異文化転職エンジニアが入社後1年をふりかえると変わる勇気を得ていた

はじめまして、「SEARCH WRITE」開発チームで主にバックエンドを担当している竹平です。PLAN-Bに異文化転職して1年が経ちました。
これまでのエンジニア経験の中で最も濃い1年で、技術的に新しいことに挑戦しただけではなく、新しい文化の中で自分の中の価値観が変わる経験をし、自分がさらに変化するための1歩を踏み出す力を得ることができました。
「異文化転職ってなに?」というところから、この1年でどのような経験をしたのか、この場を借りてふりかえっていきたいと思います。

「異文化転職」?

エンジニア経験は10年ほどあったのですが、そのほとんどがSESでの経験でした。スクラムでの開発にほんの少し触れたことはありましたが、ほぼウォーターフォール開発。ずっとトラディショナルな開発経験を積んできました。
PLAN-Bではアジャイルな開発をしていますから、真逆の文化、つまり異文化からPLAN-Bに飛び込んだ形です。これを自ら「異文化転職」と称していました。

もちろん知らないこと、経験したことがないことが多くありました。それなりにこなれた仕事ができていた状況から一変、なにもできない感覚に陥ることも……。
すぐに「力が欲しい…」が口癖になりました。セリフだけだと物騒な異文化転職者です。 こうして力を求めてじたばたとあがいた1年になったわけですが、なんと2022年末に中途新人賞優秀賞をいただくことができました。

〜中途新人賞とは〜

1年間に入社した中途採用の社員の中でも特に活躍した人に贈られる賞です。優秀賞受賞者の中から、さらに最優秀賞が選ばれます。PLAN-Bでは他にもいろいろな賞があり、年末に授賞式が行われます。先日はじめて参加したのですが、大変な盛り上がりで熱量に圧倒されました!

賞の対象は「部署問わず1年間に入社した中途採用の社員」ですので、自分が選ばれるのは正直予想外でとてもおどろきました。受賞を知った時も、そしてこの記事を書いている今でさえも力を求め続けており、「力は得つつあるが、今は評価してもらうにはまだまだ足りない……」と思っていたからです。

では、なぜ受賞にいたったのか。PLAN-Bで得た習慣である「ふりかえり」をした内容も合わせてお伝えしていきます。

自分が求めているものに気付いてPLAN-Bへの入社を決めた

エンジニアを続けるなら、プラスの気持ちを抱いて仕事をしたい。漠然と「気持ちの良い開発体験」をしたいと考えながら転職活動をしていました。

「気持ちの良い開発体験」と聞いて、どういうものを想像するでしょうか?
自分の場合、最初に浮かんだのは「チームメンバーと同じ方向を向いている」ことでした。 今までの開発経験を紐解いてみると、チームメンバーと同じ方向を向いている感覚がある時は、多少きついスケジュールでも比較的楽に乗り越えられた気がするのです。
逆に、チームメンバーが別々の方向を向いていると感じていた時は、スケジュールがそこまで立て込んでいなくとも、しんどくなることが多くありました。

そこに、PLAN-Bでの取り組みについての記事を紹介いただきました。

こちらの記事は2018年頃のPLAN-Bのものです。 2023年現在では大幅に成長し、チーム開発が当たり前、アジャイルやスクラムで複数のプロダクトを開発しています!
(さらにパワーアップした話、だれか記事にしてくれないかな……) 

自分が求めていたのは「チームでプロダクトを開発してみたい」なのかもしれない、と感じました。
チームメンバーが別々の方向を向いている時は、同じチームに所属しながらも「個人商店」でした。それぞれが自分の領域の、自分のことだけを考えていました。
チームメンバーと同じ方向を向いている時は「チーム」に近付いている状態だったのだと思います。誰かひとりが助かるのではなく、チームのみんなで乗り切ることを考えていました。 個人商店からチームへの変遷を経て、今も組織づくりに力を入れているPLAN-Bならば、自分の考える「気持ちの良い開発体験」を求めていけるのではないか。そう思い始めました。

選考の過程で実際にチームづくりを推進していた方からお話を聞くことができたことも大きかったです。
なお、入社を決める最後のひと押しはとある方の言葉でした。PLAN-Bで経験したことを聞いたところ、この方は3回ほど「本当に良い会社です!」で話を締めたのです。「こんなに繰り返し言い切るなら良い会社なんだな!」と入社を決めました。素直に信じてよかったです。

どんな異文化に出会ったのか

出会った異文化の数が多すぎて、すべてを書くのはむずかしい……。
自分にとって印象的なものを3つ挙げてみました。

チームビルディングの効果を実感する

「チームビルディング」という言葉は知っていましたが、経験するのははじめてでした。
これまでは、新しい開発現場にジョインする時にやることといえば、まずは環境構築でした。それから担当するシステムの説明を受けること。作業に必要な説明が終わったら、すぐに担当作業が割り当てられていました。
では、SEARCH WRITE開発チームにジョインした時にやったことは何だったか?
チームビルディングのためのワークでした。自分の時はWevox values cardを行いました。

Wevox values cardは、個人の価値観を引き出すことができるカードです。 チームメンバーと価値観を共有し合うことにより、メンバー同士の相互理解を深めることができます。 相互理解が深まるほど、心理的安全性が確保されエンゲージメント向上が期待されています。
引用元:Wevox values card

つまり自己開示をするワークです。
チームに合流してすぐ自己開示なんて経験は今までになく、しかももともとが人見知りときています。恐怖と緊張で変な汗をかきながら、ワークを迎えたことを覚えています。当時の気持ちを思い出すと、今でもおなかのあたりがむずむずします。

では、実際やってみてどうだったのか?

思っていたほど……というより、全くこわくありませんでした!
もちろん(?)最初は縮こまっていましたが、メンバーの皆さんが和やかな空気で進行してくれたため、手持ちのカードを発表する時にはほぼほぼ緊張は解けていたと思います。その和やかな空気も、私に気を遣ってそうしているというわけではなく、自然にそうなっていて、信頼関係のあるチームだなあと感じました。
今まで自己開示はこわいものと思っていましたし、今もむやみやたらに自己開示しようとは思っていません。ですが、自分の価値観を説明することや、相手の価値観の説明を聞くことで、お互いに「この人はこういう人なんだな」と認識することができ、チームビルディングではメリットが大きいことがわかりました。

当時の結果。今やったら結果が変わりそうです。

ちなみに最近新しい方が入られた時はドラッカー風エクササイズをしました!

はじめてのワークをきっかけにチームビルディングに興味を持ち、今では社内のスクラムマスターギルドに参加しています。スクラムイベントの場づくりの方法、どうやったらチームが成長できるのか・成長を測れるのか、品質を高く保つ仕組みはどういうものか……などなど、こちらも未知の領域が多く、参加当初は毎回脳が筋肉痛になっていましたし、今でも毎回脳の疲労を感じます。

ギルドで力を得て、ほかの人にも良い開発体験をしてもらいたいという野望を抱いています。

ふりかえりは次をよりよくするための活動だと知った

「ふりかえり」と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?
実は、入社当初はふりかえりという言葉にあまり良いイメージを持っていませんでした。想像していたのは重苦しい空気と、誰もが息をじっと潜めているような空間。なにかの犯人探しをするような場のイメージでした。
そのイメージを変えてくれたのが、社内ふりかえりエバンジェリスト「ふりかえりは反省会ではない」という言葉と、SEARCH WRITE開発チームのふりかえりでした。

SEARCH WRITE開発チームのふりかえりは「チームでどうやって課題を解決していくか」を考えます。チームでプロダクトを作っているのだから、個人の責任ではなく、チームの責任であり、それは仕組みで解決すべきである。このような考え方は本で出会ったことがあっても、実際に出会ったのははじめてでした。

うまくいかなかったことを、次にうまくやるための糧として、アクションにつなげる。よかったことをチームで認め、今後も続けていく文化を作る。ふりかえりは反省会ではなく、今後につながる有意義な時間だと知りました。
ただ、居心地が良いイベントかと言われると、そうではない時もあります。自分がやらかしたと思っている時は、(自分の場合)後ろめたい気持ちでいっぱいになっています。ですが、それがほかの誰かの助けになる仕組みを作るきっかけになるなら、失敗した自分がちょっと救われる気持ちがします。

それから、自分が「仕組みは与えられるもの」と考えていたことも、ふりかえりの中で自覚しました。
「いくら不便があっても、決まっていることに従うことが一番楽(と判断していた)」という経験の影響が大きかったのだと思います。チームメンバーがフットワーク軽くいろいろな仕組みを変えていく姿を見て、「仕組みは自分たちで変えて良いんだ」と気づいたのです。

全員がお客さまのことを考えている

書き起こすと当たり前の言葉です。
しかし、表面的にはそう言っていても、実際はそうではない場面や経験がありました。今までの現場では「こちらの方が工数は掛からない」「設計書にはこう書いてあるからこれで良い」「現行システム通りにする」…このようなやり取りを何回もしました。疑問に思ったことは確認するけれども、確認が取れたらそこまで。それ以上の権限を持っていなかったということもありますが、「それなら良いか」と自分の仕事をつつがなく終わらせることを考えていました。

PLAN-Bでは「これはお客さまのためになるか」を頻繁に考えます。開発がスタートした後でも、これはお客さまのためにならない、ニーズにマッチしないと判断すれば、すぐに軌道修正を試みます。お客さまに価値を提供することがゴールだからです。
これは自社プロダクトを持つ会社なら当然なのかもしれません。お客さまのことを考えて仕事をしていた方と仕事をしたこともあります。でも、「プロダクトに関わる全員がお客さまの方を向いている」と感じたのははじめてでした。

まだまだ開発視点から抜けきれていない自分は、プロダクトに関わるメンバーが集まる会議でいつも新しい学びと刺激を得ています。また、これから開発しようとするタスクを「そういうもの」と受け取ってしまいがちで、疑問に思う力や突き詰める力が足りないとも感じます。 お客さまのことを考えて仕事をするチームメンバーを見て「自分も近づきたい、力が欲しい」と、ここでも力を求め続けています。

1年間で得たもの

変わるための勇気

今までのエンジニア経験の中で最も濃いと言える1年を過ごしました。この中で得た一番のものは、きっと変わるための勇気だと思っています。
元々変化には臆病なタイプで、変わることは自分にとって膨大なエネルギーが必要なことでした。

PLAN-Bでは入社時に理念研修があります。理念研修では、名前の通りPLAN-Bの理念を学びます。
その中で「PLAN-BのSTYLEで一番苦手だと思うものはどれ?」という問いがあり、自分は「CHANGE or DIE」を選びました。
変わるか、死ぬか。即答をためらうほど、変わることに苦手意識を持っていました。「新しいこと」は「できないこと」であり、「できない自分」というものがとても嫌な人間なのです。

なので、最初は本当にあらゆることにおっかなびっくりで、スロースターターだった自覚があります。それでも少しずつ「変わる」選択ができたのは、チャレンジと失敗を許容する環境と、背中を見せてくれる人たちがいたからでした。
PLAN-Bのシステム開発本部には「たくさんの学びを得る為にたくさんの挑戦と小さな失敗をしよう」というスローガンがあります。スローガンを掲げるだけではなく、システム開発本部のみなさんやSEARCH WRITE開発チームのみなさんがチャレンジする姿を実際に見せてくれました。失敗があっても、それを学びにすれば良いということを教えてくれました。
だからこそ、変わることにチャレンジするという一歩を踏み出す勇気が持てたのだと思っています。

最初はこわがっていろんなことをためらっていたこと。変わるための勇気を得たこと。尊敬できる姿勢で仕事をしているPLAN-Bのプロダクトやチームに貢献したいと、必死に進み続けたこと。
たとえば、属人化していた一部の運用作業をはぎ取ったり、今まで経験のない技術にチャレンジしたり、自らカイゼンする姿勢になったり、採用の場に関わったり、新卒メンバーに背中を大きく見せようとしたり、システム開発本部の品質向上活動に携わったり、ホスピタリティモンスターと評されたり……。
そんな自分の変遷を見てくれていたPLAN-Bのみなさんがいたからこそ、中途新人賞優秀賞という賞をいただけたのではないかと今は考えています。

勇気を手に入れたからといって、変わることがこわくなくなったわけではありません。ですが、変わることで得られるものは大きいと知ってしまいました。これからもこわがりながら、変わっていきたいと思います。

実は、こわがりの人はほかにもいます。SEARCH WRITE開発チームリーダーです。
こわがりのリーダーがいるチームだからこそ、助けられた場面も多いと感じています。

さいごに

今、「気持ちの良い開発体験していますか?」と聞かれたら、「しています」と答えられます。もちろん、現状がゴールというわけではありません。(今は「関西No.1の開発組織」を目指している道半ばです!)
入社を決めるまではいろんな不安がありましたし、入社してからもいろんな不安がありました。1年経った今、大きな目標に足がすくむこともありますが、前向きな気持ちで仕事に取り組めています。2021年の冬、異文化転職するという自分の決断を正解にできていることをうれしく思いますし、これからも正解にし続けたいと思っています。

コミュニケーション量がすごくて最初はくらくらしたという話もしたかったのですが、うまく織り込めませんでした。こちらはボス(本部長)のインタビューを読んでいただけたらと思います。

圧倒的なコミュニケーション量でプロダクトを開発 ー目指すは社会変革 【システム開発本部 執行役員 本部長インタビュー】

実はPLAN-Bではエンジニアを絶賛募集中です。興味をちょっとでも持っていただけましたら、一度お話ししてみませんか?
同じようなこわがりの方、「関西No.1の開発組織」を目指したい方、あるいは異文化転職してみたい方をお待ちしております!

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