プロダクトの「死の谷」を越えるため「組織の形」という視野をもって、プロダクトマネージャーの役割を考える
TECH
2022.12.23
更新日:2022.12.23
公開日:2021.06.11
私が関わったこれまでのプロジェクトでは「デザイン・UI」は、要求された仕様通りの機能を実装する際に 「レイアウト・ボタン・メッセージ等に不備に不足はないか、不具合は起きないか」という視点しか持っていませんでした。 本来必要とされる以下のようなことを、判断軸として持っておらず、しっかりと検証することができていませんでした。
ユーザービリティというキーワードに対しても 「ユーザビリティ = デザイン設計の一部」 のイメージを持っており 、Webデザインの担当者に任せっきりにしてしまっていました。
PLAN-BではプロダクトマネージャーとしてCast Me!に携わることになり、新機能のリリース前などのタイミングで、本来のユーザビリティを確認するために、何度かユーザービリティテストを実施してみました。
その結果得たことや改善ポイント、反省点・失敗だと感じたことについて、書籍・ブログなどから改めてインプットした知識をもとにふりかえりました。
私の持っていた「ユーザビリティ」というキーワードに対してのイメージは
というレベルでしたが 、実は国際規格のISO9241-11に定義がありました。
特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の 有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い
これらを満たし、ユーザーが満足できている状態が「ユーザービリティが高い(ユーザブル)」 と言えるようです。
個人的には以下のように解釈しました。
「誰に向けたサービス」「どんな状況・目的で利用されるのか」サービスを作るメンバーの認識が揃っていることがとても重要です。ユーザビリティの定義を満たせている(ユーザブル)かどうか、サービス関係者を交えてしっかり検証していく必要がありそうです。
ユーザービリティの定義はなんとなくわかりました。では実際ユーザーが満足できているか、ユーザービリティの評価・判断はどうするのか?となるのですが、評価の方法として有名なものは以下のような手法があります。
それぞれ一長一短があり、環境や状況に応じて選択する必要があります。
今回まずはユーザビリティの検証を始めてみるというフェーズなので、「ヒューリスティック評価」「認知的ウォークスルー」などの専門家が必要な手法よりも、まずはユーザービリティテストから試してみる判断をしました。
Cast Me! では、新機能をリリースする前に「致命的な使いにくさがないか」「ゴール(目的)を達成できないような構造になっていないか」などを確認するために、以下の流れでユーザービリティテストを実施しました。 (Cast Me! は企業向けとインフルエンサー向けのコンテンツや機能があるサービスです)
実施前に考え方や方針を設計しすりあわせ
実際にユーザービリティテストを実施してみて、今後改善すべきUI、機能などのサービスとしての使い勝手だけでなく、ユーザビリティテスト自体についても、改善すべき多くの課題に気づくことができました。
例えば…
知識や経験不足の中ではあったものの、実施したことでサービス自体や自分たちの進め方について、多くの課題や改善点に気づくことができました。また、見えていなかったユーザーの視点・気持ちの発見にも繋がり非常に実りある結果となりました。
実際にユーザビリティテストをやった後、書籍やWebの記事で得たことを踏まえて考えると、そもそもユーザービリティテスト以前の課題に気づきました。プロダクトの立ち上げ時に、UX設計をしっかり行い、対象となるペルソナの設定、何のためにどのタイミングでユーザビリティテストを実施するかの計画作りなど、プロダクトマネジメント全体を再考するきっかけになりました。
ユーザビリティテストを実施する前に、まずは以下の事前準備をします。
上記を踏まえて、「新規機能の企画・設計段階」「画面(ワイヤーフレームやモック)作成後」「大枠の実装完了時」 などにユーザービリティテストを実施することで、サービスの品質を向上させることができると考えています。
知識がない状態でユーザービリティテストを実施してみましたが、知識だけでなく経験として色々な課題や改善点など、プロダクトを改善するための多くの発見がありました。
まずは雑であったとしても、一度実施してみることに重要な意味があると感じました。
今後は更に理論や作法に沿ってテストの準備・実施をすることで 、より効果的に明確な結果を伴う検証ができると思います。 Cast Me!では引き続きユーザービリティ向上に継続的に取り組み、サービスの品質の向上を目指していきます。
エンジニアからプロダクトマネージャーになった時の記事もよければご覧ください。