【5分でわかる】GTM(Googleタグマネージャー)の設定方法
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現代では世の中に「いい商品」「いいサービス」が溢れています。
むしろ「いいもの」しか存在しないのではないかと思えるほどです。
もはや「いいもの」を作ったからと言って必ず売れる時代ではなくなっています。
それでは、たくさんある「いいもの」の中で、貴社の商品やブランドをお客様に選んでいただくためには、どうすればいいのか。
商品・ブランドの機能的な価値だけではなく、情緒的な価値を醸成することが必要となってきているのではないか。
今回はブランディングという観点から、非常に重要となってくる「機能的価値」と「情緒的価値」という考え方について、PR漫画の事例を交えながらお話します。
機能的価値というのは、文字通り、その商材が機能面や品質面においてお客様に提供できる価値のことを指します。
わかりやすく例を挙げると、
「最新のスマートフォン」の場合、以下のような機能的価値が考えられます。
・容量が大きくて便利!
・デザインがスタイリッシュになった!
・カメラの画素数が従来の◯◯倍!
・いろんな機能がついている!
当然のことですが、大前提として、世の中で売れている人気商品やサービスというのはこの機能的価値が高いことが多く、お客様から商品・サービスを選んでもらうためには最低限必要な要素になります。
ですが、様々な「いいもの」が溢れている昨今では、機能的価値だけで競合他社と差別化をはかるのは非常に難しくなってきています。
さらに、今は自社だけの特別な機能的価値であったとしても、技術革新が速く続々と高機能な新商品が開発されている現代では、競合他社の研究や企業努力によってさらに機能的価値の高い商品が生み出されてしまい、自社だけが持っていた機能的価値が薄れてしまうということも多々あります。
一方で、情緒的価値というのは、その商品やサービスを使用した際にお客様が体感できる精神的な付加価値のことを指します。
つまり、機能面での便利性などに関する価値ではなく、お客様の感情に訴えかける価値のことです。
Apple製品などが良い例なのですが、
・持っているとカッコイイというイメージがある
・世の中に貢献したいという理念がある
・スティーブジョブズの人間性やカリスマ性
という部分に情緒的価値を見出しているファンをたくさん獲得しています。
つまり、情緒的価値を訴求することは、機能的価値による一時的な顧客の獲得ではなく、ブランド・商品自体の「ファンづくり」につながるということが言えます。
さらに、このようにApple製品のファンとなったお客様は、継続的にApple製品の新商品を購入するようになりますよね。
その結果、市場価格や機能的価値での競争に巻き込まれることなく、安定して商品を販売し続けていける可能性が高まるのです。
以上のことから、お客様を獲得するためには機能的価値ももちろん最低限必要なのですが、情緒的価値を訴求しお客様の心を動かすことで、目先の売上だけでなく中長期的に商品・ブランドを愛してくれるファンを獲得することが重要であると言えます。
SNS漫画家を活用したインフルエンサーマーケティングにおいても、機能的価値だけでなく情緒的価値の訴求が重要となってくるケースがあります。
もちろん目的にもよりますが、直接的な購買アクションを促す目的ではなく、商材のブランディング、ファンづくりを目的とした施策①では、漫画による情緒的価値の訴求が効果的です。
少し極端な例にはなりますが、漫画内で機能的価値の訴求を一切排除し、情緒的価値のみを訴求したことにより大きなエンゲージメントを獲得したPR漫画投稿事例を紹介します。
(参照元:https://www.instagram.com/p/BxrcYL3H8hq/)
株式会社エポックケミカル様の「らくやきマーカー」という商品のPR漫画投稿なのですが、この商品は、お皿や陶器にマーカーで好きな絵を描きレンジで温めるだけで、お子様でも誰でも簡単に世界に一つだけのオリジナルの陶器を作ることができるというオリジナリティのある商品です。
そのような機能的価値を持った商品であるにも関わらず、このPR漫画内ではそれらについて一切触れていません。機能的価値に触れるどころか、漫画内に商品名すら登場していません。
ではどのように商品をPRしているのか、と言いますと、仕事で忙しくてなかなかお子様との時間を作れないパパに、小さなお子様が「らくやきマーカー」を使って、父の日にサプライズでパパへの感謝の気持ちを込めたオリジナルのお皿をプレゼントする、というハートフルでほっこりする内容の漫画が描かれています。
商品の特徴や強みを説明したり紹介したりするのではなく、読者の感情に訴えかけて心に残るストーリーを描き、読者の心理変容を促したのです。
その結果、PR投稿であるにも関わらずInstagramで37,000以上のいいね数を獲得することに成功し、大きな広告効果をもたらしました。
さらには、こういったPR手法の場合、漫画の後に商品紹介のページが1~2枚投稿されるケースが多いのですが、こちらの投稿では、漫画の後にも商品紹介やお得なキャンペーン情報を掲載するということもありません。
ただ、漫画の後に、「父の日に手作りの贈り物をプレゼントしませんか?」というメッセージで「父の日らくやきコンテスト」という、この商品を使ったコンテストの告知をしています。
そうすることで、商品の良さをアピールして「買ってください」と読者に訴えかけるのではなく、父の日という家族にとって大切なイベントでかけがえのない思い出を作ろうというメッセージを込めることで、読者の心理変容を促すという座組になっています。
この投稿によって、商品自体のファンになった読者は少なくないのではないでしょうか。(実は僕もこの漫画を読んで、らくやきマーカーを購入してしまいました。)
こちらはTwitterで人気の恋愛漫画家様によるPR投稿事例です。
エキュートさんの広告で漫画を描かせていただきました!詳しくは→ https://t.co/N9VoEtvEui#エキュート #サプライズ #クリスマス pic.twitter.com/CRwDnzr3ro
— 埜生(やお) (@nanashi_lie) November 1, 2018
エキュート様のクリスマスケーキのPRなのですが、ケーキの紹介(価格や材料など)がメインではなく、カップルのサプライズプレゼントをテーマにした漫画を制作・投稿した結果、PR投稿であるにも関わらず1万以上のいいねを集めることに成功しています。
また、情緒的価値の訴求がメインにはなっているものの、「見た目が可愛い」「切り分けるとハート形になる」といった機能的価値の訴求も盛り込まれており、ストーリー漫画として好印象を与えるだけではなく、商品のブランディングにも成功していると言えます。
これらの事例は機能的価値の訴求を捨て情緒的価値の訴求に振り切った極端なPR事例ではありますが、このように漫画という特性を活かし、漫画ならではの情緒的なストーリーを作成することで、読者の感情に訴えかけることができ、結果として商品自体の「ファンづくり」につながります。
いかがでしたか?
「機能的価値」と「情緒的価値」、商品やブランドを売り出す上でどちらも重要です。
ですが、特に意識せずに自社の商品やサービスの訴求ポイントを考えると、「この商品はここが優れている!」「他社にはないこんな特徴がある!」など、どうしても機能的価値の観点から企業側の一方的なアピールが多くなってしまいがちです。
もちろんそういった部分も最低限必要で大切なことではあるのですが、残念ながらそれだけでは「いいもの」に溢れる現代でお客様の心に残る訴求はできません。
お客様の心を動かし、商品・ブランドを長く愛してくれるファンになってもらうためには、機能面だけでなく情緒的価値を訴求したメッセージを活用したプロモーション施策を考えることが重要です。
そうすることで、一時的ではなく中長期的な売上の向上にもつながるはずです。