クローズドなTwitter?じわじわ注目を集める「マストドン」とは?

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    編集部注:2024年3月13日にリンク切れを修正しました。

    急拡大を続けている振興SNS「マストドン」。多くのメディアで取り上げられ、一部では”ポストTwitter”とも言われるなど、注目度の高まりはとどまるところを知りません。一方で、「マストドンって実際どんなものなの?」「他のSNSとどう違うの?」など、疑問をお持ちの方も多いはず。

    そこで、本コラムではマストドンの解説を通してそれらの疑問を解消するとともに、今後のマーケティング活用の可能性について探っていきます。


    SNS界のニューフェイス!「マストドン」とは?

    「マストドン(Mastodon)」とは、2016年の10月にドイツ人の若者が公開したオープンソースの分散型SNSサービスの名称です。

    日本においては2017年4月頃からWeb上で急速に話題を集め、ユーザー数は拡大の一途。Twitterのように短文の投稿を行え、タイムラインなどでフォローしている人の投稿を閲覧できることなどから、メディアでは“ポストTwitter”と言われることも。

    一方、これまでのSNSとは一線を画した特徴を持つことから、新たなSNSとして期待を集めています。

    「マストドン」の仕組み

    では具体的にマストドンとはどのようなSNSなのか、その仕組みを詳しく見ていきましょう。

    マストドンの仕組み

    01: 多数の「インスタンス」から構成されている

    マストドンは、多数の「インスタンス」と呼ばれるマストドンサーバから構成されているのが特徴。各インスタンスがユーザーを保持する仕組みのため、ユーザーがマストドンに参加する際は、どのインスタンスに参加するか決定した上でアカウントを作成する必要があります。

    インスタンスの多くは、趣味嗜好や属性・地域などの共通項を持つユーザーから構成されており、参加した瞬間から同じ話題を共有できます。このインスタンス同士は、「連合」としてゆるくつながっているケースが多いものの、すべてがつながっているわけではない点に注意が必要でしょう。


    02:タイムラインが3種類存在する

    マストドンには、自分の「ホームタイムライン」の他、「ローカルタイムライン」と「連合タイムライン」が存在します。

    1つ目のホームタイムラインは、自分がフォローしている人の投稿が表示されます。Twitterのタイムラインと同様のものと考えれば良いでしょう。2つ目のローカルタイムラインは、自分が所属しているインスタンスの全ユーザーが公開している投稿が表示されます。

    3つ目の連合タイムラインは自分の所属するインスタンスのユーザーに加え、そのユーザーがフォローしている他インスタンスのユーザーの投稿が表示されます。2つ目と3つ目に関しては、切り替えて表示する仕組みになっています。


    03:投稿は500文字まで

    マストドンでの投稿は「トゥート」と呼ばれ、Twitterでいうツイートに相当します。ただし、ツイートは140文字までであるもののトゥートは500文字まで投稿可能です。ちなみにリツイートは「ブースト」と呼ばれます。


    04:インスタンスを超えてフォロー、メンションできる

    自分が所属しているインスタンス外のユーザーでも、「リモートフォロー」という形でフォロー可能です。また、インスタンス外のユーザーに対してメンションしたいときは、「@ユーザーID@インスタンス名」で送ることができます。

    このような仕組みを持つマストドンには、次のような手順で利用を開始することができます。


    マストドンの利用開始までの手順

    01:登録するインスタンスを決める

    前述の通り、マストドンは多数のインスタンスから構成されており、ユーザーはインスタンスごとにアカウントを作成する必要があります。そのため、まずは登録するインスタンスを決めましょう。

    たとえば、下記のインスタンスは登録者数が多く動きも活発なため、はじめてマストドンに登録するという方にはおすすめです。

    mstdn.jp

    https://mstdn.jp

    マストドンの日本サーバインスタンス。マストドンを使うのであれば、まずアカウントを作成しておきたいインスタンスです。

    • ユーザー数:142,884人
    • トゥート数:12,569,045トゥート
    pawoo.net

    https://pawoo.net

    Pixiv(ピクシブ)が運営するインスタンス。Pixivユーザーを中心に、デザイナーやクリエイターが多く集まっているインスタンスです。

    • ユーザー数:183,398人
    • トゥート数:5,165,471トゥート
    friends.nico

    https://friends.nico ※2024年3月現在はサービスを終了しています。

    ニコニコ動画を運営するドワンゴの公式インスタンス。ニコニコ動画ユーザーが多く集まっているインスタンスです。

    • ユーザー数:50,182人
    • トゥート数:3,994,990トゥート

    02:アカウントを作る

    登録するインスタンスを決めたら、早速アカウントを作成しましょう。アカウントは、「ユーザー名」「メールアドレス」「パスワード」を入力するだけで簡単に作成できます。

    アカウントを作る


    03:登録確認メールに記載されているリンクをクリックする

    アカウント作成画面で必要事項を入力して「参加する」をクリックすると、入力したメールアドレス宛に登録確認メールが届きます。このメールに記載されているリンクをクリックしましょう。

    登録確認メールに記載されているリンクをクリックする

    以上で、インスタンスへの登録が完了します。


    他のSNSとどう違うのか?

    「他のSNSとは異なる」と表現されることの多いマストドン。では、具体的にどのような点が他のSNSと異なるのでしょうか?

    まず最大の違いが、マストドンは“分散型”のSNSであるということ。TwitterやFacebookのように1社が全ユーザーを囲い込んでいる中央集権的なSNSとは異なり、ユーザーを持つそれぞれのインスタンスがゆるくつながりあって「連合」を形成しています。

    マストドンの特徴

    マストドンを動作させるためのサーバであるインスタンスは、オープンソースで公開されているため知識とリソースさえあれば誰でも立ち上げることが可能です。日本でもすでに多くの企業や個人によって立ち上げられています。

    これらは独立しており、運営方針や悪質な投稿に対する対処なども各サーバ管理者に任せられます。このような自由度の高さも他のSNSとは一線を画している点でしょう。

    また、独自の機能として押さえておきたいのが「CW」と「NSFW」です。

    CWとは、簡単に言うと自分の投稿の本文を隠す機能です。他のユーザーは、「もっと見る」をタップすることではじめて本文を見ることが可能になります。例えば、ネタバレなど配慮が必要な投稿に用いると良いでしょう。

    一方、NSFWは本文ではなく、画像を一旦非表示にして投稿する方法。アダルトコンテンツや、ショッキングな画像などに用いるケースが多いです。


    今注目を集めているワケ

    これまで解説してきたように、マストドンは他のSNSと一線を画す様々な特徴が大きく支持されています。

    しかし、その中でも特にマストドンが注目されているワケは、自分で参加できるインスタンスを選ぶことで心地よいコミュニケーションが生まれる点にあるのではないでしょうか?

    自分にあったインスタンスに参加するということは、特に近い考え方や特性を持った人が集まるコミュニティに参加するようなものです。

    生活者のライフスタイルが細分化しているとマーケティングの文脈でよく語られますが、こうした細分化した世の中において自分と共通点を持った人たちと容易につながり、すぐに一体感のあるコミュニケーションが生まれるという点が多くのユーザーを虜にしているワケと言えるでしょう。


    今後のマーケティング活用の可能性

    マストドンは新たなSNSのため、今はまだ具体的なマーケティング活用はされていません。しかし、今後主要なインスタンスの特性が理解され活用の土壌が整えば、効率的なマーケティングツールとして活用できる可能性は高いと考えられます。

    例えば、インフルエンサーマーケティングにおいては、いかに拡散させるかということが重要です。

    インスタンスは趣味をはじめとした共通項を持つクラスタで構成されている上、他SNSよりもユーザー同士のつながりが強固なため、はじめから拡散させたい話題に興味を持ちそうな人が多く含まれるインスタンスを選んで投稿できれば、より共通の話題としてシェアされ大きな効果を期待できるでしょう。


    まとめ

    本コラムでは、最近話題を集めているマストドンの仕組みについて簡単に解説した上で、今後のマーケティング活用の可能性までを考察しました。

    現在多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組まれていると思いますが、こうした新たなプラットフォームの出現でその在り方も大きく変わってくるかもしれません。今後どのような動向を見せるかぜひともチェックしていきたいところです。

    PLAN‐Bでは、常にこのような最新動向を見据えながら、コンテンツマーケティングをはじめWebマーケティングを包括的に支援しています。常に変動するWebの世界において、自社のマーケティングがどのように在るべきかお悩みの方はお気軽にご相談ください。