リスティング広告運用代行ができる代理店9選比較!費用や少額対応も
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最終更新日:2025.07.30
リスティング広告を運用していて、「なぜクリック単価(CPC)は変動するのか?」「どうすればもっと上位に表示できるのか?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、これらは入札に関連しています。
本記事では、リスティング広告の裏側で行われている入札やオークションの仕組みと、掲載順位や費用の決まり方を3つのステップでわかりやすく解説します。
💡この記事で分かること
リスティング広告における入札とは、広告を掲載するために支払える上限金額を設定し、その金額でオークションに参加することを指します。
これだけではイメージしにくいため、まずはリスティング広告の仕組みから整理しましょう。
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに合わせて広告が表示される広告手法です。
ユーザー目線では「検索する → 広告が表示される」という、とてもシンプルな流れです。
しかし実際には、1つのキーワードに対して、掲載候補となる広告は多数存在しています。さらに、検索画面に掲載できる広告枠には限りがあります。その結果、掲載できる広告よりも候補の数のほうが多い状態が発生するケースが多いです。

そのため媒体側は、検索が発生するたびにどの広告を掲載させるかを選定する必要があります。
この選定を瞬時に行うために採用されている仕組みが、リスティング広告のオークション制度です。そして、広告を掲載するために支払える上限金額を設定してオークションに参加することが入札です。
これまでのおさらい
通常のオークションであれば、その場で手を挙げて金額を提示します。一方、リスティング広告では検索のたびに手を挙げることはできません。
そのため、広告主はあらかじめ「入札単価」を設定しておき、検索が発生した瞬間にその金額をもとに自動でオークションへ参加します。入札の説明であった「広告を掲載するために支払える上限金額」が入札単価にあたります。

実は、オークションや入札はただ広告を出すための仕組みではありません。
広告の掲載順位やクリック単価を決めるための重要なプロセスです。
オークションや入札の仕組みを理解することで、「なぜ今のクリック単価になっているのか」「なぜこの掲載順位になるのか」などの疑問に対して、改善策を検討しやすくなります。
本記事で、入札の仕組みや入札単価とクリック単価の違い、入札戦略の種類などを学んでいきましょう。
入札・オークションは複雑に見えますが、媒体側で行われていることをシンプルにすると、以下の3ステップに整理できます。

広告は、まず自社が設定した入札単価をもとにオークションに自動的に参加します。
ここで、「入札単価=クリック単価かな?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
しかし、実は「入札単価 = 実際のクリック単価」ではありません。
入札単価を800円と設定していたとしても、実際のクリック単価は540円や675円など、変動することがよくあります。これは、入札単価とクリック単価には以下のような違いがあるためです。

そのため、通常のオークションのように入札単価が高ければ上位表示されるとは限りません。
最終的な判断は、次のステップ2で行われる総合評価によって決まります。

オークションに参加すると、次は「どの企業の広告をどの順位で」表示させるかを決めるステップに入ります。
掲載順位の指標にあたるものを、「広告ランク」とよびます。広告ランクが高い順に、掲載順位が決まるイメージです。
広告ランクは媒体内部で決められるもので、以下の式で計算されます。
広告ランク=入札単価×広告の品質+アセット
※アセット:広告内に店舗住所・電話番号・サイトリンク・位置情報などを追加できるオプション機能のこと
一般的なオークションでは入札額が高い人が落札しますが、広告では違います。広告の品質やアセットの充実度なども含めた、総合評価できまります。
これは、Google が掲げる 10 の事実にもあるように、「ユーザーファースト」の思想に基づき、ユーザーにとって価値の高い広告を優先して表示する仕組みが採用されているためです。
だからこそ、入札単価だけでなく広告の品質を高めることが成果につながるのです。
💡広告の品質の特徴と、構成する主な3つの要素
広告の品質とは、ユーザーにとって広告がどれだけ有用性があるかを図るための指標のことです。
広告の品質は、広告の推定クリック率、広告とキーワードの関連性、ランディングページ(LP)の利便性という3つの要素で決まります。

広告の品質が高いほど広告ランクも上がり、同じ入札単価でも上位に表示されやすくなります。広告やLPの品質も、掲載順位とクリック単価を決める重要な要素といえます。

掲載順位が決まった後、媒体側が最終的なクリック単価を計算します。ステップ2で決まった企業の広告を「いくらで」表示させるかを決めるステップです。
計算式は以下のとおりです。
クリック単価 =(自社より1つ下の広告ランク ÷ 品質スコア)+ 1
※品質スコア:広告の品質や成果予測などをもとに媒体が10段階で算出する指標。「広告の品質」が高いほどスコアも高くなる
実際の数字に当てはめてみてみましょう。たとえば、自社が以下の画像のA社だとします。

なので、クリック単価は以下のように計算されます。
400÷1+1=401円
仕組みを理解するために今回は詳細を解説しましたが、必ずしも計算式を覚える必要はありません。ただし、クリック単価は入札価格だけでは決まらず、広告ランクや品質スコアが影響することは押さえておきましょう。
💡品質スコアは、Google広告の管理画面で確認できる
自社の広告アカウントを開き、キーワード>表示項目>品質スコア、から確認できます。 定期的にチェックし、広告文やLPの改善につなげることが大切です。
入札単価は事前に設定し、その金額をもとにオークションへ参加すると説明しました。ただし、入札単価を手動で調整し続けるには、人的リソースや運用スキルが必要です。
そのため Google 広告や Yahoo! 広告では、入札単価の設定方法として手動入札と自動入札の2種類が用意されています。
目的や予算、運用フェーズによって使い分ける必要があるので、それぞれ詳しくみていきましょう。
手動入札とは、自社で入札単価を指定する方法です。指定した金額の範囲内で、媒体は入札に参加します。
| 項目 | 内容 |
| メリット | ・クリック単価を細かく調整できる ・予算をコントロールしやすい |
| デメリット | ・運用者が細かく調整する必要があり、負荷や難易度が高い ・媒体の学習効果を活かしづらい |
| 向いているケース | ・データが少ない初期 ・費用を細かく管理したい場合 |
クリック単価を細かく調整できるため、運用者の意図や優先順位をそのまま運用に反映しやすい点がメリットです。
たとえば、優先的に獲得したいキーワードには入札単価を高く設定し、予算を抑えたいキーワードは入札単価を低くするなど、細かく調整することができます。
一方で、手動であるため人的リソースがかかります。さらに、運用者のスキルに左右されるため、難易度が高いという難しさもあります。
媒体の機械学習を用いて、自社の目標に基づいて入札単価を自動で調整してくれる方法です。
| 項目 | 内容 |
| メリット | ・入札価格調整の工数を削減できる ・媒体の学習を活かして運用できるため、成果が伸びやすい |
| デメリット | ・学習データが少ないと精度が安定しない ・目標達成ができないと配信量が激減する可能性がある |
| 向いているケース | ・CVなど成果データが一定量ある場合 ・人的リソースや運用スキルを補いたい場合 |
自動入札は細かなデータやユーザーの行動パターンを分析し、広告のターゲティングや入札価格を最適化します。
次の章で解説しますが、自動入札にはいくつかの種類があります。たとえば、「コンバージョン数の最大化」という入札戦略を選んだ場合、その名の通り、コンバージョン数を最大化させるために、ターゲティングや入札価格が最適化されます。このように、この媒体の最適化機能を活用できるため、運用スキルに依存しづらいのが特徴です。
一方、自動入札の精度は学習データの量に左右されるため、配信量が小さい場合は成果が安定しないことがあります。
少額運用の場合やどうしてもデータ量が確保できない場合は、手動入札への変更やハードルを下げた目標(マイクロコンバージョン)の活用などを視野に入れましょう。
※マイクロコンバージョン:最終的なコンバージョン(例:購入・来店予約)に至る前の中間行動を指します。たとえば最終コンバージョンが「購入」の場合は、「商品をカートに入れる」「会員登録をする」などがマイクロコンバージョンの設置対象です。
💡どれくらいのデータ量が必要なの?
過去30日間に30〜50CV 程度あると学習が安定しやすいと言われています。
これより少なくても自動入札は使えますが、データ量が多いほど精度は高まり、入札の挙動も安定しやすいです。
入札戦略には、手動入札・自動入札のそれぞれに複数のタイプがあり、目的に合わせて狙いたい成果に最適化できる特徴があります。
クリックを最大化させる、コンバージョン単価を抑える、など選ぶ戦略によって最適化ポイントが変わるため、適切に選ぶことで自社の目標に沿った運用につながります。
ここからは、入札戦略の種類やそれぞれに特徴をみていきましょう。

広告の1クリックに対して支払う上限金額を、運用者が自分で設定できる入札戦略のことで、手動入札に該当します。
入札単価を手動で指定できるため、運用意図を直接的に反映させることができます。
また、自動入札とは異なり、自社で設定した入札単価内で入札が行われるため、想像以上にクリック単価が高騰することを防ぐことができます。
①活用シーン
②注意点
※指名キーワードで配信をする場合、自動入札だとクリック単価が高騰しやすいため、弊社では手動入札にすることがあります
関連記事(Google):個別クリック単価制
予算内でクリック数を最大化するための自動入札戦略です。
配信の目的がLPへの流入数増加やデータの蓄積であるときに向いている入札戦略です。
①活用シーン
②注意点
最終的にコンバージョン(資料請求や問い合わせ)がゴールの場合は、コンバージョン数の最大化のほうが適しているケースが多いです。
また、「LPへの流入数」よりも「ユーザーのLP内行動(滞在時間・特定のクリックなど)」を改善したい場合は、マイクロコンバージョンを設定してコンバージョン数最大化で最適化する手段が有効です。
関連記事(Google):クリック数の最大化
関連記事(Yahoo!):自動入札タイプ「クリック数の最大化」【検索広告】
予算内でコンバージョン数を最大化するための自動入札戦略です。媒体が「コンバージョンしやすいユーザー」を優先的に判断し、入札単価を自動で調整します。
①活用シーン
②注意点
少額で運用する場合やコンバージョン数以外の指標も追いかけたい場合は、個別クリック単価から始めるなどを検討しましょう。
関連記事(Google):「コンバージョン数の最大化」による入札について
関連記事(Yahoo!):自動入札タイプ「コンバージョン数の最大化」【検索広告】
自社で設定した目標のコンバージョン単価を達成するための自動入札戦略です。
Google 広告では「目標コンバージョン単価」、Yahoo! 広告では「コンバージョン単価の目標値」と呼ばれます。
①活用シーン
②注意点
成果の量と効率を両立できる自動入札戦略ですが、数値に制限をかけすぎると逆効果になります。少しずつ調整をかけながら、いい塩梅をみつけましょう。
関連記事(Google):「目標コンバージョン単価制」入札戦略について
関連記事(Yahoo!):自動入札タイプ「コンバージョン単価の目標値」【検索広告】
広告主が設定した目標のコンバージョン値(収益など)を最大化するための自動入札戦略です。
Google 広告では「コンバージョン値の最大化」、Yahoo! 広告では「コンバージョン値の最大化」と呼ばれます。
ECサイトでの売上最大化や、短期キャンペーンなど、予算の範囲で売上を最大化させたい場面に向いている戦略です。
①活用シーン
②注意点
予算利用と売上を重視する場合はコンバージョン値の最大化を、費用対効果を重視する場合は目標費用対効果を選択することをおすすめします。
また、コンバージョン数が足りない場合は、コンバージョン数の最大化や個別クリック単価から始める方がよいでしょう。
💡価値に重み付けをすることができる
「価値の重みづけ」とは、オーディエンス・デバイス・地域などに応じて、コンバージョン値を調整できる機能です。
同じ1件のコンバージョンでも、自社で設定した価値が高いユーザーほどより高く評価されるように最適化が行われます。
具体例
優先度を広告の自動入札へ反映させられるのが大きなメリットです。
関連記事(Google):「コンバージョン値の最大化」入札戦略について
関連記事(Yahoo!):自動入札タイプ「コンバージョン価値の最大化」【検索広告】
広告主が設定した、目標の広告費用対効果(ROAS)を達成するための自動入札戦略です。
Google 広告では「目標広告費用対効果」、Yahoo! 広告では「広告費用対効果の目標値」と呼ばれます。
ECサイトのように、コンバージョン数より売上を高めたい場合に相性の良い入札戦略です。
①活用シーン
②注意点
コンバージョン値の最大化同様に、データが足りない場合は、まずはコンバージョン数を増やすことから始めるのがおすすめです。
💡コンバージョン値の最大化との違いは?
コンバージョン値の最大化は予算の中で売上を最大化させることが目的です。一方で、目標広告費用対効果は設定した目標費用対効果の範囲内で売上を最大化させるという違いがあります。
関連記事(Google):目標広告費用対効果に基づく入札について
関連記事(Yahoo!):自動入札タイプ「広告費用対効果の目標値」【検索広告】
選択した掲載位置(検索結果の最上部・上部・任意の位置)に広告が表示されるように入札単価を自動調整する入札戦略です。
Google 広告では「目標インプレッションシェア」、Yahoo! 広告では「ページ最上部掲載(上部掲載)」として提供されています。
ブランドの認知度を高めたい場合や競合他社との露出競争を意識している場合に相性がいい入札戦略です。
①活用シーン
②注意点
ページの上部に表示させるための入札戦略ですが、その分単価も高くなるため、広告の目的が獲得の場合はその他の入札の方が向いています。
目的が「認知」か「獲得」かを見極めて導入することが重要です。
入札戦略は、狙いたい成果に合わせて最適化してくれる便利な機能です。
しかし、目的に合うものを選べばいいというわけではありません。広告効果は予算や運用フェーズ によって大きく変わるため、自社の状況に合わせて戦略を選定することが成果につながります。
ここでは「運用フェーズ」と「予算」という2つの軸で考え方を整理します。
入札戦略の基本的な考え方は「量を獲得してから質に向かう」ことです。

運用初期は、まだ媒体が学習できるだけのデータが揃っていません。そのため、「コンバージョン数の最大化」や「コンバージョン値の最大化」のように、まず量を集める戦略を選び、データを蓄積することが優先です。
十分なデータが蓄積されてきたら「目標コンバージョン単価」や「目標費用対効果」に切り替えて、効率を重視した運用へと移行していくのがおすすめです。
ただし、目標を設定した際にコンバージョン数が減ってしまうことがあります。この際、全体の成果が悪化してしまうのであればもう一度「最大化」に入札戦略を変更するのもよいでしょう。
予算も入札戦略の選び方に大きく影響します。
少額の場合、「コンバージョン数の最大化」や「コンバージョン値の最大化」を選ぶと、クリック単価が高騰してデータが溜まる前に予算を使い切ってしまう可能性があります。
この場合は、手動入札(個別クリック単価制) で配信量を確保した方が安定します。
手動入札の場合、入札単価を決める必要があります。また、自動入札戦略を活用する場合も、シミュレーションをつくる際の目安として活用できます。
ここでは、単価を決めるときの2つの方法をみていきましょう。
キーワードプランナーを使った調査方法を解説します。

Googleの広告アカウントを開き、ツール>プランニング>キーワードプランナーを選択します。

「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択します。

相場を調べたいキーワードを入力し、「開始する」を選択します。

「予測」を選択します。特定の地域が決まっている場合は、「日本」から地域を選択します。

「平均クリック単価」に表示されている金額が、入力したキーワードで広告を配信した場合のおおよそのクリック単価の相場です。
>>初心者向け!キーワードプランナーの使い方を知りたい方はこちら
過去に広告を配信した実績がある場合は、そのデータを活用するのも有効です。
条件が異なると単価も変わるため、できるだけ同じ条件の配信データを選ぶのがポイントです。特に、予算規模・地域・キーワードの検索ボリュームなどが近い実績を比較すると、より自社の状況に近いクリック単価の相場を把握できます。
もし社内で判断が難しい場合は、代理店に相談して相場感をすり合わせるのも良いでしょう。

自動入札は、自社の目的に沿って媒体が自動的に入札調整をしてくれる便利な機能です。この機能を最大限に活用するために、押さえたい3つのポイントを紹介します。
自動入札は機械学習を用いているためデータ量が多い方が精度が高まりますが、アカウント構成が複雑だと精度が下がってしまうことがあります。
多くのデータで学習させようとしてキャンペーンを何個も作成してしまうと、データが細分化されてしまい、学習の精度が低下します。
そのため、特別な理由がない限りはデータが分散しないようにキャンペーンや広告グループの作成はシンプルにするようにしましょう。
自動入札開始後は、設定を変更しないことが重要です。
自動入札は、媒体がユーザー行動を見ながら「どんな検索・どんなユーザーが成果につながりやすいか」を学習する仕組みで動いています。
この学習期間は、一般的に2〜3週間ほどかかります。
学習期間中は、さまざまな入札を行い成果の良い・悪いパターンを学習しているため、設定に変更を加えてしまうと学習に悪影響を及ぼします。導入から1ヶ月程度は効果の良し悪しをあまり気にせず、そのまま様子を見るようにしましょう。
自動入札の効果を検証しながら改善を行う場合には、数値の変更は少しずつ行うようにしましょう。
急激な変更を行うと、配信量が不安定になったり、クリック単価が跳ね上がったりするリスクがあります。
少しずつ数値を変更し、広告効果に違いがあるか様子を見ながら最適な設定を見つけていくことをおすすめします。
リスティング広告の入札は、掲載順位やクリック単価を決めるのに重要な要素です。
また、自動入札戦略は、広告の運用目的に合わせて最適な入札を行ってくれる便利な機能です。
これらの仕組みを理解しておくことで、「なぜ今の成果になるのか」「どこを改善すべきか」を筋道立てて判断しやすくなります。
運用の効果を高めるための重要な要素として、ぜひ押さえておきましょう。