
SEOとは?SEO対策で上位表示するための具体施策と事例を解説
SEO対策
最終更新日:2025.04.01
運営するWebサイトが大規模になるに従い、サイト構造やページ間リンクの設計に頭を悩ませる方も多いと思います。そこで本稿では、Webサイト設計やSEO対策において重要な要素である「パーマリンク」についてご紹介します。 各ページのパーマリンクの決め方は、大規模サイトを効率良く運営していく上で注意を払いたいポイントのひとつ。ともすれば属人的で適当なルールによって決められてしまうパーマリンクを体系的に管理するコツも交えて解説します。
「パーマリンク」とは「パーマネントリンク」の略です。直訳すると「永続する(Permanent)リンク」という意味で、Webサイトの各ページに割り当てられる固有のURLを指します。例えばニュースサイトやブログのトップページは、URLが変わらずに次々と記事が追加・更新されるため、トップページのURLにリンクを張っても目的の記事が閲覧できない場合があります。そこで、各記事に固有のURL(=パーマリンク)を割り当てることで、目的の記事に直接リンクを張ることができるのです。
パーマネントリンク
直訳すると“永久的なリンク”という意味。ニュースサイトやブログのように、1つのURLに次々と記事が追加・更新される場合、トップページのURLにリンクを張っても目的の記事そのものが閲覧できない場合がある。そこで、目的の記事単体のURLにリンクを張ることを指して“パーマネントリンク”と呼び、区別するケースがある。(出典:パーマネントリンクとは – コトバンク)
パーマリンクは大きく「ドメイン」と「スラッグ」の2要素で構成されています。
例えば……、
https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/41149/
というURLの場合、「 https://service.plan-b.co.jp 」の部分がドメイン、ドメイン以下の「 /blog/seo/41149/ 」の部分がスラッグです(※)。ドメインは自社サイト固有のもので、一度確定したら変更できないので、パーマリンクを決めることは「ページごとに固有のスラッグを割り当てること」と同義です。
※より厳密には /blog/seo/ の部分を「ディレクトリ」、41149 の部分を「スラッグ」と分ける考え方もあります。
各ページのパーマリンクの決め方、すなわちスラッグを割り当てる際の考え方を紹介します。結論から言えば「ユーザーにとっての分かりやすさ」と「運用者にとっての管理のしやすさ」のバランスを意識して決めるのがベストです。
パーマリンクを決める際の視点として、 以下の3つが挙げられます。
後述しますが、「3.クローラーの視点」として取り組めることは多くないので、「1.ユーザーの視点」「2.サイト運用者の視点」を重視すべきです。
ユーザーの視点としては、「サイトの構造が分かりやすい(自分がサイト内のどの位置にいるのか分かる)」 「ページの内容がパーマリンクから伝わること」ことが重要です。一方、サイト運用者の視点としては、「後で変更する手間が発生しにくいパーマリンク」であることが重要です。
それでは「1.ユーザーの視点」に沿って、パーマリンクの分かりやすさが重要な理由を考えてみましょう。
仮に自社で大規模なメディアサイトを運用しているとします。サイト内ではSEO対策や広告運用、SNSマーケティング、HTMLの書き方、フロントエンド実装など、デジタルマーケティングに関する様々な情報を発信しています。そのメディアサイトを何度も訪れているユーザーは、どのような階層構造であり、どのページに行けばどのような情報が得られるかをおおまかにでも把握しているはずです。
しかし、初めてそのメディアサイトを訪れたユーザーはどうでしょうか。どのような情報を発信しているのか、自分が探している情報をこのメディアサイトから得られるか等は初見では分かりません。 また、仮にSNSマーケティングの情報を探しているユーザーがこのメディアサイトを訪れて、SEO対策のページを閲覧したとします。その際、このようなパーマリンクであればいかがでしょうか。
https://service.plan-b.co.jp/12345678/ (※URLは架空のものです)
このパーマリンクでは、このメディアサイトが「デジタルマーケティングに関する複数のカテゴリを扱っていること」が伝わりづらいですよね。立ち上げてまだ間もない、掲載記事の少ないメディアサイトだと勘違いされる可能性もあります。
では、このようなパーマリンクであればどうでしょうか。
https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/how-to-write-good-articles/ (※URLは架空のものです)
SEOだけではなくその他のカテゴリを扱っていることがユーザーに伝わるはずです。「SEO以外にも、SNSマーケティングの記事もありそうだ」とユーザーが思ってくれるかもしれません。
もちろんページのレイアウトを見やすくしたり、ページ間を遷移しやすいよう導線を充実させたりする取り組みは大前提です。 また当然ながら、ユーザーが最初に閲覧した記事(今回の例で言えばSEO対策のページ) が低品質であれば、ユーザーはそこで興味を失って離脱してしまうので、良質な記事を掲載することはパーマリンクの命名を考えるよりもはるかに重要です。つまり、少しの労力でユーザーの見る目を変えることができる「パーマリンクの命名」を疎かにしてはいけない、ということがここでの趣旨になります。
また、「3.クローラーの視点」についても触れておきましょう。率直に言うと、クローラー対策においてはパーマリンクの改善でできることは限定的です。具体的にできることは2つあります。
1.単語を繋がず「-」で区切って表記する
(アンダースコアも可能だがハイフン推奨)
良い例)https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/how-to-write-good-articles/
悪い例)https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/howtowritegoodarticles/
2.過度に複雑なパーマリンクを避ける
良い例)https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/
悪い例)https://www.plan-b.co.jp/blog/seo/?sort_type=ascending&author_id=123
(参考資料1:Google検索セントラル「シンプルなURL構造を維持する」)
上述の内容は、いずれもクローラー観点のみならずユーザー観点でも「分かりやすいパーマリンク」の提供に寄与しており、パーマリンクの設定で押さえておきたいポイントになります。Googleが公式に発表している「Google が掲げる 10 の事実」においても、「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」という記述があります。ユーザー観点でより良いものを提供する取り組みを継続していれば、結果的にクローラー観点でも良い結果が得られるということが言えるでしょう。
では具体的に、ユーザーに分かりやすいパーマリンクとはどのようなものでしょうか。
再掲になりますが、以下2点の特徴が挙げられます。
「1.サイトの構造が分かりやすい」に関しては、前述の例のように、/blog/seo/ というサイトの階層構造をパーマリンクで示すことが必要ですが、これには大前提としてサイトのカテゴリ構造を整理する必要があります。
カテゴリ構造については下記の記事で詳しく解説しておりますので、ご参照ください。
「ページの内容が分かりやすい」に関しては、前述の例の/how-to-write-good-articles/ の部分が相当し、記事の内容を端的に表す文言をスラッグに割り当てます。Googleのジョン・ミューラー氏によれば、日本語の使用も問題ないとのこと(※参考資料2)ですが、URLを第三者に共有する際に文字化けするデメリットがあるので、可能な限り英語を使う方が良いと考えられます。
(参考資料2:YouTube「Can my URLs use non-English words? – SEO Snippets」)
では視点を変えて、「運用者にとっての管理のしやすさ」についても考えてみましょう。管理しやすいパーマリンクの最も大きな特徴は、「後で変更する必要が発生しづらい」ことです。
Webサイトの運営を開始した初期段階では、全体構造や各ページの内容を把握しておくことは容易ですが、Webサイトが大規模になるに従い管理の難易度が上がります。例えば、メディアサイトであれば記事が増える過程で、過去に掲載した記事(記事A)と似た内容の記事(記事B)が生まれることもあるでしょう。記事Bのパーマリンクを柔軟に調整できれば問題ありませんが、仮に何らかの理由で記事Aと同じパーマリンクを記事Bに付けなければならない場合、記事Aのパーマリンクを変更しなければなりません。
あるいは、Webサイトの規模拡大のために複数のメンバーが並行で記事を書くケースでは、メンバーによってパーマリンクの付け方がバラバラだとWebサイトとしての統一感がなくなり、後で一括して修正する必要があります。「作業の手間はかかるが、単発の修正作業ならばそれほど問題ではないのでは?」と思われるかもしれません。確かにそこまで膨大な時間を奪われるケースは多くないかもしれませんが、それ以上にSEO観点での影響が懸念されます。
Webサイトの統一感がSEO観点でどのように重要なのかは、下記の記事で解説しています。ぜひご覧ください。
ページにリダイレクトを設定することでパーマリンクの変更自体は問題なく行えますが、検索エンジンがページを再インデックスし、新しいページにSEOの評価が引き継がれるまでに一定の時間を要するため、その期間は検索経由のサイト流入が減少します。ビジネス的な機会損失を最小限に抑えるためにも、パーマリンクの変更は可能な限り避けるべきです。
運用メンバー間でパーマリンクの命名規則が綿密に定められており、上述の懸念を避けられるならば、個々のページのパーマリンクを手動で決めても問題ありません。しかしそれが難しい場合は、後述する自動付与の方式も選択肢のひとつとなります。
管理しやすいパーマリンクとは「後で変更する必要が生じにくい」という特徴が挙げられます。前述のように組織として運用体制が整っている場合は、パーマリンクの命名規則を明確に定義して、1ページずつ手動でパーマリンクを設定していく方法もあります。この場合、以下のことが必要となります。
このようにチーム内で決めるべきことが多々あり、またそれを全メンバーに抜け漏れなく周知していく仕組みや、メンバーが入れ替わるときの引き継ぎフロー等も整備しなければなりません。また、決めた運用ルールがしっかり遵守される風土や、各メンバーの当事者意識の高さも必要です。 しかし、これからページを量産していこうと考える企業のメディアにおいては、このような運用は向かないケースが多いと思われます。その場合は、記事ごとにIDを採番し、機械的に割り振る方法が効率的です。
日付や執筆者のIDなどを基に一定のルールで記事IDを決めたり、WordPressであればパーマリンクのスラッグに記事IDを自動で指定することも可能です。当メディア「PINTO!」も管理のしやすさという観点から、記事IDを採番して管理する方式を採用しています。
パーマリンクの決め方や重視すべき観点、運用時の具体的なポイントについて紹介しました。Webサイトが大規模になるに従って運用の難易度は上がります。本稿で紹介した内容が、皆さんの運用効率化に少しでもお役に立てたなら幸いです。