【2026年版】SEOとは?初心者向けに具体例や事例を紹介
SEO対策
最終更新日:2026.02.05
更新日:2026.02.18
AI OverviewsやChatGPT、Geminiなどの登場により、サイトへの流入が減ったことを課題に感じているWeb担当者は少なくありません。
今回はAI時代の検索行動の変化と、流入が減っても問い合わせ数を減らさないための考え方について、弊社のSEOツール「SEARCH WRITE」のマーケティングを担当している松本に質問してみました。
本記事ではその様子をまとめています。最後までご覧ください。
PINTO!編集部:最近「オーガニック流入が減っている」という声をよく耳にします。AI Overviews(AIによる概要)などの影響で、やはり全体的に流入が落ち込んでいるのでしょうか?
松本:全体的に流入は減少に向かっていると考えられ、AI Overviewsが登場するクエリではクリック率が下がっているというデータもあります。
引用:検索が変わるAI時代にどう挑む?Brand Summit Autumn 2025 登壇レポート
一方で「以前と比べて、流入はあまり変わっていない」という声もあって、すべてのサイトが一様に減っているわけではない印象ですね。
よく言われていることですが、AI Overviewsに回答が表示されることで「ゼロクリック」が起き、「〇〇とは」といったKnowクエリを多く扱っているサイトの流入は減るだろうなと思います。
※ゼロクリック…検索結果画面上で必要な情報が完結し、ユーザーがWebサイトをクリックせずに検索行動を終える状態。
PINTO!編集部:ユーザーがAI Overviewsの回答で満足してしまって、サイトまで来てくれないわけですね。
松本:そうです。
去年の夏頃は、AI 経由の参照トラフィックは流入全体の0.1%程度であるとAhrefsが発表しており※1、SEO界隈でも現時点では大きな影響は出ていないと語られていました。
その一方で、Googleは「AI Overviewsの提供範囲を世界100カ国以上に拡大し、月間10億人以上のユーザーに届ける」と発表しており※2、AI Overviewsはより普及していくでしょう。個人的な印象ですが、AI Overviewsが出るクエリが明らかに増えており、それに伴ってユーザーの検索行動も変化しているので、流入が減るのは当然だと感じます。
PINTO!編集部:松本さんの検索行動も変わりましたか?
松本:変わりましたね。旅行の計画を立てる時も、以前ならいろいろなサイトを見て考えていましたが、今は真っ先にAIにおすすめの旅行先をきいていますから。
PINTO!編集部:情報収集においては、AIがかなり浸透してきているんですね。
松本:そうです。一方で購買に近いページなどでは、今はまだ影響はないだろうというのが一般的な見方です。ただ、個人的には今後どうなるかわからないと思っています。
PINTO!編集部:購入などのアクションも、AIで完結できるようになる可能性があるということですか?
松本:そう遠くない未来、AIとの会話の中で購買まで完了できるようになると思うんですよ。
つい先日、Googleが「ユニバーサルコマースプロトコル(UCP)」という新しい規格を発表しましたよね。これはAIモードやGeminiアプリ内で、商品の検索から決済までを完結させるための仕組みです。
こうした規格が標準化されていくと、販売元のWebサイトに訪問しなくても商品選びから購入まで行えるようになるのではないかと考えています。サイト訪問がゼロにならなくとも、徐々に減っていくかもしれませんね。
PINTO!編集部:なるほど。今は大丈夫だから今後も安心だとは言い切れないということですね。
※1 参考:AI 経由のトラフィックは全体のわずか 0.1% 。クリック数以外にも見逃せない AI の価値とは?
※2 参考:AI Overviews in Search are coming to more places around the world
PINTO!編集部:流入減少はWeb担当者にとって避けたいものですが、完全に防ぐことはできるのでしょうか?
松本:流入数の減少そのものを完全に防ぐことは難しいと思います。
Knowクエリで求められているような言葉の意味や、どのサイトが答えても同じになる内容を知りたいユーザーは、AIの回答で満足してしまうため、わざわざサイトを訪問してくれません。そういったユーザーを無理やりサイトに引き込もうとするのは本質的ではありませんし、そもそも流入減そのものを過度に恐れる必要もありません。
PLAN-Bでは以前と比べて流入は減ってしまいましたが、問い合わせは増えているんですよ。PLAN-Bだけでなく、問い合わせが増えた例はよく聞きますね。
PINTO!編集部:流入が減っているのに問い合わせは増えているというのは、具体的にどのような変化が起きているのでしょうか?
松本:これはあくまでPLAN-Bの事例や確認できている範囲での話ですが、ユーザーはAIと事前に壁打ちをしてからサイトに来ているのではないかと思っています。
例えば「SEOをやるべきか?」「どの支援会社がおすすめか?」といった疑問を、まずChatGPTやGeminiなどのAIにきいた上で何度かやり取りを行い、「SEOならPLAN-Bが良さそうだ」とある程度当たりをつけてからサイトに流入してきているのではないかと考えています。

PINTO!編集部:なるほど。なんとなく検索して辿り着いたのではなく、AIにある程度必要な情報を教えてもらった状態で来ているということですね。
松本:そうです。最近では営業からも、一般的なSEOツールの機能について最初から共通認識が取れている状態で商談を始められるケースが増えているとききます。
「SEARCH WRITEは戦略設計にも強みがあるんですよね?」といったように、お客様側でサービス情報を調べてきてくださることもあるようです。
PINTO!編集部:ツールの「使い方」の説明からではなく、お客様の「事業をどう伸ばすか」というご提案から始められるわけですね。AIによって、お客様も自分にあったサービスを選びやすくなっているんですかね?
松本:そういった面は確実にあると思います。
お客様がAIと対話する中で、ご自身の困りごとや必要な条件が整理されているため、以前よりもサービスの詳細を知ったうえで問い合わせてくださる方が増えているという感覚はありますね。
PINTO!編集部:サイトに訪問する理由として、AIが嘘をついていないかチェックしたいからといったものもあるんですね。
もしAIが「このサービスがおすすめです」と特徴や料金まで綺麗にまとめてくれたら、ユーザーがサイト訪問する目的はサービスの申し込みだけになってしまう気もしますが、どうでしょうか?
松本:将来的にはそうなるかもしれませんね。現時点ではサイトを訪問するユーザーは、真偽の確認に加えて、スペックなどの詳細の確認をしたいという目的を持っていると思っています。
私自身の話ですが、旅行先でレンタカーを借りようと思った時、まずはAIに安くておすすめのレンタカーを聞くことがあります。大まかなプランや金額はAIが出してくれますが、予約する直前になると、やっぱり公式サイトを見に行きたくなるんですよね。
PINTO!編集部:それはなぜですか?
松本:AIの情報が本当に最新のものかわからないですし、細部までは信用しきれないからです。
「本当にこの日程の場合、この金額なのか?」「Bluetoothはついているのか?」「希望する車種にETCカードは挿入できるのか?」といった細かい条件やスペックは、AI任せにせず自分で確認したくなりますね。
PINTO!編集部:たしかに…。「大まかな情報収集はAIでいいけど、旅行当日にトラブルが起こらないよう、詳細確認は公式サイトでしたい」という気持ちはわかります。
松本:そうなんです。AIは大まかな内容を提案するのは得意ですが、間違っていても責任は取ってくれません。間違いを確認したい時や詳細情報を確認したい時に、ユーザーはわざわざサイトを訪れるのだと思います。
こうした生成AI時代の検索行動を、PLAN-Bでは「PRCA(プルカ)」というモデルで定義しています。

ユーザーはAIに質問をした後(Prompt)、その情報が正しいかをWebサイトで検証し(Review)、さらに比較検討を行ってから(Compare)、最終的な行動に移ります(Act)。
先ほどのレンタカーの話でも、まさにこの検証(Review)や行動(Act)のためにサイトを訪れていますね。
これからのWebサイトでは、AIが答えられないけれどユーザーが確認したいと感じている、詳細なサービス説明や最新の正確な情報をサイトに掲載しておくことが、これまで以上に重要になってくる気がしますね。
PINTO!編集部:AIに参照されるための裏技はあるんでしょうか?
松本:結論から言うと、これをやればAIに参照されるというような裏技は、現段階ではないと感じています。もしあったとしても、GoogleやAIプラットフォーム側がすぐに対策するでしょうし、本質的ではありません。
PINTO!編集部:なるほど。では、AIはどのような基準で参照するWebページを選んでいるのでしょうか?
松本:基本的には、Web上で信頼されている情報かどうかをみて選んでいるはずです。Google検索セントラルでも、以下のように言及されています。
Google 検索全般と同様に、AI 機能にも基本的な SEO ベスト プラクティスを適用できます。具体的には、Google 検索の技術要件を満たすこと、検索ポリシーを遵守すること、信頼性の高い有用なユーザー第一のコンテンツを作成することなどの主なベスト プラクティスを重視します。
引用:AI 機能とウェブサイト
これまでのSEOでも権威性や信頼性は重要視されてきましたが、AI時代になってもその本質は変わりません。むしろAIはWeb上の膨大なテキストデータを学習しているので、多くのサイトで言及されているか、執筆者や監修者が専門家として認知されているかを、より厳しくみている可能性があります。
PINTO!編集部:AIにとっての信頼とは具体的に何なのでしょうか?また、一次情報が大事だとよく言われますが、そもそも一次情報とは何を指していて、なぜそこまで重要視されるのですか?
松本:良い質問ですね。
一次情報とは、自社独自の調査データや実体験に基づく発見など、まだ世の中に出ていないオリジナルの情報のことです。
なぜ一次情報が重要かというと、AIはユーザーに回答する際、最も正確で信頼できるソースを提示しようとするからです。その際、誰かの情報をただまとめただけの二次情報よりも、情報の発生源である一次情報の方が最も正確で信頼できるソースとして評価されやすい傾向があります。
Web上の二次情報は伝言ゲームのようなもので、情報が転載・要約される過程でニュアンスが変わってしまったり前提条件が削ぎ落とされたりして、正確性が失われるリスクがあります。
Googleの公式ガイドラインでも単なるコピーや書き換えでなく、独自のレポートや分析を提供しているかという観点が評価基準として明記されています。受け売りの情報よりも、一次情報を参照したほうが回答の質を担保できるため、一次情報が優遇されているのだと考えられます。
PINTO!編集部:なるほど。また聞きの情報をもとに回答すると、嘘の情報を発信してしまうリスクがあるということですね。孫引きではなく原典を確認するのが、論文を書くときに最も確実な情報を得られるのと同じ理屈だなと感じました。
松本:その通りですね。
しかし一次情報を持っていればそれで良いかというと、そうではありません。それが真実かどうかをAIは判断できないからです。極端な話、発信する側は嘘のデータを「独自調査です」と言って出すこともできてしまいます。
そこで重要になるのが、最初の質問にあった信頼です。AIにとっての信頼とは、第三者からの引用・参照のことを指します。

例えば、弊社でAI検索の流入データに関する独自調査を出したとします。
単にデータを掲載しただけでは不十分で、そのデータが他の多くのサイトやSNSで言及されることが重要です。「みんながこのデータを参考にしている=このデータは信頼されている」とAIが判断することができるからです。
PINTO!編集部:なるほど。オリジナルな情報を持っていることと、それが周りに認められることの2つが、AIからの信頼につながるんですね。
PINTO!編集部:AI対策ときくと、新しいことを始めなければならないのではないかと考えてしまうのですが、SEOの優先順位は下がっていますか?
松本:いえ、SEOは依然として重要ですし、AI対策においてはマストになると考えています。
PINTO!編集部:マストですか?
松本:はい。Google公式ドキュメントでも記載がありますが、AIが回答を生成するために情報を集める際、検索エンジンのデータベースを参照しているケースが多々あります。つまり検索順位がある程度ついていないと、そもそもAIに見つけてすらもらえない可能性が高いんです。
we designed AI Overviews to only show information that is supported by high-quality results from the web,
【日本語訳】
AI Overviewsは、高品質なWeb上の情報に裏付けられた内容のみを表示するよう設計されています。
もしSEOを全くやっていない状態なら、まずはSEOに取り組みましょう。SEOが土台にあって、その上にAI対策が乗っかってくるイメージですね。
PINTO!編集部:AIに言及・参照されるにはSEO対策が欠かせないんですね。
PINTO!編集部:従来のSEOで検索順位1位を取るための対策と、AIに参照されるための対策に、違いはあるのでしょうか?
松本:やるべきことの本質は大きく変わりませんが、サイト全体の専門性の重要度が、これまで以上に高まっていると考えられます。
もちろん従来のSEOでもサイト全体の専門性は重要でしたが、特定のキーワードに合わせて1記事を磨き込むだけでも、上位表示できるケースはありました。しかし、AIにこの分野の信頼できる情報源だと認識してもらうためには、特定のキーワードだけでなく、関連する幅広いキーワードで上位に入っているという面の強さが、より重要になりそうです。
PINTO!編集部:なぜ面の強さが重要になりそうなのでしょうか?
松本:AIが「このサイトの情報は信頼できる」と判断するためには、特定のキーワードで1位を取っているという事実だけでは不十分だからです。
例えば、「テニスラケット」というキーワードで1位を取っている記事があったとします。でも、そのサイトが普段扱っている情報が芸能ニュースやグルメ情報ばかりだとしたら、AIは「このサイトのテニスラケットの記事が、検索エンジンからたまたま評価されただけかもしれない」と疑ってしまうかもしれません。
一方でテニスラケットだけでなく、「テニスシューズ」「ガットの張り方」「サーブの打ち方」など、関連するあらゆるキーワードでサイトが上位に表示されていたらどうでしょうか?
編集部:「あ、このサイトはテニスに関する情報を網羅的に発信しているんだな」とわかりますね。
松本:そうですよね。
これまでは、特定のキーワードで1位さえ取れれば、そこから流入や問い合わせの獲得を期待できました。しかし、AI Overviewsが検索結果の最上部に表示される今、AIに専門性と信頼性が高いと認識されなければ、ユーザーの目に留まる機会が減り、流入や問い合わせは獲得しづらくなってしまうんです。
PINTO!編集部:これが点ではなく面で勝負するということなんですね。
松本:そうです。AIに、サイト全体が「このジャンルのことを網羅的に発信している」と認識され、Googleから専門性の高いサイトとして評価されていることが大事です。
何でも売っている総合スーパーのようなサイトよりも、特定のジャンルについて何でも分かる専門店のようなサイトの方が、AIはその分野の回答をする際に参照したくなるはずです。
PINTO!編集部:面を取って専門性を高める。それが結果としてAIからの信頼につながるわけですね。
PINTO!編集部:AIに選ばれるサイトにするために、Webページはどうあるべきでしょうか?
松本:まずはAIが回答を作成するために必要な具体的なファクトが、網羅されている状態にする必要があります。
AIが答えを作る際Web上の情報を参照するわけですが、そもそも参照元のサイトにユーザーが求めている情報が載っていないと、AIも答えようがないんです。
PINTO!編集部:当たり前のようですが、盲点かもしれません。
松本:例えば、ある見込み顧客がBtoBのツール選定で「月額10万円以内で、API連携ができるSEOツールはある?」とAIに聞いたとします。もし自社サイトに月額料金やAPI連携の可否が明記されていなければ、AIはそのツールを候補として挙げることができません。
PINTO!編集部:「お問い合わせください」と公式サイトに記載するなどして価格を隠していると、AIの候補から漏れてしまうリスクがあるんですね。
松本:そのリスクはあると思います。ユーザーもAIも、判断材料となるスペックや価格、条件、機能の有無といった具体的なファクトを探しています。
AIが概要を提示し、サイトが詳細を補完するという役割分担が進む中で、サイト側にサービスの詳細な情報が欠けていると、せっかくの機会を逃してしまうことになります。
PINTO!編集部:これまでは、まずサービス資料やホワイトペーパーのダウンロードを通じて、見込み客の情報を取得するのが一般的でした。流入してくるユーザーの質が変わってきているなら、サイト内のCTAも変えるべきでしょうか?
松本:一概にサイト内のすべてのページでCTAを変えるべきだとは言えませんが、どんな文脈で流入してきたかによって、出すオファーは変えるべきだと言えます。検討が進んだ状態で流入してくるユーザーに向けたページには、より直接的なオファーの方がマッチする可能性はありますね。
PINTO!編集部:資料ダウンロードではなく、無料相談やデモ依頼といったCTAを表示することですか?
松本:そうですね。AIとの対話を踏まえて「このツールは自分に合っていそうだ」と感じているユーザーに対して、「SEOとは?」といった入門資料をオファーしても、少し手戻り感がありますよね。
「具体的なデモ画面を見ませんか?」とか「貴社の課題に合うか無料診断します」といった、熱量の高いユーザーがコンバージョンしやすい導線があれば、サイト全体の流入数が減ったとしても、商談アポや受注へのインパクトが以前よりも大きくなるかもしれません。
PINTO!編集部:なるほど。熱いリードを受け入れる導線があるかを見直すべきなんですね。
PINTO!編集部:自社が競合と比べて、AIにどう評価されているかを知るのは難しいと感じてしまいますが、この点はいかがでしょうか?
松本:難しいですね。自分でChatGPTに聞いてみるのも一つの手ですが、それだけでは自社がどう見えているかの断片しかわかりません。
競合と比較して、どのキーワードで負けているのか、どの情報が足りていないのかを把握するには、Ahrefsのような専門ツールを使って分析したり、第三者の視点で評価したりする必要があります。
PINTO!編集部:自分たちだけで客観的に分析するのは限界がありそうですね。
松本:そうなんです。自社・競合共に流入が減っているのかや、自社だけがAIの候補から外れてしまっているのかなどの見極めを誤ると、適切な施策を打つことができなくなってしまいます。だからこそ我々のような外部のパートナーが、戦略設計から入る意味があるのだと思っています。
PINTO!編集部:自社でできる範囲で診断を始めてみて、AIに自社ブランドが全く言及されていないと分かった場合、何から対策を始めるべきですか?
松本:まず今、SEO対策をどのくらいできているかによります。
SEO対策を全くやっていない場合、メディアを始めてコンテンツを作り、AIが言及する土台を作ることが重要です。その中で自社サイト内にファクトの記載があるか、情報が最新になっているかは欠かさずにチェックする必要があります。
以前と比べて、AIを活用することで記事を効率的に作成できるようになりましたし、SEOのノウハウもWeb上に多くあるため、SEO対策は始めやすいと思います。
PINTO!編集部:たしかに、以前と比べるとSEOを始めやすい環境になりましたね。
PINTO!編集部:すでにSEO対策に取り組んでいる場合は、どんな対策ができそうですか?
松本:その場合はSEOを極めるか、戦略PRに力を入れるのがよいでしょう。

SEOを極めるのであれば、先ほどお話しした関連キーワード群で広く上位を目指す面の施策に加えて、検索上位の比較記事に掲載されている情報を更新する施策も重要です。
検索上位の比較記事とは、「SEOツール おすすめ」などのキーワードで検索した時に、上位に出てくる比較記事やランキングサイトを指します。比較記事に掲載されている自社情報が、古い情報のままであるケースが意外と多いんです。
PINTO!編集部:比較記事に掲載されている情報が古いとAIも古い情報を学習してしまって、ユーザーに正確な情報を伝えられなくなるということですね?
松本:その通りです。もし新しい機能がすでに追加されているのに、比較サイトには「〇〇の機能なし」と書かれていれば、AIは「このツールには〇〇の機能がありません」と回答してしまうかもしれません。
これは非常にもったいないので、該当するページのサイト運営者に連絡をして、「情報を最新のものに書き換えてください」と依頼して回るといった地道な活動も大切です。
PINTO!編集部:サービス改善をどれだけ頑張っても、それが見込み顧客に伝わらなければもったいないですね…。
松本:もう一つの戦略PRとは、自社サイトの中だけでなく、Web全体における情報の存在感を高める施策です。
AIは自社サイトだけでなく、他社のニュースメディアやSNSで、このサービスはどう言及されているか、どんな文脈で語られているかも学習しています。そのため検索結果以外の場所も含めて、自社の強みやポジションが正しく語られるような広報的な動きが、これまで以上に重要になります。
PINTO!編集部:なるほど。Web全体で自分たちが何者であるかを正しく伝えていく必要があるんですね。
PINTO!編集部:自社の既存記事も最新情報に書き換えていく必要がありそうですが、AIに参照されるようリライトする際に他に気をつけるべきことはありますか?
松本:多くの方がE-E-A-Tを意識する、構造化データを実装する、結論を冒頭に書くといった書き方から考えてしまいがちですが、まずは目的に合ったキーワードを選定することが重要です。
先ほど伝えたとおりではありますが、「〇〇とは」のようなKnowクエリは、AIとの対話で完結しやすいです。また、参照されたとしても売上に直結しにくい傾向があります。
リソースは有限ですから、そもそも、そのキーワードの記事でAIに選ばれる必要があるのかという費用対効果の判断から始めるべきです。
PINTO!編集部:たしかに、売上につながらない記事を一生懸命リライトしても仕方ないですね。
PINTO!編集部:狙うべきキーワードを決めた後は、どうリライトすればいいでしょうか?
松本:本質的には、GoogleやAIなどのプラットフォームのエコシステムに貢献するという意識を持つことが大切です。
AIは常に、より良い回答をユーザーに返したいと考えています。そのためには、リライトの際にWeb上に落ちている情報をただなぞるのではなく、AIが答えられる範囲を広げる、あるいは情報の根拠を増やすことがAIに喜ばれるはずです。

PINTO!編集部:AIを助けてあげるという感覚に近いですね。
松本:そうです。ここで重要になるのが自社データや専門家の見解です。
AIが何かを主張したい時、主張を補強するための根拠が必要ですよね。独自のデータや専門家の鋭い考察がサイトにあれば、AIはそれを信頼できる参照元として利用したくなります。
つまりAIにとって都合がよく、使い勝手の良いエビデンスを提供できているかどうかが、リライトの鍵になると思います。
PINTO!編集部:リライトする上では欠かせない大切な観点ですね!
PINTO!編集部:これまでは検索ボリュームが多いキーワードを狙った記事作成やリライトが勝ち筋の一つでしたが、AI時代ではボリュームは少なくてもCVに近いキーワードであるかという観点の方が重要でしょうか?
松本:BtoB領域であれば、ボリュームは少なくてもCVに近いキーワードが大事であるというのは、AI登場以前から変わらない鉄則ですので、今後も重要ですね。
これまでは、検索ボリュームの多いキーワードで大量の流入を獲得し、ホワイトペーパーがダウンロードされた際にリード化して、インサイドセールスがリードを育てるという一つの勝ちパターンが成立していました。しかし、これからは、とりあえずサイトに来るユーザーが減るため、このモデルは成立しづらくなっていくと思います。
PINTO!編集部:広く網を張って、そこからリードを育成していくモデルが通用しづらくなってしまうんですね。
松本:そうです。たとえ検索ボリュームが少なくても、コンバージョンに直結する、あるいはコンバージョンの手前にあるキーワードを確実に押さえておくことの重要度が、これまで以上に高まると考えています。
PINTO!編集部:では検索ボリュームは、もう気にしなくて良いのでしょうか?
松本:いえ、決して無意味になるわけではありません。
検索ボリュームは、そのトピックについて市場でどれくらいのニーズが発生しているかを知るための指標です。そのため、今後も変わらず見るべき数字だと思います。
PINTO!編集部:AIの登場でSEOはもう終わりなんじゃないかと不安になっていましたが、お話を聞いて、むしろ温度感の高いお客様に出会えるチャンスだと捉えられるようになりました。
松本:そうですね。過渡期には不安がつきものですが、本質は変わりません。AIはあくまでツールであり、その先にいるのはいつも信頼できる情報を求めているユーザーです。
小手先のテクニックでAIをハックしようとするのではなく、Web上に正しい情報を置く、そして検討が進んだユーザーを逃さない導線を用意することの2つを愚直にやり切れる企業が、これからの時代も成果を出し続けると思います。
PINTO!編集部:なるほど。Web担当者がやるべきことは、まだまだたくさんありそうですね。本日はありがとうございました!
■記事内容まとめ
一方で、AIで事前に情報収集した検討度の高いユーザーが増え、流入が減っても問い合わせが増えるケースが増えている
AIに引用されるための裏技はないため、一次情報の発信や第三者からの言及など信頼性の積み重ねが重要である
SEOは依然としてAI対策の土台であり、点ではなく面で専門性を高めることが今後さらに求められる