【導入事例】株式会社集英社|株式会社集英社アーツ&デジタル|SEOへの挑戦のバックストーリー

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今回の事例では、「non-no」や「MAQUIA」、「週刊プレイボーイ」など誰もが知る有名雑誌を多数発刊している「株式会社集英社」、コンテンツをデジタルの力で最大化最適化して顧客の課題解決を目指す「株式会社集英社アーツ&デジタル」の2社とのお取り組みを紹介します。

本や雑誌、漫画などの「リアルの紙媒体」のイメージが強い株式会社集英社ですが、これまでのリアルの領域で培ってきたブランドを活かして雑誌WebサイトやECサイトの運用といったデジタル領域にも、株式会社集英社アーツ&デジタルと共同で積極的に挑戦されています。その中にはSEOへの取り組みも含まれており、PLAN-Bは2022年からSEOコンサルティングという形でSEO施策のサポートをさせていただいています。

本稿ではこれまでの事例記事とは少し趣旨を変えて、株式会社集英社という歴史ある出版社がどういった思いからSEOに取り組むようになり、そして今も挑戦を続けているのかを紹介したいと思います。コンテンツ制作のプロ中のプロである株式会社集英社に対してPLAN-BはどのようなSEOの提案を行い、どのような成果を出したのか。株式会社集英社からはデジタルソリューション部のマーケティング室に所属する赤津様、株式会社集英社アーツ&デジタルのデジタルマーケティング部 SEO・SNSチームに所属する安藤様に、これまでの取り組みやPLAN-Bのコンサルタントへの率直な感想を伺いました。

今回の取材にご協力いただいた方々

赤津様(株式会社集英社 デジタルソリューション部 マーケティング室)
安藤様(株式会社集英社アーツ&デジタル デジタルマーケティング部 SEO・SNSチーム)
馬谷(株式会社PLAN-B)
石橋(株式会社PLAN-B)

「紙」の集英社の「SEO」への取り組みとは

株式会社集英社 デジタルソリューション部 マーケティング室 赤津誠太 様

ーー初めに、集英社様のデジタル領域への取り組みについてお聞かせください。

赤津様:まずデジタル領域に取り組んでいる背景ですが、基本的な考え方としては当社がこれまで紙の領域で培ってきたブランドを活かしてデジタル領域でもマネタイズする、ということが念頭にあります。その主題はWebサイトであったり、ECサイトであったり、SNSであったりと様々ですが、私は今は主にファッション誌周りのデジタルの取り組みの支援を担当しています。

安藤様:集英社アーツ&デジタルの役割としては、集英社のWebサイト、主に取材誌、ECサイトのデジタル全般の支援を行なっています。SEOやSNSの支援はもちろん、編集部のWeb担当として業務をしたり、CMSの開発・保守運用やデータレポート作成と報告を行うなど、多角的に各雑誌のWebサイトに関わる業務のサポートを行なっております。

ーー雑誌におけるWebサイトはどういった位置付けで運用されているのでしょうか?

赤津様大きく二つあると思っていて、分かりやすくキーワードで挙げると「ブランディング」と「マネタイズ」です。例えば、「non-no」は大学生をターゲットに50年以上も続いている雑誌ですが、大学生を50年間やっている人は1人もいないじゃないですか。時代に合わせて情報収集の方法も変化していて、同じ「大学生」でも行動の内容は変わっているはずです。そこに対して雑誌のブランドを維持するためには、Webサイトの運用は確実に必要になってくると思っています。

基本的に、こうしたWebサイトは各雑誌のこれまで築き上げてきた歴史の延長線上にありますので、その歴史をうまく繋いでいけるような形で運用しています。さらにお客様にWebサイトに広告を出稿していただいたり、Webサイトから本が売れたりもするようになり、新しいマネタイズ方法としても機能しています。

ーー当初、SEOに対しての抵抗感はありましたか?

赤津様最初は抵抗感がありました。「SEOを駆使すれば面白くない記事でも読ませることができる」といったイメージがあったので。実際、被リンクを沢山つけたりキーワードを不必要に盛り込んだりして上位表示を獲得する、所謂SEOハックみたいなことが主流だった時もありましたしね。実際「面白いコンテンツを作ること」と「SEOに最適化されたコンテンツを作ること」が全く別だと社内で認識してしまっている人もいて。でも実際問題、そこって一緒じゃないですか。SEOだって、Googleが言っているのは「ユーザーの役に立つコンテンツを適切な形で出してね」という話で。雑誌もそこは全く一緒です。その辺はSEOに取り組めば取り組むほど分かってくるところなので、実際にやるようになってからコンテンツ作成とSEOのハレーションみたいなところは徐々に薄れてきていています。最近はむしろSEOという武器を使って、より多くの人に面白い記事を読んでもらおう、という意識に変わってきているのかなと思います。

ーー雑誌のWebサイトでSEOを実施するにあたって難しかった点はどこでしょうか?

安藤様:SEO施策=作成した記事を大きく変更しなくてはいけないのか? と声が上がり、「作り上げた記事や雑誌の世界観を再構築しなくてはいけない」という認識をされてしまった点ですね。なので、まずは「集英社におけるSEO最適化とは?」ということを知ってもらう為に、色々と啓蒙をするところから始まりました。いきなり「タイトルをこういう風に変更してください」や「取材相手のプロフィールが無いので記事に入れてください」といった話をする前に、そもそもSEOはどういうもので、実施することでこういった成果が出る、みたいなところの説明を意識しました。ただ、そうした意識改革を0から行なうのはとても大変で、外部のコンサルティングサービスを導入しようと思ったきっかけの1つでもあります。

PLAN-Bを選んだ理由は「心が動く提案だったから」

ーー外部のSEOコンサルティング会社の力を借りようと思われた経緯は、前述のSEOに対しての意識改革のためでしょうか?

赤津様:それ以外にもあります。SEOって正解がありそうで無いじゃないですか。例えばSEOを意識して「毛穴 20代」というキーワードで記事を書くとなった時、最初はみんな「どうやって書けばいいの?」となって、我々に聞いてくる訳です。でも、それに対して我々が色々調べて指示を出して記事を書いてもらったとしても成果につながらない、ということはSEOでは往々にしてあることじゃないですか。反対に意図せず上位表示される場合もあって。SEOはそういった「確実な正解」がない中で、自分たちで「仮説としての正解」を決めて取り組んでいく必要があるじゃないですか。でも、それをできる人材が社内にいなかったので、こうなるともう、SEOのプロとして何十社、何百社と取り組みしてきたコンサルティング会社に依頼して、そこにSEOのE-A-T(※)を保証してもらって進めるしか無いなと。

※ E-A-T:Googleの検索品質評価ガイドラインにおいて「ページ品質評価の最重要項目」と定義されており、近年SEO対策をするにあたって最も重要視するべき評価基準。E-Expertise(専門性)、A-Authoritativeness(権威性)、T-Trust(信頼性)を指す。2022年12月から新たにE-Experience(経験)が追加され、E-E-A-Tとなった。

ーーPLAN-Bはどのようにして見つけられたのですか?

安藤様:前提として、もともとPLAN-BのことはSEOコンサルティングに強い会社、として頭の隅にありました。ただもちろん、他にもSEOで有名な会社にもいくつか声をかけていました。しかし、提案の内容が今の集英社の課題にはハマらなかったのです。その時、ふとPLAN-Bさんが浮かんだんです。もともと知っていましたし、普段の業務において、SEO関連の語句を検索したときにPINTO!(PLAN-Bが運用しているオウンドメディア)が検索上位に出てきていたので。これだけ上位表示の実績がある会社さんだったら、多少、提案が画一的だったとしても実績を元にしたコンサルティングが期待できそうだなと思いましたし、実績を説明する事で、社内での信用も得やすいと思いました。

ーーコンペの結果、PLAN-Bを選んでいただいた理由は何でしょうか?

安藤様こちらの内情や体制を理解しようと努力してくれた上での提案をしてくださったからですね。どうせこうでしょう? みたいな投げやりな提案が1つもなくて、ヒアリングの数も多く質も高かったです。でも初回提案の当日、PLAN-Bの営業担当の方が遅刻をされてしまい、その時は「どうしよう……」と思いました。急遽、私の判断でコンペに参加してもらった、という経緯があったのでドキドキでした(笑)。

ーーその節はご心配をおかけして大変申し訳ありませんでした……!

安藤様でも結局、一番心が動いた提案をしてくれたのはPLAN-Bさんでした。 個人的に、意思決定の決め手は担当者の心が動くか動かないかだと思うんですよ。特に、SEOは正解が決まっているものではないからこそ、最後は総合的な提案の精度やお人柄でPLAN-B にお任せしたいと思いました。大阪からわざわざ来てくださり提案いただけたというエピソードもその一端を担ったかもしれません(笑)。

「自分たちの取り組みは間違っていなかった」と思えた

株式会社集英社アーツ&デジタル デジタルマーケティング部 SEO・SNSチーム 安藤英生 様

ーーそういった形でお取り組みがスタートしたと思いますが、これまでの取り組みの中でも印象に残ってるエピソードはありますか?

安藤様:まずは「MAQUIA」のWebサイトのSEOコンサルティングをお願いしたのですが、その時に馬谷さん、石橋さんから初めて提案を受けた時のことを今でも強く覚えています。お二人のSEOの提案内容が、我々がこれまでやってきた取り組みに寄り添った内容だったので。「今のやり方も良いですがこうすればもっと成果が出ます」や「これも追加でやることでより成果が出ます」といった内容です。自分たちのこれまでの方向性が間違っていなかったと、SEOのプロであるお二人が証明してくれたので。兼ねてから懸念点だったインデックスカバレッジの件も提案にあり、さらに課題であった大規模Webサイトの運用で必要なテクニカルSEOの提案も含まれていて、安心したのと同時に強く信頼できたことを今でも覚えています。

安藤様:より詳しく言うと、当初「MAQUIA」のWebサイトはクロール済み – インデックスの未登録のページが非常に多く、対象ディレクトリもバラバラで、どうしたもんか……という課題がありました。運用体制上、致し方がなかったのですが、そこに対して様々な提案をいただいた結果、大きく数値が改善がされました。

安藤様:あとは「MAQUIA」だけではなく、他の取材誌サイトに関する無理難題な相談もたくさんしてしまったのですが、快く答えてくださったのが個人的には嬉しかったですね。これはパートナーとして今後もお願いしたいと考慮する上で、心強いし、心地よいなと。惚れるかも、と(笑)。

石橋:シンプルに「困っていることを解決してあげたい」という気持ちの基、お答えさせていただきました(笑)。

編集部員から編集長、更には役員まで総勢110名以上が参加した「SEOレクチャー会」

ーーコンサルティングの他にも、大規模なSEOのレクチャー会を3社共同で実施されたと聞いております。どういった背景でこの「SEOレクチャー会」を開催されたのでしょうか?

赤津様社内におけるSEOに対しての見解を統一しておきたかったからです。PLAN-Bさんとお取り組みさせていただくようになってから、各Webサイトに関わるスタッフたちが徐々にSEOに興味を持ち始めていました。でも微妙にそれぞれのSEOに対する捉え方が違っていたのですよね。そこで一度足並みを揃えたいなと。我々も日常的に社内で簡単な勉強会を開催してはいたのですが、専門家でありSEOのパートナーである御社に出向いていただいて実施した方が、より効果的かなと思って依頼させていただきました。あとは「我々にはこんなに心強いSEOのパートナーがいるんだ」ということを知ってもらい、そんなパートナーからコンサルティングを受けている我々のことも信頼してほしい、というアピールの場にもしたかった、という狙いもあります。我々の日々の業務でのコミュニケーションをより円滑にするための1つのトリガーにしたかったのですよね。

安藤様:レクチャー会を開催したことによってSEOをより深く理解したいという社員は増えましたし、社内でのSEOに関するコミュニケーションも増えました。今でも「レクチャー会の資料を印刷して参考にしているよ!」と言われる事もあり、非常に評判が良いです。

馬谷:当日はオンラインで開催したのですが110名程の方々にご参加いただき、1社の勉強会で集まる人数として、僕の経験では最多で、集英社の皆さんのSEOへの関心の高さに驚きました。また、質疑応答の時間でもたくさんの質問が来て「SEOに対する真剣さ」をとても感じました。後々お伺いしたのですが、参加者様の中には経営層の方も何名かいらっしゃったそうで、実務の話が中心の勉強会に経営の方から現場の方まで幅広く積極的に参加されるご姿勢にあらためて驚きました。

赤津様:このレクチャー会を経て「SEOに対して前向きになれた」や反対に「SEOはちょっと難しい」など様々な意見を社内からいただきました。人間誰しも得手不得手があるもので、レクチャー会を通してスタッフごとのSEOに対する温度感をある程度把握できたのも非常に良かったと思っています。SEOに対して抵抗感のあるスタッフが多いチームには別の手法を提案するなど、細かい対応ができるようになりました。

PLAN-Bはパートナーとしての立ち位置が素敵

ーー弊社コンサルタントの馬谷、石橋と初めて会った時どのような印象を持たれましたか?

安藤様:今が良すぎて最初の印象はあまり覚えていないのですが、初回の提案を聞いて「コンサルタントの方のお人柄や提案が非常に素晴らしいな」と感じたのを覚えています。営業担当の方が言っていた通り、こちらの話を親身に聞いてくださるお二人だったという印象ですね。最初から今でも変わらず、石橋さんは細かい点に丁寧に対応してくださり、馬谷さんは的確なアドバイスをしてくださっています。

赤津様:初め、馬谷さんを見た時は、正直「怪しい人がきたな」と思いました(笑)。 石橋さんは「やたらイケメンだな」と。ただお話をしている中で、お二人の関係性の良さに、心地よさを感じ安心したのを今でもはっきりと覚えています。

安藤様:逆に僕たちのことはどう思いました?

馬谷:御社は雑誌や漫画、書籍など、日本に住んでれば大体の人が知っている会社じゃないですか。幼い頃から今でも読者としてお世話になっている企業様なので憧れもあり、最初は正直ちょっと緊張していました。でも実際にお会いしてみると、お二人ともすごく気さくに接していただけますし、こちらの意見も尊重していただけて。外注先の業者といった一線を引いた感じではなく、パートナーとして見ていただいている、ということが伝わってきました。(発注者側の)言うことを聞いてほしい、という感じではなく、パートナーとして頼っていただけているというか、近い距離感で話していただけて。気持ちがほぐれて話しやすいという印象を受けました。

石橋:私も最初は本当に緊張していましたね(笑)。勝手な出版社のイメージでイケイケな人たちがきたらどうしようかなと思っていました。ただ、どんな方が来ても自分ができる部分は100%の力でやっていこうっていうのは思いましたし、そういった行動を積み重ねて信頼を勝ち取ろう、と思っていました。今はある程度はそれが実現できているのかなと思っています。

赤津様:馬谷さんが仰られたパートナーの話なのですが、実際に我々は二人を良きパートナーだと思っています。お二人はとにかく我々と目線を合わせるのが上手なんですよ。定例会の時、僕たちが「質問してほしいな」と思ってるときにちゃんと質問してきてくれるし、ただうなずいて欲しいだけじゃなくて「いや違いますよ」と言ってほしいときにちゃんと言ってくれるんです。それってパートナーじゃないですか。どっちが発注者・受注者とか、どっちが上で下でとかじゃなくて。各雑誌のWebサイトのパフォーマンスをSEOで上げていくということに対して、持っているスキルセットや立場が違うだけで、やりたいことや目的は一緒。そういうPLAN-Bさんのパートナーとしての位置取りが素敵だなと思っています。

安藤様:契約更新の時も、社内でナチュラルに「馬谷・石橋ペアにお願いしよう」となりましたものね。

今後の目標

ーー最後に集英社様と集英社アーツ&デジタル様のSEOの展望をお聞かせください。

赤津様:現状、Webサイトに限らずデジタル上でのどのようなアクションが、ブランディングやマネタイズに対して影響力があるのか、その中でSEOをどのように役立てることができるのか、をまだまだ模索している段階です。なので、個人的には、各雑誌媒体がこれまでに築き上げたブランド力をデジタルと掛け合わせてどのようにブランディング強化〜マネタイズ拡大していくべきなのか、その道筋をブランド特性に合わせて見つけていきたいなと思っています

安藤様:やはり現場レベルでは競合他社と比較されることが多いので、そこは追いつけ追い越せでやっていきたいですね。そのための方法はいくつかあると思うのですが、その中の1つに間違いなくSEOは含まれていると思っています。なので少なくともSEOでは、何かしらの取り組みの結果で競合に勝るとも劣らない成果を出しました、ということを1つ達成したいなと思っています。

ーーそのためにPLAN-Bに期待することは何でしょうか?

安藤様:ざっくばらんに言うと、今よりもさらに引っ張ってほしいなという気持ちがあります。同じ会社のSEO担当の仲間の様な関係を期待したいですね。パートナーとしてより密接になると言いますか、例えるなら「熟年夫婦」のような。阿吽の呼吸と言いますか、お互いの良さや欠点、強み弱みを理解していて、痒い所に手が届く関係性になれれば理想だと思っております。例えば、今度こういうウェビナーあるので行ってみませんかとか、そろそろこういう施策考えておいた方がいいんじゃないですか、とか感じたことを素直にぶつけてほしいですね。

赤津様:やっぱり今は良くも悪くもSEOが目的になっていると思っています。SEOがゴールになっている関係性と言いますか。でも大事なのは「アクティブなユーザーを獲得できる」とか「競合優位性を作れる」とか、SEOのその先じゃないですか。要はSEOを手段とした上で一緒にビジネスを作っていくという、そのレベルのパートナーになって欲しいと思っています。これは今までそうではなかったことを否定している訳ではないです。何事も順序があると思うので、次は「このキーワードで数字取りたいのでどうやってやったらいいか教えてください」だけではなく、そもそも事業戦略的にどうやっていくかとか、ビジネスを一緒に考えるパートナーになっていただけたらいいなと思っています。

PLAN-BのSEOコンサルティングは、常に流入の先にある「事業貢献」を目指しています。当社SEOコンサルティングの最大の目的はSEOだけでなく、お客さまの成果に直結する様々なデジタルマーケティングを提案することにあります。単なるSEOのパートナーではなく、事業成長を共に目指すパートナーとなり、未来を創出する。そのようなSEOの運用を継続していきたいと思います。

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