3C分析とは|具体的な事例で解説―その目的とやり方
マーケティング
2022.12.23
更新日:2022.12.23
公開日:2018.05.16
「おとり効果」とは、選ばれないであろう選択肢を並べることで、買い手の意思決定に影響を与える効果を意味します。私達の身の回りでよく目にするものとしては、「松竹梅」が挙げられます。お店で料理を頼む際、松竹梅のコースがあったとき、竹コースを選ばれる方が多いのではないでしょうか。
この消費行動に実は、人間の心理を用いた行動経済学が隠されているのです。
行動経済学とは経済や金融を心理学的な視点から研究する学問です。そもそも経済学では、人間は「合理的」に意思決定すると考えられてきましたが、実際の人間の行動には「非合理」な場合が散見されます。
たとえば、初めに高い金額を提示されたあと、それより低い金額を提示された場合、安く感じ購入にいたるケースがありますが、合理的にみれば自分の予算と照らし合わせることで足りるのに、「安いと感じた」感情が意思決定に影響しているのです。
明らかに非合理ですが、あるあると感じるこのケース。この行動を分析し、定義できれば実際のビジネスの場でも活かせるという期待から、行動経済学が注目されているのです。
ファントム・オプションとは「おとり効果」における「おとり」にあたる選択肢のことです。
つまり、おとり効果を用いてビジネスに活かそうという話なのですが、効果を最大化するために、3つのコツをここでご紹介します。
売上を上げるために、商品のバリエーションは多い方がいいと思っていませんか?
人間の心理として、決定回避の法則というものがあり、選択肢が多いと選ぶことにエネルギーを使い、それが尽きると選ぶことを諦めてしまいます。人間が比較できるのは3~5つまでと言われています。
選択にストレスを感じさせてしまっては本末転倒です。売上UPのためには、商品数は「3つ」。これが鉄則です。
ただ商品を3つ並べるだけでは売上は上がりません。価格設定も意思決定に大きく作用します。ここで用いる人間の心理は極端の回避性といわれるものです。
松竹梅で梅にしたら「ケチだと思われるかな…」、松にしたら「贅沢すぎるかな…」と思い竹にするというように、極端なものを避ける心理があるのです。
では、ただ価格差をつければいいのか。それだけではありません。
松:竹:梅=5:3:2
で価格設定すると売れる、と言われています。
あなたの商品はこの価格設定になっているでしょうか。
商品数、価格まで設定しましたが、意思決定に作用するのはそれだけではありません。商品内容も要因になります。松竹梅において、価格も違い、内容も違えば、選ぶ際にストレスになります。価格だけで比較しやすいようにすべきです。
そうなると、商品の内容は、松>竹>梅だということが直感的にわかることが重要です。コツとしては、下位の要素を上位に含ませることが、一番効果的で実行しやすいでしょう。
上記が良い例です。この商品ラインナップであれば、比較がしやすく、価格設定によって売りたいものに誘導しやすくなるでしょう。
アンカリング効果とは、最初に提示された金額が、意思決定に影響を及ぼす効果のことです。
例えば、セール品の価格がそこまで安くなかったとしても、元値がかなり高ければ買いたい衝動に駆られるというのが、まさにアンカリング効果が働いている状態です。松竹梅であれば、一番高い松を先に見せることで、竹に対しより魅力を感じるでしょう。
買い手になったときに、「おとり効果」にどう対処できるのかを知っておくことも、賢いビジネスマンには必要です。対処法を知っていればよりおとり効果を最大化させることにつながります。
計算できるものはぜひしましょう。
例えば
であった場合、③を選びそうですが、単価を計算すると、
となり、冊子を買いたい人はいいですが、電子書籍を買いたかった人は③を選ぶと単価で損をします。
このように単価を計算すること、そして本当に欲しいものは何かを考えることが「おとり効果」の対処法です。これを考慮して「おとり効果」をビジネスで用いれば、より良い価格設定につながるでしょう。
「おとり効果」において、以上を意識してファントムオプションを設定しましょう。それにアンカリング効果を加えてさらに効果を最大化し、単価計算の対処法の存在も考慮すれば、今の売上も確実に上がるでしょう。
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