Web広告のターゲティングを知ろう!全媒体共通の基礎編

Web広告のターゲティングを知ろう!全媒体共通の基礎編

本ページではWeb広告運用におけるターゲティングの基本的な考え方について解説していきます。

細かい設定は媒体によって異なりますので、ここではすべてに共通する考え方を身に着けていきましょう。

ターゲティングとは

ターゲティングとは、名前の通りターゲットを狙い定めることで、Web広告を誰に見せるのかを決めることです。

Web広告の強みの一つがこのターゲティングで、様々なWeb上のデータを活用することで精度の高い絞り込みを可能としています。

多くのオフライン広告ではエリアや時間帯でのターゲティングが限度ですが、Web広告ではエリアだけでなく、「主要都市の世帯持ち30代男性のみに配信する」のような詳細なターゲティングが可能です。

しかし、狙いたいターゲットを極限まで絞り込んで配信すればよいというわけでもありません。ここからはWeb広告におけるターゲティングの考え方を見ていきましょう。

運用上のターゲティングの考え方

考え方1.ターゲティングは絞りすぎない

Web広告の特徴を改めて確認すると、大きく以下の2点が挙げられます。

  • 細かいターゲティングが”できる”
  • 媒体の機械学習による配信の最適化ができる

まず一つ目ですが、細かいターゲティングは「できる」だけであって、必ずしも最善ではないということです。特に獲得を目的としている場合、ターゲティングを絞って、買っていただける人だけに配信すればよいと思うかもしれませんが、絞ることで獲得が最大化されないこともあります。

その理由が二つ目の特徴にあります。Web広告の配信は広告媒体を介して行われます。この時、媒体は配信の目的を達成するように配信データを学習し、なるべく再現性が高くなるように配信を調整します。この時、ターゲティングを絞りすぎているとデータ量(獲得できるクリックやコンバージョン)が少なく、学習の精度が低下します。これにより、本来なら拡張できていたターゲットに広告を配信できず、獲得にもつながらないといった事態が発生します。(下図参照)

ターゲティングを絞りすぎない理由

ターゲティングを広げることで、結果的に獲得数を最大化させることにつながるのです。

考え方2.ターゲティングの基本はAND条件・OR条件

ターゲティングは基本的にいくつかの条件を組み合わせて行います。この時重要なのが、AND条件とOR条件という考え方です。

AND条件とOR条件

ターゲティングではいくつかの条件を組み合わせて絞り込みを行うのが一般的です。

AND条件やOR条件を駆使していかなければ、効果的なターゲティングを行うことはできません。例えばGoogle広告やYahoo!広告では、同じ広告グループ内の条件の組み合わせはAND条件、広告グループを分けるとOR条件になります。

同じ広告グループ内では基本AND条件

広告グループを分けると基本OR条件

また、ここでもう一つ覚えなければいけないのが、同種ターゲティングと異種ターゲティングです。ターゲティングの種類には同種として扱われるものと、異種として扱われるものがあります。

以下は、Google広告とYahoo!広告の同種として扱われるターゲティングをグルーピングした例です。

同種と見されるターゲティング

同じ広告グループ内ではAND条件になると解説しましたが、同じ広告グループ内でも同種として扱われるターゲティングを組み合わせた場合はOR条件となり、異種として扱われるターゲティングを組み合わせた場合にはAND条件となります。

同種ターゲティングはOR条件になる

また、同種ターゲティングをAND条件にしたい場合は、「統合セグメント(Google広告)」や「組み合わせリスト(Yahoo!広告)」などの媒体毎の機能を用います。

同種ターゲティングも機能を用いればAND条件にできる

媒体毎に設定方法やターゲティングの種類は異なります。詳しくは媒体毎に確認しましょう。ここでは考え方が理解できていれば十分です。

考え方3.重複は除外する

最後に、重複した部分の除外です。ターゲティングは以下の図のように組み合わせでターゲットを網羅的に押さえていきます。

ターゲティングの組み合わせでターゲットを網羅的に狙う

復習すると、基本的には広告グループを分けるとOR条件となりましたよね。OR条件では、重なりの部分で重複が発生しているため、片方の広告グループから重複部分を除外する設定を行います。

重複部分は除外設定を行う


ここまでのポイントを振り返ってみましょう。

ターゲティングの考え方は以下の3つです。

  • ターゲティングは絞りすぎない
  • ターゲティングの基本はAND条件・OR条件
  • 重複部分は除外設定

まずはこの辺りをしっかりと押さえておきましょう。

よくあるターゲティング

ターゲティングの考え方について解説してきましたが、具体的にどのようなターゲティングが活用できるのでしょうか。

まずはターゲティングを一覧で確認してきましょう。

種類詳細
デモグラフィックターゲティング年齢、性別、職業、所得、家族構成などの基本的な属性に基づいてターゲットを絞る方法
ジオターゲティング(地域ターゲティング)ユーザーの位置情報に基づいて広告を配信する方法
インタレストターゲティング(興味・関心ターゲティング)ユーザーが過去に検索した内容や閲覧したページに基づき、その人の興味・関心を分析して広告を配信する方法
リターゲティング(リマーケティング)過去に自社のWebサイトを訪れたことがあるユーザーに再度広告を表示する方法
コンテキストターゲティング広告が表示されるコンテンツに基づいてターゲットを絞る方法
行動ターゲティングユーザーがWeb上でどのような行動を取ったかに基づいてターゲティングを行う方法
アフィニティターゲティングユーザーが継続的に興味を持っている分野やライフスタイルに基づいてターゲティングを行う方法
デバイスターゲティングユーザーが使用しているデバイス(スマートフォン、PC、タブレットなど)に基づいてターゲティングを行う方法
カスタマイズターゲティング広告主が自分自身で設定したカスタムオーディエンス(例えば、メールリストや既存の顧客データ)をターゲットにする方法

ブロード配信

ブロード配信は、年齢・性別・地域だけのターゲティングで広範囲に配信する方法のことで、よく活用される方法でもあります。

前の項目で紹介したターゲティングを駆使して配信を行っていきますが、Web広告においては絞り込みすぎないことも重要です。

リターゲティング・リマーケティング

リターゲティング(リマーケティング)は一度Webサイトに訪問したユーザーやEC系であればカート落ちしたユーザーなどに、追従型で配信するターゲティング手法です。ターゲティングとしては狭い絞り込みですが、確度の高いユーザーのみに配信ができるため、獲得向けの施策と併用して取りこぼしを防ぐような役割があります。

>>リターゲティング(リマーケティング)について知りたい方はこちら

まとめ

今回はWeb広告のターゲティングについて解説してきました。

複数のターゲティングの組み合わせでターゲットに対して広くターゲティングを行い、機械学習の精度を高めることで成果の最大化を狙うのが、昨今の一般的な考え方です。

場合によって、ピンポイントでターゲティングを行ったり、除外設定によってターゲティングを絞り込むこともあります。

本ページではこの概要が理解できていれば問題ありません。

詳しいターゲティングの方法は媒体毎にも変わってきますので、概要を理解して自身の扱っている媒体を見ていきましょう。