TikTok Shop成功事例から学ぶ|売れる商材と失敗の理由
SNSマーケティング
最終更新日:2026.07.03
TikTokやInstagramで商品を見つけ、そのまま購入した経験はないでしょうか。
SNSは、商品を知る場だけでなく、比較・検討や購入にも関わる販売チャネルとして活用されています。この記事では、ソーシャルコマースと従来ECの違いや代表的な活用方法、主要SNSの特徴、導入前に確認しておきたいポイントを整理します。
この記事を読むとわかること
ソーシャルコマースとは、SNS上のコンテンツやコミュニケーションをきっかけに、商品の発見から比較・検討、購入までをつなぐ販売手法です。
SNSを認知拡大だけに使うのではなく、購入までの一連の流れに組み込む点に特徴があります。
従来のECでは、検索などをきっかけに商品を探し、ECサイトで比較・検討して購入する流れが一般的でした。
一方、ソーシャルコマースでは、SNSで流れてきた動画やLIVE配信などをきっかけに商品へ興味を持ち、その流れのままSNS内の注文ページやECサイトへ進みます。TikTok Shopのように、SNS内で決済まで完結できるサービスもあります。
つまり、従来ECとの大きな違いは、SNSで商品を知ったあとの購入までの距離を縮めやすいことです。
比較項目 | 従来型EC(Amazonや楽天市場、自社ECサイトなど) | ソーシャルコマース |
|---|---|---|
商品を知るきっかけ | 検索・広告・比較サイト | SNSの動画・ライブ配信・クリエイター・口コミ |
購入までの流れ | ECサイトへ移動して比較・検討 | SNS内で購入、またはECサイトへ遷移して購入 |
購入を後押しする情報 | 商品説明・価格・仕様 | 実演動画・レビュー・コメント・ライブ配信 |
特徴 | 欲しい商品を探して購入しやすい | 商品との偶然の出会いから購入につながりやすい |
注目が高まっている背景は、購入のきっかけが検索だけでなくSNS上の発見へ広がっていることです。特に、短尺動画・ライブ配信・クリエイターの紹介により、商品の特徴を視覚的かつ具体的に伝えやすくなりました。
商品を購入する前に、SNSで口コミや使用感、他の商品との違いを調べるユーザーが増えています。
企業の公式情報だけではわからない、実際の使用感や購入者の感想を確認してから判断したいためです。
そのためSNSは、商品を知ってもらうだけでなく、購入前の比較・検討にも使われる重要な接点になっています。ソーシャルコマースに取り組む際も、ターゲットがどのSNSで、どのような情報を集めているかを把握することが大切です。
2025年6月に日本で始まったTikTok Shopは、動画やLIVE配信で商品を知り、そのまま購入できるソーシャルコマースの一つです。
TikTok公式によると、提供開始から1年間のGMV(流通総額)の70%以上が、ショート動画やLIVE配信などのコンテンツをきっかけとした購入でした。また、2026年6月の利用者数は2025年7月と比べて30倍以上に増加しています。
利用者は18〜34歳が約4割、35歳以上が約6割です。SNSで商品と出会い、そのまま購入する体験は、若年層だけでなく幅広い世代に広がっています。
出典:TikTok Newsroom「TikTok Shop、日本での提供開始から1年 ~利用動向データおよび事例を公開~」(2026年7月28日)
ソーシャルコマースの強みは、ユーザーが商品に興味を持ったその瞬間に、ページを離脱させることなく購入画面や詳細ページへ誘導できる点にあります。具体的な購買動線としては、以下のようなシーンが挙げられます。
このように、商品の魅力を深く理解し、購買意欲が最高潮に達したタイミングで購入手続きを進められるのがソーシャルコマースならではのメリットです。
しかし、単に購入までのステップを短縮するだけで売上が伸びるわけではありません。動画による魅力的な訴求、商品ページの充実度、さらには適切な在庫管理や確実な発送体制など、事前に設計を行うことが成功の鍵を握ります。

ソーシャルコマースにはさまざまな手法があり、実際の運用では、「購入までの導線をつくる」「リアルタイムで購入を後押しする」「第三者を通じて接点を広げる」「購入者の声を次の検討につなげる」など、複数の役割を組み合わせて活用します。
弊社でも「まず何から始めればいいですか?」とご相談いただくことがありますが、最初からすべてに取り組む必要はありません。商品やターゲット、社内体制に合わせて、優先順位を決めることが大切です。
ここでは、代表的な4つの活用方法を紹介します。
活用方法 | 主な役割 | 向いている状況 |
ショップ型 | SNSから購入までの導線をつくる | 商品への興味をそのまま購入につなげたい |
|---|---|---|
ライブコマース型 | 実演・対話で購入を後押しする | 使用感や違いを説明しながら販売したい |
インフルエンサー・アフィリエイト型 | 第三者の発信で接点を広げる | 自社の発信だけでは届きにくい層へ届けたい |
UGC・レビュー活用型 | 購入者の声を次の検討につなげる | 使用感や購入後のイメージを伝えたい |
SNS上の商品情報やショッピング機能を使い、投稿や動画から購入につなげる方法です。
TikTok Shopのように、商品を知った流れのままアプリ内で決済まで進めるサービスもあれば、Instagramのように商品情報を見せたあと外部ECサイトへ誘導する形もあります。
共通しているのは、SNS上で商品に興味を持ったユーザーを、購入意欲が薄れる前に購入導線へつなぐことです。
ライブ配信を通じて商品を紹介し、視聴者からの質問にリアルタイムで回答しながら販売する方法です。
サイズ感や使用感など、商品ページだけでは伝わりにくい情報を補えるため、購入前の不安を解消しやすくなります。また、ライブ限定価格や配信中だけの特典を組み合わせることで、「今買う理由」をつくりやすい点も特徴です。
インフルエンサーに商品を紹介してもらい、その投稿やライブ配信から購入につなげる方法です。アフィリエイトの仕組みを活用し、売上などの成果に応じて報酬を支払う形もあります。
企業の公式発信だけでは届きにくい層へ接点を広げられる一方、フォロワー数だけで選ぶのではなく、商材との相性、過去の発信、販売実績、表現上のリスクを確認することが重要です。
購入者が投稿したレビューや写真、動画などのUGC(User Generated Content)を、次の購入者の検討材料として活用する方法です。
実際の購入者による発信は、商品の使用感や購入後のイメージを伝えやすく、企業からの商品説明とは異なる角度から購入判断を後押しできます。
レビュー依頼や投稿キャンペーンを行う際は、企業の関与がある投稿であることを適切に示すとともに、投稿を二次利用する場合の許諾についても確認しましょう。
ソーシャルコマースに展開できるSNSプラットフォームは多岐にわたり、それぞれ強みとなる役割が異なります。
よく「最初からすべてのSNSを運用すべきか」というご相談をいただきますが、初期段階から無理に複数媒体へ広げる必要はありません。まずは「どの商品を」「誰に向けて」届けたいのかを明確にし、自社に最適な1つのプラットフォームで成功モデルを確立することが、その後の安定した運用につながります。
TikTokの最大の強みは、独自のおすすめアルゴリズムにより、フォロワー以外のユーザーにもコンテンツが届きやすい点にあります。
さらに「TikTok Shop」の導入により、動画やライブ配信の視聴から購入までをシームレスにつなげることが可能になりました。商品の実演や使用前後の変化、具体的なライフスタイルへの取り込み方を視覚的にアピールしながら、効率よく販売できます。
「すでにある程度の認知はあるが新規獲得が頭打ちになっている」「主要なECモールだけではアプローチできない層にアプローチしたい」といった課題を抱える企業様において、TikTok Shopを新たな新規顧客獲得のチャネルとして戦略的に導入する事例が増えています。
Instagramは、フィード、リール、ストーリーズなどの多様な投稿フォーマットを組み合わせることで、商品の外観や活用方法、さらにはブランドの世界観を多角的に、かつ継続して発信できるプラットフォームです。
アパレルやコスメ、インテリアといった、「視覚的なデザイン」や「実際の使用イメージ」が購入の決定打となる商材において、その魅力を最大限に引き出すことができます。
新規ユーザーとの偶然の出会いを生み出すことに長けたTikTokに対し、Instagramは一度興味を持ってくれたユーザーとの関係を深めていくエンゲージメントの構築に適しています。ファンとの繋がりを強化し、購入の決断やリピート利用へ繋げたい場面で真価を発揮します。
自社に最適なSNSを選ぶ際は、以下の3つの観点から商品と運用目的を照らし合わせ、注力する媒体を1つに絞ります。
最初から複数のSNSを同時に広げるのではなく、まずは自社の商品特性と目的に合う媒体を軸に運用し、反応を見ながら広げていく方が判断しやすくなります。
SNSで商品を売る場合は、動画を投稿するだけではなく、「売れた後」まで含めて準備しておくことが大切です。特に、次の3つは事前に確認しておきましょう。
確認すること | 現場でよくある課題 | 始める前に決めておきたいこと |
|---|---|---|
① 運用体制 | 投稿やライブ配信を続けられず更新が止まる | 投稿・ライブ配信を担当する人員(目安1〜3名)、投稿頻度、企画・撮影・編集・コメント対応の役割分担 |
② 在庫・発送体制 | ライブ配信やセールで注文が集中し、在庫切れや発送ミスが起こる | 在庫をどこで管理するか、発送体制、問い合わせ対応、受注が増えた場合の対応フロー |
③ インフルエンサー施策 | 依頼できるインフルエンサーが見つからない、スケジュール調整が進まない | 自社で探すか、インフルエンサーネットワークを持つパートナーへ相談するか |
ソーシャルコマースでは、継続的な投稿やライブ配信が欠かせません。企画・撮影・編集・投稿・コメント対応までを一人で担うと、運用が止まってしまうケースも少なくありません。
投稿頻度やライブ配信の回数を決めたうえで、目安として1〜3名程度で役割を分担できる体制を整えておくと、継続しやすくなります。
SNSでは、ライブ配信やタイムセールをきっかけに短時間で注文が集中することがあります。
在庫は自社で管理するのか物流会社へ委託するのか、在庫数は誰が更新するのか、問い合わせには誰が対応するのか?といった運用ルールを事前に決めておくことが重要です。
SNSは反応が早い分、発送や問い合わせ対応の遅れも購入者に伝わりやすい媒体です。商品を売る仕組みだけでなく、売れた後の対応まで含めて設計しておくことが、継続的な販売につながります。
「誰に商品を紹介してもらえばよいのか分からない」「依頼したいタイミングでスケジュールが合う人を見つけられない」といった声は、実際によくいただきます。
自社で一人ずつ候補を探して依頼することもできますが、選定や条件調整には時間と工数がかかります。短期間で販売施策を始めたい場合や、複数のインフルエンサーと連携したい場合は、インフルエンサーネットワークを持つ代理店へ相談する方法もあります。まずは自社で対応できる範囲を整理し、工数やスピードを踏まえて外部と連携するか判断すると進めやすくなります。
実際に使う様子を見せることで魅力が伝わりやすい商品と相性があります。例えば、コスメ、食品、日用品、ファッション、インテリアなどは、動画やライブ配信で使用イメージを伝えやすい商材です。一方、高価格帯の商品でも、比較やレビューを丁寧に行うことで成果につながるケースがあります。商品だけで判断するのではなく、「動画で価値を伝えられるか」という視点で考えることが重要です。
SNSのアカウント開設や利用自体に必須となる費用はありません。発生するコストの大部分は、動画の撮影・編集に必要な機材や人員の確保、あるいはインフルエンサーへの謝礼といった運用面の費用です。自社リソースを活用して内製化する場合、機材費や人件費などの実費を除けば、極めて少額の予算からスタートできます。
最適な発信頻度は、扱う商材や活用するSNSプラットフォームによってそれぞれ異なります。ただし、単発の投稿やライブ配信だけで十分な成果を得ることは難しいため、継続して発信していくことが大前提となります。まずは社内の運用体制に合わせて、無理なく維持できるベースの頻度を設定し、ユーザーの反応やデータを検証しながら段階的に最適化していくのが良いでしょう。
自社完結での運用も不可能ではありません。しかし、最適なインフルエンサーのリストアップや条件面の交渉、進行管理などには、想定以上の時間と労力がかかります。そのため、まずは自社でカバーできる業務範囲を明確にしたうえで、豊富なインフルエンサーネットワークを保有する外部パートナーとの共同運用を視野に入れることもおすすめします
投稿したコンテンツがSNSのアルゴリズムに評価されるようになるには、一定の投稿量と継続的な期間が求められます。そのため、短期間での成果を期待するのではなく、コンテンツを地道に蓄積していく中長期的な視点を持って運用することをおすすめします。