3C分析とは|具体的な事例で解説―その目的とやり方
マーケティング
2022.12.23
2018.05.16
2022.12.23
日常の人間関係だけでなく、ビジネスシーンにも幅広く活用されている行動心理学。その中でも比較的、誰でも簡単に応用できる「ザイオンス効果」という心理効果があります。この心理効果は1968年、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが論文「Zajoc」の中で発表し、世間的に広まりました。
今回はそのザイオンス効果がどういう効果なのかを、恋愛やビジネスに活きる使用例を元に、使用上の注意も踏まえて具体的に解説していきます。
ザイオンス効果とは、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果で、別名「単純接触効果」とも呼ばれています。
このザイオンス効果とは、相手に何度も繰り返し接触することによって、だんだん好感度や評価などが高まっていくという効果です。
つまり、興味や関心の無かったモノや人物でも、頻繁に目に触れたり、接する機会が増えたりした場合、次第にその対象に対して良い印象を持つようになるという意味です。接触回数があるほどその対象への警戒心や恐怖心が薄れ、親近感を持つというのがザイオンス効果の顕著な例といえます。
そのため、ザイオンス効果は恋愛だけでなく、営業やマーケティングなどのビジネスシーンにも多大な効果をもたらします。ザイオンス効果を上手に使うことで、誰もが仕事でも恋愛でも評価される人物に近づくことができるのです。
ただし、ザイオンス効果を誤って扱うと、逆に人から嫌がられてしまうという危険性もあるので、しっかりと理解して活用したい心理効果です。
このザイオンス効果は人と直接会うという場合のみだけではなく、チラシやメールなどWeb上での接触もザイオンス効果を生むことが可能です。効果的なWebマーケティングを行うためにザイオンス効果はかかせません。
ザイオンス効果をWebマーケティングに活かす手法のひとつとして、メールマガジンを発行することで接触回数を増やすという方法があります。配信者によって頻度は月に一度や週に一度など差はありますが、しっかり取り組むところは毎日配信しています。
あるいは、毎日欠かさずブログを更新し、SNSに投稿することでもザイオンス効果は生まれます。ブログ記事の更新をSNSで紹介し、そこからWebサイトへアクセスしてもらうことで、接触回数をグッと増やすことができるからです。
また、Web広告で何度も現われるリターゲティング広告は、まさにザイオンス効果の高い広告手段です。
ピンと来ない人やモノでも、何度も繰り返し会うようになると、知らず知らずのうちに親近感を持ってしまうのがザイオンス効果の凄いところです。
それを利用して、営業マンが「とにかく顔を見せに行く」「近くに来たからという口実を作ってお客様の元へ足を運ぶ」ことがあります。取引先、もしくは取引先候補の会社に頻繁に出向くことで顔を覚えてもらい、信頼関係を築くことができます。
実は、「足で稼ぐ」「とにかく人と会う」というような昔ながらの営業スタイルこそがザイオンス効果の例なのです。具体例としては、保険の営業マンなどが「来年度のカレンダーができました~」などと言ってさまざまな理由をつけて顔を出すことがあります。言わずもがな、接触頻度が上がるので、製品を売ることが目的で数回しか訪問しない営業マンよりも印象に残りやすいと言えます。
これまでビジネスに効くザイオンス効果の事例をいくつか紹介しましたが、使い方を間違えると不快に思われてしまうこともあります。相手からの評価がマイナスだった場合、ザイオンス効果がプラスに働くとは限りません。
ザイオンス効果を利用する前に、気をつけるべき事は、この効果は「好きか嫌いか」の感情が芽生える前において有効だということです。
つまり、そもそも好かれていない人に対して、ザイオンス効果を使ってもほとんど意味が無いということです。むしろ、ストーカーと同じような嫌悪感、恐怖感、しつこい印象を相手に与えかねません。
さらには、たとえ最初の評価がプラスであったとしても、ザイオンス効果がマイナスに働いてしまうことがあります。
例えば、あなたがある異性に対して良い初対面の印象を抱いたとしましょう。数回会っているうちに相手の良い所も見えてきたものの、ふとした時に相手の嫌な部分を見てしまいました。すると、次に会った時も、その嫌な部分ばかりに目がいってしまうようになります。
そうなればあなたはおそらく、その後その相手と会わないようにするでしょう。
このように、あまり親しい間柄ではない段階で相手の欠点に触れてしまうと、会うたびに欠点ばかりが目についてしまうことがあります。結果的にザイオンス効果の意味が無くなってしまうのです。
ザイオンス効果を過信しすぎず、よりよい人間関係を構築していきましょう。
さて、そんなザイオンス効果ですが、具体的に何回合えば、相手が自分に対して興味を抱き、好意を持ってくれるのでしょうか。
実はザイオンス効果には限界があると言われています。
そのピークは10回で、それ以上は上がらないという結果が分かっています。
もし、あなたが好意を抱く異性と10回以上会っているにもかかわらず、より親密な関係に発展していないのであれば、これ以上接触回数を重ねてもあまり良い期待は持てません。
もし、セールスなどでザイオンス効果を使おうと思った場合、10回を目安に回数を重ねてみてはいかがでしょう?
このザイオンス効果は誰でも容易に使える行動心理学です。ザイオンス効果を正しく、上手に応用することで、恋愛だけでなく仕事でもより良い効果を得られるでしょう。
是非、このザイオンス効果を意識的に心がけて、デキるビジネスパーソンを目指してみてください。
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