SEOとは?SEO対策で上位表示する効果的な施策と事例
SEO対策
2025.01.08
更新日:2022.12.23
公開日:2021.12.07
2021年9月、Googleは「MUM(マム)」と呼ばれる、あらたな検索技術について発表しました。
MUMとはひとつの質問に対し、あらゆる情報を踏まえたうえで多角的に回答を提示する画期的な技術です。
知りたいことにたどり着けず繰り返し再検索していたことが、1度の検索で済んでしまうなど、私たちの行動にも大きな変化が生まれる機会となります。
本記事では、そんなMUMの特徴や仕組みについて紹介します。
MUM(マム)は、「Multitask Unified Model(マルチタスク統合モデル)」の略です。
2019年に発表された自然言語処理モデル(BERT)の、さらに次のステップとなる検索技術という位置づけとなっています。
MUMは「一言で答えられない問題」にも、多角的に答えてくれるのが大きな特徴です。
まずはそんなMUMの概要から解説していきます。
MUMとは複雑な質問から検索意図を的確に把握し、さまざまな状況や可能性も含めて答えを返してくれるアルゴリズムです。
通常ユーザーが何度も検索をして総合的に答えを導き出すような内容も、会話のような文章を打ちこむことで適切に答えを返してくれます。
アダムス山に登ったことがある人が、次の秋に富士山の登山を検討しているとしましょう。それに合わせて前回と異なる準備が必要なのかが知りたいとします。
これまでの検索では繰り返し検索し、それぞれで得た情報をもとに自分で答えを導き出さなくてはなりませんでした。
たとえば
などです。
ほかにも休憩所の有無やかかる費用など、さまざまな準備に備えて検索が必要となる場合もあるかもしれません。
実際Google側でもこのような複雑なクエリに対して、ユーザーが適切な答えへとたどり着くためには、8回ほどの検索が必要だと考えているようです。
それがMUMでは下記のような文章で検索することで、的確に検索意図を理解し、答えを導き出してくれるようになります。
アダムズ山に登山したことがある、次の秋に富士山に登山したい。前とは違って何を準備すべきか?(I’ve hiked Mt. Admas and I now want to hike Mt. Fuji next fall, what should I do differently to prepare?)
文章の中に含まれる複雑なクエリとその検索意図を理解し、ユーザーにとってどういった情報が必要なのか、求める答えを提示してくれるのです。
MUMはあいまいな質問に答えてくれる技術だけでなく、ユーザーが必要とするかもしれない関連情報などもあわせて提示してくれる技術が備わっています。
検索結果を絞り込み、より詳しい結果を提示する「Refine this search」機能。逆にズームアウトする形で幅広く関連する情報を提示する、「Broaden this search」機能なども実装されます。
このように同じ検索ワードでも、検索結果を絞り込んだり拡大したりした結果を返してくれるようになるのです。
検索した内容に対する答えや情報が、必ずしも検索言語圏内にあるとは限りません。また検索した内容が、国内と海外のスポットを比較する形になる場合もあります。
MUMではこのような場合、さまざまな国の異なる言語情報をひろく検知し、ユーザーの求める答えに近いものや好みに合うものを答えとして提示します。
75の言語と多くの異なるタスクでトレーニングされているため、このような多言語検索が実現可能になっています。
ひとつの国の情報にとらわれず、世界のさまざまな知識をもとに答えを導き出してくれるアルゴリズムなのです。
MUMを取り入れた新機能のひとつに、Googleレンズとの連携があります。
たとえばGoogleレンズで花柄のシャツを撮影し、「同じ柄の靴下」と検索することで、同じような柄の靴下の画像やショップへのリンクを提示してくれるようなイメージです。
また壊れてしまった自転車のパーツを撮影して「修理方法」と検索することで、修理に関するブログや記事、解説動画などが検索結果に表示されるのです。
いずれはハイキングブーツの写真を撮影し「これで富士山に登頂できるか」と尋ねることで、その結果が適切に得られるようになるよう、技術向上を目指しているようです。
もちろんその答えとしては「YES/NO」にとどまらず、適している時期かどうかや、より適したブーツの提案などへと発展していくことでしょう。
私たちが普段目にしている動画コンテンツにも、MUMの技術が反映されていく予定です。
動画の中に出てくる内容についても解析し、キーワード検索から「この動画の中に言及がある」という形でピックアップしてくれるのです。
検索キーワードに関する動画コンテンツを検索結果に提示、youtube内の検索でもおなじようなMUMを使ったレコメンド機能が導入されます。
たとえばマカロニペンギンの動画では、マカロニペンギンが家族を見つける手段や、捕食者から身を守る方法など、さまざまな関連動画をユーザーに提示してくれます。
MUMでは具体的に文章で語られていないようなことも、その動画の内容から把握し、検索結果として提示できるのです。
Things to know機能では、「知っておくとよい情報」として、必要な情報をまとめて教えてくれます。
探していることがらを、より簡単に理解できるようにするための検索機能です。
たとえば「acrylic painting(アクリル画)」で検索すると、下記のようにさまざまなトピックを返してくれます。
など、アクリル画に関連する350以上のトピックを表示してくれます。
この機能により、検索したことをより詳しく多角的に調べられるようになります。また今後は、検索することすら考えもしなかったような関連情報を提示し、ユーザーに新たな気付きを提案する予定だとのことです。
※なお発表当初は「Things to know」とされていたようですが、海外ではすでに「Things to consider」という表現で実装されているようです。
Refine this search機能では、調べたいことにズームインをすることで、より掘り下げた検索結果を提案してくれます。
「acrylic painting(アクリル画)」で検索した場合、Refine this searchとして下記のような関連情報が表示されます。
いずれも、アクリル画を描く上でのコツやアイディア、テクニックなどに関するものです。
クリックすることで、それぞれに関する検索結果があらたに表示されます。
検索ワードを拡張させて、より幅広い検索結果へと導いてくれるのが、Broaden this search機能です。
アクリル画について検索した場合、この機能では
などの関連情報が表示されます。
今後Googleの検索結果画面には、大小さまざまなサムネイルが取り入れられた表示結果となる予定です。画像はもちろん、動画なども同じように並びます。
これにより検索結果を視覚的に選べるようになるほか、知らなかったことを広く知る機会にもなるでしょう。
ハロウィンやクリスマスの飾りつけのアイディアなどで検索すると、さまざまな画像やサムネイルが表示されます。
現時点では日本では小さめのサムネイルのみで、大きなサムネイルは表示されていません。ですが、インスピレーションを得るには十分な検索結果となっています。
画像の通り、記事のアイキャッチや挿入画像以外にも、商品ページの画像などが混在しています。
こうしてみると、今後ますますアイキャッチや商品画像のクオリティには、力を入れるべきだということがうかがえます。
MUMはGoogle検索を、より便利でより豊かなものへと変えてくれるものです。
まだ日本語版Googleでは、すべての機能が実装されていません。
しかしアメリカ版Googleではすでに多くの機能が実装され、今後も機能向上を目指してアップデートしていく予定となっています。
このMUM導入により、検索の利便性が高まることは間違いありません。ぜひ今後の動向も見守っていきましょう。