リスティング広告は少額から始められる!失敗しないコツも解説

リスティング広告は少額から始められる!失敗しないコツも解説

リスティング広告は少額でも始められるのか、そして本当に成果が出るのか、と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、少額運用ならではの特性や、失敗しないための基本ルールを一つずつ解説していきます。着実に成果につなげるための考え方を一緒に見ていきましょう。

💡この記事で分かること

  • リスティング広告を少額から始められる理由
  • 少額運用で成果を出すための基本方針
  • うまくいく・うまくいかないケースの見極め方
  • 信頼できる代理店を選ぶための基準

リスティング広告の概要を知りたい方はこちらの記事をご連ください。

【媒体別】アカウント改善チェックシート
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リスティング広告は少額から始められる

リスティング広告は最低出稿金額の制限がなく、少額からでも始められる広告施策です。たとえば、1日数百円の予算でも配信ができます。

「少額では意味がないのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、成果を出すことは可能です。リスティング広告をはじめとするWeb広告には、機械学習によって配信先が最適化される仕組みがあります。これは、配信を重ねるほど媒体の学習が進み、反応の良いユーザー層へ広告が届けられるようになるというものです。

少額運用の場合は学習の進み方にやや時間がかかるものの、配信を続けることで学習が進み、配信の精度が高まることが期待できます。

ただし、効果的な学習を進めるためには、目的を明確にすることや、ターゲットを絞ったアカウント設計などが重要です。少額運用でおさえるべきポイントは「少額でも失敗しないための基本ルール」で解説しています。自社での運用にお役立てください。

少額運用で狙える現実的な成果

海外の調査によると、リスティング広告全体の平均CPA(1件あたりの獲得単価)は約7,490円とされています。業界や商材によって前後しますが、この数値をもとに計算すると、10万円の予算で得られる成果は13件程度が目安と考えられます。

ただし、業界や競合状況によってCPAは大きく変動するため、同額の場合は5件〜20件程度を想定しておくと現実的です。

リスティング広告_業界別平均CPA

参考:Google 広告の業種別平均アクション単価

※本調査は米国市場を対象にしたデータであり、日本市場にそのまま当てはまるとは限らないため、おおよその目安として参考にしてみてください。

また、少額運用では配信初期に十分なデータが集まりにくく、短期間で分析や改善をしづらい傾向があります。ただし、配信を継続してデータがたまってくると、分析材料が増えて機械学習が進み、成果が安定しやすくなります。そのため、短期的な成果に一喜一憂せず、長期的に成果を伸ばしていく心構えをもつようにしましょう

>>リスティング広告のシミュレーションの作り方はこちら

少額でも失敗しないための基本ルール

リスティング広告_失敗しないための基本ルール

限られた予算のなかで成果を出すには、狙いを明確にしながら、ムダを減らすことが何より大切です。

特に、配信を広げるよりも「確実に成果が出る部分に集中する意識」を持つことが成功の鍵です。

ここでは、少額運用で押さえておきたい重要なポイントを紹介します。

目的を明確にする

どの施策にも共通することですが、目的やゴールを明確にすることが重要です。

「なんのために配信するか」が明確でない状態で運用を始めてしまうと、キーワードや広告文の設計、改善施策の方向性がぶれてしまいます。たとえば、商品の購入や資料請求を促したいのか、LPへの流入数を増やしたいのかによって、選ぶキーワードや入札戦略は変わってきます。

目的を最初に定め、それに合わせてアカウントの設計を行いましょう。

>>アカウント設計の7つのステップとよくある失敗例はこちら

ターゲットを絞る

少額運用では、「誰に見せるか」を絞り込むことが重要です。

配信範囲を広げすぎると、データが分散し、意図しない層への配信が増えてしまいます。限られた予算を「確実に反応が見込める層」に集中させましょう。

ターゲットの絞る際は、以下の4つの策が効果的です。

キーワードを絞る

キーワードは、まず自社名や商品名などの指名キーワードから始めるのが基本です。この層は、自社や商材への興味・関心が高く、成果につながりやすい層と考えられます。

一般キーワードは、データが溜まってから徐々に広げると効果的です。

💡指名キーワードと一般キーワードの違い

  • 指名キーワード:自社名や自社の商品・サービス名など固有のもの(例:トヨタ)
  • 一般キーワード:業種やサービスの一般的な言葉を使ったもの(例:自動車メーカー)

 

>>キーワードの種類を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

マッチタイプを絞る

キーワードのマッチタイプは、完全一致やフレーズ一致に設定しましょう。ユーザーが明確な意図を持って検索している語句に絞ることで、無駄なクリックを減らし、確度の高いユーザーに届きやすくなります。

※マッチタイプ:検索された言葉とキーワードの一致度に応じて、広告を表示する範囲を決める仕組み

マッチタイプ別のキーワードの例(英会話スクールの場合)

  • 完全一致:指名キーワードや業界のメインカテゴリを設定 (例:「〇〇スクール(自社名)」「英会話スクール」)
  • フレーズ一致:地域やメニュー、業界のサブカテゴリを追加して設定 (例:「英会話スクール 福岡」「ビジネス英会話」)

ただし、獲得につながりやすいキーワードは、クリック単価(CPC)が高騰しやすい傾向があります。その場合は、ロングテールキーワードを設定することをおすすめします。

ロングテールキーワードとは、3語以上の単語を組み合わせたキーワードのことで、検索ボリュームが小さいのが特徴です。その分、競合が少ないためCPCが低くなる傾向があります。

また、マッチタイプを絞り込みすぎると、配信量(インプレッション)が極端に少なくなる場合があります。その場合は、フレーズ一致のキーワードを増やすなどしてマッチタイプの範囲を調整していきましょう。

>>マッチタイプの概要や使い分けの詳細を知りたい方はこちら

地域・デバイス・時間帯を絞る

ターゲットの行動に合わせて、配信する場所・端末・時間帯も絞り込みます。ユーザーの行動パターンを想定し、以下のように狙うシーンを明確にしたうえで設定しましょう。

地域・デバイス・時間帯の絞り方の例

  • BtoB商材の場合: 「平日昼間 × PC」
  • 店舗商材の場合:「自社商圏内 × スマホ」

除外キーワードを設定する

除外キーワードとは、自社の目的に合わない検索語句を広告の表示対象から外すための設定です。見込みのあるユーザーに配信を集中させることも大切ですが、見込みのないユーザーへの配信を防ぐことも同じくらい重要です。

たとえば、自社が美容院で、来店予約をコンバージョン(CV)に設定しているとしましょう。その場合「美容院 採用」「美容院 寝坊」などの検索は、来店予約とは目的が異なります。そのため、「採用」「寝坊」を除外キーワードに設定することで、その語句を含む検索で広告の表示を防げるようになります。

除外設定は一度きりではなく、検索語句レポートを定期的に確認して更新することが大切です。

CVの計測をする

広告を配信して放置するのではなく、CVを正しく計測することが重要です。CVとは、ユーザーが広告経由で行った成果となる行動のことを指します。

たとえば、以下のような行動がCVの例にあげられます。

CVの例

  • 商品・サービスの購入
  • 資料請求やダウンロード
  • セミナーやイベントへの申し込み
  • 問い合わせフォームの送信

こうしたCVを計測することで、「どの広告が成果につながったのか」を可視化でき、予算配分や改善の判断がしやすくなります。

計測には、タグの発行・設置作業が必要です。CV計測やタグについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

>>CV計測について詳しく知りたい方はこちら

定期的に運用を見直す

リスティング広告は、設定して終わりではありません。配信開始後も定期的にデータを見て調整することが重要です。

配信をそのままにしておくと、競合状況や検索動向の変化に対応できずクリック単価が上がったり、効果の薄いキーワードへの配信が続いたりすることがあります。

限られた予算を有効的に使うためには、少なくとも週に1回はデータを確認し、少しずつ改善を重ねていきましょう。検索語句やクリック単価を見直すだけでも、配信の精度は上がっていきます。

>>リスティング広告の分析の見るべき指標や分析方法はこちら

データが溜まるまで焦らず検証する

少額運用では、成果を判断するためのデータが十分に集まるまでに時間がかかります。配信開始から間もない段階で成果の有無を判断してしまうと、データが揃う前に改善のチャンスを逃してしまうことがあります。

初期段階では、クリック率やコンバージョン率(CVR)、検索語句などの判断材料の蓄積に重点を置くことが大切です。データが溜まれば、「どのキーワードでCVが発生しているか」「どんな広告文が刺さっているか」が見え、次の改善に生かせるようになります。

媒体の学習や傾向分析が進むまで、1~3か月程度は様子を見ながら改善を重ねる期間と捉えましょう。

リスティング広告で成果をあげるためのコツについて、さらに詳しい内容を以下の記事で紹介しています。こちらもお役立てください。

>>リスティング広告で成果をあげるためのコツ

少額運用でうまくいくケースとうまくいかないケース

リスティング広告_少額でうまくいくケースといかないケール

「どんな条件なら成果が出やすいのか」を理解しておくことで、どう取り組むかの判断がしやすくなります。

ここでは、自社が少額運用に向いているかを判断するためにも、一般的な傾向を解説します。

少額運用でもうまくいくケース

少額運用でも成果が出やすいのは、クリック単価が比較的安く、配信対象が明確に絞られているケースです。

以下のような条件が当てはまる場合は、少ない予算でも効果を感じやすい傾向があります。

クリック単価が安い業界・商材

地域密着型のサービスやニッチ業界など、競合が少なくクリック単価が抑えられている分野では、少ない費用でも効率よく配信ができます。

指名キーワードでの検索が多い

自社名やサービス名などで検索されるユーザーが一定数いる場合、すでに興味・関心を持っている層にリーチできるため、成果につながりやすいです。

LPの訴求が明確で導線が短い

ユーザーが目的の情報にすぐたどり着ける構成になっていると、離脱を防ぎ、コンバージョン率も安定しやすくなります。

少額運用がうまくいかないケース

一方で、少額運用では、クリック単価が高い、もしくは改善サイクルを回しきれていない場合に成果が出にくくなります。

以下のような条件に当てはまる場合は、別のチャネルを検討することも視野に入れましょう。

キーワードのクリック単価が高い

獲得につながりやすいキーワードは、競合が多いためクリック単価が高くなりやすいです。特にCPCが高騰しやすい業界には、人材や金融、不動産業界があげられます。

CPCが高い場合、少額予算ではCVにつながる前に予算を使い切ってしまう可能性があります。そのため、CPAも高騰しているようであれば配信停止するなどの判断をしましょう。

ランディングページ(LP)の品質が低く、CV導線が弱い

広告経由で流入をしても、LPの内容がわかりにくい・入力フォームが長いなどの理由で離脱される場合もあります。結果、クリックが成果につながりにくくなります。

短期間で結果を求めすぎている

少額運用ではデータを蓄積しながら改善を重ねる期間が必要です。そのため、短期間で成果を求める場合、媒体の学習が進む前にデータを止めてしまうことになります。

リスティング広告の予算に応じた設定内容の違い

ここでは、予算別に成果につながる設定内容を整理します。 同じ少額運用でも、10万円と30万円ではできる施策の幅や集められるデータ量が変わってきます。そのため、まずは自社の予算帯で効率的に配信するための設定内容を明確にすることが大切です。

以下の表を参考に、自社の状況や目的に近い運用スタイルを確認してみましょう。

項目

10万円以下

10万円~30万円

キーワード

指名キーワード中心(自社名・商材名など)

指名キーワードやニーズに近い一般キーワード

マッチタイプ

完全一致

完全一致・フレーズ一致

キャンペーン数

1本

1~2本

入札戦略

CV数が少ない間は手動入札

手動入札→CVが30件を超えたら自動入札に切り替え

※業界や自社の状況によって最適な設定は異なるため、あくまで目安としてご参考ください

自社運用と代理店活用の判断基準

リスティング広告_少額の場合の自社運用と代理店活用の判断基準

少額でリスティング広告を始める際、よく悩まれるのが「自社で運用すべきか」「代理店に任せるべきか」という判断です。どちらにもメリット・デメリットがあり、目的や社内リソース、運用経験の有無によって最適な選択は変わります。

ここでは、それぞれの特徴を解説していきます。

自社運用のメリット・デメリット

自社で運用する最大のメリットは、コストを抑えながら柔軟に動けることです。代理店手数料がかからないため、限られた予算を全て広告費にあてられます。

一方で、成果を安定させるには一定のノウハウが必要です。キーワードの選定や入札調整、データの見極めなど、少ない配信量の中で的確な判断を重ねる必要があります。

そのため、運用経験が浅い場合は効果が出にくかったり、改善ポイントを見落としたりするリスクもあります。もしこれから自社で始める場合は、基本的な流れを理解することから始めましょう。

>>【初心者必見!】リスティング広告の始め方や手順はこちら

代理店活用のメリット・デメリット

少額で代理店を活用するメリットは、専門家のノウハウを活かしたアカウント設計ができることです。

少額運用では、限られた配信量の中でいかに無駄を減らし、CVにつながる可能性の高いユーザーに集中して配信できるかが成果を左右します。そのためには、キーワードの選定や配信地域、入札戦略などを含めたアカウント設計段階の精度が重要です。

代理店の場合、ノウハウを活かして自社の状況に合わせて狙いが定まった設計に整えられるのが強みです。設計段階で方向性が定まっていると、運用開始後もターゲットがぶれにくく、安定したパフォーマンスにつながりやすくなります。

一方で、予算が少なすぎたり配信期間が短すぎたりすると、十分なデータが溜まらず、改善提案や施策検証まで踏み込めないケースもあります。この場合、文字通り「運用の代行」にとどまる可能性が高いです。

「想定していた成果と違う」といったギャップを防ぐためにも、依頼前に目標や対応範囲などを代理店とすり合わせるようにしましょう

失敗しない代理店の選び方

代理店の価値を最大限活用するためには、信頼できる代理店選びも重要です。「安いから」といった理由だけで選ぶと、サポート範囲が限定的だったり、改善提案が不十分だったりするケースもあります。

ここでは、限られた予算でも安心して任せられる、失敗しない代理店の見極め方を紹介します。

対応範囲を確認する

少額運用の場合、手数料の安さだけでなく、その中でどこまで対応してくれるかを確認することが大切です。

主な代理店のサービス内容は以下のとおりです。

広告代理店のサービス内容例

  • 広告戦略の設計:ターゲット選定など
  • 広告戦術の設計:アカウント設計、キーワード選定、広告文作成など
  • 運用・改善:配信データ分析、クリエイティブ検証など
  • 報告:レポート、定例会など

この中で、どこまで対応してくれるのか・どの頻度で改善提案やレポートをもらえるのかを確認しましょう。

また、後から想定外の追加費用が発生するケースも起こり得ます。契約前には手数料の内訳・運用範囲・解約条件などを明確に説明してもらうことも重要です。「想定していた成果と違う」といったギャップを防ぐためにも、不明点を曖昧にせず、費用の透明性とサポート品質のバランスをしっかり見極めましょう。

>>広告代理店にかかる費用はサービス内容はこちら

💡フリーランスや業務委託という選択肢も

予算が少額の場合は、フリーランスや業務委託に依頼するケースもあります。フリーランスや業務委託の場合、料金形態が代理店よりも手数料を抑えられるのがメリットです。

ただし、契約形態や担当範囲は個人ごとに異なるため、担当範囲やレポート提出の頻度や内容などを依頼前に以下の点を明確にしておくことをおすすめします。

予算や目的に合わせた対応実績があるか確認する

自社の予算規模や目的に近い運用実績があるかどうかは、代理店を選ぶうえで欠かせない確認ポイントです。特に少額運用の実績がある代理店なら、限られたデータ量の中でも成果を出すための工夫や改善ノウハウを活かし、自社の状況に合わせて運用を最適化してくれます。

>>【詳細版】リスティング広告の運用代行サービスの選び方はこちら

まとめ

リスティング広告は、少額からテスト運用を始められる広告施策です。

大切なのは、短期的に成果を求めることではなく、データの蓄積から始めて改善を重ねていくことです。改善を重ねることで、次第に成果が安定し、中長期的に強い広告運用の基盤をつくることができます。