【2023年版】TikTok広告とは？　特徴や種類、効果を高めるコツまで解説

日本の動画広告市場は、2022年が昨対比133.2％の5,601億円でした。2023年には7,209億円と約1.3倍に、2026年には1兆2,451億円に達する見込みです（※）。このように大きな盛り上がりを見せる動画広告市場において、今注目すべきなのが」「TikTok広告」でしょう。

TikTokは近年ユーザー数が大きく増加しており、テレビ番組やニュースでも取り上げられていることから、今後ますます発展していくことが見込まれています。今回は、TikTok広告の特徴や種類、向いているケースから効果を高めるコツまで詳しく解説します。

（※：サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施）

TikTok広告とは

（引用：TikTok）

TikTok広告とは、世界の月間アクティブユーザー数が10億人以上、日本でも1,690万人が利用する「TikTok」に配信できる広告のことです。TikTokは、中華人民共和国の「ByteDance社」が運営しているSNSです。

ショート動画を配信し、ユーザーから「いいね・よくないね」などのアクションを受け取ることができます。従来のSNSは、画像や動画の投稿が可能なものの、文章と組み合わせることが基本でした。TikTokは、手軽にショート動画を投稿できる独自性が注目を浴び、ここ数年でユーザー数が急激に伸びています。

そのようなTikTokへの広告出稿を検討する際は、特徴や種類などを把握し、自社広告に向いているかどうかを考えることが重要です。

TikTok広告の特徴

（引用：TikTok for Business）

TikTokに投稿するのは動画広告です。文章や画像だけの広告と比べてユーザーの反応が良く、コンバージョンしやすいといわれています。TikTok広告の出稿を検討する際に知っておきたいターゲット層や特徴について詳しくみていきましょう。

ターゲット層は10～20代

TikTok広告は、10～20代をターゲットとした商品・サービスの広告に適しています。TikTokのユーザーの年齢層割合は以下のとおりです。

上記のように18～24歳が最も多く、25～34際、35～44歳が続きます。25～34歳のユーザー数が多いのは、TikTokの注目の高まりによってビジネスパーソンの利用が増えているためでしょう。

ユーザーからのアクションを得られる

（引用：TikTok For Businessメディアインサイトレポート　フルアテンション視聴へようこそ！）

TikTok広告は、ユーザー行動に大きな影響を与えることができます。上記のように、主要なSNSと比べて「見た内容を別のSNSで紹介する」「いいねをする」「アカウントをフォローする」の3つの行動が多いことがわかりました。ショート動画は手軽に見れる一方で、短時間で強いインパクトを与えることに主軸が置かれているため、結果としてユーザー行動につながっているものと考えられます。

コンバージョンしやすい

TiKTokによると、92％のユーザーがTiKTok動画の視聴後に何らかの行動を起こしています。このことから、TikTok広告はコンバージョンしやすい広告と言えるでしょう。

広告に対する印象が比較的良い

（引用：TikTok For Businessメディアインサイトレポート　フルアテンション視聴へようこそ！）

TikTok広告は投稿動画と同じスタイルで投稿するため、広告感がありません。そのため、ユーザーの広告に対する印象が良い傾向があります。また、主要なSNS3社のユーザー平均よりも「音声ON」が160％、「全画面視聴」が162％と高い一方で、「ながら視聴」が50％と少ないことがわかりました。この結果からは、動画を見るときにユーザーが画面に集中していることがわかります。

TikTok広告の種類

TikTok広告は、次の4種類に分類できます。

それぞれの特徴や費用相場、課金形式について詳しくみていきましょう。

起動画面広告

起動画面広告とは、アプリの起動時に画像を3秒、GIF画像・GIFアニメーションを3～5秒表示する広告です。アプリ起動時に表示されるため、知名度・認知度の向上に役立ちます。

TikTokユーザー全員がターゲットのため、10～34歳をメインとした商品・サービスに向いています。ただし、1日1社限定の広告のため広告枠の獲得が非常に難しく、1,000回表示で770円となっており、500万円程度の費用がかかります。

インフィード広告

インフィード広告とは、投稿と投稿の間に5～15秒の動画広告を表示するものです。「おすすめ投稿」に表示されるため、より細かなターゲティングができます。また、投稿と投稿の間に自然な形で表示されるため、広告感がありません。また、通常の動画投稿と同じく、「いいね」「シェア」「コメント」ができるため、さらに他のユーザーへと広がることが期待できます。

ただし、広告感がないからこそ、興味がないと感じたら視聴を即終了されてしまうため、冒頭にインパクトを与えたりストーリー性を持たせたりして、視聴時間を延ばす工夫が必要です。費用形態は期間契約型で、費用はインフィード広告の種類によって異なります。

インフィード広告の種類は以下のとおりです。

それぞれの特徴や費用について詳しくみていきましょう。

OneDayMax

OneDayMaxとは、ユーザーがTikTokを開いて最初に見る1回だけ表示されるインフィード広告のことです。「おすすめ」の4投稿目に最大60秒の広告を表示します。費用は300万円です。

Top View

Top Viewとは、アプリを起動後15秒間に表示する広告で、インフィード広告としても配信できます。配信時間が短いため、新商品の紹介やイベント・キャンペーンの告知などに向いています。また、視聴動画ジャンルや年齢層などから興味・関心が高いと考えられるユーザーに広告を配信するため、高いクリック率が期待できます。費用は625万円です。

Reach＆Frequency

Reach＆Frequencyは、1回以上広告を見た人の数や視聴数などを事前シミュレーションできるインフィード広告です。広告予算や合計インプレッションを決め、指定期間において広告を配信します。費用相場は50万円程度です。

BrandAuction

Brand Premiumは、「おすすめ」の80番以内に表示される広告です。費用が42万円と比較的低額でありながら、他の広告と同じく「いいね」や「コメント」「シェア」が可能なため、一定の効果が期待できます。

ハッシュタグチャレンジ

ハッシュタグチャレンジとは、TikTok運営やクリエイターなどと協力し、ハッシュタグを通じて企業や製品・サービスなどの知名度を上げる取り組みのことです。運営と期間を打ち合わせ、クリエイターがハッシュタグチャレンジについて配信します。興味を持ったユーザーが投稿にハッシュタグをつけて投稿することで、連鎖的に広がっていく仕組みです。費用相場は1,000万円程度です。

世界トップクラスの化粧品ブランド「ロレアル」は、「#髪を咲かせよう」でハッシュタグチャレンジを実施してブランドの知名度を高めました。

ブランドエフェクト

（引用：10万人のブランド体験を生み出す　TikTokの「Branded Effect（ブランドエフェクト）」を活用する5つのポイントを初実証）

ブランドエフェクトとは、2Dや3D、ARなどを用いたデジタルエフェクトを用いたコンテンツのことです。例えば、画面の前にいるユーザーが身体を動かすと、それに合わせてエフェクトが表示されます。ユーザーが実際にブランドを体験することで企業や製品・サービスに対する興味関心が高まり、売上の増加が期待できます。

TikTok for Businessによると、ハッシュタグチャレンジと組み合わせることで、単体での実施と比べて181％ものエンゲージメント率の達成も可能です。費用相場は380万円です。

TikTok広告が向いているケース

TikTok広告を検討する際は、製品・サービス・ブランドなどとの相性を考慮する必要があります。次のような場合はTikTok広告が向いているでしょう。

若年者層向けの商品・サービスを売りたい

TikTokは18～24歳のユーザーが多いため、若年者層向けの商品・サービスの売上を伸ばしたい、知名度を高めたい場合に適しています。その際は、ターゲットの興味をひく動画を作成しましょう。

拡散しやすい商材を売りたい

TikTokは、「いいね」「コメント」「シェア」「ハッシュタグ」など、拡散につながる機能が多数搭載されています。そのため、拡散しやすい次のような商材を売りたい場合に向いています。

認知拡大を狙いたい

起動画面広告やTop Viewのように、ユーザーが必ず視聴する広告を配信できるため、認知拡大を狙いたい場合に適しています。気になる動画は音声ON・全画面表示で集中して見るユーザーが多いため、最後まで見ることで商品・サービスの理解度が大きく高まる動画を作成しましょう。

TikTok広告の効果を高めるポイント

TikTok広告を出稿すれば、必ず商品・サービスが売れるわけではありません。クリエイティブな動画が数多く投稿されているため、工夫しなければ早々に離脱してしまいます。TikTok広告の効果を高めるために、次のポイントを押さえましょう。

冒頭でインパクトを与える

TikTok for businessによると、「人物が登場する」動画は、人物以外が登場する動画と比べて6秒以上の視聴率が125％、エンゲージメント率が169％となっています。商品を最初にアピールしたいところですが、人物に課題に気づきを与えるセリフを言わせたり、商品を実際に使用している人物を登場させたりしましょう。

音楽にこだわる

TikTokは音楽を使用することが基本のため、広告にも音楽を使用しましょう。疾走感のある音楽を使用すると「勢い」が生まれ、最後まで視聴する可能性を引き上げることができます。

アクションを促す文言を入れる

TikTok広告の目的はコンバージョンのため、アクションを促す文言を入れましょう。「購入はこちら」のように案内するのではなく、ユーザーにとってのメリットを示すことがポイントです。

例えば、「今すぐ○○を実現する」「○○できれいになる」など、その商品・サービスを使用した結果をイメージできる文言を使用すると、コンバージョン率の向上が期待できます。

横型よりも縦型を選ぶ

（引用：TikTok for Business）

TikTok for businessは、横型よりも縦型の方が6秒視聴率が391％、エンゲージメント率は923％と大きな差があることを公表しました。通常、動画は縦向きで視聴するため、広告だけ横向きだと早々に離脱してしまうでしょう。

広告効果を測る指標において4～9倍もの差がある以上は、縦向きの広告を作成することが大切です。

TikTok広告の出し方

TikTok広告の出し方は次のとおりです。

なお、TikTok広告は以下のような産業において出稿を禁止しています。

まとめ

TikTok広告は、若年層のユーザーが多く利用しており、「いいね」や「コメント」などで拡散が期待できます。自社の商品・サービスがTikTok広告に向いているかどうかを考えたうえで、出稿を検討することが大切です。