【お客様導入事例】日本全薬工業株式会社|コンテンツマーケティング

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 「日本の畜産業界を活性化させたい」というコンセプトのもとにスタートした、日本全薬工業様のWEBマガジン「どっこいしょニッポン」。PLAN-Bでは、オウンドメディア制作とそれにともなうコンセプト設計・ディレクションおよびライティングチームによる取材と記事制作・記事編集、そして認知拡大のための広告施策を担当しております。

こちらの事例の特筆すべき点は、日本全薬工業㈱様のオウンドメディアにもかかわらず、企業色を一切感じさせない内容に終始していること。日本全薬工業㈱様のメイン事業のひとつは畜産動物向けの医薬品販売になりますが、WEBマガジン上ではそれらの販促はおろか企業PRすら行っていません。日本全薬工業㈱様の ”自社のPRよりもまず先に、日頃お世話になっている畜産関係者様のためになることがしたい” という想いを体現した結果、このような形に帰結したのです。

しかし、ローンチから1年半が経った現在、「どっこいしょニッポン」は、いちオウンドメディアの枠を越えて「日本の畜産を応援するためのプロジェクト」へと成長。日本全薬工業㈱様のCSRのプラットホーム的な役割として機能しつつあります。また、数量的な収益効果とはまた別の、より大きな成果が生まれています。

本記事では、日本全薬工業様とPLAN-Bとのお取り組みをご紹介します。

日本全薬工業株式会社

1946年の創業以来、ペットおよび畜産動物向け医薬品の研究開発・製造・仕入・輸出入・販売までを一貫して行う。GMP対応の生産体制、GLP対応の研究開発体制を保有。また、業界で唯一自社の販売拠点を全国に展開している。

どっこいしょニッポン

日本の畜産を応援するWEBマガジン。農家さんや畜産関係者への取材を通して日本の畜産の魅力を伝え、高齢化・後継者問題といった課題を抱える日本の畜産業界のイメージアップ、業界への興味・関心を高めることを目的としている。


コンテンツマーケティング取り組みの背景

日本全薬工業㈱様とPLAN-Bとの出会いは、2015年夏のエキスポ。その後、2016年4月にWEBマガジン「どっこいしょニッポン」はスタートしました。日本全薬工業㈱様とPLAN-Bとのお取り組みが始まるまでの経緯を伺いました。

日本全薬工業様の想い

ーーどういった経緯で日本全薬工業㈱様とのお取り組みが始まったのですか?

小川様:弊社の創業70周年を記念した事業の一環で、日頃お世話になっているお客様への感謝の印として畜産業界を応援するためのプロモーション活動を行いたいという、弊社代表取締役の高野の強い想いがありました。そしてそのひとつが、農家様や畜産関係者の方の働き方や繋がり方、暮らし方を発信するというものでした。そんなときにエキスポで松崎さんと出会い、コンテンツマーケティングを提案していただきました。

ーー日本全薬工業㈱様のメイン事業である畜産動物向け医薬品の販売拡大も、この活動の目標に含まれていたのでしょうか?

小川様:いえ、それは考えていませんでした。畜産業界にスポットを当てることで農家さんに頑張ってもらえれば、自ずと家畜の生産性が上がり、その結果、弊社製品も利用して頂けるものだと考えています。

PLAN-Bからの提案のポイント

ーーどのような内容の提案を行ったのでしょうか?

松崎:最初に小川様から伺ったお話では、冊子をつくってそれを病院や農家さんなどに配って情報発信をしたいということでした。しかし、その活動のベースに『多くの人を巻き込みながら畜産の活性化や地方創生に貢献したい』という想いがあるとのことでしたので、それなら紙媒体よりもWEBでのコンテンツマーケティングのほうがタッチポイントも増え、できることもたくさんあるのではないかとご提案させていただきました。

小川様:弊社は、昔から商品情報などを印刷物で配布するという営業スタイルを基本としていました。だからこそ、紙媒体を使うという選択肢が最初にあったんです。ですが、やはりこれだけインターネットが発展している今の時代ですから、多くの人に情報を届けるためには紙媒体よりもWEBのほうがいいのかなとは感じていました。そんななか足を運んだエキスポで松崎さんと話をしてコンテンツマーケティングのご提案をしていただいて、『これはおもしろそうだな』と。

ーー特にコンペなどもなく弊社を気に入っていただいたと伺いましたが……

小川様:私は、基本的にコンペを良いとは思っていません。感性や想い・志しの部分で互いに共感しあえないと良いものはつくれませんから。エキスポで松崎さんと話をしたときに、そういった部分で強く感じ合うものがありました。だから、『もうここに乗っかっていこう』と。コンペをしようとは全く考えませんでした。

松崎:日本全薬工業㈱様もPLAN-Bも、“先義後利” つまり、”利益を求めるよりも先に良いことをしよう、利益は後からついてくる” という考え方をしています。ですから、まず、お世話になっている畜産家の方のためになることをしよう、利益や結果は後から自然と付いてくるだろうという日本全薬工業㈱様のお考えには深く共感するものがありました。


具体的な施策内容

どっこいしょニッポン立ち上げに際しては、具体的にどのような施策が行われたのでしょうか。

メディアコンセプトとコンテンツカテゴリ設定

ーーどっこいしょニッポンは、どういったコンセプトのもとで制作されているのでしょうか?

小川様:一番のベースには、今までお世話になったお客様をもっと応援したいという想いと、畜産業界で深刻化している離農問題や嫁不足問題、後継者問題などを解決して日本の地方を元気にしたいという目標があります。あとは、TPP問題も関係していますね。TPP問題はどっこいしょニッポンを立ち上げて1年目のときに出てきたのですが、やはりこれは日本の生産者にとって大きな打撃になりえます。海外の生産物がどんどん入ってくる可能性があるわけですから、その結果、自分たちが作ったものが消費されなくなり自分たちの給料が入ってこなくなるということもありえます。

松崎:そういった危機的状況のなかだからこそ、国内でもっとちゃんと “日本の畜産” というブランドを確立して、業界のイメージアップをはかろうということですね。

小川様:そうですね。『畜産業界の仕事って、決してよく言われるような3K(汚い・くさい・きつい)じゃないんですよ、魅力的な業界なんですよ』ということを、このサイトを通してハードル高くなく伝えていきたいと思っています。

ーーコンテンツのカテゴリ設定はどのように行ったのでしょうか?

松崎:今小川様がおっしゃられたコンセプトを体現するものとして、カテゴリは “はたらく・たべる・くらす・つながる” の4つに設定しました。”はたらく” カテゴリでは地方の農家さんの働き方や牧場の経営術などを紹介したり、”くらす” カテゴリでは農家さんの日々の生活にフォーカスすることでリアルな生活イメージを見せたり、”つながる” カテゴリでは農家さんと地域の繋がり方を、”たべる” カテゴリでは農家さんの生産品を紹介したりしています。

松崎:ほかにも特集コンテンツとしてイケメン農家さんの生活やプライベートにフォーカスした“牛男子企画”があります。これなんかは特に、先程小川様がおしゃっていた “3Kイメージを払拭したい” という明確な目的を持って作ったコンテンツです。

メディアとしての大義

ーーオウンドメディアの具体的なKPIはどのように設定しているのでしょうか?

松崎:数値での具体的な目標はあえて設定していません。それよりも、まずは畜産事業者のファン層を獲得して、そこから派生して一般の方にも見てもらいたいという定性的な目標があります。

小川様:そうですね。正直まだまだ成長段階のメディアだと思っているので、数字だけで判断されちゃうともったいないなと思っています。でもあえて数字でいえば、まずは農家様の10人に1人、8000人が見ているメディアにしたいなと。ただ、これはかなり高いハードルではあります。地方の農家様って一般の人に比べてまだまだネットが浸透していないので。

ターゲットのペルソナ設定

ーーなるほど…。それでは読者ターゲットペルソナはどのように設定しているのでしょうか?

泉田:ローンチ当初は、実験的な意味も込めて一般ユーザーペルソナ向けのコンテンツと畜産関係者ペルソナ向けのコンテンツを半々くらいの割合で発信していました。しかし、1期目の後半くらいの段階で一般ユーザーよりも畜産関係者の方のほうが見てくれているということがわかり、そこからは畜産関係者向けのよりニッチなコンテンツに注力するように方向転換をしています。どっこいしょニッポンは取材で記事を制作していますから、専門性が高くマニアックな情報も扱えるというのが強みです。同業者さんが読んでも『面白い』とか『ためになる』と思えるようなものですね。そうして身近なところからファンを増やして盛り上げてもらって、それがいずれ一般ユーザーに派生すればいいなと考えています。

サイトデザインへのこだわり

ーーサイトデザインに関してのこだわりや工夫はありますか?

松崎:よくあるオウンドメディアのようにただ記事が並んでいるものにはしたくありませんでした。もともと日本全薬工業㈱様は『紙媒体で発信したい』とおしゃっていましたので、冊子のビジュアル感や読みやすさを取り入れて、紙媒体とWEBの良さを融合させた形にまとめました。カテゴリごとに色分けがされていたりビジュアルが大きく配置されたりしますので、直感的に理解しやすいと思います。あとは、先程小川様がおっしゃっていたように畜産の3Kイメージ払拭を考えて、スタイリッシュさと綺麗さを意識したデザインを採用しています。

※どっこいしょニッポンのサイトデザインは、マルチメディアコンテンツの専門学校デジタルハリウッドの冊子に掲載されました。 


コンテンツの制作について

それでは実際のコンテンツ制作は、どのように行われているのでしょうか。

コンテンツ制作のフロー

ーー取材中心と仰っていましたが、記事作成はどのようなフローで行われているのですか?

松崎:毎回取材ですね。日本全薬工業様は営業の方が全国各地にいらっしゃいまして、しかもお客様との繋がりやネットワークが非常に強いんです。ですので、まずはその方たちに地方の農家さんに話を持っていっていただきます。そして取材の許可が出たら、農家さんに連絡して事前打ち合わせをさせていただき、その情報をもとに記事のプロットを作成します。その後、ライターを起用し取材を行い、記事を作成。それを弊社編集部と小川様で編集して、農家さんにチェックしていただき、再度調整して公開……というのがベーシックな流れです。

コンテンツへのこだわり

ーーコンセプトに沿ってコンテンツを制作するにあたって気をつけていることは何かありますか?

松崎:大きく分けて3つあります。1つ目は、生の情報を届けるため取材記事のみにすること。当初はSEO目的のコラムを入れようとも思っていましたが、そういった施策は一切やめました。2つ目は、ビジュアルにこだわること。畜産業に対する3Kイメージを払拭するためには、写真は非常に重要だと考えています。3つ目は、SEOファーストにしないこと。つまりGoogleのSEOロジックに囚われないユーザー目線のコンテンツをつくるということです。私はWEB上には存在しない生の情報こそが、ユーザーが本当に欲しい情報だと思っています。そして、それが結果的にオリジナリティとしてGoogleにも評価されると信じています。これも先程お話した『先義後利』の考え方です。

泉田:とはいえ、今期からはSEOにも注力しています。例えば画像にオルトタグをつけるとか、サイト内リンクを強化するとか、用語集をつくるとかですね。これにはSEO強化の意味もありますが、読者にとっての見やすさ、読みやすさのためでもあります。

ーー日本全薬工業㈱様の立場からは、いかがですか?

小川様:そうですね。ちょっと伝わりにくいかもしれませんが、記事に熱量があるかどうかとかはとても大事だと思いますね。メッセージ性というか。やっぱり毒にも薬にもならないメディアを作ってもしかたないですから。クセのあるメディアって面白いと思いますしね

コンテンツ制作に対してのスタンス

ーー農家さんへの取材にはPLAN-Bも同行しているのですか?

松崎:可能な限り帯同するようにしています。やはり農家さんとのやり取りが遠隔操作になってしまうと、距離感ができてしまいますから。どっこいしょニッポンに関して私は一代理店の人間というよりも一メディア運用担当者という形でジョインさせていただいているという感覚がありますので、会議にも全て出ますし親身に現場に行くようにしています。

ーー近い距離感でメディア制作に携わることで、コンテンツ制作に対してのスタンスや想いなどに変化はありましたか?

松崎:現場に足を運び現場を知ったことで、クライアント様のメディア運用者として“クライアント様の想いを体現できているかどうか”という視点でコンテンツを見る感覚がついたと感じます。納期云々とか、工数云々ではなく、”良いコンテンツかどうか” の判断をする大切さを実感しました。また、WEBが表面的なものばかりでリアルを全く伝えていないという実態も知ることができましたので、そのリアルをどう体現するかということを今後の課題として捉え、その融合ができるコンテンツライティングという仕事の重要性について考える機会が増えましたね。


認知拡大のための取り組み

畜産関係者、一般層に向けた認知拡大のためには、どのような施策が行われているのでしょうか。

SNSマーケティング施策

ーーソーシャル運用に関してはどのような取り組みをしていますか?

小川様:現在は、Facebook広告を行っています。現在、世の中的にはFacebookはパブリックスペースというよりビジネススペースになってきているという印象がありますが、地方の方ってまだまだFacebookをコミュニティとして交流している人が結構多いんです。『知り合いの農家様が出ている記事だからシェアしよう』っていう感覚を持っている人も多いので、そこから一般層に向けて拡がっていけばいいなと思っています。

インフルエンサーマーケティング施策

ーーインフルエンサーを起用したプロモーションについてはいかがですか?

松崎:養鶏や卵のプロモーションとして、テレビや雑誌などでご活躍されているたまごソムリエの方に記事を書いていただいたりレシピを考案していただいたりしました。

小川様:今期進めているのは、インフルエンサーとのコラボ企画です。内容としてはニッチでも、そこにインフルエンサーを繋げたときにどんな面白いシナジーが起きるのか、とても楽しみですね。

メディアとしてのキャンペーン

ーーメディア発信のキャンペーンやイベントなどは行っているのですか?

小川様:国産畜産物の消費活動促進と次世代畜産農家様の育成を目指した勉強会などを行っています。2016年~2017年にかけては、畜産農家様を対象とした経営勉強会・次世代リーダー育成塾が開催し、大好評でした。今後も、食育フェスや企業様や地方自治体とのコラボイベントを計画しています。

松崎:あとは、地方のイケメン農家さんと一般女性が合コンする企画や街コンもできそうですね。そうやってWEB発信だったものを徐々にリアルな世界と繋げていきたいですね。日本全薬工業㈱様とPLAN-Bを軸に、もっといろんな企業や人を巻き込んで繋がっていろんなことをやっていけたらいいなと思います。


現状での施策運用の効果

読者にリアルな “畜産体験” を届け、畜産業界への興味関心を喚起することに重きをおいたコンテンツマーケティング施策と、畜産関係者を中心にじょじょに一般層へと認知を拡大させるための広告施策。ローンチから約1年半が経った今、どのような効果が出ているのでしょうか?

関係者からの反響

ーー畜産関係者の方からはどんな声が寄せられていますか?

小川様:これまでは、畜産の仕事を知ってもらう機会ってなかなかなかったんです。どんな人がどういった仕事をしているのかということは一般の方にとって未知の世界だったと思います。畜産業界への入り口みたいなものがなかったんですよね。ですから、『どっこいしょニッポンを通して畜産の情報を発信してもらえるのはとてもありがたい』とおっしゃってくださる農家さんはとても多いですね。

CSRとしての成果

ーーどっこいしょニッポンでのお取り組みによって目に見える効果は出ていますか?

小川様:これまでお付き合いのあった農家様との繋がりが以前よりも強くなったのを実感しています。それに、他の農家様を紹介していただくということも増えてきています。これまでは牧場単位での繋がりだったものが、地域ぐるみでの繋がりに発展したり。また、地方で行われる地域創生イベントに参加できるきっかけにもなっていますね。定性的ではありますが、どっこいしょニッポンを中心としてそこから繋がりの輪が大きくなってきているのを感じています。


まとめ

コンテンツマーケティングへのニーズの高まりにより、昨今ではオウンドメディアのあり方も多様化しています。しかし、必ずぶらせてはいけない軸は、「誰に伝えるのか」「何を伝えるのか」「どうやって伝えるのか」といった運用コンセプトを、そのメディアを見てくれるユーザー(顧客)中心に設計するということです。

オウンドメディア運用が思うようにうまくいっていないと課題を感じていらっしゃる企業様は、ぜひ一度『先義後利』の考え方を参考に上記のポイントを見直してみてはいかがでしょうか。

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