【簡単解説】リスティング広告とは?

【簡単解説】リスティング広告とは?

本ページでは、主にWeb広告において必要な以下のポイントを順に解説していきます。

  • リスティング広告のできること/できないこと
  • どこに広告を出せるのか
  • どのような広告を表示できるのか
  • どのようなケースで活用すべきか

今回は細かい設定や運用に関する話はしませんが、最後まで読むことでリスティング広告の全体像がつかめる構成としています。

序章 リスティング広告とは

リスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPAN、Microsoft bingなどの検索エンジンの検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告のことです。

検索語句に反応して広告が表示されるため、「検索連動型広告」とも呼ばれています。

リスティング広告の見ため

💡リスティング広告と検索連動型広告
かつてリスティング広告は、「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」の総称として表されていました。最近では、リスティング広告=検索連動型広告(検索広告)という認識が定着してきてますので、本ページの中でもリスティング広告=検索連動型広告としています。

第1章 できること・得意なこと

まずは、リスティング広告のできること・得意なことを3つ紹介します。他のWeb広告と比較して、どんな強みがあるのかを把握しましょう。

リスティング広告の3つのできること・得意なこと

高い効率でCVを獲得できる

まず第一に、Web広告の中でも高い獲得効率を期待できます。

リスティング広告は検索語句に対して広告を配信するという特徴を持つため、検索語句を表すキーワードを設定して広告の配信先を決めます。検索語句はユーザーの疑問や悩みが具体化されたものであるため、つまりユーザーのニーズをターゲティングして広告を配信しているとも考えられます。

購入やお問い合わせをするために検索行動を起こした顕在層の検索語句(顕在キーワード)に対してリスティング広告を配信することで、CV(購入・問い合わせ)につながる可能性が高くなります。

リスティング広告が獲得(購入・お問い合わせ)につながりやすい理由

短期間で成果を出せる

リスティング広告はいわゆる顕在層向けの施策です。ディスプレイ広告や動画広告など、潜在層向けの施策に比べ、獲得につながるまでが早いため、広告の効果を実感しやすいのが特徴的です。

リスティング広告のCV獲得のイメージ図

低予算からでも成果を出せる

Web広告全般に言えることですが、一般的なマス広告などの予約型広告と比べ、運用型広告がメインのWeb広告は低予算から配信ができるというメリットがあります。

中でもリスティング広告の場合は画像や動画などの制作コストがかからず、効果を実感するまでが早いため、低予算からの運用に適しています。

また付随して、クリエイティブがテキストであるため、PDCAサイクルを細かく素早く回せる点もリスティング広告ならではの強みと言えるでしょう。

第2章 できないこと・苦手なこと

できることがある反面、リスティング広告にもできないこと・苦手なことがありますので、3つ紹介します。

リスティング広告の3つのできないこと・苦手なこと

認知拡大は苦手

リスティング広告は認知拡大の目的で配信することに長けた施策とは言い難いです。

検索結果画面でたくさん表示させることができれば、認知拡大の効果もあるのでは?と思うかもしれませんが、これはあくまでニーズが顕在化しているユーザーに対してのみの効果です。

潜在系のキーワードにリスティング広告を表示させることで潜在層や非認知層に対する認知拡大を狙うことも期待できますが、こういった効果を期待するのであれば、ディスプレイ広告や動画広告に軍配があがります。

獲得効率がいずれ頭打ちになる

リスティング広告は獲得効率の高い施策ではありますが、費用に比例してCVが増え続けるわけではありません。

月あたりの検索回数が有限であることからも、月あたりの顕在層には限りがあると言えます。仮に上限が100だとすると、いくら費用を増やしたところで獲得できるCV数が100を超えることはありません。獲得効率を高めたり獲得数を増やしたりするためには、「潜在層・準顕在層のニーズの顕在化を促す」「潜在層・準顕在層を獲得する」「ターゲットを拡大する」などの他の取り組みが必要になります。

リスティング広告だけだと成果が頭打ちになってしまう

つまり、長期的にはリスティング広告だけでなく、ディスプレイ広告やSNS広告などの別施策との併用を考えなくてはならないということです。

中・長期的な目線では認知系施策も必要

リスティング広告の役目はあくまで集客まで

リスティング広告のCVRが改善されない、成果に頭打ちが来たからと言ってリスティング広告はダメだと考えるのは早計です。

リスティング広告の役目はあくまで集客です、よりCVの可能性が高いお客様を呼び寄せることは可能ですが、その後実際にCVにつながるかどうかはランディングページ(LP)次第と言っても過言ではありません。

広告文とLP内の訴求が合っていないといけないという観点もありますが、なかなかCVにつながらないという場合はLPO(ランディングページ最適化)も視野に入れましょう。

>>ランディングページ最適化(LPO)について知りたい方はこちら

第3章 どこに広告を出せるのか

できること、できないことを知ったところで、リスティング広告が具体的にどのような場所に表示させられるのかを理解していきましょう。

リスティング広告の主な掲載位置は検索結果画面の上部と下部で、2ページ目以降にも広告枠が存在します。

ここではどの検索エンジンの、どこに出せるのかを紹介します。

広告媒体でもあるGoogle・Yahoo!・Microsoft

リスティング広告はGoogle広告、Yahoo!広告、Microsoft広告から配信することができます。

それぞれGoogle、Yahoo! JAPAN、Microsoft bingの検索結果画面が主な配信面となりますが、Google広告とYahoo!広告はそれぞれ提携サイトの検索結果画面にも広告が表示されることがあります。

広告媒体毎の大きな違いは、その検索エンジンにどのようなユーザーがどのくらいいるかと、主となる検索エンジン以外の提携サイトです。

また、それぞれの広告媒体毎に配信面(掲載位置)に若干の違いがありますので、次で比較していきましょう。

3つの検索エンジンと広告媒体の特長の比較表

検索結果画面の上部と下部

それぞれの検索エンジンにおいて、リスティング広告の掲載位置を解説します。

掲載箇所1:ページ上部

検索結果画面の上部には1位から4位までの広告が表示できます。より上位であるほど、表示される広告がリッチになる可能性が高まります。

検索結果画面のページ上部に表示されるリスティング広告

掲載箇所2:ページ下部

検索結果画面の下部にも2~5枠程度の広告枠が存在します。

特にYahoo!広告においては、1位と2位の広告が下部の広告枠にも表示されますので、上位表示の重要性が高くなります。

検索結果画面のページ下部に表示されるリスティング広告

掲載箇所3:2ページ以降の上部と下部

2ページ以降の画面上部と下部にも同様に広告枠が存在する仕様です。

第4章 どのような広告を出せるのか

リスティング広告では検索結果画面に広告を出しますので、基本的にテキスト広告を表示することができます。

掲載のフォーマットを確認していきましょう。

テキスト形式の広告

通常表示されるリスティング広告は以下の構成で作られます。

リスティング広告の掲載フォーマット

  • アイコン(任意)
  • サービス名/企業名/ドメイン(任意)
  • サイトURL(必須)
  • 見出し(必須)
  • 説明文(必須)

この基本フォーマットに加え、「広告アセット」と呼ばれる拡張機能があります。広告アセットには以下のような種類があります。横スクロールしてご確認ください。

リスティング広告の住所/電話番号アセットリスティング広告のコールアウトアセットリスティング広告のサイトリンクアセットリスティング広告の構造化スニペットアセットリスティング広告の価格アセットリスティング広告のアプリアセットリスティング広告のリードフォームアセット
通常の掲載フォーマットに加えて、住所、電話番号もしくは電話ボンタン(モバイル版)が表示されます通常の広告文とは別に最大10個まで利点をコールアウトとして表示することができます。

PC版では1つの広告に最大6個まで縦または横並びに表示されます。
モバイル版では1つの広告に最大8個まで表示され、カルーセル形式で表示されます。

PC版では最大2つのヘッダー、モバイル・タブレット版では最大1つのヘッダーから関連度の高いものが表示されます。

通常の広告文の下に広いスペースを使って商品名・価格・特徴を表示することができます。

通常の広告のすぐ下にモバイルまたはタブレットのアプリへのリンクを表示できます。通常の広告の下にフォームボタンが表示され、サイト内に遷移せずにフォーム送信までを完了することができます。

リスティング広告では掲載順位によってこの「広告アセット」が追加で表示されるため、広告の占める割合が大きく異なります。検索結果の上位であればあるほど多くの情報を表示できる可能性が高まる仕組みです。

広告アセットは掲載順位や広告の品質などで表示されるかが決まるため、必ずしも追加されるわけではないことに注意が必要です。

>>広告アセット(旧:広告表示オプション)について知りたい方はこちら

第5章 どのようなケースで活用すべきか

リスティング広告はどのようなケースで活用すべき手法なのでしょうか。商材/サービス、予算と目的の観点で解説していきます。

ターゲットがブラウザで検索行動をする

リスティング広告を配信するときの前提として、自社の商品のターゲットが検索ブラウザで検索行動を起こすのかの確認が必須です。最近では、検索の場がInstagramなどのSNSやYouTubeなどの動画配信サービスにも拡張されているという背景もあります。

そもそも検索をしない例だと、食品系や飲食系など日常的に買うような商品や仮に失敗しても後悔の少ないようなものが挙げられます。検索の場が変わってきているものの例として、特に20~30代向けのアパレル商品などは、検索の場がInstagramやYouTube、ZOZOTOWNなどのECサービスに変わってきています。

また、水漏れ、鍵のトラブルなどの緊急性が高い商材/サービスはニーズが顕在化したときにブラウザで検索する傾向があります。緊急性が高い商材/サービスは、比較・検討をする時間も短くなりやすく、成約率も高くなる傾向があるためリスティング広告との相性が良いです。

商材/サービスの顧客単価やLTV(顧客生涯価値)が高い

顧客単価の高い商材/サービス(不動産、車、旅行、PCなどは獲得単価(CPA)に対して利益率が高くなりやすいため、向いていると言えます。

また、顧客単価は低くても、一回の購入からリピート購入が見込める商材/サービス(健康・美容系、食品など)や、月額制の料金形態で長期的な契約を得ることでLTV(顧客生涯価値)が高まる商材/サービス(教育サービス、ジム・フィットネス、求人など)も相性が良いと言えるでしょう。

これらの商材はニーズが顕在化した際に、購入・問い合わせの前に比較検討を挟む傾向があり、検索行動を起こす可能性が高いため、向いているとも言えます。

逆に、日用品(洗剤、シャンプーなど)や文房具(ボールペンやノートなど)などの最寄品と呼ばれる商材は、仮に検索行動を起こす商材だったとしても利益率が低くなってしまう可能性があるため、あまり向いていないと言えます。

目的が購入・お問い合わせの獲得である

リスティング広告は購入やお問い合わせを獲得することを得意とした施策です。そのため、広告配信の目的が獲得数を増やすことである場合に適した施策であると言えます。

また、広告施策の基本的な考え方は顕在ファネルから整えていき、準顕在・潜在ファネルに拡大していくことです。多くの場合、顕在層の獲得を得意とするリスティング広告は最初に取り組む施策としても優先度が高くなります。(商材/サービスなどにより、SNS広告やショッピング広告などが優先されることがあります。)

Web広告の優先度は予算によって大きく変わってきます。低予算からの運用でも一定のCVを獲得することができるリスティング広告は、どの予算帯のお客様でも第一優先となりやすい施策です。

予算別の検討すべきWeb広告

まとめ

本ページではリスティング広告の全体像を解説してきました。以下に、本ページのポイントをまとめます。

リスティング広告のできること/できないこと
 ・獲得はできるが、広い認知はできない
 ・短期間で成果が出るが、長期的な獲得効率の維持は難しい
 ・あくまでリスティング広告の役割は集客まで

広告を出せる場所
 ・広告媒体は、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告の3種類
 ・配信面は、検索結果画面の上部と下部

表示できる広告の形式
 ・テキスト形式の広告
 ・基本フォーマットのほかに追加の「広告アセット」が表示されることもある

おすすめのケース
 ・ターゲットのニーズが顕在化した際にブラウザで検索をする
 ・商材/サービスの緊急性が高い
 ・商材/サービスの利益率が高くなりやすい
 ・目的が購入やお問い合わせの獲得である

上記項目について理解できていれば、リスティング広告についての全体像の理解は十分できています。

一方で、自身で運用力を付けたい場合や代理店との円滑なコミュニケーションのためには、もう一歩進んだWeb運用に関する基本理解と媒体理解が必要になりますのでさらなる学習を進めていきましょう。