Google広告の入札① 予算設定における基本セオリー

Google広告の入札① 予算設定における基本セオリー

今回はGoogle広告の入札についてのPart1として予算設定の基本セオリーをお伝えしていきます。

予算設定も重要な運用レバーとして作用しますのでしっかり学んでいきましょう。

part1 Google広告の入札① 予算設定における基本セオリー ←イマココ
part2 Google広告の入札② 入札タイプの選び方
part3 Google広告の入札③ 手動入札の基本ルールと入札倍率の調整
part4 Google広告の入札④ 入札戦略(自動入札の場合)

予算の種類

Google広告ではキャンペーンごとに「1日の平均予算」を設定します。デマンドジェネレーションキャンペーンと動画キャンペーンのみ「キャンペーンの合計予算」を選択することも可能です。

予算はその日の配信の調子によって、設定した予算より高く配信されるときや低く配信されるときがあります。そのため、「1日の平均予算」と「キャンペーンの合計予算」のどちらを選択するかで予算の使われ方に差が生まれます。

1日の平均予算

1日の平均予算(通称:日予算)は、毎日同じくらいの配信量を確保したいときに有効です。

最も配信が増える時は、平均の2倍まで配信される可能性があります。日予算は平均として設定しますが、月全体では「1日の予算 × 30.4日」を超えないよう自動調整され、超過した場合はGoogleが負担します。

例えば日予算1,000円なら月間の上限予算は約30,400円です。仮に月末までに31,000円使われても超過分600円はGoogleの負担となるため、支払う金額は30,400円となります。

キャンペーンの合計予算

キャンペーンの合計予算(通称:通算予算)は配信期間あたりの予算です。その期間内で例えば、月曜と火曜は配信が減少し、週末には増加するという傾向があったとき、傾向に合わせて予算を調整し配信量がコントロールされます。

これにより、日予算よりも柔軟に配信量の増減が行われますが、配信期間の前半にすべての予算を使い切ってしまい、後半は一切配信されなくなるということもあり得ますので注意が必要です。


極端な例ですが、同じ期間で比較したとき、以下の図のような予算の使われ方(配信のされ方)をがされることもあり得るというイメージです。※通算予算だからと言って、必ずしも配信が前に寄るわけではありません。

日予算と通算予算(月予算)の予算の使われ方の違い

Google広告では、多くのキャンペーンで日予算を使いますので、ここからは日予算ベースでお話をしていきます。

どのような運用レバーなのかを理解する

日予算では基本的に、いくらで設定するかのみが運用レバーです。

▼Google広告の管理画面で変更できる部分

【Google広告の管理画面】予算

日予算は高すぎることも低すぎることも問題となります。日予算の設定が配信結果にどのような変化を及ぼすのか理解していきましょう。

適切な日予算のイメージ

日予算が理想水準に対して高すぎる場合

日予算が高すぎる場合、効果が出ていない時期の無駄な予算の消化や、成果に対して余分な予算の投下が発生してしまうことが考えられます。

こういった場合、より成果を伸ばすためには予算以外の運用レバーを動かす必要があります。

日予算が理想水準に対して低すぎる場合

逆に日予算が低すぎる場合に考えられるのは、インプレッションシェアの損失です。

インプレッションシェアの損失

この場合、本来獲得できる分のインプレッション、それに伴ったクリック数・CV数を損失してしまっています。

また、日予算が少ないと必然的に蓄積されるクリックやコンバージョンのデータも少なくなりますので、自動入札の学習が進まなくなることも考えられます。

日予算が理想水準に対して低いが日予算を上げられない場合

予算が限られていて日予算を上げられない場合には、インプレッションシェアの損失を解消するために「入札価格の引き下げ(CPC/CPA/ROAS)」を行うことが施策としてメジャーです。

「十分に配信が出ていない状況=インプレッションシェアの損失」なので、入札を押さえることで配信上限を引き下げます。

仮に10,000円が予算だった場合、1配信が100円の場合と1配信が10円の場合では、単純に10円で配信する方がたくさん配信できる、という考え方です。


まずは現実的な範囲で必要十分な日予算を設定し、状況に応じて増減させることが大切です。

日予算の決め方・運用方法

それでは、最初の日予算はどのように決めるのでしょうか。また、その後の運用方法についても言及していきます。

日予算の上限を確認する

まずは日予算の上限を確認しましょう。日予算の上限は以下の式で算出します。

日予算の上限=月予算÷30.4

多くの場合、予算は簡単には動かせないと思います。まずはここを上限として考えましょう。

月予算を30万円としたとき、日予算は

日予算 = 30万円 ÷ 30.4日 ≒ 9,868円(約1万円)

となります。

得たい成果から日予算を算出する

予算が決まっている場合は、先ほど算出した日予算の中で堅く利益を出せそうな金額を設定してみましょう。

インプレッションシェアの損失が起こっていれば日予算を引き上げます。

どちらにせよ日予算の上限は決まっているため、無駄な費用をかけないためにもまずは下から設定していくのが良いでしょう。(特に運用初期は手動入札であることも多いため)

日予算の運用方法

日予算の運用における基本的な考え方

「限定予算(予算制限)」のステータスが出ている場合は配信量を伸ばせる余地があるので、成果が見合うなら日予算増額(場合によっては予算増額)を検討します。

逆に予算未消化で余る場合、成果を伸ばす余地がなさそうであれば他のキャンペーンに分配するか日予算の削減が必要です。

複数キャンペーンを運用する際には、共有予算機能を使って一括管理する方法もあります。共有予算にすると複数キャンペーンで一つの予算枠をシェアでき、成果の良いキャンペーンに柔軟に費用を振り向けることが可能です。

また、日予算以外の運用レバーを動かすケースも考えられますので、臨機応変に対応しましょう。

まとめ

以上がGoogle広告の予算設定についてです。

現在は「1日の予算(日予算)」で設定する場合がほとんどですが、月予算が決まっている場合は日予算の上限に制限があります。

その中でも低すぎる場合、高すぎる場合で配信結果が変わりますので、必ず調整を行いましょう。

予算設定について理解したら、今度は「手動入札」と「自動入札」の使い分けについて学んでいきましょう。

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