コホート分析とは?現役マーケターがGoogleアナリティクスでの分析方法を解説!

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目次
    1. コホート分析とは?
      1. そもそも「コホート」とは?
      2. コホート分析の概要
    2. なぜ、コホート分析が重要なのか
      1. マーケティングにおいて重要な「リピート率」の改善に有効
      2. コホート分析の考え方
    3. Googleアナリティクスの「コホート分析」のレポート作成方法
      1. Googleアナリティクスを用いた「コホート分析」のレポートの見方
    4. コホート分析を行う際のポイント
    5. コホート分析の結果を活かす方法
      1. 離脱防止に取り組む
      2. キャンペーンなどの施策における効果を確かめる
      3. 新規顧客獲得数の分析に使う
    6. まとめ:コホート分析を使用してユーザーの行動を観測しよう!

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Googleアナリティクスのメニューで見かける「コホート分析」という項目。コホート分析とは、ユーザーを分類して行動を把握し、適切な改善施策に落とし込むために重要なアクションです。Googleアナリティクスのコホート機能は一見難しそうに感じますが、実は簡単に分析を行うことができます。 本稿では、マーケティングで重要な「コホート分析」の考え方や、Googleアナリティクスの中でも広く使われている「ユニバーサルアナリティクス(以下、UA)」におけるコホート分析の操作方法、レポート(分析結果)の見方を分かりやすく解説していきます。日々のマーケティング業務に役立てていただけたら幸いです。

以下の記事では、自社サイトを上位表示させるためのSEO対策について基礎から網羅的に解説しています。自社サイトの掲載順位が思うように上がらず悩んでいる方は、ぜひ目を通してみてください。

また、「いまいちGoogleアナリティクスを活用しきれていない…」という方のために、コホート分析以外のGoogleアナリティクスの活用法についても解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

コホート分析とは?

そもそも「コホート」とは?

日常生活ではあまり耳にしない「コホート(Cohort)」という単語ですが、起源を辿ると古代ローマの数百人からなる「歩兵隊の単位」を表す言葉だったようです。コホートを使って兵士の生存率を追跡し、どのような因子が生存率に最も寄与したかを考察して戦略に役立てたといわれています。

そんな「コホート」という単語ですが、現代のマーケティングにおいては共通したある特定の因子・性質を持った集団を指す言葉として使われています。例えば「団塊の世代」はコホートの例として有名で、高度経済成長期における日本の躍進を肌で感じて育った世代は、必然的に趣味嗜好や購買行動のパターンなどが他の世代とは異なると考えられます。ということで、「ゆとり世代」もコホートとして分類できますね。

コホート分析の概要

コホート分析とは、「団塊の世代」「ゆとり世代」のように特定の因子・性質に沿ってユーザーを分類し、Webサイト上でのユーザーの行動を把握することです。「ユーザーを絞り込む属性」や「条件」と言ってもよいでしょう。Webマーケティングにおいてユーザーを分類する因子の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • どのような媒体/広告を経由してWebサイトを訪れたのか(Google検索・メルマガ・Twitter・リスティング広告などの切り口)
  • 初めてWebサイトにアクセスした日時や時間帯(日付・曜日・時間帯などの切り口)

あるいは、より基本的な「年代」「性別」「エリア」「職業」といった因子でコホートを分けてもよいでしょう。分類したコホートごとの行動を把握する際には、関連する指標の変化を追うと効果的です。

「指標」は、例えばコラムを活用するWebサイトであれば「ページビュー数」や「ページ滞在時間」、ECサイトであれば「購買金額」や「コンバージョン率」など様々です。それらの指標をある程度まとまった期間(週単位・月単位等)で集計して推移を見ていくことで、ユーザーの行動の違いがコホートごとに浮き彫りになり、自社サイトが抱える課題や改善ポイントが把握できるようになります。

以下の記事で、SEO対策を行っているWebサイトが設定すべき目標(KPI)について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

なぜ、コホート分析が重要なのか

マーケティングにおいて重要な「リピート率」の改善に有効

コホート分析の詳細について述べる前に、前提となる「マーケティングにおいて大切な考え方」をご紹介します。

マーケティングは数字との戦いです。マーケティング担当者たちは「目標とする指標」を設定し、達成に向けて施策・効果検証を日々繰り返しています。「指標」と言っても、基本的なものだけでも「ページビュー数」「セッション数」「直帰率」「コンバージョン率」「顧客単価」など数えるときりがないのですが、Webサイトを成長させる際に最も重要な指標のひとつとして「ユーザーの定着率(リピート率)」が挙げられます。

もちろん、指標の重要度は、「ECサイト」や「コラム型のコンテンツを活用するサイト」などのWebサイトの形式や規模・成熟度によって異なるため、「最も重要な指標はユーザーの定着率だ」と言い切ることはできません。しかし、モノも情報も溢れている現代において、継続的に新規顧客と接点を作ることは簡単ではなく、Webサイトの売上を伸ばしていく上で新規顧客の獲得は当然求められます。

結果の大部分は少ない一部の要因によってもたらされる、という「パレートの法則(80:20の法則)」はビジネスの文脈でも頻繁に使用され、全体の80%の売り上げは20%の顧客が作るケースが多いとされています。この割合は「90:10」や「70:30」などビジネスの規模によって異なるのが実情ですが、「リピートする顧客を増やすこと」と「その顧客に今後もリピートしてもらうこと」が重要であることは変わりません。つまり、新規顧客がどれだけ既存顧客に転換しているかを可視化する「リピート率」を知ることは、顧客の行動と傾向を把握する上で大きな意味をもつわけです。リピート率を上げるための改善施策を打ち→効果検証を行い→PDCAサイクルを回すことが、Web担当者の重要なミッションということです。

しかし、リソース(時間・資金)が限られていると短期的なPVやCVなどの目標が優先され、中長期的なリピーター戦略は後回しになりがちです。つまり、限られたリソースの中でリピーターを増やすには、焦点を絞って戦略的に攻める必要があるということになります。またひとくちに「ユーザー」といっても様々な背景をもって行動しているため、できる限り各々のユーザーに最適化した施策を検討しなければなりません。

イメージとしては、医者が患者を診察する場合と似ているでしょうか。漠然と「体調が悪い」という情報だけでは「治療というアクション」に落とし込むことはできません。症状や性別・年代などの因子によって患者を分類し、身体を細かく診察して原因を特定することで、ようやく適切な治療薬を処方することができ問題解決につながるわけです。

Webマーケティングの場合、そこで活躍するのが「コホート分析」です。特定の因子でユーザーを分類することで、分類ごとにユーザーの動向を深く知ることができ、「どのようなユーザーに」「どのような施策を打つ必要があるのか」を考えるためのヒントを得ることができるのです。

コホート分析の考え方

では実際にコホート分析を進める際には、どのように考えればよいのでしょうか? 例として、「リピート率に着目してコホート分析を行う場合」の観点を紹介します。 

<リピート率に着目してコホート分析を行う場合の観点>

  1. Webサイト全体の平均と比較し、リピート率が低いのはどのような因子を持つユーザーか
  2. リピート率が低いユーザーと高いユーザーでは、どのような差異があるか
  3. リピート率は上昇傾向なのか、下降傾向なのか

最初のステップは「ユーザーを分類する因子の選択」です。「Webサイトへの初回アクセス日」や「参照元の媒体」など様々な因子でユーザーを分類し、分類ごとのリピート率の高低を把握しましょう。なお、この際に設定できる因子はコホート分析に使用するツールによって異なります。Googleアナリティクスの中でも「UA」のコホート分析機能の場合、2022年6月現在ではユーザーを分類する因子は「Webサイトへの初回アクセス日」のみとなっています。

ユーザーを分類し終えたら、次は細かくデータを見ていきましょう。例えば、上記に挙げた<リピート率に着目してコホート分析を行う場合の観点>に沿ってデータを確認した結果、以下のような状態が判明したとします。

<Webサイトへの初回アクセス日でコホートを分類した場合のデータの例>

  1. Webサイト全体の平均と比較し「平日に初回訪問したユーザー」のリピート率が低いと判明
  2. 平日に初回訪問したユーザーは、休日のユーザーと比較して夜間の訪問が多いことが判明
  3. リピート率は前年の同期間と比較して下降傾向と判明

上記の例であれば、「平日の夜間に訪問したユーザーに対して施策を打つ必要がありそうだ」ということが真っ先に分かります。そこから「では、平日の夜に自社サイトに訪問してくれるユーザーはどのような人が多いか」、「それらの人にWebサイトへ再訪してもらうためには、どのような施策を打つ必要があるか」と考えを進めることができます。このように、ユーザーを集団を分けて考えることによってユーザー像の解像度が上がり、適切な施策を考えやすくなるわけです。

Googleアナリティクスの「コホート分析」のレポート作成方法

コホート分析はエクセルなどの表計算ソフトで行うこともできますが、分析に必要なデータの準備に手間がかかったり表計算の知識が必要だったりと、中~上級者以上向きの方法といえます。本稿では、初心者でも簡単に行える、Googleアナリティクス「UA」を用いたコホート分析について解説します。さっそくコホート分析のレポートの作成方法から確認していきましょう。

STEP 01:UAの左メニューバーから、「ユーザー → コホート分析」と選択します。

STEP 02:次に「コホートの種類」を選択します。コホートの種類とは、本稿の冒頭で述べた「ユーザーを分類する因子」のことです。ベータ版という記載がある通り、まだ選択できるコホートの数は少なく、2022年6月現在では「集客の日付」のみ選択可能となっています。

ちなみに2022年3月16日(水)にGoogle公式から、これまで広く使われてきたGoogleアナリティクス「UA」のサポートを2023年7月1日(土)をもって順次終了するとの発表がありました。これにより将来的にUAの使用が廃止となることが確定したため、UAにコホートの種類が新規追加されることは考えづらいと言えます。つまり、UAでは「ユーザーがWebサイトに最初にアクセスした日付」でしかユーザーを分類できないということです。

STEP 03:続いて、隣の「コホートのサイズ」を選択します。これは、STEP 02で設定した「集客の日付」に関する項目で、どの程度の期間を単位とするかを意味します。ユーザーがWebサイトへアクセスしたタイミングを「日ごとに確認」するか「週ごとに確認」するか「月ごとに確認」するかを選択しましょう。

STEP 04:各コホートごとに確認したい指標を選択します。「ユーザー維持率」や「セッション数」など選択肢が多いため、目的に合致するものを探して選択しましょう。

STEP 05:最後に「期間」で現在からさかのぼってデータを確認する期間を設定します。コホートのサイズを「日別」「週別」「月別」のいずれを選択しているかにより、設定できる期間が変わります。

これでコホート分析のレポートが完成しました。次項では実際のレポートの見方を解説します。

Googleアナリティクスを用いた「コホート分析」のレポートの見方

※画像の表はサンプルの数値を入力しています

コホート分析のレポートの見方を解説していきます。 表の一番左の列がコホート(ユーザーの分類)を表しているのですが、この表の例ではコホートの種類を「集客の日付」に設定しているため、Webサイトに最初にアクセスした日ごとにユーザーを分類していることになります。

表の上から2行目は6月9日にWebサイトに訪問したユーザー数の推移を表しています。右方向に見ていくと、第0日、第1日、第2日……と進んでいきますが、これは「第0日(=6月9日)にWebサイトに訪問したユーザーを100%」として、後日Webサイトに再訪してくれたユーザーが何%に相当するかを表しています。例えば第1日の60%という数値は、6月9日に訪問したユーザーの60%が6月10日にWebサイトに再訪してくれたことを示しています。同様に第2日の40%という数値は、6月9日に訪問したユーザーの40%が6月11日Webサイトに再びアクセスしてくれた、ということです。

コホート分析を行う際のポイント

コホート分析は、特定のタイミングで1回行なって終わりではなく、定期的にユーザーの動向を把握し打つべき施策に落とし込んでいくことが重要です。モニタリングしている指標が、ある特定のタイミングで悪化する傾向が見られる場合、そのタイミングで施策を打つことで改善を図ることができます。

例として、リピート率を指標としているケースの例を見てみましょう。初訪問から第3日と第4日の間でリピート率が大きく下落する場合は、第4日に再訪を促すための施策(メールやスマホアプリ経由でお得な情報を配信するなど)を打つことで、改善につながる可能性があります。

あるいは、ミクロに見ているだけでは特定の傾向が見えてこない場合でも、分析対象期間を長く取りマクロに見ることでヒントが得られるケースもあります。例えば、期間を「過去30日」に設定してユーザーの行動を俯瞰してみると、平日訪問のユーザーの方が休日訪問のユーザーよりもリピート率が低いという傾向に気付くことができるかもしれません。この場合は、平日訪問のユーザーをターゲットにリピート率を高める施策を検討することとなります。

コホート分析の結果を活かす方法

コホート分析の結果を活かすためにはどのような方法をもちいると良いのでしょうか?ここでは、コホート分析の結果を活かす方法についてみていきます。

離脱防止に取り組む

コホート分析の結果を活用することで、企業やサービス提供者は離脱を予測し、効果的な対策を講じることができます。

コホート分析で正確な離脱率を検査するには、年代別やグループ別にユーザーを分類し、維持率や離脱状況を測定する方法が効果的です。例えば、特定の期間に登録したユーザーをコホートとして分け、各コホートの離脱率を比較することができます。これにより、ユーザーの行動や傾向の変化を把握し、離脱の要因を特定しやすくなります。

また、その結果をもとに離脱防止に取り組むためには、コホート分析の結果に基づいた戦略的なアプローチが必要です。具体的なアクションとしては、以下のようなものがあるため、対策を検討してみてください。

ユーザーエンゲージメントの向上を図る: コホート分析から得られた情報をもとに、属性のユーザーが興味を持ち続けるようなコンテンツやサービスの提供に取り組む。ユーザーがアクティブに参加しやすい機能や特典を導入することも有効。

パーソナライズされたアプローチ: コホート分析の結果、訪問から1週間でアクセス数が数が減少している情報を獲得できたなら、訪問から1週間が経つタイミングでメールを送付するなど、接点を持つことで離脱率を解消可能。

キャンペーンなどの施策における効果を確かめる

キャンペーン施策を打った時のフィードバックにもコホート分析が活用できます。例えば、実施前のユーザー数と実施後のユーザー数を確認し、どの程度の人数が残っているかを計測すれば、どのキャンペーンが効果的だったかを判断できます。このように、理論的・数値的には判断できない指標の確認にコホート分析を活用するのがおすすめです。

新規顧客獲得数の分析に使う

離脱によってどれだけの新規顧客が去ってしまうかを理解しておけば、新規顧客をどの程度獲得すべきかがわかります。たとえば、新規顧客を1000名獲得し、3か月後700名まで減っていれば、1月に1/10程度は離脱すると考えられます。

そのデータがでたら、それ以上のサービスを提供することでどれだけ顧客を維持できるか、また、どれほどサービスの質を下げても離脱にはつながらないかを分析によって把握できるようになるでしょう。一般的に「1:5の法則」があり、新規顧客の獲得コストが既存顧客を維持するためのコストの5倍かかるという考え方がありますが、コンテンツに対してどの程度コストをかけてもよいのかを判断する基準としてコホート分析が活用できるのです。

まとめ:コホート分析を使用してユーザーの行動を観測しよう!

最後までお読みいただきありがとうございました。本稿では、コホート分析の意味や重要性、Googleアナリティクスを用いた具体的な見方や操作方法をご紹介しました。Web担当者としてのマーケティング業務は数字と向き合いながら日々改善を繰り返す地道な仕事ですが、指標が目標数字に届いたときの喜びや達成感は非常に大きく、Webサイトの成長に貢献できるやりがいのあるポジションでもあります。コホート分析を活用して、短期的な目標を追いながらも効率的にリピーターを増やしていきましょう。

なお、話題となっているUAの廃止やGA4の概要については以下の記事で解説していますので、気になる方はぜひ読んでみてください。

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