【各媒体の対策まとめ】ITPによる広告への影響と今後の動向を徹底解説

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Web広告は今、大きな変革期に突入していると言っても過言ではありません。 

iOS14のアップデートによってITP機能が強化されたことで、全体的にiOSユーザーの全てのweb上の行動が制限されるようになりました。現状ではITPの対象は下記の通りです。

 ・iOS及びiPadOS上で動作する全ブラウザ(ex. Safari、Chrome) 
・iOS及びiPadOSアプリ内ブラウザ(ex. Facebookアプリ内でリンクをクリックして開いたブラウザ) 

ITPの実装やアップデートにより、Cookieを利用したリマーケティング広告などのWeb広告や、アクセス解析などの分野が特に影響を受けておりますので、今後の広告集客や計測手法など、時代に合わせて変えていく必要があるのではないでしょうか。ここでは、最新のITP機能がWeb広告に与える影響、それに対してどのように対応すればいいのか、また広告運用の環境がどのように変化していくのかを解説します。 


ITPとは? iOS14における主なアップデート

ITP (Intelligent Tracking Prevention)とは、Apple社のiOS11からブラウザ「Safari」に搭載されているトラッキング防止機能です。ITPは複数回のアップグレードを経てCookieの規制が強化され、2020年3月にAppleのWebKitエンジニア、ジョン・ウィランデル氏より、3rd Party Cookieが全面的にブロックされるようになったことが発表されました。

ITPのバージョンアップに伴う更新履歴
今回実装されたiOS 14のアップデート内容を説明します。 

ITPによるCookieとストレージの制限

1st party cookie & 3rd party cookie

ITPはすべてのCookieを制限しているわけではなく、Cookieのうち「3rd Party Cookie」と「1st Party Cookie」が制限対象となります。 
 
Cookieとはサイトを訪問したユーザーのデータを一時的に記録しておくための仕組み、またはそのデータのことです。例えば、EC​サイトの場合は、ログイン情報、買い物かごの履歴もCookieによって保存されていますので、情報を2度入力してなくてもログインしたままの状態です。​広告配信では、1st Party Cookieまたは3rd Party Cookieを利用して、リマーケティング広告などを配信します。 

1st Party Cookie:ユーザーが訪問したサイトが直接発行・管理しているCookie 
3rd Party Cookie:広告媒体などユーザーが訪問したサイト以外の第三者が発行・管理しているCookie

cookie・local storage利用の仕組み

ITP2.0以降3rd Party Cookieは即時削除と変更になり、今回のアップデートによって現在は例外なくiOS及びiPadOS上で動作する全ブラウザが完全にブロックされます。1st Party Cookieは引き続き利用が可能ですが、データが1日(24時間)で利用不可の状態になります。 

一部のサイトでは、Cookieの代替案としてlocal storageというデータ保存領域を使うことでトラッキング情報を補完していました。これによってCookieの発行時に同じ情報をlocal storageにも保持するようにしましたが、ITP2.3以降、7日間内にサイトにアクセスがないとlocal storageのデータが削除されます。

IDFA取得のオプトイン必須化

IDFA取得のオプトイン必須化

広告運用では、3rd Party Cookie のようにiOS端末の広告識別子である「IDFA」を利用してiOSユーザーの広告エンゲージメント、アプリの行動履歴などを正確に計測し、また取得されたユーザーデータでリターゲティング広告の配信を行っていました。しかし、iOS14以降、各アプリ共通設定でデフォルトではIDFAの取得は不可となり、今後IDFAを利用するにはユーザーからの承諾が必要となります。 

バウンストラッキング対策が搭載

バウンストラッキングとは、サイトリダイレクトを用いて行われるクロスサイトトラッキングです。ユーザーが本来のドメインページからリンクをクリックし、別のページに移動する際に、即座に元のサイトもしくは媒体ドメインにリダイレクトを行うことで3rd Party Cookieを1st Party Cookieだと認識させます。今回のアップデートより、リダイレクトさせることで計測していたバウンストラッキングの機能が無効化されます。

アプリ内ブラウザもITPの対象

これまではITPはSafariのみに実装されていましたが、iOS14のアップデートによってGoogle Chrome、 FirefoxなどすべてのブラウザもITPの対象となります。また、Webブラウザのみでなく、FacebookやTwitter、LINEなどのアプリを利用してアプリ内のリンクをクリックし、アプリ内ブラウザから閲覧したブラウザも対象となります。

ITPがWeb広告に及ぼす影響 

一体、iOS14のアップデートは、Web広告にどのような影響を与えるのでしょうか。 

リターゲティング広告の配信量が減少

一度サイトに訪問したユーザーに広告配信を行い、Cookie を利用しているリターゲティング広告は、ITP影響で1st Cookie Partyを利用するとしても24時間以内の訪問ユーザーにしかアプローチできなくなります。 

また、IDFAの取得がデフォルトで不可となることで、広告のトラッキングを許可しないユーザーが増えると、広告のターゲティング対象となるカスタムオーディエンスのサイズがさらに小さくなる可能性があります。これらの仕様変更によって、リターゲティング広告のインプレッション数が減り、これまでリターゲティングのみしか出稿していなかった広告主、または、媒体の成果は悪化する可能性があります。 

ターゲティング広告の精度が低下

Cookieの有効期限短縮やIDFAのオプトイン化によって、リターゲティング広告のみでなく、興味関心・類似ターゲティングの配信も困難になることが予測されます。その理由は、Cookie、IDFA経由でユーザーのおおよその年齢や性別、興味・関心・購買意欲の高いジャンルなどの属性情報や行動履歴を収集することができなくなり、オーディエンスターゲティング配信の精度が下がるためです。 

また、オーディエンスリストでの保持期間が最大24時間に短縮されることにより、オーディエンスリストの蓄積件数が減少し、ターゲットリストが小さくなることで広告を同じユーザーに何度も配信し、フリークエンシーが高まる傾向にもあるでしょう。 

コンバージョンが計測されなくなる 

広告配信においては、広告を見てクリックしたユーザーにおいて、その後一定の期間内に目標として設定された行動が発生した場合、コンバージョンとしてカウントされる仕組みがあります。クッキーレス化に伴い、1st party cookieの保存期間である24時間を過ぎてcookie情報がなくなってしまった後に目標に至ったとしても、コンバージョンとして計測されないというケースが発生します。広告媒体の管理画面上では、コンバージョン数が減ってしまう、成果が悪くなるなどの状況が起こる可能性があります。 

分析レポートの偏り 

iOS 14での変更により、コンバージョンの計測と処理が制限されることがあります。Facebookはレポートに及ぼしうる影響があることを発表しました。 

レポートの遅れ 

アプリインストールキャンペーンでは、コンバージョンイベントは発生した時点ではなくAppleのSKAdNetwork API※からFacebookに報告された時点に基づいてレポートされるようになり、レポートに反映されるまで最大3日のタイムラグが発生する可能性があります。ウェブコンバージョンイベントにおいても、インプレッションが発生した時点ではなく、コンバージョンが発生した時点に基づいてレポートされるようになります。 

つまり、リアルタイムレポートはサポートされなくなり、今までのようにリアルタイムで成果を把握して何かアクションを決めるのは難しくなります。 

※ SKAdNetwork API とは、Appleが提供するプライバシーに配慮したアプリ向けのトラッキングツールです。Webサイトの場合は SKAdNetwork API を活用してトラッキングすることはできません。

推定結果

アプリインストールキャンペーンでは、集計結果がキャンペーンレベルでFacebookに送信されますが、広告セットレベルと広告レベルの結果は統計モデルが使用され、推測上の数値が表示される可能性があります。ウェブコンバージョンイベントでも同様に、iOS 14ユーザーからのコンバージョンは統計モデルが使用されることがあります。統計モデルの使用によって、計測成果の精度が下がり、広告成果が分からない、または成果が出ているのか判断するのが難しいなどの状況が起こる可能性があります。 

配信とアクションの内訳は非対応

アプリコンバージョンとウェブコンバージョンのいずれについても、今まで確認できた配信とアクションの内訳(年齢、性別、地域、配置など)については非対応になりました。

また、新規または配信中のキャンペーンでは、28日間のクリックスルー、28日間のビュースルー、7日間のビュースルーの各アトリビューションウィンドウはサポートされなくなりました。今後のデフォルトはクリックから7日間に設定され、下記のウィンドウのいずれかに変更することもできます。

クリックから1日間
クリックから7日間(Appleによるオプトイン設定画面の導入後のデフォルト)
クリックから1日間、表示から1日間
クリックから7日間、表示から1日間(最初のデフォルト)

配信の内訳と一部のアトリビューションが確認できなくなることで、どの年齢層のコンバージョン率が最も高いのか、広告をクリックしてからコンバージョンまでの検討期間はどれくらいなのか、などの分析を行うことが難しくなります。

参考:AppleのiOS 14リリースが広告やレポートに及ぼしうる影響

Facebook以外の媒体から、コンバージョンの測定については発表されていませんが、iOS分のデータ欠損によって分析レポートにも偏りが発生してしまうことはあるでしょう。 

それぞれの媒体の対策

主要媒体であるGoogle、Yahoo!、FacebookはITPに対して、コンバージョンをより正しく計測するための推奨設定を発表しました。それぞれの媒体でどのように対応していくべきか確認しておきましょう。 

Google 

2021年6月時点、GoogleはITP2.0までの推奨設定しか発表されていませんが、コンバージョンの計測不良を防ぐために設定しておきましょう。Google 広告でコンバージョン測定方法は、以下の3つの方法があります。いずれも、1st Party Cookieが付与されます。  

①グローバルサイトタグとイベントタグの使用 
②GTMでコンバージョンリンカータグを追加 
③Google Analyticsと連携 

グローバルサイトタグとイベントタグの使用

グローバルサイトタグとイベントスニペットを使用することで、タグを設置したページに訪問したユーザーに対して、1st Party Cookieを付与させます。

グローバルサイトタグは別のコード(イベントスニペットか電話番号スニペット)と連携し、サイトのすべてのページに実装するタグです。グローバルサイトタグとともに使用するイベントスニペットはコンバージョントラッキングを設定する際に発行されますので、コンバージョンページまたはアクションに設置しましょう。

設定手順:
1. Google管理画面の右上の「ツール」をクリックします。
2. 「コンバージョン」を選択して、対象のコンバージョン名をクリックします。
3. 「タグを設定する」を選択して、自分でタグをインストール」をクリックします。
4. グローバルサイトタグをコピーし、ウェブサイトのすべてのページで <head></head> タグの間に貼り付けます。
5. イベントスニペットはトラッキングするページの<head></head>の間でグローバル サイトタグの直後に設置します。

グローバルサイトタグとイベントタグの使用

グローバルサイトタグについては、以下の記事で詳細に解説しています。参考になれば幸いです。

GTMでコンバージョンリンカータグを追加 

コンバージョンリンカータグは、ランディング ページの URL で、サイトへユーザーを誘導した広告クリックに関する情報を自動的に検出し、その情報をドメインの新しい cookie に保存します。 

GTMでコンバージョンリンカータグを手早く簡単に追加できますので、この設定だけでコンバージョンをより正確にトラッキングすることが可能です。 
 
設定手順:
1. 管理画面の左側にある「タグ」をクリックし、「新規」をクリックします。 
2. 「タグの設定」をクリックし、「タグタイプを選択」から「コンバージョン リンカー」を選択します。 

GTMでコンバージョンリンカータグを追加3. 「トリガー」は「All Pages」を選択します。

「トリガー」は「All Pages」を選択
4. 「保存」をクリックすると、設定が完了です。

自動タグ設定をオンにして、 Google Analyticsと連携する 

Google 広告アカウントと Google Analyticsを連携すると、「GCLID」というパラメータが付与されたクリック情報が1st Party CookieとしてGoogle Analyticsに保存されます。

設定手順:
まずは自動タグ設定をオンにします。 
この設定により、クリックされた広告URL に「GCLID」というパラメータが追加されます。 
 
1. Google広告の管理画面の「設定」をクリックします。 
2. 「アカウント設定タブ」を選択します。
3. 「自動タグ設定」をクリックし、「ユーザーが広告クリック時にアクセスする URL にタグを設定する」にチェックを入れます。
4.  「保存」をクリックすると、設定が完了です。

自動タグ設定をオン

自動設定が完了しましたら、Google広告とGoogle Analyticsを連携します。Google Analyticsにログインして下記の手順を参照してください。
1. 管理画面の左下「管理」のギアマークをクリックし、リンクするプロパティに移動します。
2. プロパティ列で「Google 広告とのリンク」を選択し、「新しいリンクグループ」をクリックします。
3. リンクする Google 広告アカウントにチェックを入れ、「続行」をクリックします。 

Google アナリティクスと連携する4. リンクグループのタイトルを入力し、「すべてのウェッブサイトのデータ設定」と「クロスドメイントラッキング」をオンにします。
5. 「アカウントをリンク」をクリックしますと、連携設定が完了です。

Google アナリティクスと連携する

 Googleは代替手段としてFLocを開発中

Googleは代替手段としてFLocを開発中

Googleが、Chromeブラウザにおける3rd Party Cookieを2022年までに段階的に廃止していくとの計画を発表し、cookieの代替手段として「FLoC(Federated Learning of Cohorts)」という広告表示技術の導入を提唱して開発しています。

「FLoC」とは、プライバシーを保護しつつ、興味関心ベースで似た閲覧履歴を持つユーザーをグルーピングし、グループに関連性の高い広告を配信する技術となります。つまり、情報の収集対象は「個」から似たような興味を持つ一定規模の「グループ」に置き換わることになりました。2021年3月時点、Chromeに対するFloCの搭載試験はまだ進行中ですが、FloCのリリースによって今後は新たな広告手法が導き出されるかまた着目していきましょう。 

Yahoo! 

2021年6月時点、YahooはITP2.3向けの推奨設定を発表しています。コンバージョン計測の補完機能として、以下の3つのタグ設定で対応できます。 

①サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグ
②自動タグ設定
③local storageを利用したコンバージョン測定補完

サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグ 

従来yahoo.co.jpドメインで発行3rd Party Cookieは利用不可となりましたので、広告主のサイトで1st Party Cookieを発行するために、サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグを設置します。 

コンバージョン測定補完機能タグとは、コンバージョン補完用のcookieを作成するためのタグであり、サイトジェネラルタグは各トラッキングタグを統合的に管理し、実行させるためのタグでとなるため、コンバージョン測定補完機能タグを動作させるには、合わせてサイトジェネラルタグを実装しましょう。 

設定手順:
1. 管理画面で「ツール」タブの矢印(▼)をクリックしてプルダウンメニューから「コンバージョン測定」をクリックします。
2. 対象のコンバージョンの「タグを表示」をクリックします。
3. 「サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグ」で「利用する」を選択し、タグが表示されます。
4. タグをウェブサイト内の全ページの<head>タグ開始直後に追加してください。 

サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグ

自動タグ設定

コンバージョン測定補完機能タグで1st Party Cookieを作成するには、「自動タグ設定」によりURLに「YCLID」パラメータを付与させることが必要になります。「自動タグ設定」はアカウント単位での設定となり、デフォルトは「設定する」になっていますが、サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグを設置したページを表示した際、URLに「yclid=xxxxxxxxx」がきちんと表示されているどうか改めて確認しましょう。
yahoo!自動タグ設定

Local storageを利用したコンバージョン測定補完設定 

前述した通り、iOS14のアップデートにより、1st Party Cookieの保存期間が最短1日と短くなりますが、cookieとは別データ保存領域である「local storage」を利用することで保存期間を7日まで延長することが可能です。local storageを設定した場合、コンバージョン測定機能でcookieとlocal storageが並行して動作します。 

設定方法に関しまして、サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグlocal storageを利用する記述を追記するか、あるいはYahoo!タグマネージャーにて設定してください。 

Local storageの記述を追加

サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグに赤字部分を追記してください 。

<script async src=”https://s.yimg.jp/images/listing/tool/cv/ytag.js”></script> 
<script> 
window.yjDataLayer = window.yjDataLayer || []; 
function ytag() { yjDataLayer.push(arguments); } 
ytag({“type”:”ycl_cookie”,”config”:{“ycl_use_non_cookie_storage”:true}}); 
</script> 

Yahoo!タグマネージャーにて設定

Yahoo!タグマネージャーにて一括設定が可能です。 
1. 管理画面で「サイト設定」をクリックします。 
2. サイトジェネラルタグを選択し、「サイトジェネラルタグ実行する」にチェックを入れます。
3. 「Cookie以外のストレージをコンバージョン測定補完機能に利用する」は必ずチェックを入れましょう。 
4. 保存します。

YTM, サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグl

Facebook

iOS14アップデート前までは、Facebook広告及びInstagram広告では基本的に制限なしでコンバージョンイベントを計測することができていましたが、アップデート以降、1ドメインに計測できる数が最大8件に制限されています。 

また、先述した通り、IDFA設定はデフォルトはオフになっています。それによって、iOSユーザーは気づかずにデフォルトのままになっている場合、8件のイベントを設定しても、1ユーザーに対していずれか1つのイベントしか計測できません。ユーザーがIDFA取得を許可する場合は、同じく最大8つのイベント計測しかできませんが、1ユーザーに対して複数のイベントを計測することが可能です。

ユーザーがIDFA​を提供するかどうか広告主・運用者としてコントロールできる部分ではありませんが、この度の仕様変更に対して、8つのイベント設定をきちんと設定しましょう。 

今回のiOSアップデートに伴うFacebook広告の仕様変更について、以下の方法で対応します。 
①ドメイン認証設定 
②合算イベント計測設定 

ドメイン認証設定 

ドメインの所有者を明らかにするための設定です。ドメイン単位でイベントを8件指定するために、まず Facebook 広告アカウントとドメインの紐づけを行う必要があります。 

設定手順:
1. Facebookビジネスマネージャからビジネス設定をクリックします。
2. ブランドセーフティからドメインを選択し、追加をクリックします。
3. リンクしたいドメインを追加します。 
Facebookドメイン認証設定 ドメインを追加しましたら、未認証の状態になります。 
認証待ちのドメインを選択すると、右側に3つの認証方法が表示されます。以下、すぐ対応できる「HTMLファイルのアップロード」と「メタタグ認証」の2つ方法を説明します。

HTMLファイルをアップロードする

1. 追加したドメインを選択し、「オプションを一つ選択してください」から「ルートディレクトリにHTMLファイルをアップロードする」を選択します。 
2. ステップ1からHTMLファイルをダウンロードします。 
3. ダウンロードしたファイルをウェブサイトのルートフォルダにアップロードします。 ファイル名は変更しないようにしてください。 
4. アップロードが完了しましたら、同じ管理画面で認証するをクリックします。

HTMLファイルをアップロードする

メタタグ認証

1. 追加したドメインを選択し、「オプションを一つ選択してください」から「HTMLソースコードをメタタグを追加する」を選択します。 
2. ステップ1にあるメタタグをコピーします。
3. コピーしたメタタグをサイトのHTMLの<head>部分に追加。
4. タグ設置が完了しましたら、同じ管理画面で認証するをクリックします。

メタタグ認証※FacebookがメタタグコードまたはHTMLファイルをルートディレクトリで確認するまで最大72時間かかる場合があります。

合算イベント計測設定 

ドメイン認証の作業が完了しましたら、コンバージョンイベントを8件指定し、またはイベントの優先順位を設定します。IDFAをオプトアウトしたユーザーに対しては1件のイベントしか計測できないため、優先順位を必ず指定しておきましょう。 
 
設定手順:
1. 広告マネージャーの画面から「イベントマネージャー」を開き、「データソース」をクリックします。
2. ドメインに設置しているピクセルを選択し、「合算イベント測定」タブから「ウェブイベント設定」をクリックします。

合算イベント計測設定
3. 「ウェブイベント設定」ページに移動されますので、対象のドメインを選択します。
4. 「イベントを管理」をクリックします。注意書きが出てきますが、「編集」で問題ありません。
5. 「イベントを追加」をクリックし、測定したいピクセルまたはカスタムコンバージョンを選び、イベントを選択します。

合算イベント計測設定

6. 「送信」をクリックすると完了します。 

※設定できるイベントは最大8個となります。 
※「最高優先度」「最低優先度」のランク設定ができますので、タグの優先順位度を考えるうえで設定しましょう。

「脱リターゲティング」の配信手法が重要

ITPは年々制限の内容が厳格化されており、今後もITPの影響は広がっていく可能性が高いと見られています。CookieやIDFAなどのユーザー情報を依存して広告配信が難しくなってきている環境で、リターゲティングだけに頼らない広告配信の方法を模索していくことが大変重要なことになって​いきます。 

ここではcookieが活用できない際に、「脱リターゲティング」の配信手法をいくつか紹介します。 

Google

Google MAXの導入

Google MAXの概念

リターゲティング広告の配信が厳しくなることで、Cookie情報に頼らない配信面を網羅して成果を最大化させることは今後の動向ではないでしょうか。そこで、GoogleはGoogle MAXというクロスプロダクト施策の導入を推奨しています。Google MAXとは、検索・ディスプレイのほかに、YT4A/VAC(動画広告)とファインドキャンペーンを配信し、Googleのクロスプロダクトでのデータ活用によって成果を最大化する施策となります。 

Googleが提供している配信手法の中で、ニーズが明確化した顕在層を獲得するために、検索広告を配信する方は少なくありません。ただし、検索キャンペーンであっても顕在層をすべて獲得することは難しく、またITPの影響でディスプレイ広告を通じて一度サイトを訪問した顕在層へ再アプローチすることが難しくなります。Google MAXは、検索とディスプレイ広告を配信する同時に、YouTube広告やファインド広告を配信するこで配信面を拡大しつつ、検索またはリターゲティングではカバーできない部分を補完するという概念を提唱しています。

Google MAXの概念

Googleのクロスプロダクトを利用するメリットとしては、Googleはユーザーが自ら入力した情報(Googleのアカウントを登録する際に入力した情報など)を元に構成されるデータを保管しているため、cookie制限下でも独自の自社データを独自のプラットホーム内で使用して効果的に広告を打ち出せます。また、ファインド広告などを通じて、Googleが持つ膨大なネットワークやプラットホーム(YouTube、Gmailなど)へ配信することができます。 

ITPの変更による影響を考慮したうえで、今後のターゲティングに関しては、同意を得った自社保有1st Party Dataを持つ媒体を用いて、新しいプロダクトを導入していく必要があります。リターゲティング広告などの補完として、Googleにおいては動画広告とファインド広告を一度検討してはいかがでしょうか。 

Facebook

コンバージョンAPIの設定

コンバージョンAPIにおける計測の仕組み

コンバージョンAPIは、広告主が保有しているダイレクトデータを自分のサーバーからFacebookピクセルと連携して直接共有するためのツールです。Facebookのピクセルを通じてサイトで発生する顧客のアクションをFacebookに送信することはできますが、前述した通り、iOSのアップデートにより計測できるイベントは最大8件となります。コンバージョンAPIはサーバー間のダイレクト連携をするということでSafari、Chromeなどのブラウザに依存する必要もなく、cookieの取得制限によって影響を及ぼすことはないため、より安定的な顧客データを媒体側に共有して効果測定や最適化を行うことができます。 

また、オフラインコンバージョンイベントAPI、アプリイベントAPIなどのWeb以外のデータを連携して利用することも可能です。これまではWebで計測されたデータのみが機械学習の対象となっていましたが、オフラインデータおよび顧客行動などの1st Party Dataをコンバージョンイベントとしてピクセルと組み合わせて使用することになるため、データの精度を高めるとともに、広告のパフォーマンス最適化や効果測定を改善するのにも役立ちます。 

コンバージョンAPIを設定するためには、Facebookの管理画面上で簡単に完結させることができなく、社内の開発者またはFacebookソリューションパートナーに設定を依頼する必要があります。コンバージョンAPIの実装は完了するまで時間がかかりますが、cookieに依存せずに顧客データを最大限に活用することができるため、脱リターゲティングの配信方法を検討する際にぜひ注目すべきだと考えております。 

コンバージョンAPIの設定方法に関しまして、下記の公式サイトをご参照ください。 
https://www.facebook.com/business/help/433493041367251?id=818859032317965 

リード獲得広告

facebookリード獲得広告

Cookieデータに依存せず、FacebookやInstagramで直接CVが計測できるように、リード獲得広告を推奨しています。 
 
Facebookリード獲得広告は、インスタントフォームを使用して、ユーザーの名前、メールアドレス、電話番号などの直接入力を促す広告です。例えば、お問い合わせをCVポイントとした場合、従来のコンバージョンパスでは、ユーザーがランディングページに誘導され、そこでフォームへの入力を求められます。リード獲得広告では、フォームにあらかじめユーザー情報が入力されていますので、ユーザーがFacebookを離れる必要もなく成約につなげます。 

また、フォームを送信したユーザーの情報(入力されたメールアドレス、電話番号など)がFacebookから広告主に共有されることで、自社の新たなリードとなりますので、自社ではこれらの​潜在顧客を見込み客へと育成することができます。

関連記事:Facebookリード獲得広告とは|リード獲得導線はもっと効率化できる!

ショップ機能

Facebookのショッピング機能は、投稿したショッピング投稿を広告として配信し、またはECサイトの商品ページにユーザーを誘導させる機能です。リード獲得広告と同様に、ショッピング機能はユーザーが商品タグをタップして商品の詳細を確認するなどFacebook/Instagram内の行動データを取得することができるため、こうした購入意欲の高いユーザーでカスタム​オーディエンスを作成し、広告を通じて再度リーチすることができます。

2020年6月より、FacebookおよびInstagram上のオンラインショップを無料で作成できる「Facebookショップ」機能が導入されました。ショッピング機能では、投稿を見たユーザーを商品サイトに移動させることしかできませんが、ショップ機能のリリースにより、ユーザーが投稿にタグ付けされているショッピングタグや、プロフィールにある「ショップを見る」からショップにアクセスし、アプリ内のショップで商品を直接閲覧、お問い合わせすることが可能となります。 

現在、米国ではすでにFacebook、Instagram内での決済機能が導入されていますが、日本ではユーザーを自社の商品サイトに移転させてからの決済が必要となります。今後日本でもショップ内決済機能が実装されると予想されますので、cookieを使わずに決済情報や連絡番号、住所などのユーザーデータを獲得することができるようになりましたら、これらのデータを活用して購入に至ったユーザーに再アプローチすることもできるのではないでしょうか。

Yahoo!

サーチターゲティング 

サーチターゲティング

ディスプレイ広告のサーチターゲティングは、ユーザーが過去にYahoo!で検索したキーワードをもとに、指定のキーワードで検索した人だけに広告を配信できるターゲティング手法です。

例えば、広告主があらかじめ食品などのキーワードを指定した場合、過去に食品系ワードを検索したユーザーがYDAが配信されるサイトを訪問した際に、そのキーワードに関連する広告が配信されます。サーチターゲティングは以前に検索した見込み客を中心に広告を訴求できるため、成約につながりやすいと言えます。

行動予測ターゲティング

行動予測ターゲティング

Yahoo!のビッグデータを活用したプレミアムDSPの「行動予測ターゲティング」とは、コンバージョンユーザーの行動特性、閲覧履歴をもとに、これからコンバージョンする可能性の高いユーザーを予測したターゲティング手法となります。 

サイトを訪れたユーザーと類似した特性を持つ新規ユーザーにアップローチする類似ターゲティングと異なり、行動予測ターゲティングは過去の行動から未来にコンバージョンする人を予測して配信することで、極めて高い予測精度を実現することができるでしょう。 

共通メニュー 

広告媒体共通のメニューもあるため、ターゲティングの種類ごとに紹介していきます。

デモグラ・地域ターゲティング

デモグラ・地域ターゲティング

特定の年齢・性別・地域などのユーザーの属性情報を絞ってターゲティングする配信手法です。各媒体の地域設定で、国、国内の一部の地域、ユーザーがいる可能性が高い、またはユーザーが定期的に訪れている地域など場所や店舗の所在地を指定したり、ユーザー属性と併用したりすることが可能です。

オーディエンスカテゴリーターゲティング

オーディエンスカテゴリーターゲティング

オーディエンスカテゴリーターゲティングとは、特定のカテゴリーに興味・関心を持つユーザーや、特定の購買意向があるユーザー、特定のライフイベントを迎えるユーザー層に対して広告を配信するターゲティング手法です。もし自社サイトがアウトドア用品を売っているなら、興味関心カテゴリー配下の「ショッピング」と、購買意向カテゴリー配下の「アウトドア、釣り、旅行用品」を選択するとアウトドアに興味関心を持つユーザーに対して広告が配信されます。

類似ターゲティング

類似ターゲティング

類似ターゲティングとは、自社データに基づいて自社のサイトを訪問したユーザーと類似した特性を持つ新規ユーザーにターゲットする配信方法です。新規ユーザーへのアプローチや獲得のための施策として、過去にコンバージョンを行なったユーザーの興味、関心や行動履歴をもとにリストが作成されるため、比較的質の高いユーザーに広告配信することができます。

プレースメントターゲティング

プレイスメントターゲティング

別名「手動プレースメント」と呼ばれるプレースメントターゲティングは、ディスプレイ広告において特定のサイトやYouTubeチャネル(Googleの場合)、アプリを指定して広告掲載できる配信手法となります。自動プレースメントターゲットを利用して関連性の高い掲載場所を自動的に選定し配信することもできますが、その中でも配信実績から成果の出ている配信先、狙っているターゲット層がよく見ているメディアがわかれば、プレイスメントを手動で指定することでより明確なターゲット層にアプローチすることができます。

アドレサブル広告

アドレサブル広告

Facebookのカスタムオーディエンス広告や、Googleのカスタマーマッチ広告などのアドレサブル広告は、自社で保有している会員データ(メールアドレスや電話番号など)を活用して、広告媒体が持つユーザー情報と照合してマッチングする配信手法です。情報を提供した既存顧客だけでなく、類似顧客を広告のターゲットに設定することもできます。

Google Marketing Livestream 2021 で発表された最新情報によって、Googleにおいてはほぼすべての広告主がプライバシーに配慮しながら、カスタマーマッチを利用して配信できるようになりました。これまでは、ポリシー違反や支払い遅延のないなどの複数の条件を満たしている優良なアカウントのみカスタマーマッチを利用することができますが、2021年秋より、全ての利用要件を満たさなくとも、モニタリング設定でカスタマーマッチの機能を利用することができるようになります。条件を満たした場合は、モニタリング設定またはターゲティング設定両方を利用することが可能です。今回Googleのカスタマーマッチの利用要件が緩和されることで、今後も1st Party Dataを利用して配信していくという方向性が主流になるのではないでしょうか。 

参考:https://support.google.com/google-ads/answer/10727844

まとめ 

この度はiOS14のアップデートによって広告配信にどのような影響を与えたのか、各媒体の推奨設定は何なのか、そしてクッキーレスの時代で配信できる脱リマケの配信手法についてご紹介しました。 

広告目的の個人情報収集は今後もどんどん厳しくなることが予想されますので、リターゲティング広告の他に新しいターゲティング方法を挑戦してみてはいかがでしょうか。