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2025.02.03
更新日:2022.12.23
公開日:2017.06.21
2020年東京五輪まで、あと3年。世界的な大イベントの開催を目の前に、ビジネス、とりわけマーケティングの観点からも注目が集まっています。多くのスポーツファンや外国人観光客が日本を訪れると考えられるこの機会を有効に活用できれば申し分ありません。
さて、近年、スポーツ業界でもマーケティング戦略が非常に重要視されているのをご存知でしょうか。
そこでこのコラムでは、スポーツ業界でのマーケティング事例をご紹介し、業界に関係なく活かすことのできるマーケティングの勘所について解説します。
2016年9月、バスケットボールの新しいプロリーグ「B.LEAGUE」が開幕しました。開幕前から各種メディアでのプロモーションも目立ちましたが、具体的にはどのようなマーケティング施策を実践していたのでしょうか?
B.LEAGUEでは観客のメインを10代から30代の年齢層とし、その層の多くが所持しているスマートフォンを活用したサービスを展開。スマートフォンの専用アプリから購入できる電子チケットで会場に入ることのできる仕組みを取り入れました。
また、アプリの利用継続、ひいてはリピート観戦を促すために画面デザインを好きなチームのカラーに変更できる機能も組み込んでいます。
また、このアプリはリーグが主導して構築したデータベースと連携しています。このデータベースでは、チケット購入者や来場者の情報を一元的に管理できるようになっており、各ユーザーに最適化された情報やサービスを提供することを可能にしています。
さらに、試合の告知や速報、ハイライト映像などをプッシュ通知で取得できるため、ユーザーはいつでも応援するチームの最新情報や当日の試合状況を知ることができます。
地上波でも放送された開幕戦。華やかなオープニングセレモニーに驚かれた方も多かったのではないでしょうか? 特に、話題を集めたのがLEDコート。ゲーム中、展開に応じて様々なグラフィックやメッセージが表示される様は圧巻でしたね。
CGによる様々な表現や、ペンライトと連動した非日常的なエンターテインメントの演出も行うことで、今までのバスケットボール観戦になかった新たな観戦体験を提供したことは間違いないでしょう。
2014年に「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれた「カープ女子」。”野球はおじさんの観るスポーツ”といった固定概念を変え、若い女性の人気を獲得するに至った背景にもマーケティングの妙があります。
半世紀以上、(初代)広島市民球場を本拠地としていた広島東洋カープは、2009年より広島市民球場(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)を本拠地としています。このMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島は、米国MLBの球場を参考に「ボールパーク」として設計されています。
これまでの球場では考えられなかったこのような座席や遊具が豊富に設置されており、まさにボールパークとして老若男女問わず楽しめる施設となっています。
さらに、2017年6月にはシャープが開発した「funband」というグッズを発売しました。このグッズはスマートフォンアプリと連動した腕時計型のウェアラブル端末で、試合状況を一目で把握できます。さらに、身につけている人の動きを「応援動作」として感知し、数値化したものをクラウドへ送信します。送信されたデータは、集計されて「応援ランキング」の表示に使われるほか、球場やテレビ放送での演出に利用されています。
米国MLB(Major League Baseball)だけではなく、日本プロ野球でもチーム編成において活用されるようになった「セイバーメトリクス」
オークランド・アスレチックスがセイバーメトリクスを活用し、膨大な量のデータをチーム編成に活かした結果、リーグ屈指の競合へと成長したことを記録した書籍(後に映画化)「マネー・ボール」で有名になりました。
そして、本国である米国ではセイバーメトリクスで取り上げられる様々なデータが、チーム編成だけでなく野球ファンが観戦を楽しむツールの1つとしても利用されるようになっていることをご存知でしょうか?
スタジアムだけではなく、スポーツバーなどでタブレットを片手に観戦しているファンの姿も目にするようになっています。彼らの多くは、MLB公式サイトやファンサイトが公開しているデータや、独自にまとめたデータを見ながら試合を楽しんでいるのです。
そして、MLBでのデータ活用はさらに進化しています。近年では「スタットキャスト」と呼ばれる解析システムを導入したことで、盗塁の際の到達速度や選手の守備範囲などのデータを瞬時に計測できるようになりました。
また、ホームランの飛距離のような今までは推定値だった数値を、「スタットキャスト」で正確に導き出すことができるようになりました。
このスタットキャストを活用して、現在では打球速度や外野から本塁への送球スピードといったものをテレビ中継時に表示する試みも行われています。MLBは、様々なデータをファンをより一層楽しませるためのツールとして有効活用していると言えるでしょう。
米サッカーリーグのMLS(Major League Soccer)では、オールスターゲームのチームキャプテンを選ぶ投票イベントをSNSで実施しました。MLSの公式アカウントをフォローした上で、キャプテン候補3人の中から1人を選び、その写真を投稿する、という仕組みです。
このイベントの興味深い点は、実施されたSNSが「Snapchat」であったことです。
MLSは、MLBやNFLといった歴史の長い「4大スポーツ」と比べると、若年層の人気が強く、12歳から24歳の間ではNFLに次いで2番目に人気のあるスポーツだという調査結果があります。
Snapchatは米国において10代の利用率が急上昇しているSNSであり、MLSが10代をキャンペーンのターゲットとしたことで、プラットフォームにSnapchatを採用したと考えられます。
今回ご紹介した事例では、実際にスタジアムや球場に足を運んでいる来場者だけではなく、スマートフォンアプリやSNS、公式サイトを活用して幅広いファンにアプローチしている点が注目に値します。
マーケティング領域全体で、O2OやIoTといった言葉を耳にすることが多くなっているとおり、オンラインとオフラインを結びつけながら来店時・サービス利用時“以外”にもファン(既存顧客)に対して積極的にアプローチしていくことが重要だと言えるでしょう。
特に国内においては、“インスタ映え”するかどうかが飲食店や雑貨店などの人気を左右する重要な要素となりつつあります。
スポーツ業界においても、B.LEAGUEのLEDコートや、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島の斬新な座席や遊具は、まさに“インスタ映え”しそうな被写体と言えるのではないでしょうか?
Instagramだけではなく、SNS全般での情報拡散はプロモーションにおいて非常に重要な要素となっています。たとえば、「つば九郎」のようなマスコットキャラクターを活用することによって、自社や商品・サービスのブランディングを行いつつSNS上での情報拡散を狙っていくことができるでしょう。
一方で、大小さまざまなSNSが運営されている今日では、MLSでの事例のようにターゲット層に合った最適なSNSを選択することも重要です。
今回は、スポーツ業界でのマーケティング事例と、そこから見えるマーケティングの勘所について説明しました。
2020年東京五輪に向けて、特に国内のスポーツ業界はさらに活気づいていくことが予想され、スポーツチームやそれを支援する企業や団体によるマーケティング活動もより活発化していくでしょう。
その結果、他の業界でも学ぶべきところのある事例が数多く生まれることが期待されます。