SEOとは?SEO対策で上位表示する効果的な施策と事例
SEO対策
2024.11.01
ヒートマップはページに訪れたユーザーの行動を視覚的に見ることができ、ユーザー行動の分析に活用できます。ユーザー行動の分析はSEOやCROで重要な意味を持つため、ヒートマップツールはWebサイトを運用する上でぜひ取り入れたいところです。ヒートマップツールには有料版・無料版があり、無料版とはいっても、有料のものと比較しても(当然制約はありますが)見劣りせず、十分に導入を検討できるレベルです。
本稿ではそんな無料のヒートマップツールに焦点を絞り、導入の際の注意点からオススメの無料ヒートマップツールまでを紹介します。初めてヒートマップを導入しようと思っている方に最適な内容となっていますので、ぜひご覧ください。
一言で「ヒートマップ」と言っても、実はその種類は多岐にわたります。例えば、天気予報の降雨量やサーモグラフィー、タクシー需要予測サービスなどにもヒートマップの技術が取り入れられています。その中から本稿で取り上げているのは、LPやオウンドメディアの記事ページなどを改善するためのページ分析用に使うヒートマップです。
ページ分析用のヒートマップとは、ユーザーの様々な行動を色の濃淡をつけることで視覚化して、分かりやすく表現したものです。これにより「ページのどの部分がよく読まれているのか」「ユーザーはどの部分で離脱しているのか」等を知ることができます。これらはWebサイトの改善において非常に有益な情報であり、それが分かるヒートマップルーツがいかに重要なツールであるかがお分かりいただけるかと思います。
▲ヒートマップのイメージ図。赤色が最もユーザーに見られている箇所を表しており、反対に青色は最も見られていない箇所を表している。
ヒートマップには様々な種類があります。それぞれ分析できる内容が異なるため、目的ごとに使い分ける必要があります。ヒートマップは大きく以下の5種類に分けることができます。
種類 | 機能 | 得られる主な情報 |
アテンションヒートマップ | ページ内でのエリア別の ユーザーの滞在時間を視覚化 | ・ユーザーがどのエリアのコンテンツに注目しているか ・読み飛ばされているコンテンツがあるか |
クリックヒートマップ | ユーザーがクリックした箇所を視覚化 | ・クリック率が多い箇所 ・リンクが正しくユーザーに見つけられているか ・リンクと勘違いされているデザインがないか |
スクロールヒートマップ | ユーザーがページをどこまでスクロールしてどこまでページを見たのかを視覚化 | ・ユーザーがページから離脱している箇所 ・ページは下部まで見られているか |
マウスフローヒートマップ(PC専用) | ユーザーのマウスの動きを視覚化 | ・クリック以外でのページ内で注目されている要素 ・ユーザーの動向 |
タッチアクションヒートマップ(スマホ・タブレット専用) | タップやスワイプ、拡大・縮小の動きなどがどこで発生しているのかを視覚化 | ・ユーザーが興味を持っている要素 ・小さすぎて読みづらいテキスト、画像の有無 |
ヒートマップツールは大きく有料と無料に分けられます。本稿では主に無料版について解説していきますが、無料のヒートマップは有料のものと比較して様々な機能の制約がある場合が多いです。そのため、導入前に以下の3つのポイントを確認して、自社のWebサイトにあったヒートマップツールを選ぶようにしましょう。
<1>前提として、目的に応じたヒートマップの種類はあるか
<2>ヒートマップ以外にも使えそうな機能はあるか
<3>利用上限はあるか
以下でそれぞれ解説します。
前の見出しで紹介した通り、ヒートマップには様々な種類があります。ヒートマップツールを導入する際、自社Webサイトの改善に必要な種類のヒートマップが搭載されているかどうかは確実にチェックしておきましょう。ツールによって使えるヒートマップは異なるため、ユーザーがページから離脱している箇所を調べたい(スクロールヒートマップが必要)のにクリックヒートマップしか搭載されているツールを選んでしまった、というケースが起こる場合があります。
特に無料版は有料版よりも機能面の制約が多い傾向にあるため、事前の機能のチェックは必須です。事前に利用する目的や達成したい目標などを箇条書きなどで洗い出しておき、それをカバーできるヒートマップが搭載されたツールを選ぶようにしましょう。
ヒートマップツールにはほとんどの場合、無料・有料問わずにヒートマップ機能以外の分析機能が搭載されています。例えば無料のヒートマップツールであるMicrosoft ClarityにはABテスト等に使えるヒートマップ比較機能が搭載されています。
こういったメインのヒートマップ機能以外でも自社のWebサイトに活用できそうな使える機能がないかはチェックするようにしましょう。例えば、広告流入と自然検索など異なる流入からのユーザーの動きを別々に分析したい場合、セグメント機能が必要になります。このようにヒートマップの確認とその後の分析作業を一気通貫で行なうことができれば、作業効率を高められます。
無料のヒートマップツールは多くの場合、無料故の制約や上限があります。例えば無料で利用できるヒートマップツール、Microsoft Clarityであれば、ヒートマップを表示できる範囲には限りがあります。そのため、長すぎるページの分析に使用することができません。他にもPV数や解析ページ数、データを保存できる期間などに上限が決められていることがほとんどです。
無料から始めてみるのもいいですが、自社のWebサイトの規模(月間のPV数やページの長さ、コンテンツ量)などを事前に把握した上で、有料・無料問わずに最適なものを選択するようにしましょう。
ここからは、完全無料のヒートマップツールを紹介します。無料のヒートマップツールはヒートマップの種類やその他の機能が制限されていることが多いので、下記の比較検討の表をご覧いただき、自社Webサイトに最適なものを選んでください。
Microsoft Clarity | QA Analytics | User Heat | Page Analytics | |
アテンションヒートマップ | × | ◯ | ◯ | × |
クリックヒートマップ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ (リンク部分のみ) |
スクロールヒートマップ | ◯ | ◯ | ◯ | × |
マウスフローヒートマップ | × | ◯ | ◯ | × |
タッチアクションヒートマップ | × | ◯ | ◯ | × |
日本語対応 | 日本語の | チュートリアルは 全て英語 | 日本語の チュートリアル有り | チュートリアルは 全て英語 |
カスタマーサポートの有無 | × | × | × | × |
制約 | ヒートマップを表示できる範囲に制限がある | 月10万PVまで | ・ヒートマップを表示できる範囲に制限がある ・月間30万PVまで | ヒートマップとしては最低限の機能しかない |
(引用:Microsoft Clarity)
Microsoft ClarityはMicrosoft社が提供するWebサイト分析ツールです。ユーザー行動分析に必要なヒートマップ機能も一通り備わっており、さらに他の無料ヒートマップツールにありがちなセッション数の上限がないことも大きなポイントです。なにより全ての機能が無料で利用できることが大きな魅力です。またヒートマップ機能以外にも、テキストや画像などのページ内の要素をクリックされた順にリスト化する機能や2つのヒートマップを並べて比較できるABテストに特化した機能もあります。総じて使用できるヒートマップの種類は限定されているものの、細かな設定やある程度の分析を行なえるヒートマップツールとなっています。
ただしヒートマップを表示できる範囲には限りがあり、カスタマーサポートもない点には注意が必要です。
特徴 | 注意点 |
・セッション数の上限がない | ・ヒートマップの表示範囲に限りがある |
(引用:QA Analytics)
QA AnalyticsはWordPressの公式プラグインです。主にアクセス解析に活用できる機能が搭載されており、その中の1つの機能としてヒートマップ機能があります。10万PVまでという制約はありますが、他の無料ヒートマップツールと比較して多くの種類のヒートマップを使うことができます。これにより、様々な角度からページの分析を行なうことができます。
注意したい点としては、様々な機能を備えていますがチュートリアルは全て英語であり、カスタマーサポートもない点です。しかしそこを除けば、無料版の中ではかなり多機能で便利なヒートマップツールと言えるでしょう。
特徴 | 注意点 |
・主要なヒートマップが網羅されている | ・チュートリアル全て英語(管理画面は日本語) |
(引用:User Heat)
User Heatは株式会社User Localが提供する完全無料のヒートマップツールです。今回紹介する無料のヒートマップツールの中では利用できるヒートマップの種類が多いのが特徴です。さらに無料版でありながらPCとスマホの両方に対応しています。PC・スマホの両方をヒートマップを見られる無料ツールは数が少ないため、様々なデバイスに対応しているページを分析したいという時にオススメのツールです。
ただし注意点もいくつかあります。登録できるURL数は無制限ですが、1つのwebサイトあたり月間30万PVまでと制限があり、それを超過すると計測がストップします。また、ヒートマップを表示できるページの幅と長さに制約があり、長すぎるページの場合はヒートマップが途切れる場合があります。
特徴 | 注意点 |
・主要なヒートマップが網羅されている | ・ヒートマップの表示範囲に限りがある |
(引用:Page Analytics)
Page AnalyticsはGoogleが提供する完全無料のヒートマップツールです。GoogleChromの拡張機能となっており、Googleアナリティクスに設定されているWebサイトのヒートマップを見ることができます。
ヒートマップの機能としては、主にリンクのクリック率のみを確認することができます。Page Analyticsは本来は各ページのPV数や滞在時間を見るためのツールであるため、ヒートマップはメインの機能ではありません。本当に最低限の機能から試してみたい、という時にオススメのヒートマップツールです。
特徴 | 注意点 |
・導入が簡単 | ・ヒートマップの種類が1つしかない |
Webサイトの改善に欠かせないヒートマップツールの無料版に焦点を絞って紹介してきました。無料版でも様々なヒートマップを搭載したツールがあり、十分にページの分析に活用できます。自社Webサイトに必要なヒートマップ機能や分析機能を洗い出してみて無料版を導入し、さらに高度な機能が必要だと感じた時に有料版を検討するのがオススメです。
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