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インターネット広告
2024.11.28
更新日:2024.05.07
公開日:2022.01.31
単品リピート通販とは、1つのカテゴリー、商品を扱い、顧客に商品をリピート購入してもらう通販モデルのことを指します。価格競争に巻き込まれにくく、事業、収益計画が立てやすい等のメリットがあるため様々な企業が参入し、市場規模は急激に拡大している状況です。
この記事では単品リピート通販を攻略するためには何をすればよいのか?何が重要なのかという疑問に答えていきます。
単品リピート通販とは、1つの商品やサービスまたは同一カテゴリに絞り、通販で継続的に販売を行う販売方式です。
オンラインでは縦長のランディングページにショッピングカートシステムを一体化させ、一貫してその商品のみを紹介するようなスタイルが主流となっています。基礎化粧品屋健康食品、サプリメントなどのBtoC商品が、多く取り扱われているジャンルとなります。
ECショップのように多くの商品を紹介するのではなく、1点のみ紹介する形式が基本。「単品リピート通販」という名前の通り、リピート購入(定期購入)してもらうことで成り立っているビジネスモデルでもあります。
単品リピート通販には複数のメリットがあります。
単品リピート通販で扱う商品の多くは、ドラッグストアやスーパーでは購入できないような「自社商品」がメインです。同じ商品を取り揃えて販売する総合通販とは異なり、競合他社との価格競争がおきにくい点が大きなメリットです。
購入者は価格より商品やサービスから得られるベネフィットを重視して購入するケースが多い点も、単品リピート通販の特徴でもあります。価格競争が全くないというわけではありませんが、安さだけを売りにするような販売スタイルは避けやすい傾向にあるのは確かです。
単品リピート通販では数多くの商品やバリエーションを揃える必要がありません。基本的には1ブランド・1商品で展開できるため、小規模からでも始めやすいメリットがあります。生産から在庫管理、販売サイトの設定も含め、ミニマムに行うことも可能。少ない人数で開始することももちろん可能ですし、初期費用もあまりかけずに開始できるというメリットもあります。
単品リピート通販は、定期購入やリピート購入を想定した、中長期的な生産管理や販売計画が立てやすいのが特徴です。これに伴いムダな商品生産を行わずに済むため、生産コストや管理コストなども抑えながら販売も行えます。
単品リピート通販で成功するために重要なポイントは大きく2点あります。
① 新規顧客獲得
② LTVの向上(リピート購入回数の向上)
新規顧客獲得は「定期購入」のため獲得ハードルが高く、認知、獲得に初期コストがかかるのが単品リピート通販の特徴でもあります。
また獲得した新規顧客にできるだけ多くリピート購入してもらう必要があります。リピートしてもらうことにより、新規顧客獲得でかかったコストを回収し、利益に転換していくことになります。
この記事ではどうやって「新規顧客獲得」「LTVの向上」を実現していけばよいかをご紹介します。
定期購入のため、新規顧客獲得ハードルが高いのが単品リピート通販モデルになります。そのためオフライン広告やTVCM、WEB広告、SNS運用など様々な手法を使い効率的に集客する必要があります。
今回は弊社が専門としているWEB広告において、どのように新規顧客を獲得していくかをご紹介していきます。
まず商品を売るためには商品の売り方(オファー)を決める必要があります。
オファー次第で売り上げが何倍にもなった事例もあるため、定期的に見直し、仮説検証していく必要があります。オファーには主に2種類あります。
① 1STEP(直定期)
② 2STEP
1STEPとは初回購入時から本商品(定期入会)を販売する売り方を指します。
1STEPは初回から本品を販売する分購入ハードルが高いため、広告を通して顧客の購入モチベーションを向上させる必要があります。1STEPに向いている商材は定期価格が高い商材です。
価格が高い商材は2STEPにするとお試しから定期購入への入会率である「引き上げ率」が悪くなる傾向にあるためです。1STEPのメリット、デメリットは下記の通りになります。
メリットはまず管理工数を最小限に抑えることができることです。
2STEPとは違い定期引き上げのためのCRMを整える必要がないことや、追うべきKPIが少ないことから最小限の管理工数でプロモーションを進めることが可能です。
また悩みが深いユーザーを獲得できるのもメリットの1つです。お試しではなく、初回から定期価格の本商品を購入するユーザーは抱えている悩みが深いユーザーと想定されます。
例えば同じダイエットサプリを購入するユーザーでも、500円のお試し商品を購入するユーザーと5,000円の本商品を初回から購入するユーザーでは、痩せたいという悩みの深さ、深刻度に違いがあります。(同じ経済状況のユーザーを比較した場合)
デメリットは顧客獲得単価(CPO)が高くなる傾向にあることです。初回から本商品の値段で定期購入をすることに抵抗がある顧客が多いため、顧客単価はどうしても高くなります。この対策として初回定期価格を割引し、お得感を出すケースが多くあります。
※具体例(株式会社ビタブリットジャパン ターミナリアファースト)
初回定期オファー:1,620円
定期価格:3,888円
2STEPとは初回はお試し商品を販売し、その後本商品を販売する売り方です。お試し商品購入後、電話やステップメール、同梱物で本商品の購入を促す「引き上げ」を行います。低価格で商品を試すことができるため購入ハードルが低く、多くの新規顧客を獲得することができます。
2STEPに向いている商材はユーザーが効果を実感しやすい商材です。ユーザーはお試しで効果を実感して、納得すると定期購入に至るためです。化粧品や短期間で効果を実感しやすい健康食品等は2STEPに向いていると言えます。2STEPのメリット、デメリットは以下の通りです。
メリットは初回お試し商品のため購入ハードルが低く、安い単価で多くのお試し顧客を獲得できる点になります。また一度商品を試した上で納得感をもって定期購入に至っているので、定期入会後のLTVは高い傾向にあります。
デメリットはお試しから定期購入への引き上げ率を追うために、CRM等も十分に整える必要があるため、管理工数がかかる点を挙げられます。
2STEPを成功させるためには定期購入への引き上げ率が重要です。お試し価格と本商品の値段に乖離がありすぎると引き上げ率が悪くなるケースがあるので注意しましょう。
例えば5,000円の定期商品の初回お試し商品の価格を100円に設定すると、「100円ならとりあえず試してみよう」というユーザーが多く購入するため、その後5,000円の定期購入に至らないユーザーが多くなることが想定されます。
※具体例(エーザイ株式会社 糖脂ブロック)
初回お試し:500円(14日分)
定期価格:3,888円
ここまでが1STEPと2STEPの違いの説明になります。
1STEP、2STEPのどちらが良いという正解はありません。リーチできるユーザーが違うためどちらか一方ではなく、両方を検証してみましょう。
おすすめはまずは管理工数的にも1STEPからプロモーションを開始し、ある程度事業が安定してからリーチを広げるためにも2STEPで潜在ユーザーへアプローチするという順番です。
オファーは男女や配信媒体、年収などのセグメントで使い分けることも時には有効です。ABテストを繰り返し、最適なオファーを見つけていきましょう。
クリエイティブ制作、媒体選定をする前にターゲットを選定する必要があります。どのような人に広告を配信し購入してもらうかを考えましょう。
今回はターゲット選定をする上で役立つ2つのフレームワークをご紹介します。
こちらはユーザーを顕在層、準顕在層、潜在層に分けたフレームです。各層の説明は下記の通りです。
一般的に顕在層⇒潜在層にいくにつれて、ユーザー母数は多くなります。ゆくゆくプロモーションを拡大していく上で潜在層を獲得することは必須ですが、まずは顕在層の獲得を目指していきましょう。
こちらはユーザーを悩みの顕在度と対策強弱で4つにユーザーを区分分けするフレームになります。各層は下記のように考えることができます。
対策の強弱は細かく見ると単に対策をしているか否かだけではありません。例えばダイエット商材の対策強弱で見ると、以下のような視点で分けることができます。
上記の他にも運動の頻度や強度、ジムへの課金、健康食品にかける値段などとさらに細かく分類することも可能なので、ターゲット像を鮮明にするためにも一度各ユーザー層を定義付けしてみましょう。
また、どのターゲット層を狙うかによってクリエイティブ制作の方向性も変わってきます。
例えば顕在対策層を狙う場合は今行っている対策より自社商品の方が良いということをクリエイティブを通してユーザーに理解してもらう必要があります。一方で潜在未対策層を狙う場合は悩みに対して危機喚起をし、クリエイティブで対策の必要性を刷り込むことが重要です。
このようにターゲット選定をすることでクリエイティブの方向性、配信する媒体の方向性が決まっていきます。まずはどのユーザー層の獲得を目指し、その後どういったユーザー層の獲得を目指していくのか戦略をもってプロモーションを進行していきましょう。
WEB広告を配信できる媒体はかなりの数があります。その中から自社の商品、オファーに適した媒体を選定する必要があります。
WEB広告は大きく分けると検索広告とディスプレイ広告に分類することができます。今回は単品リピート通販における媒体の選定方法を説明するので、検索広告、ディスプレイ広告の説明はこちらのリンクで確認してください。
検索広告は単品リピート通販でもGSN(Google広告)、YSA(Yahoo!広告)が最も有名な媒体になります。
単品リピート通販の場合、メインはディスプレイ広告になりますが、認知が拡大するにつれて検索で流入するユーザーも増加するため、検索広告も実施する必要があります。
ディスプレイ広告と比べて低コストで顧客を獲得できる傾向にあります。検索広告はまずGSN、YSAを攻略しましょう。
認知、獲得が必要な単品リピート通販では欠かせない手法になります。単品リピート通販に適している主な媒体はYDA、GDN、Facebook、LAP、Taboola、Outbrain、SmartNews、DocomoADNWなどがあります。
特により多くのユーザーにリーチできるYDA、Facebook、LAP、GDNの攻略を優先しましょう。媒体ごとにユーザーの特徴やリーチできるユーザーの層、設定可能なターゲティングが変わるため、媒体特性を理解し、商材やオファーにあった媒体を選定しましょう
ここまで検索広告、ディスプレイ広告について説明しましたが、予算が限られている場合、一気に色々な媒体に手を出すことはおすすめしていません。
理由は1媒体ごとの予算が少なくなり中途半端な検証で終わってしまうためです。予算を考慮し攻略する媒体に優先順位をつけましょう。
参考に事業フェーズごとの攻略優先媒体をご紹介します。
開始フェーズ⇒YDA、GDN、LAP、Facebook(Instagram含む)、GSN、YSA
拡大フェーズ⇒Outbrain、Taboola、Twitter、SmartNews、Gunosy、DocomoADNW
※開始フェーズは認知が広がっていないためGSN、YSAの指名は配信が出づらいことが予想されます。
単品リピート通販においてクリエイティブ制作は最も重要な工程になります。定期購入という高いハードルを乗り越えて購入に導くために最適なクリエイティブが必要です。
制作するクリエイティブはバナー画像&コピー、記事、アンケート、LP、カートの4つがあります。
バナー画像(誘導枠)は媒体で配信される画像を指し、コピーはタイトル文を指します。
バナーとコピー次第で流入するユーザーが変わるのでどのようなターゲットに流入して欲しいか、どの数値を改善(CTR,CVR)させたいかを仮説立てて制作しましょう。
例えばブランドパネルのようにオファー価格や商品の特徴を画像内文字として加えたバナーであればより商材に興味があるユーザーが流入し、逆に文字を一切入れずに人物や商品のみにして広告色をなくすと情報を得たいというモチベーションのユーザーの流入が増加します。
CTR、CVRにも直結するので定期的にPDCAを回し、商材の勝ちパターンを創出していきましょう。
単品リピート通販では直接商品LPには誘導せず、記事LPやアンケートLPを挟む成功事例が多く存在します。
理由は通常通販より購入ハードルが高いため、記事やアンケートでLPでは伝えきれない商材の魅力や効果効能、お得感をユーザーに理解してもらい、購入モチベーションを高める必要があるためです。
ここでは記事LP、アンケートLPの具体例と共に要素をご紹介します。
記事LPは潜在層のユーザーに対して危機喚起や対策の必要性を説明し、購入モチベーションを醸成することに向いています。
記事LPでは下記のようなコンテンツを含むことが多い傾向にあります。
例)リョウシンJV錠_記事LP(株式会社富山常備薬)
アンケートはユーザーが能動的に答える必要があるので、よりユーザーに訴求が伝わりやすいというメリットがあります。
またアンケート回答の特典として割引を付与することで、今しかないお得感をユーザーに与えることができ、購入意欲を醸成できるという特徴があります。アンケートLPでは下記のようなコンテンツを含むことが多い傾向にあります。
例)ASTALIFT_アンケートLP(株式会社富士フィルム)
記事LP、アンケートLPは最初から正解を制作するのは不可能です。ヒートマップを計測できるツールを入れ、修正&仮説検証を繰り返し、徐々に最適解を見つけていきましょう。
商品LPは記事、アンケートを読んで到達した購入意欲が高まっているユーザーが来訪するため、商品の魅力を端的に伝える必要があります。ユーザーの悩みを解決することができ、理想を叶えることができることをエビデンスと共に伝え、購入の後押しをしましょう。
商品LPのコンテンツは下記の項目が多い傾向にあります。
見落としがちなパーツになりますが、カートも極めて重要な部分になります。カートを改善するだけで離脱ユーザーが減少し、CVRが150%以上改善した事例もあります。
ユーザーになるべくストレスがかからないよう最適なUIを模索し、ソーシャルログインやAmazon pay等を用いることも検討しましょう。
また、カートや確認画面でアップセルを行うケースもあります。定期に入会することによるメリットを全面的に押し出し、効率的に引き上げを行うことが可能です。
ここまでクリエイティブ制作について説明しましたが、一番大切なことはクリーンなクリエイティブを制作するということです。
近年単品リピート通販においても誇大広告や虚偽広告を目にすることが多々あります。「3ヶ月で〇〇kg痩せます!」「たった1週間で血圧が〇〇まで下がります」等薬機法、景品表示法違反の広告もよく見かけます。
このような広告を制作すると3つのデメリットがあります。
商品の効果を誇張してユーザーを獲得しているので、使用してみると思っていたのと違ったと感じるユーザーは多くなります。期待値のギャップによる解約が目立ち、結果的にLTVが低下してしまいます。
近年媒体側もクリーンな広告しか掲載できないよう広告審査を強化しています。Yahoo!、Google、LINE、Facebookなどの規模の大きい媒体は年々審査を強化しているためせっかくクリエイティブを制作しても配信することができない状況に陥ります。
最後は薬機法違反で警察に逮捕される可能性があることです。これは広告主側も広告代理店も逮捕される可能性があり、年々規制が厳しくなっています。実際に摘発された事例もあり、直近では「ステラ漢方事件」で広告代理店側の人間も逮捕され話題になりました。
デメリット以前に、薬機法を遵守することは当然です。クリーンなクリエイティブで新規顧客を獲得し、顧客と長期的に良い関係を築いていきましょう。
単品リピート通販は新規顧客獲得にかかる広告費が商材単価を超えることが多いので、数回のリピート購入でようやく黒字転換できる収益モデルになります。そのためできるだけ多くリピート購入してもらうことが単品リピート通販攻略のカギになります。
ここではLTVの計算方法から、LTVを高める方法までご紹介します。
LTVの計算方法は以下の通りです。
例として下記の条件の商材で年間LTVを計算してみましょう。
★問題
★答え
※小数点以下切り捨て
この商材のLTVは11,148円になるため、新規顧客獲得1人あたりに広告費を11,148円以上使用すると赤字になってしまう計算になります。(勿論原価や販管費等を考えると広告費に使用できる金額はさらに少なくなります。)
LTVは販売戦略を引くうえでも、顧客獲得のCPA、CPOを決めるうえでも重要な指標です。この機会に算出できるようになりましょう。
またプロモーション開始当初はLTVを算出できないので、CPA、CPOを決めづらいという悩みが出てきます。
そのような時は株式会社イルグルムが提供している、LTVを予測してくれるLTV Forcastというツールがあるので、よければ活用してみてください。
ここからはどうやってLTVを高めていくか、つまりお客様により多くリピートして頂く方法について説明していきます。
先述のクリーンな広告の重要性でも述べましたが、まず顧客の購入時の期待値調整が重要です。
効果効能や商材を実際より誇張した広告を配信すると、届いてみると「思っていたのと違う」、「全然効果がない」とユーザーが当初の期待値とのギャップを感じて定期離脱をします。長期的な視点でユーザーとの良好な関係を築くためにも、クリーンな広告での顧客獲得を目指しましょう。
CRM(Customer Relationship Management)とは広義には顧客との関係性の管理のことを指します。顧客と定期的に接点を持ち良好な関係を築き上げることで、定期離脱を防ぎLTVの向上に繋がる施策になります。
具体的には下記のような施策があります。
電話、メール、同封同梱物、DM、LINE公式アカウント等別のチャネルでアプローチを構築することで、より効果的にリピートを促すことができます。CRMツールも近年増加しているため、自社商品にとってより良いシナリオ設計をしていきましょう。
以上内容をまとめると、単品リピート通販で成功するために重要なポイントは、
①新規顧客獲得
②LTVの向上(リピート購入回数の向上)
です。
上記2点を攻略するためにはオファー価格、KPI,LTV管理、媒体選定、クリエイティブ制作、広告運用、CRM、コールセンター管理などたくさんの要素があります。各要素において仮説検証しながら、自社商材の最適解を見つけていきましょう。
また既に単品リピート通販に関するノウハウを持っている広告代理店へ依頼するという選択肢も成功への近道になります。
弊社は「世界中の人々に「!」と「♡」を」を理念としており、クライアント様もエンドユーザー様も幸せになれるようにクリーンな広告による新規獲得を得意としています。少しでも興味がある方はまずはご相談だけでもご連絡ください。