内で伝えているものとは異なる趣旨で解釈されるような内容となってしまう場合もあるのです。

表示内容はWebサイト管理者でコントロールすることができないため、場合によってはそれがデメリットに感じられる場合もあるかもしれません。直接編集はできないため、本文を書き換えるか、強調スニペットに表示されないようにするなどの対策が必要となるでしょう。


強調スニペットで知っておきたい注意点

強調スニペットにはメリットもありますが、一方で注意しなければならない点も存在します。ここでは、強調スニペットの注意点について紹介します。

ページの入れ替わりが激しい

強調スニペットは、Googleの自動システムによって生成され、検索リクエストに対して特定のページが適しているかどうかを判断して表示されます。そのため、順位が入れ替わると、強調スニペットに選ばれていたページが選ばれなくなる場合があります。特に、検索順位が10位以下のページからも選ばれることがあるため、強調スニペットの効果によって流入数が期待できる場合でも、表示が終わったとたんに流入が激減してしまうことがあります。

また、表示されたページの内容が更新された場合、別のページが強調スニペットに選ばれる可能性もあるため、定期的なコンテンツ更新が重要です。強調スニペットをSEOの一環として狙う場合は常に最新の情報を提供し、Googleの自動システムによって適切に評価されるように対策を施すことが大切です。

ゼロクリックサーチにつながる可能性がある

強調スニペットは、検索結果の上部に表示され、ユーザーに有用な情報を提供することができますが、その一方で、ゼロクリックサーチにつながる可能性があるというデメリットもあります。ゼロクリックサーチとは、ユーザーが検索結果からサイトにアクセスせずに、検索結果ページで必要な情報を得ることができる状態のことです。

強調スニペットが表示されることで、ユーザーがその情報だけを見て満足してしまい、サイトにアクセスすることが減少するため、クリック率が低下する可能性があります。ただし、表示された場合でも、質問の答えをさらに詳しく知りたいと思うユーザーがいることも事実であり、深い情報を提供するコンテンツにおいては、クリック率がに悪影響を及ぼさないこともあります。強調スニペットを取得することはSEOの重要な戦略の1つですが、強調スニペットを取得することでクリック率が下がることを理解し、情報提供に焦点を置くことが重要です。

アップデートで仕様が変わることも

強調スニペットによって、ユーザーが求める情報に迅速にアクセスできるようになりますが、アップデートで仕様が変わることがあるため、注意が必要です。Googleは、検索エンジンのアルゴリズムを更新することで、強調スニペットの表示方法を変更することがあります。

事実、2019年8月には、強調スニペットに関するアップデートをGoogleが行いました。変更の内容としては、情報の新しさが重要な検索語句に関して強調スニペットが表示されやすくなったという事例があります。このようなアップデートによって、これまで強調スニペットに表示されていたコンテンツが表示されなくなってしまうこともあるため、注意が必要です。

どうしたら強調スニペットに自分のサイトが表示できるのか?

強調スニペットは検索結果の最も目立つ場所に表示されるため、活用できれば強力なSEO効果を得ることができるでしょう。しかし強調スニペットはアルゴリズムで生成されており、ずっと同じように表示される訳でなく、入れ替わりがよく起こります。「こうしたら絶対に表示される!」という方法もありません。

ただ、『Googleに選ばれやすくする』という点を気にすることは可能です。

下記のGoogleの公式ヘルプページでも

ご自分のページを強調スニペットとして設定することはできません。Google では、ユーザーの質問に対する回答がページに含まれていることをプログラムで判断し、その結果を強調スニペットとして表示します。

引用元:「検索結果での強調スニペット – Search Console ヘルプ

と説明されています。

強調スニペットに選ばれるサイトは、やっぱり有名でないとだめ?

強調スニペットに表示されるリンクはWikipediaなど知名度の高い大規模サイトである場合が多いかもしれませんね。しかし、大規模サイトのみが強調スニペットとして選ばれる訳ではありません。小さなサイトでも強調スニペットとして表示されている例はたくさんあります。

また、その質問キーワードで検索1位をとっているサイトが選ばれる、ということもありません(ただし、知る限りでは検索結果1ページ目に表示されるページから選ばれていることが多い傾向があります)。

Googleに強調スニペットとして選ばれやすくなるポイント9つ

強調スニペットはユーザーがクリックするページを選ぶ基準の1つになるため、概要が分かりやすく信頼できる情報でなければいけません。Googleは膨大な数のサイトから“強調スニペット候補”を選ぶ際に、ユーザーがどんな回答を求めているかを推測しています。

そのため、あなたが気をつけられるポイントを9つご紹介します。

  • Googlebotがページやサイトを正しくクロールできる(HTMLタグが正しい形)
  • 見出し構造が最適化されている
  • 表示させたいものは質問形式のキーワードに絞る
  • Search Consoleの検索アナリティクスで質問系のクエリでフィルタをかけ、掲載順位が1位のクエリに目星を付けて表示されるのを狙う
  • 現在の掲載順位を知る(上位10位以内が望ましい)
  • 画像ではなくテキストで回答されている(回答の近くに画像があると選ばれる可能性が上がる)
  • 明確にキーワードについてきちんと網羅している
  • 質問と「質の高い」回答が同一ページにあり、簡潔にまとまっている(簡潔でも質が悪い回答の場合は選ばれにくい。選ばれる文字数は約300字前後が多い)
  • 過程が分かるリスト形式、または番号形式を使う

そもそもGoogleのプログラムがきちんとサイト内を把握できなければ意味がないので、基本的なSEOは抑えられていた方が良いでしょう。また強調スニペットは「切れ端」なので、文量的には長すぎない回答が好まれる傾向にあります。

しかし、Googleはコンテンツの量と質を見ているので、情報量の少ない質の低いコンテンツははじかれることがあります。長すぎず短すぎず、回答としてきちんと要約が成立した情報があると良いでしょう。


まとめ

今回は検索結果の一番上に表示される強調スニペットについて紹介してきました。

必ずしも狙って強調スニペットを表示させることはできませんが、もし強調スニペットに自分のサイトを表示することができれば、クリック率・アクセス数ともに飛躍的に向上すること間違いなしです。

ぜひ皆さんも検索結果の1位のさらに上を目指してみましょう。

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